『宝物』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
愛してIceな草原の
沼に落っこちた僕の心
抱きしめながら海に飛び込む
水を飲み込むように
息を吐き出して
触れた 触れた 音楽が
乾いた 可愛いと 渦を巻く
海は綺麗かい?
あなたは誰を信じる?
誰の言葉を愛を乞う?
わからないから口を閉ざしたまま
知らないフリをしてまた笑うんだ
『宝物』
BLです。お気をつけください。
「おいの宝物はお前だぞ、月島」
あなたがとっておきの秘密を打ち明けるような顔で微笑む。
「またこっぱずかしいことを」
夜空に浮かぶ月に桜が舞った。
春の少し冷えた空気が、浴衣に包まれた肌を柔らかく揺らす。
「本気にしてないな」
「本気で信じてますよ。ありがとうございます」
む、と唇を尖らせたあなたが御猪口に注がれた日本酒を口に含む。
今が夜でよかったと、心の底から思った。
こんなに紅くなった顔、見せるわけにはいかない。
「お前の宝物はなんなのだ」
刀を握って豆がいくつも潰れた若い肌が、静かに俺の手に重なる。
「あなたですよ」
「…そういうところだぞ」
少し拗ねた声をしたあなたが甘やかに指を絡ませた。
伝わる体温は、俺と同じくらい熱い。
どちらからともなく、唇が重なる。
そこから伝わるものは、愛であり、情であり、慈しみだった。
いいようのない愛おしさに埋めつくされる。
あなたの瞳の中に、俺と夜空に輝く月が映った。
ゴールデンカムイより鯉月です。
最近キス書きすぎじゃないか…?母にも見られてるんだぞ…?
大丈夫です。私は気にしません。
月と桜と酒が出てきましたね。いや桜て。季節感どないしたん。てか情緒どないしたん。
ジェイセントの花見酒を買おうと思って調べてたらどうしても桜と酒が書きたくなったんですよね。しょうがないです。
君の笑顔が宝物
君が笑ってないとわたしは幸せじゃない
わたしが幸せになりたいから
君を笑わせ続けたい
宝物はいつも心のなかに。
色あせずに保管している
心の宝箱に
【宝物】
私には、たくさんの宝物がある。
中学校でできた宝物。
修学旅行中、色違いで買った花のストラップ。
県大会出場を意気込んで送り合ったメッセージ。
高校でできた宝物。
他所では出来ないような、貴重な経験の数々。
後輩から貰った、全国出場を祈願した、お手製のお守り。
先輩から貰った、頼もしくて優しい、温かい言葉。
同じ学年、同じ部活、同じパートになった
アイツとの思い出。
大学でできた宝物。
専門性の高い大学だから得られた知識。
同学科の皆んなとの、イベント運営の成功体験。
仲間と目論んだ、文化祭での演奏の練習。
…台風直撃で文化祭が中止になったけど、
皆んなで集まって練習できたのは、良い思い出だ。
社会人になってからできた、宝物。
数年ぶりに偶然再会した、
同じ学年で、同じ部活で、同じパートだった
アイツとの約束。
――じゃ、明後日の合同練習で。またな。
「宝物」とかけまして
「雪がたくさん降った」と解きます。
その心はどちらも「大切/大雪」でしょう。
昔、住んでいた家に某ネズミのオルゴールがあった。
小学生の低学年の時、幼馴染の男の子と一緒に遊んでいる時に、家の裏で見つけた。
捨てるためにゴミとまとめて置かれていた。
まだ全然動く品物で、少し汚れてはいたが拭いたら、真っ白で美しいオルゴールだった。
男の子から「あげる」と渡された。ネジを回すと某ネズミの音楽が流れた。
綺麗な音色に小学生ながらに感嘆の息を漏らした。
今も大切に保管している。
音は鳴らないが、あの頃と変わらない。
美しく、綺麗な白を保っている。
わたしのかけがえのない宝物だ。
宝物
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.11.21 藍
君の感性は素敵だよ
『うーん、まだまだ奥かぁ?』
ザクザクと、シャベルで地面を掘っていく。
「子供が埋めたんだから、もう出てきてもいいと思うけどな。」
「誰かに取られてたりしてな笑」
ハハハ、と笑いながら一緒に地面を掘る男二人は、俺の友人。
今日は、子供の頃三人で埋めたタイムカプセルを、大人になった今掘り返しに来たのだ。
『にしても、まさかお前ら結婚してるなんてさぁ。』
地面に視線を向けつつも、友人二人に絡む。
二人とも良縁に恵まれ、昨年結婚したのだ。
仲の良い奴らめ。
