『巡り会えたら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
クラスも学年も違うあなたとこうして出会えたのは、奇跡だと思う。今は10月だけど、あっという間にお別れの季節がやってきちゃいそうで、怖いな。行動しない後悔はつらいものだって、頭の中ではわかっているけど、ちゃんと伝えられるのかな。ねぇ、もし巡り会える日が来たら、初めて出会ったあの日のことを、また話したいな。でも、あなたはあの日のことをまだ覚えているのかな。もう、忘れてしまったかな。忘れちゃっても大丈夫だよ。僕がずっと、覚えているから。だから、大丈夫。
「巡り会えたら」
巡り会うのは素敵なことだろう。例えば、映画やドラマの恋物語が思い浮かぶ。最後は巡り会い、ハッピーエンドといったストーリー。よーく考えられているなと感心したり、結末がわかっていても、なんかときめきを感じてしまったり。脳は、現実か夢かは、わからなくなると聞いたことがあるので、夢の中でいつでも、誰かと巡り会うのはどうだろう。恋物語、濃い物語、今日も夢で「巡り会えたら」素敵なことだろうな。
イーナ
もしもまた巡り会えたら、私の右手の小指とあなたの右足の小指を交換しよう。
ー巡り会えたらー
ある占い師は私に
「今年は運命の人に出会えるでしょう」
と言った。
私は何でも信じやすい性格で
運命の人と聞いてとても喜んだ。
そこからは
毎日この人かな‥いや、この人かも…
など考えながら過ごしていた。
だけど、運命の相手と巡り会った!!
なんてことはなかった。
その時の私は分かってなかった。
運命だけに任せていては
運命の出会いなどないことを。
運命の人じゃなくて
運命を変えてしまう人に
出会ってしまったと。
巡り会えたら
この偶然の中で
1%しかない奇跡の中で
君とまた
巡り会えたらいいな。
巡り会えたら、
日々の生活の中に静かに潜む微かな巡り合いでさえも
1つ溢さず感じ取れる人間でありたい。
また、明日。何かに巡り会えたら、
心が移りゆく様を言葉にしたい
たとえ、星が降る日に一度だけしか会えなくても
君を想って毎晩空を眺めるよ。
「巡り会えたら」
「ただいま帰りましたー」
ソファに座ってのんびりスマホを見ていると、玄関から愛らしい声が響き渡った。
俺は立ち上がって恋人がいる玄関に足を向ける。居間の扉を開けると彼女が飛び込んできた。
「おかえりー!!」
「ただいまー!!!」
俺は彼女を正面から受け止めて、力強く抱き締める。彼女もぎゅーっと抱き締めてくれて、もう毎日が幸せです。
ゆっくりと腕の力を抜くと、彼女は満面の笑みでポケットから何かを取りだす。そして俺の目の前に差し出した。金属が擦れる音と共に揺れ動くのは精巧なクリームソーダのチャームだった。
それを認識した瞬間、目を大きく開けて叫んでしまった。
「あーーー!!!」
それはずっと探していたクリームソーダのチャーム。とあるお店で期間限定メニューのおまけ商品だった。
クリームソーダが好きな俺としては欲しかったんだけれど、俺も彼女もその存在を知ったのは期間が過ぎた後だった。
後からSNSで知った時のショックたるや半端じゃなくて、それから結構探していた。
「ど、ど、どうしたのこれ!?」
「今日、久しぶりに会えたお客さんからもらったんです!」
「え、え!?」
「あげます!!」
「いいの!!?」
「もちろん、そのためにもらったんですから」
彼女は目を細めて、俺の手の上にクリームソーダのチャームを乗せてくれた。
「やったー!! やっと巡り会えたーーー!! 会いたかったよー!!」
俺がチャームに頬ずりしていると、さっきより満足気に微笑む彼女。俺はそんな彼女に頭を下げつつ、両手は敬うように上げた。
「ありがとうございますー!! いや、冗談抜きで! 本当に大事にするね」
「ずっと探していたの、知っていたので喜んでくれれば嬉しいです」
「絶っっっっっ対、大事にする!!」
