『巡り会えたら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
・巡り会えたら
「わたし、生まれたくなんてないわ」
やわらかい雲の布団にくるまって、その少女…とおぼしき『たましい』は言った。かたわらにはもう一つ、少年…とおぼしき『たましい』が、愛おしそうに控えている。
「ぼくは、早く生まれたいなぁ。人間になって、早く君をこの腕で抱きしめたいもの」
たましい、とは、ふわふわした、実体のない存在だ。手もなければ足もない。でももし、その時彼女が顔を持っていたら、その顔は真っ赤だったに違いない。
僕はそっと、二人に近づく。一切の感情を消して。義務的に。
「生まれる準備ができました。お二人とも、こちらへどうぞ」
僕は天使。この空の上で、神様の助手として、たましいがうまれる手伝いをする者。保護者、と言ってもいい。幸せそうに後をついてくる二人が愛しくて、僕は思わず泣きそうになる。
世界の広さを、この子らは知らない。生きているうちに出会える確率なんて、足元の雲を成している水蒸気の粒よりもわずかなものだろう。
たった一人、僕にもいた。いつか巡り会えると信じて、別れた人が。だけど。
僕の手はあの人に届かないままだ。
「おい。そこの天使。仕事が遅いぞ。順番を待つたましいは山ほどいるんだ。テキパキ動け」
全知全能の、女神様。愛する人は、「山ほどいる」たましいの一つであった僕のことなど、覚えてもいないのだから。
ふっと、自嘲気味に笑って。
「はいはい。分かってますよ」
泣くのは、やめにしよう。僕にできるのは、この子たちを応援することだけだ。
雲の上の天使ではなく、愛する人を持つ、先輩として。
今すぐ巡り会えたならこんなにも嬉しいことはない
早く、未来の旦那さん!
私はずっと願い続けている。
もう一度あなたと巡り会うことを。
そして、触れ合えることを……
〜巡り会えたら〜
巡り会えたら…
例えば
素敵な人
素敵な本
素敵な花
素敵な鳥
素敵な店…
生きていく中で
どれだけの
『素敵』に巡り会う事出来るかしら?
自分も
誰かの素敵な人だと思われるようにしたいな♪
お題
巡り会えたら
『巡り会えたら』
死にたいと思った。
この世界から消えてしまいたいと。
何か辛いことがあった訳では無い。
だが、幸せなことも無かった気がする。
朝起きて仕事に行き自分の職務をこなし、定時に上がって一人暮らしの家に帰り眠りにつく。
ただただ『普通』の生活を過ごす毎日。
いつからそう思い始めたのか…。
思い出せないのはそれぐらい前からなのか、無意識に考えていたからか分からない。
気づいたらその思いは自分で抑えが聞かないほど大きなものになっていたのだ。
思い立ったが吉日という言葉を思い出し、規則通りの手続きを済ませ退職し急いで身辺整理をして後腐れが無い状態にした。
少しの罪悪感も湧かない自分に驚いてしまったが、もう後戻りは出来ないしするつもりもない。
最期は綺麗な星空を眺めながら海の中で迎えたいと思い、調べた良さげな場所へ行くことにした。
身軽な状態で電車に揺られ知らない土地へ向かう。
日が落ち月が上り始めた頃その場所に着く。
ちょうど天気が良く満天の星が見える日だったらしい。
満月の明かりで多少は霞んで見えてしまうが、それでもあまりの星の多さに声が出ず眺めていると声をかけられた。
「綺麗ですよね、星も月も」
誰もいないと思っていた為驚いて振り返ると、そこには自分と同じく身軽な格好をしている人が月明かりに照らされて居た。
返答に困っていると続けてその人は言った。
「あなたもですか」
それは一体何を指す言葉なのか、驚いて固まってしまった自分には理解が出来なかった。
が、少ししてその人も自分と同じ目的なのだと察する。
「こんな綺麗な満月とたくさんの星に見守られる最期なんてとても素敵だと思いませんか」
目も合わせず数多の星を眺めながら尋ねてみた。
「えぇ、そうですね」
小さく笑いながら答えるとその人は一歩足を進めた。
「まさか最後に同じ感性の方に出逢えるとは思いませんでした…」
