『巡り会えたら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
巡り会えたら
彼を見送った
終戦間近と言われているのに
始まった時と何も変わらない
むしろ、状況は悪くなっているように感じる
旅立つ前の彼はいつも空を見上げていて
「いつも空見てるね」
見上げていた目線をゆっくりと私に合わせて
「必ず帰ってくるから、泣かんと待っててや」
大きな手で私の頭を子どもをあやすように撫でた彼は悲しげに微笑んでいた
彼の目には何が映っていたのだろう…
「泣かんと待ってるから、無事に帰ってきて」
ぽつり言った言葉に
鼻の奥がつんと痛んだ
見上げる空はどこまでも青く澄み渡っている
この空の下でまた巡り会えたらきっと…
「巡り会えたら」
私には、恋い焦がれている人がいる。
1度、だけだ。関わったのは。
カフェの店員さんだった。
それがどこか、もはや覚えていない。
小学生の頃、上機嫌なお母さんに連れられて行ったおしゃれなカフェ。
そこで、楽しそうに仕事をしていたのを今でも覚えている。
大学生になっても初恋を、しかも一目惚れの人を引きずるなんて...とは思うが、忘れようと思っても忘れられない大切な人。
それがきっかけでカフェが大好きになった。
休みの日にはカフェ巡りをして、あの人はいないかな、なんて思いながら電車に揺られる。
いつか、もし。巡り会えたなら。
その時は名前くらい聞いてみたいな、なんて。
窓際の席で光を浴びながら、コーヒーを嗜む。
さあ、今日も一日が始まる。
世界に彩を与えてくれたあの人に感謝して。
仕事に行こう、そう思い、立ち上がる。
チリンチリン
軽やかな足取りで歩き出す。
「あの、これ」
「?」
後ろを振り返り、目を見張る。
「落としましたよ」
止まっていた季節に、春が来た気がした。
【巡り会えたら】
彼と別れて早1ヶ月。
大学2年生の時の花火大会から付き合って、気づけば4年も付き合っていた。社会人一年目が終わる頃には同棲なんかも初めて、24とまだ少し若い方だけど、結婚だって視野に入れていた。
...彼の方は、違ったのかもしれないけれど。
きっかけは、きっと本当に些細なことだったの。
何があってこんなことになったんだってくらいくだらないことで、言い合っているうちにお互いが少しづつ溜めていた鬱憤をぶつけるようになって。喧嘩はこれまでもしてこなかったわけじゃない。でもいつも最終的には互いが謝って、笑って終わらせてた。
なんで今回はそれが出来なかったの?
あの時は別れてもいいって、別れたいって本気で思ってたのに、今はなんでこんなに泣きそうになってるの?
何度も何度も捨てようって思った写真立て、なんで今でもテレビの横に居座ってるの?
写真立てだけじゃない。薄い青の歯ブラシも、お揃いで買った猫のしっぽが持ち手のマグカップも、「これからも一緒にいような」ってはみかにながらくれたシルバーネックレスも。まだ彼がこの家に住んでいた時と同じ場所に置いてあった。きっとしばらくはそこにいるのだろう。
会社に行った時。同僚とランチに行った時。友達が傷心中の私を気遣って誘ってくれた合コンに行った時。
どんなときも無意識に彼と似た背格好を見つけては心を踊らせて、違うってわかった瞬間心が沈んでいた。
いつか。いつか、どこかで、巡り会えたら。
復縁しようだなんてことは言わない。
ただ、一目。貴方を見たいだけなの。
一目見たら、貴方のことを忘れられるような気がするの。
この蠢く気持ちを、解き放ってあげられる気がするの。
ねえ、いつか、巡り会えたら───。
巡り会えたら、
あなたはもう一度笑ってくれるかしら
もうあの頃みたいに若くないけれど、
あなたは私の本当の姿を知ってしまったけれど
私はたくさんの男と会ってきたわ
だけど、今でもあなたが一番好き
その責任感と、一生懸命さと、希望に溢れたその瞳も、
頼りがいのあるその背中も、自分より大きい男にも
向かっていけるその勇気も
その他あなたの隅から隅まで、全部愛してる
もう会えないのかしら
もう新しい恋人ができたのかしら
もう私への愛は消えてしまったのかしら
だけどね、ひとつ嬉しいことがあるの
それはあなたが私を忘れられないこと
あんな別れ方をしたの
忘れられるわけないわ