これはそのチャームに視線を向ける。綺麗な造形に感激で胸が震えそうだ。
そして、俺はこのチャームをどうしても欲しい理由があった。
淡い黄緑色のクリームソーダのチャームは炭酸も氷もリアルで、クオリティがかなり高い。そしてなにより、乗っかっているアイスクリームはクッキーを使ってパンダを模していたのだ。
俺の恋人はパンダの着ぐるみに近い部屋着を着ている。
好きなもの(クリームソーダ)✕好きなもの(パンダを彷彿させる恋人)なんだ。
欲しいに決まっているでしょ。
彼女が貰ってきてくれたのは申し訳なさがあるけれど、それ以上に感謝でいっぱいになった。
「これ、今度はうさぎのアイスクリームのクリームソーダを作ってくださいって言っておきました!」
「んんっ!?」
「第二弾、やってくれるそうですよ!」
サラッと爆弾を落とすような発言に俺は口を開いてしまう。彼女の表情は見る見るうちにいたずらっ子のような悪い笑顔になっていった。
「まさか……」
「はい。お店のマスターがお客さんです!」
そう言うと彼女は、同じチャームをもうひとつ見せてくれた。
してやったり。
そう顔に書いてある。
俺は彼女の客の幅広さに脱帽していると、腕を絡めて耳元に囁いてくれた。
「今度は一緒に行きましょ」
おわり
一四〇、巡り会えたら
さあ、4年に一度のオリンピック、ドジョウ掴みの決勝戦。
果たして世界一ドジョウ掴みがうまいのは誰なのか?
それを決める試合が、これから始まります。
早速選手が入場してきました。
先に入って来たのは――日本代表の柳下選手。
『シャイニングフィンガー』の異名を持つ、恐ろしく早いドジョウ掴みが持ち味です。
日本は十年前の優勝以来、いい成績を残せてません。
不作の十年を超えた希望の星です!
ですが!
ここに!
柳下選手がやってきました!
奇跡をもう一度。
日本中の期待を背負って、今エントリーです。
対戦相手は、ツカミ王国代表、ド・ジョー。
彼の持ち味は、一度掴んだドジョウは決して逃さない『ブラックホール』の持ち主。
日本の優勝は――いえ、他の国々の優勝は彼の手によって阻まれました。
10年間、チャンピオンの座を保持し続けた、不動の王!
『ブラックホール』ド・ジョー、今エントリー!
入場した両者は、ドジョウの泳ぐ水槽を挟み、礼をします。
『シャイニングフィンガー』と『ブラックホール』。
今、光と闇の戦いが始まります。
果たしてどちらに勝利のドジョウは微笑むのか……
審判が今、『開始』のコールをしました!
おっと、開始直後にもかかわらず、両者はすでにドジョウを掴んでいます!
私でなければ見逃していましたね。
コレが決勝戦のレベル。
これは波乱の予感です。
二人は掴んだドジョウをバケツに入れ、再び水槽に腕を入れました。
そしてドジョウを掴み――いえ、掴んでおりません。
一体どういう事でしょう!?
両選手、ドジョウを掴めないようです。
掴まれまいとドジョウ、逃げ回ります。
これまでの戦いで、毎回百匹以上捕まえている彼が苦戦しているー!
異常事態!
これは異常事態です!
会場も騒然としています!
まさか、これは……
理論だけは提唱されていた、『ドジョウ進化論』!!
『選手と同様に、ドジョウもレベルアップするのだ』という机上の空論。
私は信じていませんでしたが、どうやら本当だったようです。
ドジョウたちは生存競争を潜り抜け、誰にも掴まれない術を身に着けたようです
両選手に焦りが見えます。
無理もありません、
ドジョウを掴むどころか、触れることすら出来ないのですから……
両選手が手こずっている間も、制限時間は刻一刻と過ぎています
今、柳下選手がドジョウを掴もうとして――
ああっと失敗!
ドジョウはスルリと逃げていきました
かすりもしません。
これは痛い。
失敗のダメージは意外と大きいですからね
引きずらないといいのですが……
そして両選手がカウントを増やせないまま、時間は過ぎていきます。
制限時間あと30秒!