表情はよく見えないが凄く嬉しそうな声でその人は呟いた。
「私も星、好きだったんですよね」
そう言いながらその人は着々と目的地まで歩みを進める。
黙って自分も足を進めた。
気がつけばもうそこには真っ黒な海が広がっていた。
隣には名前も顔もよく知らない人が立っている。
不思議と黙っていても居心地が良かった。
最期だからなのかもしれないけれど、こんなに落ち着く人は初めてかもしれない。
少しばかりの後悔が生まれた。
お互い一言も言葉を発する事無く今にも降ってきそうな星を眺める。
「星、綺麗ですね」
その人からこぼれ落ちた言葉は目の前の海に吸い込まれた。
「月も綺麗ですよ」
自分からこぼれ落ちた言葉もその海は逃さず奪い去る。
そしてどちらからともなくお互いの手を取り合った。
強く繋いだ手を握りしめたあと初めてしっかりとその人の顔を見た。
何も知らないその人の体温を手から感じ何故か涙が溢れる。
その人は眉を下げて困ったように笑っていた。
「行きますか」
その人は言った。
「行きましょうか」
自分が言った。
2人同時に身体が宙に浮く。
固く繋いだ手はそのままで、満天の星と綺麗な満月をバックに大好きな海へ身を委ねた。
水中の中で意識を手放す前に目に映った景色は知らない誰かの泣き笑う顔と淡く光る満月だった。
ーあぁ、名前も素性も知らないけれどもっと早くこの人に巡り会えていたのならばこんな選択は選ばなかったかもしれない。
「巡り会える為に、地球は丸くなったんだよ。」と彼は微笑んだ。
テーマ 巡り会えたら
「鬱つの光」
幾重にも伸びる暗闇の道を、手探りで進んでいく。
光をくれる人なんていない。
冷たい空気が渦巻いて、その空気1つひとつが身体を突いてくる。
夢を見る事さえ許されなかった。
どこに落とし穴が開いているかわからない。
どこに終わりがあるのかわからない。
常に神経を張らしていないと、いとも簡単に落とし穴に落ちてしまう。
何回助けを乞いただろう。
何回普通に憧れただろう。
ずっと普通になりたかった。
そんな事初めからわかってるつもりだったのに。
今更何を望んでいるのだろう。
すり足で0.5歩ずつ進む。
落とし穴に怯えながら、
追い越していった「普通」の背中を探しながら。
今日も歩を進めていく。
光をくれる、その人に巡り合う夢を見ながら。
覚めない夢に落ちていく。
「巡り、『会えたら』っつーより、『会ってしまったら』なら、文章投稿後とかハート送った後とかの、バチクソにセンシティブな広告だわ」
6月後半頃、「君と最後に会った日」なる題目なら一度挑んだらしい。某所在住物書きは過去投稿分を辿り、類似のネタを探してスマホをスワイプしていた。
当時は「ホタルと最後に会った日」を書いたようだ。
「アプリは好きよ。そりゃそうさ。でなけりゃ200日も付き合っちゃいねぇ。……ただ広告の種類がな」
課金で良いから、本当に広告非表示プラン欲しいね。物書きはひとつ、大きなため息を吐いた。
「そういう広告に『巡り会ったら』どうするって?
ブルートゥース機器の接続・切断で強制終了」
――――――
今日もどこかで、某衛星列車が空を横切るとか、横切らないとか。
そんな秋空を、不思議な子狐が見上げるお話です。
最近最近の都内某所、某稲荷神社敷地内の一軒家には、人に化ける妙技を持つ化け狐の末裔が、家族で仲良く暮らしております。
その内の末っ子は餅売りで、お花とお星様が大好き。
「満点の星」とは言えなくとも、晴れた夜はお空を見上げ、アレはきっと何の星、ソレはきっと誰の星と、コンコン、名前をつけて物語を作って、楽しみます。
そんなコンコン子狐が、ある夜6時半を過ぎた頃、神社を包む森の隙間、木々の窓からいつものように、夜空の星を見上げていると、
おやおや、あれは何でしょう。ひとつだけ、まっすぐ、ツーっと窓の右から左へ、横切っていく星がありました。
人工衛星です。太陽の光を一身に受けて、流れ星よりはゆっくりと、悠々堂々、空を飛んでいます。
「おほしさまの船だ!」
当たらずとも遠からず。「人工衛星」を知らないガキんちょ子狐。目を輝かせ、尻尾をぶんぶん!