たとえ私を憎く思っているとしてもいい
愛していたとしてもいい
あなたの中で1番心に残る女なら
死ぬときに思い出すのが他の女でなく
私であってくれたらいい
だから、どうか忘れないでね
宗正さん
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巡り会えたら
「あけぼのに叫ぶ詩(うた)」
前作「あけぼのの恋」の続きです。
「巡り会えたら」
夕暮れも早くなり街中の照明が周囲を明るくする。
ほんの少し前はノスタルジックな夕焼けが迎えていたのに、今や賑やかな喧騒と騒々しい看板が迎え撃つ。日の入りが早くなるにつれ、明るくなるのが早くなるというのはなんだかあべこべだなと…。
そんなくだらないことを考えてしまうのは、疲労が溜まった身体を帰巣本能のみで動かしているからだろう。
仕事終わりの帰宅ラッシュの時間。いつも通りの人混みに紛れながら電車を乗り継ぎ、なんとか最寄り駅に着いたのだから頭だって正常な訳がなかった。
だが、定時に帰れているだけでも自分の仕事には感謝している。それ以上に不満やストレスや人間関係に頭を悩ませようともだ。
今日も身体は帰巣本能に任せ、頭の中は悩み事で混沌としている。安っぽく言えば昔のアニメみたいにうずまきのエフェクトと丸ゴシックで「ぐーるぐる」と書かれてる状態だろう。
だが何も考えることも無いのだからしょうがない。
だからこれもしょうがなかったのだ。
帰り道の名物。ストリートミュージシャン。
最寄り駅はストリートミュージシャンが有名アーティストになったとか駅の発車ベルが代表曲だとかなんだかで、路上ライブが少し盛んだった。
目線を合わせることなく聞き流しながら近くを通るばかりで興味もない喧騒の一つ。
でも、空っぽの頭にすっと入ってくるメロディーが身体を止めた。
急な事だった。今までに一度だってない。糸が切れた人形のようになんの前触れもなく止まった。
いや、動けなくなった?それとも疲労が限界を迎えた?とか、とにかく俯瞰的に自分を観察する。
そして聴く。滑らかな声。メロディーは曲線を描くようなのに、歌詞の内容は暑い。共感性羞恥が出てしまうような暑さ。それをアーコスティックギターが激しく表現している。そして叫ぶように丁寧に歌っていた。
そっか。
俺は今、疲れた身体が家に帰るよりもこの歌を聴くことを選んだんだ。
この人のこの歌を聴きたくて足を止めたんだ。
分かってしまったら、理解してしまったら、何も怖くない。なにも抵抗することはないんだ。
その後は目線を向けて歌に聴き入ってしまい、結局帰るのは遅くなった。
でも不思議と身体は軽くなって気持ちも軽くなったとさ。
めでたしめでたし。
巡り会えたら
これをするために今まで生きてきたんだっていうものに巡り会いたい。
それは例えば趣味であったり、仕事だったり。
長い人生、体調を崩した程度のことですべてだめになってしまったなどと思いたくはない。
寛解までに十年は堅いという病気だけれど、それでもまた前を向くための希望になるようなものに巡り会えたらもう少し頑張れるような気がする。
先生は頑張るなと言うけれど、私は頑張らなければ生きていけない。
魚が絶えず泳いでいないと死んでしまうようなもの。頑張っているのだと、他ならぬ私に認めてほしいのだ。
だから、天命に巡り会えたらやっと肩の荷をおろせるような気がしている。
またどこか
遠い十字路で顔を合わせたら
他愛ない思い出話をしよう
そのとき笑顔で話せるように
私の恋心をちゃんと壊そう
(巡り会えたら)
また巡り会えたら、なんて
簡単に言うけど
もう二度と会えないかもしれないのに
どうして、手を離すの
どうして、背を向けるの
どうして、振り向いてくれないの
私ばっかり、待っている
あなたは旅人、そんな貴方が好きなはずなのに
この胸の痛みを、いつまで抱えていたらいいのか分からない
(巡り会えたら)
『巡り会えたら』
妄想はする
ただ それだけ
自分の世界に
閉じ籠っている私には
巡り会う可能性すらない
もしも
白馬に乗った王子様
なんてのが
存在していたとして
巡り会えたら
奇跡だわ
きっと知らないふりをするでしょう。
否定も肯定もしなかった。だってそんなこと考えたこともなかったから。離れるなんて、と笑いとばせたならよかったのにそうはさせてくれなかった。