「まぁな、良い相手に出会えただけだよ。」
「そうそう、お前だって付き合ってる子いるんだろ?」
二人とも照れくさそうに、俺へと話の矛先を向ける。
『いるんだが、結婚はまだ先かなぁ。』
向けられた矛先をかわしながら、そのまま掘り続けた。
ガギンッ
今までの柔らかい感触から一変、硬い何かが当たったのか、高い音が響く。
『お?』
「これはもしかして……」
シャベルを横に置き、パラパラと土を払うと、銀色が頭を覗かせた。
「やっと見つけた~!!」
三人で周りの土を除いていき、徐々に埋もれていたものが姿を現す。
『は、懐かしいなぁ。』
カシャン、と軽い音を立てながら出てきたのは、銀色のブリキ缶。
蓋には紙が貼ってあって、俺ら三人の名前と「絶対に開けるべからず」の文字。
「早く開けようぜ。」
缶の周りについた土を丁寧に払い、蓋を開けた。
中には、当時好きだったアニメのシールや、0点のテスト、好きだった子に渡せなかった手紙など、子供の時の思い出が沢山詰まっていた。
「お前、0点のテストって……隠すために入れたのかよ笑」
「うるせぇな、お前だってそれ渡せなかったラブレターじゃねぇか。黒歴史缶にする気か?」
ギャーギャーと騒いでる友人二人を横目に、中のものを取り出していく。
よく読んでいた本、玩具のミニカー、友達とお揃いで買ったキーホルダー。どれも、かつての青春を思い出させるものばかり。
『……くだらないものかもしれないけどさ、』
俺の言葉に、友人達がピタリと止まる。
『全部、子供の頃の宝物だよな。』
どれを見ても、昨日の事のように情景が浮かぶ。
他人からすればガラクタに見えるかもしれない、でも、俺らにとっては、キラキラした思い出だ。
「そういえば、何でここにタイムカプセル埋めたんだっけ?」
「確かに、別に思い出の場所でもないよな。」
『あぁ、それはだな……』
横の方を指さすと、その指の方を友人たちは見る。
そこには、地元を一望できる景色と、真っ赤な夕焼けが見えた。
「おぉ、すげぇ……」
『子供の頃、一人で歩いてる時にここ見つけて、同じように夕焼け見てさ……』
親と喧嘩しただか、理由は忘れてしまったけど、とにかく、気分が落ち込んでいる時に見たのがこの夕焼けだった。その時もとても綺麗で、言葉じゃ言い表せないくらい感動したのを覚えている。
一人で見ても美しかったが、やはり、
『お前らにも、この綺麗な夕焼け見せたかった……から。』
夕焼けに当てられているせいか、変に顔が熱くなる。
今まで気にしていなかったが、なんとなく意識すると恥ずかしさが湧いてきた。
友人二人は顔を背けていたが、耳が赤かったのできっと顔も同じだっただろう。
「お、おま、そういうロマンチックなのは、彼女さんにやれよ!!」
「そうだぞ!!だから結婚できねぇんじゃねぇの!?」
『それは今関係ないだろ!?』
ギャーギャーと騒ぎ、取っ組み合いを始める。
昔からある馴れ合いだが、いつもと違ってみんな顔は不思議とにやけていた。
『結婚祝いに、今日はご飯奢ってやるよ。』
「お!!まじで??」
「焼肉?寿司?」
『馬鹿野郎、いつものファミレスだわ。』
ケチくせー、と言う二人を小突きながら笑う。
昔から変わらない時間。
前よりは集まりにくくなるだろうけど、これからも続けていきたい関係だと思う。
だって、俺にとっては、この二人はもちろん、一緒に過ごした時間全てが、大事な大事な “宝物” だから。
#宝物
僕の宝物は君、なんて言うとチープに聞こえるよね。
本当の事を言うと君は宝物なんかじゃないんだよ。
僕にとっての君は水だから。無かったら干からびて死んじゃうの。
だから、絶対離してやらないけど、仕方ないよね。
『宝物』
「どうすれば、サンタさんに手紙が届きますか?」
母親の見舞いに来た少年が、帰りがけに私に聞いた。
「それなら、僕はサンタと知り合いだから、手紙は僕が預かって、彼に渡してあげましょう」
少年が去った後、私は医局で手紙を読んだ。
「サンタさんへ
お母さんの、手じゅつにひつような、おかねをください。
ぼくのお母さんは、びょうきで、入いんしています。びょういんのせんせいは、お母さんは手じゅつをすれば、またげんきになるといいます。でも、ぼくのうちには、お父さんがいなくて、手じゅつにひつような、おかねがたりません。なので、ぼくは、お母さんの、手じゅつのおかねがほしいです。おねがいします。