初めての、動くお星様を、感激の視線で見上げます。
「おとくいさんに、自慢してやろう!」
木々の窓の端まで飛んでって、見えなくなってしまった「お星様の船」。子狐はこの経験を、誰かに話したくてたまりません。
せっかくなので、子狐の商売のお得意様、週に1〜2回お餅を売りに行く人間のアパートへ、ぴょんぴょん、文字通り跳ねてゆきました。
「それは……うん、良かったな」
さて。
都内某所、某アパートの一室。「お星様の船を見たんだよ」と、しっかり人間に化けてお餅を売りに来て、コンコン子狐言いますが、
部屋の主さん、労働し納税する大人なので、それの正体を知っています。
教えてやるべきか否か、猛烈に悩んでいました。
「すごいんだよ、お空のはじっこから、はじっこまで、こうやって、ツゥーって!」
子狐は自分が、いかに素晴らしいものを見たか、身振り手振りの大振りジェスチャーで、説明します。
きっと、子狐は「船」の正体なんて、どうでも良いのです。
ただ美しい物との遭遇を、お得意様と共有して、「すごいね」と羨ましがってほしいのです。
それでも『その珍しいものは「人工衛星」と言うんだよ』と、伝えるべきか、否か、悶々か。
「もし、もう一度、」
散々悩みに悩んだ末に、アパートの部屋の主が無難に、尋ねました。
「『お星様の船』と巡り会えたら、どうする?」
「おとくいさんと、ととさんと、かかさんと、おじーじとおばーばと一緒に見る!」
コンコンコン!
お目々を輝かせる子狐は、部屋の主をまっすぐ見て、幸せそうに答えました。
人工衛星横切る秋空を、子狐が見上げるお話でした。
今日はまさしく、衛星列車が通過するかもしれないそうなので、
都内のどこか、森に鎮まる神社で、狐一家と人間ひとりが、お空を見上げて、いるかも、さすがにフィクションが過ぎるかも。
おしまい、おしまい。
もし。私に前世があるのだとしたら……。
前世での伴侶とやらに会ってみたい。
ふとそんなことを考えながら、コーヒーを啜る。
五十嵐 奈緒。今年で30代に突入。
彼氏いない歴数年。仕事一筋で生きては来たものの、寂しさは無いがこうして色々と考えることが増えた。
将来の自分はどうなるのだろう、このまま一人なのか、それとも家庭を築いているのか。
気になるようになったのだ。
ある日、テレビのバラエティ番組で、“前世” というワードが引っかかった。
元々、超能力とかお化けといった類のものは信じていない。昔の私なら、前世の自分とやらも興味が無いと言って無視していたと思う。
だが、将来について考えていたからか、ひとつの疑問が浮かんだのだ。
『前世の私は、どんな人生を歩んだのだろう。』と。
とはいえ、思いついたから完璧に信じた訳ではなく、あくまで自分の妄想程度。
真実なんて、誰にも分かりやしない。
もし分かる存在がいるのだとしたら、神様くらいだろう。
でも、もし前世があったとして……。
前世の私はこうして一人だったのだろうか。
それとも、誰かの隣を歩いていたのだろうか。
居たかもしれない、かつて生涯を共にした相手。
もし居たとしたら、どんな人なんだろう。
ドンッ。
『あっ。』
そんな風にまた歩いていると、すれ違った男性に肩をぶつけてしまった。
まさかぶつかると思っておらず、私は体制を崩しその場でしゃがむような形になってしまった。
「大丈夫ですか?」
ぶつかってしまった男性が、手を差し伸べた。
心配そうに覗き込む顔はとても整っていて、私の心を簡単に奪っていった。
これが、未来の旦那となる 結城 新太との出会い。
そして、私の前世……栞と新太の前世……拓が恋人同士であったと知るのは、まだまだ先のお話。
#巡り会えたら
もう会わない そう決めて出た街だけど
夢ではあなたを探して彷徨う
#短歌 #書く習慣 20231003「巡り会えたら」
目があって それだけでもう満足で
そんな日々にも 戻れないなんて
#短歌 #書く習慣 20231002「奇跡をもう一度」
たとえば。
君が少しだけ賢かったら。
たとえば。
君がもっと救いようがなかったら。
たとえば。
君が何もかもを失っていたら。
たとえば。
俺が―――。
抱いた幻想を笑って投げ捨てた。
何を思ったって世界はいつもどおり月が昇り陽が沈む。
生まれた赤子は泣き、潰えた老人は土に還る。
それが真理であり、それが摂理。
代わり映えしない日常を吐き出しながら進む時を受け入れるだけの生き様。
だから君と過ごした縁側も、永い永い生の端っこに引っかかる滲みでしかないのだ。
「 」
記憶は、どこから失っていくのだろう。
記憶は、どこを最後に残すのだろう。
記憶は、何を基準に融けるのだろう。
「どうでもいいや」