もう時間がありません。
もしかしたら大会初、ドジョウの一人勝ち――いえ、一匹勝ちもあり得ます。
どうなってしまうのかー!
おっと柳下選手、目を瞑っています。
どうやら精神統一をしているようです
確かに、闇雲にやっても逆効果ですからね
心を落ち着けるのは正解です
ですがもう時間は無い……
吉とでるか凶と出るか
今、残り十秒のブザーが鳴ります!
柳下選手、目を開け水槽に手を入れました。
そして――おお、掴みました!
そして試合終了のブザー。
優勝は柳下選手で――
待ってください。
審判が柳下選手のドジョウを見ています
まさか、これは……
審判の判定出ました。
ウナギです!
柳下選手の掴んだものは、ドジョウではなくウナギです!
ペナルティで一匹減点。
とうことは、柳下選手0匹、ド・ジョー選手1匹。
ド・ジョー選手の優勝だ。
日本、またしても優勝逃す!
奇跡はありません!
二匹目のドジョウはいませんでした!
◇
「これが『二匹目のドジョウ』のエピソードよ。
また一つ賢くなったね」
「へー(ドジョウとウナギ間違えたくらいで、ホラを吹かなくても……)」
~とある姉弟の会話~
巡り巡って会って別れて、迷路に迷い込んだように複雑に、ただ確実に。
あっちに行けば近くなるのにたどり着かず、こっちに行ったら行きどまって、そっちに行ったら遠くなる。
でも、巡っていれば必ず会えるとわかってる。でも会ったら別れなきゃいけない。
巡り会えたらまた巡る。
(巡り会えたら)
もう一度だけ、あなたに巡り会えたら私はきっと恋に落ちるだろう。
そして、かつてと同じように日々を重ねていくのだろう。
二本の線が交じり合い、一つの綱を作り出すように。
その終として、あなたに、愛するあなたに私の想いを告白して、愛を育んでいく。
運命の赤い糸のように、人生を交差させていく。私の糸とあなたの糸とで。
織り合わせて一枚の布地にする。二人の思い出で飾り合わせて。
何かが二人を引き裂こうとしても、二人の糸で縫い合わせていけばいい。
だから、不安に思わなくていいんだ。
これからも、二人で縫い合わせていこう。
人生というタペストリーを描き紡ぎ出していくためにーー。
好きな人がいた
華奢で、思慮深くて、メガネのときと外した時のギャップが凄くて、自分だけの軸をもった、かっこいい人。
その人とは、碌に言葉を交わさずに終わってしまった。
テストの点数どうだったとか、そんなのでしか関われなかった。
もっと、もっと、はあ……
もう一度会いたいな
『巡り会えたら』
#巡り会えたら
「……華。」
華、会いに来たよ。
今日は雨だよ、せっかく電車で行こうと思ったのに豪雨の影響で駅が混んでて遅れちゃった。
「……んもぅ、いつまで怒ってんの……、私は謝りたいのに。」
私達、実は喧嘩中。
私はすっかり熱も冷めて反省しているのに、華はいつになってもさましてくれない。
今日は、今日こそはといつも訪れているのに相手にもしてくれない。
華は、喧嘩した次の日、信号無視の軽自動車に突っ込まれたんだ。
それで、謝れなくて、謝りたくてきたのに目を覚ましていなくて。
伝わったら起きてくれるかなってなんどもごめんねって言ってるのに何週間経っても状況は変わらない。
なんだかバカバカしくなってきた。
なによ、もう。
謝らせてよ……
いつになったら謝れるかな……、また二人で、一緒にいたいだけなのに。
また、謝らせてよ。
また遊ぼう?