かわりに、ぼくのたからものをあげます。お母さんが、ぼくのためにつくってくれた、オレンジいろのマフラーです。まくらもとにおいておくので、どうかもっていってください。
サンタさんも、ひとりでこどもたちのいえをまわるのは、たいへんだとおもいますが、このマフラーがあれば、さむくないとおもいます。がんばって、こどもたちにプレゼントをとどけてください。」
後日。
私は、長く厳しい手術を終えたその足で、待たせていた少年のもとへ向かった。
「メリークリスマス。昨日、サンタは来ましたか?」
オレンジ色のマフラーを巻いた少年は、目に涙を溜めて首を横に振った。
「ああ、やっぱり。実は、僕のところにこんなものが。封筒に書かれているのは、君の名前ですね。きっと、サンタはあわてんぼうだから、配る先を間違えたのでしょう。
さあ、読んでごらんなさい。」
少年が手紙を読み終えるのを待って、私は言った。
「行きなさい。お母さんが、君が来るのを待っていますよ。」
少年は、母親のいる病室へと一目散に駆けていった。
「少年へ。
知り合いから手渡された、君からの手紙を読みました。そして、すぐに君へのプレゼントの準備にとりかかろうと思いましたが、ひとつ、大変な問題がありました。それは、君からのプレゼントが、君の望むものに対してあまりにも高価な、価値のあるものだということです。
もし、君からの手紙をあの医師に見せたなら、彼はきっとこう言うでしょう。
『なんてことだ!このマフラーは、手術費用よりもずっと、大変に価値のあるものではないか!』
このように、君の宝物は、何にも変えられないほどの価値を持つものです。そして、それは君のためにあるものですから、そのマフラーは、ぜひとも、君のもとになければならないのです。それに、私には立派な髭がありますから、君のマフラーは、私ではきっと持て余してしまうでしょう。君の心遣いは本当に、とても嬉しく思いますが。
君の宝物をもらうかわりに、ぜひとも君に約束してほしいことがあります。
お母さんが元気になったら、君は、毎日学校に行き、よく勉強して、友達とも仲良くしなくてはいけません。大きくなったら、お父さんの分までお母さんを助けて、二人で仲良く暮らさなくてはいけません。そうして、お母さんを安心させてあげなさい。
君たち二人の幸せを、心から願っています。
サンタより」
(宝物)
宝ものは人それぞれ
一緒に過ごした時間も宝物
プレゼントも宝物。
世界中のみんなの宝物を
美術館に展示したら
どんな表情をして帰っていくかな。
今日はどんな素敵な宝物があるだろう
自分の宝物は飾られているかなって
少しワクワクしながら今日を楽しめるかもしれない。
人の思い出を謗る人は立入禁止にしてさ、
鑑賞者を子どもと大人に分けたら
感想はどう変わるんだろう。
怒られている青年も
怒っている教師にも
功績を残した傑物にも
名のしれたヒーローも
悪とされるあいつにも
きっと宝物はあるだろう。
そんな夢が叶うなら
非難轟々の世の中にも
少しだけ平和な時間が訪れるだろう
『宝物』
思い出と一緒にしまって いつからか
何があるかも 忘れてしまった
【宝物】
ティーンエイジを無駄に過ごした。くだらねぇと下品に笑った隣には何時も、君がいた。
下手な時間の使い方。大人になったら後悔するぞ、脅しのような僕らを思う忠告は、その実ちゃんと聞こえていた。
全部、知っていた。あのときああしてれば。悔やむ日は、きっと、じゃなくて確実にくると。でも人生なんて、そう思わない瞬間なんかないだろ?
だったら、後悔さえも、共に笑い飛ばせる人がいれば、それでいい。
そうだその選択は、たぶん間違いじゃない。
阿呆なのは僕だけだ。形に残るものがいい、そうねだったのは、僕ばかりだ。
ねだった半年後に、君はそれを持ってきた。誕生日でもクリスマスでもない、平凡な秋曇りの日。曇天の下、君の腕に抱かれたのは、ラッピングもされていない、量産品のクマのぬいぐるみ。宝物にしてね。微笑みながらそれを差し出す君に当たり前だと答えた僕は。
とんだ間抜けだと、気付かなかった。
……なあ、何時からだ? 君は何時から。
何も知らなかった、知りたいと思ったのは、嫌でも将来を見据えないといけなくなったから。
自分だけならどうにかなる、確信があった。君はどうするつもりなんだ。沸いた疑問に続くように、初めて心の内を何も知らないのだと、知った。
どうしようね。どうしたら良いと思う? 楽しそうに問うてくる君は、全く困ってなどいなかっただろう?