どうして、なんで、私のこと嫌いだったの。そうやって叫んで泣いて縋ればよかったのだろうか。それとも私も同じ考えだったと笑い返せばよかったのだろうか。
「ねえ、答えてよ。私の真似しないでよ」
眠るように横たわるあなたが憎い。
思わせぶりな態度で、期待させるような言葉で持ち上げておいて突き落とすなんてあまりにも酷すぎる。
「私だって、私だって知らないふりしますからね」
この世界で、例え来世であっても私はあなたを必ず見つけだすの。そうしてあなたなんて知らないふりをする。
タラレバ話なんて嫌いだけれど、もし巡り会えたのならば必ずそうするから大人しく待っていてちょうだいね。
【題:巡り会えたら】
#巡り会えたら
雑踏を擦り抜け
宵闇のガラスの森
闇に浮かぶ見知らぬ顔
今にも泣き出しそうな
今にも崩れてしまいそうな微笑みが
映ってる
嘘に慣れてしまった私は
どこへ行こう
張りつめた糸を手にしたままで。
深い闇の中で時折
私の名前を呼ぶ声が聞こえて
期待はしてないと言いながらも
優しい温もりを探してる
見つけてよ
素顔のわたしを
捕まえてよ
たとえ逃げ出そうとしても
私だけのための温もり
私のためだけの優しさ
今度こそ
心からの笑顔になりたくて
貴方に逢いたい
ガラスの向こう側で微笑む貴方に
もう一度巡り逢えたら
きっと 生まれ変わりね
また 会える
会いたい友人が1人いる。
高校時代の友人だ。
グレーな中学時代を経て入った高校の同級生。
因みに同性。
彼女と出会って、私の高校時代はなかなか素敵な色に染まった。
中学時代にはありえなかった、
寄り道に長電話。
卒業してからも会えるだろう。
そう思っていた。
卒業して久しぶりに彼女から電話が来た。
私は、高い熱を出し寝ていた。
ちゃんと話が出来なかった。
まあ、またかければいい。
でも、それが最後の電話だった。
2ヶ月後に出した年賀状が戻ってきた。
電話も繋がらなかった。
そういえば、電話の時にボソッといってた。
「家族で海外転勤になるかも」
その後すぐに私も引っ越した。
住所も電話番号も変わった。
たまにふっと思い出す。
どうしているかと。
30年も前のお話。
どこかで巡りあえたら…
お互い素通りするだろね。
どうか元気で…
paki
巡会えたら
また
会いたいな
でも
そんな事も叶わぬまま
時は過ぎてゆく
色濃く残った記憶の中に、 貴女はいる。
私の人生をこうも容易に掻き乱してくれた、 それでも私が探しに行かないのはほんの小さな仕返し。
貴女の記憶にも、 もし私がいたら、 きっと思い切りのいい貴女はもう私に逢いに来てると思うの。
でもそうじゃないって事は、 多分そういうことだと思うの。
本当は貴女に探しに来て欲しいけど、 逃げて逃げて、 掻き乱してやりたいけど、 運命ってのを信じて待ってみるのもいいかもね。
もし偶然にでも巡り会えたら、 貴女、 今の私を見てどんな顔をするのか見てみたいな。
もう随分経ったんだから、 それなりの反応見せてよね。
💙ꔛ
理想の人に巡り会えたら
なんて言おうか
人見知りの私は何も言えず
気のないふりをするかもしれない
これじゃあ今までと何も変わらない
一歩踏み出せば奇跡が起こるかも
妄想が止まらないや
巡り会えたら一緒に踊って
巡り会えたら涙を流して
巡り会えたらキスをして
巡り会えたら抱き寄せて
巡り会えたら
巡り会えたら
巡り会えたら終わりが来るさ
巡り会えたら別れが来るさ
巡り会えたら寂しくなるよ
巡り会えたままがいい
巡り会えたらあなたとふたり
巡り会えたままで一緒に踊りたい
トイプードルに会いました。
じっと見ていたら、おとなしいんです。
かわいいけど、その場でしつけとかエサやりとか大変そうやな。
後で思ったんですけど。
図書の整理をしたい。
料理、手芸、キルト、ニット、
運命だよね?
今まで会えた人は。
巡り合せって
いつも思う。。
出会わせてくれて
ありがとう。
大好きな人達に…
感謝してます。
#巡り会えたら
私たちは今を大事に生きている。
その中で仕事、家庭、友人を中心に
物事が進んでいて、自分が作られている。
人と人が巡り合って世界が作られていく
って凄く素敵な事なんだな。