お題:待ってて
隙間から覗き込む太陽の光で目が覚めた。
……やっぱりまだ見慣れない天井だ。
昨日彼女と喧嘩した。
そのせいかここで目を覚ますのも昔のことのように感じる。
まだ1日しか経ってないのに。
着替えてからリビングにいくと、すでに彼女がいた。
「昨日はごめん。」
「その話、昨日散々したでしょ?
こちらこそごめんね。」
彼女はよっと言いながら立ち上がる。
「これからきっとまた衝突することもあるよ。
その度にぶつけ合っていこ。」
薄いカーテンから差し込む灯りが彼女を包む。
暖かな笑顔だった。
そうだ。
お互いの価値観が合わないこともある。
でも言わなきゃわからないんだ。
ぶつかることが怖くても、辛くても。
ちょっとずつ知って、受け止めていきたい。
「待ってて、コーヒー。いれてくるから。」
彼女はキッチンへ向かう。
その背中を見て思った。
こんな日々が続いてくれればいいな、と。
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2/13/2023, 11:57:02 PM