ごちそうさま。
手を合わせて、静かに命に感謝する。
ごちそうさま。さようなら。
俺の糧に、君はお成り。
けれど、ふと考える。
声を忘れてしまった君へ。
笑顔を忘れてしまった君へ。
匂いを忘れてしまった君へ。
願わくば。
「また巡り会えたら、優しい歌を聴かせておくれ」
死後の世界も生まれ変わりも信じていない男が呟いた言葉に、返事は無く。
お題「巡り会えたら」
巡り会えたら
夜空に星が光り、
僕たちは花畑からそれらを見上げている。
夜露が足を濡らし、花の淡い香りが肺を洗った。
そして僕たちは手を繋ぐ。
時間の先で待っていて。
月日は流れて、季節は巡る。
もう一度結び直すために、この手を離すの。
今は風が吹くから。
時間の果てで巡り会えたら、
僕のことを思い出して。
必ず見つけてみせるよ。
今度はそばから離れない。約束する。
#46
巡り会えたら
一生を捧げたい。
一緒に生きて生きたい。
心も体さえもあけ渡せるくらい大事な人。
そういう人と巡り会えたら、
それはまさに奇跡だろう。
なんてことない毎日が
一瞬で煌めいて、何もかもが色付く。
今までが悪いのではなく、
まるで出会った瞬間から、
180度自分の世界が変わったかのような感覚。
そんな人と巡り会えたらと…
「巡り合えたら」
何に出会えるか楽しみに待っておく けど
なにもなかったと周りを羨んで終わった
ほんとはいろんなことに出会えてたのに
気付かなかった
ただ気付かなかった もったいない
巡りあえたら
いいものに巡りあえたら、それは誰かしら嬉しいと思う。
いい人に巡りあえたら、それはもしかしたら運命かな?
巡りあえたら嬉しいものはきっとみんな一緒だと僕は思っている。
人に巡りあうことって難しくもないけど、やっぱその人の環境とかによって悪い人もよってきちゃうよね。
会わなくていい人に巡りあってしまうのはなんかすごく嫌だ。
なんで、こんなに人巡りが悪いんだろとかになっちゃうからね。
人の巡りあいって難しい。
僕も人巡りには失敗してしまうこともある。
でも、今は楽しい人達に巡りあうことが出来てるし、夢を追いかけてきてよかったって思ったよ。
人との巡り合わせって人によるね。
終わり
遠い長い人生のどこかで
またあなたと巡り会えたら
何度でも ありがとうを伝えよう
あの日 出会ってくれてありがとう
また 出会ってくれてありがとう
いつまで一緒にいられるか わからないけど
これからもよろしくねと
*ハートマークが1000を超えました。
できるだけ毎日投稿しています。
これからもなるべく頑張ります。
応援ありがとうございます。
運命は、巡る。
たとえその出会いが別れになったとしても、物事に絶対はないから。
いつか巡り会える日を心待ちにしているよ。
いつかきっと運命の人と巡り会える。
昔はそんなことを思っていた。
だって運命の赤い糸で結ばれているんだから。
どんなに辛いことがあっても、それを支えに頑張ることができた
けれど巡り会えることはなかった。
運命の人はいないないんだと思った。
私は一生死ぬまで一人なんだんだと。
でも違った。
今はもう運命の人が隣りにいる。
きっかけはこのアプリ。
自分の事を入力するとAIが判断して、アプリがあなたにおすすめの人を紹介してくる。
――――――――――――――――――
「うんめいのひとが、きっとみつかる、っと。ふう」
婚活アプリの紹介文の下書きを終えて、ふうと、息をつく。
とりあえずの文章なので、書き直したいところはあるが、後で直すことにしよう。
何事も急いではいけない。
背伸びをするとアプリの企画書が目に入る。
運命の人と出会える、ね。
謳い文句が本物ならば、誰にとってもとって魅力的な言葉だ。
もちろん例外はいる。
それはすでに運命の人に出会った人々である。
私?私はこの仕事が終わったら、出会う予定だ。
私の運命の相手、それは諭吉さんである。
浮気なんてしない。この世で信じられるのは彼だけ。
そういえば、近いうちに栄吉さんになるが、これは浮気になるのだろうか。
いや、両方囲えば問題ないな。
さて、そろそろじゅうぶん休んだから、仕事を続けよう。
未来の運命のあいてのために
巡り会えたら。食べてみたいと思っていた食べ物とスーパーとかで巡り会えたらつい買っちゃう。そんなこともある。
ただ食べてみたいと思っていたけどいざ値段を見ると怖じ気づいて買えない。そんなこともある。
結局世の中は金なんだよな。金があれば多くの悩みが解決する。金持ちになりてぇな。
もしもあの日に帰れたら、僕は何をすれば良いのだろう。もう一度やり直すのだろうか。いや、やり直すことなど出来るのだろうか。