そうだな……、まだ目は覚まさないようなら、夢で巡り会えたら。
こんなときに君がいてくれたなら
あなたが優しく笑うならば
ぼくは世界を愛せただろう
だから理不尽だ
何でも無いように
君を見つけるように
光が差した夏日で
またぼくはあなたを見つける
こんなこと夢であっていいものかしら
なんてそうつぶやきながら
遠くで鳴る汽車の音
川沿いの道を一人歩いた
君が住んでいた町
駅のあたりのビル群が
霞むぐらいに遠い
バス停をいくつか通り過ぎた
そしてバスが追い抜いていく
君に巡り合えたらなんて
そんなことありえないのに
僕らの道はあの日別れて
今はもう何も知らない
ただ奇跡が起きない限り
この世界はいつもと変わらないだろう
巡り会えたら
初恋は貴方だったと伝えよう
貴方は小さな気遣いに溢れた人だった
貴方は誰にでも優しい人だった
貴方は少し繊細で
でもそれを隠そうと必死に頑張って
それで少し失敗をしてしまった人だった
私はそれを知っていたと伝えよう
ある日から学校に来なくなって
それ以来もう何年も会っていないけど
他の人が言っていた悪いとことの何倍も
貴方の優しさも強さも
私は知って、好きになったんだと
巡り会えたら伝えよう
──何度でも。
永遠だなんて信じてなかったのに、きみが何回も何回も欲しい言葉を言ってくれるから、ずいぶん欲張りになっちゃった。生涯どころじゃなくて来世のその先まで誓うって言うんなら、信じてみてもいいかなって。
ほんとはね、今でも信じきれてるわけじゃないんだよ。でも、まあ来世をあげてもいいって思えるのは君くらいだから、信じてるってことにしておいて。
じゃあね、また来世で。こっちが会いに行くのが先か、きみが会いにくるのが先か、勝負でもしてみようか。
(巡り会えたら)
自分よりも大切な誰かに
また巡り会えたら良いなぁ。
巡り会えたら、
隕石は降り続けるこの宇宙で、
君はいつも消えてしまいそうなぐらい儚くて、
綺麗で、
僕と生きてほしかった。
僕を忘れないで。お願い。
君は記憶がどこかに飛んでっちゃう
病気になっちゃった。お医者さんが言うには、
脳みそが原因だって。僕は心が痛かった。
きっと君のが痛かったのに。
僕だけが泣いていて、僕を慰めてくれた。
君の1滴だけの涙は忘れないよ。
僕たちはもう君とは会えない。
僕を知っている君には、
もう会えない。
一生一緒って小さい小指で約束してくれたあの日を思い出す。あの約束はもう燃え尽きてしまったんだ。
僕はなんてわがままなんだろう。
君の病気をすごく恨んでいる。
そんなのしょうがないのに。
君の記憶は日に日に、
パズルのピースみたいに1個ずつ失くしてく。
ある日ついに、
僕も忘れられた。でも、
僕を見た瞬間、言ってくれたんだ。
「かっこいいですね。」
僕は君の中にまだ残ってる気がして、
明日にはきっと消えてしまうのに、
記憶は残らないくせに。
僕と君の関係について教えた。
そんな日々を続けて、
君が、君自身が。
君を忘れた日が来た時も。
何度も、何度も。
君を0に戻したくない。
でもまた来たある日、君は、
見知らぬ場所に恐怖を覚えた。
そして挨拶をする僕に怖く覚えた。
僕に会う度、忘れてたのに僕を褒めてくれてた君が。
あぁ、もう終わりの日が来たんだ。
「ごめんなさい、人を間違えました。」
そういって部屋を出る。
部屋から出た後、
僕は崩れて落ちて、泣いた。別れなきゃ、いけない時はいつか来るなんて分かってたのに。
涙は止まらなくて、君を思えば思うほど、
胸が痛くて。
また僕と巡り会えないかな。なんて。
わがままが僕に囁いてくる。
でも、ダメだよ。
もう僕のことは、好きじゃないし、知らない、人だし。
今の君は、僕とは無関係だから。
君には、家族もいるし、きっと、大丈夫だから。
僕は……血の繋がりすらないし。
今の君との繋がりなんて、ひとつも無いから。
声を殺して泣きながら、僕はその場から去った。
会えなくなって随分たった
諦めるしかなかった恋を
忘れたくても
忘れられない
人生それなりに歩んできた今
もう一度彼に巡り会えたら
最高の最後のプレゼント