そうして初めて疑念は形になって。どうするつもりもないのだと、あのときの自分なら分かった、筈だ。見たくなかったのは。
そらした視線の先で、潰れた蝶が羽をひくつかせていた。
君は酷い、奴だった。
残ったのは、首もとの破れたクマばかり。捨ててやれば良かった。それもできない僕を女々しいと笑うか。
宝物は呪いに成った。そうだ笑ってくれよ。みっともなくクマにすがり付いて泣きじゃくって、それで、死者が笑ってくれるなら。
君の声を、聞けるなら。
俺には、気になっている人がいる。
バイトをしているカフェに、いつも来てくれる大学生
頼むのはいつも猫のラテアートで、笑った顔が可愛い。
そんな彼女と、付き合うことになった。
初デートは、一つ年上の俺が決めた。
再開発で新しくなったデパートのスタンプラリー
景品は完全シークレットで、デパートの発表では
彼女の好きな漫画とコラボしている事がわかっていた。
デート当日。彼女はやっぱり可愛くて、勾玉みたいな
ピンどめが良く似合っていた。
コラボパフェのピンク色のウサギに可愛い!とSNSに
あげたり、映えスポットでツーショットを撮ったり。
まさしく初デートの初々しさを残した俺達は、着実に
スタンプを集めていった。
そして、受付にカードを持っていき、係の人から
小さめの箱を受け取った後.....
中身を見た俺達は、固まっていた。
箱の中身は芳香剤。それも、大根の香りだ。
付録の紙には
『夏のトTレ大根祭〜⑴芳香剤を大根の香りに』
しばらく固まって、瞬間笑いが止まらなくなった。
大根の芳香剤ってなんだよ。反則だろ。
隣を見ると彼女も笑っていて、目線が交わって、
また笑った。
今の俺達には何もかにも刺激になるようで、
笑い転げながら、今なら何でもできると思った。
結局彼女とは半年付き合って別れてしまったけれど、
今でもあの芳香剤は家にある。
いろんな人に捨てたら?と言われるけれど、やっぱり
捨てられない。いまさら思い出に言及するつもりはない
けれど、これから何があろうとも
あの笑いにかき消されるような気がするのだ。
【宝物】
薄暗い廊下を抜け、扉を押し開けた先にあったのは所謂宝物庫というものだった。壁や床の全面が金色に輝いており、その真ん中には緋色の宝箱が一つぽつんと置かれていた。
なにかを警戒するように一つ一つ歩を進めた私は、ゆっくりと宝箱に手をかける。装飾が豪勢な割にその重さは特になく、簡単に開いた。中には古びた本が一冊入っていた。
「魔導書だ......」
思わずにやりと呟いた。これでやっと開放される。そう思った瞬間頭の中から誰かの声がした。
「汝の望みは、絶対的な力か?否」
「......は?」
不自然なところで跡絶えた声に思わず首を傾げる。望みを否定するだけ否定して声の主は帰ったらしい。
ついでと言わんばかりに魔導書は灰となって散っていったし、気付いた時には活気あふれる街中に放り出されていた。数ヶ月かけた作戦は無事水泡と帰した。
「私以上に力を欲してる人なんていないでしょうがああああああ!!!」
これはある一人の少女がこの世界に順応するまでのお話である。
「宝物」
宝物
私の宝物。それは娘です。もう30歳だけど。母子家庭でずっと一緒でした。アトピー性皮膚炎から、喘息になり、夜間救急にかかることが多かったけれど、中学卒業まで病院にかかって、喘息は完治しました。大学に行って、就職してやっと肩の荷が降りたと思ったら、脳炎になって倒れました。今は記憶障害があり、障害者だけど、元気に仕事をしています。いろいろな事があったけれど、娘は宝物です。
ある日突然、彼氏を連れてきて山梨で一緒に暮らすと言われました。障害がある娘を大切に思ってくれるのは本当にありがたい。
でもなんだか寂しい。
私の宝物を持って行かないでって思うけど、私とずっと一緒にいるよりは、もっと輝くんだろうなぁと、彼氏にそっと私の宝物を渡す。
いつまでも大切にしてね。
よろしくね。
おい、あんた、助けてくれ
あんた優秀な祈祷師なんだろ
宝物に追われているんだ
え、事情が分からない?
分かった、話すから助けてくれ
俺はトレジャーハンターで世界中を飛び回っている
とある遺跡にお宝がたくさんあると聞いてそこに行ったんだ
そこに行くとすごかったぜ
たくさんの金銀財宝があるんだから
家族に楽をさせられるyて喜んだよ
あまりに多すぎて持って帰れないから、袋に入れるだけ入れて帰ったんだ
帰って持って帰ったお宝を売り払った晩のことだ
ホテルの部屋で過ごしていると、宝石が落ちてたんだ
その時は、袋からこぼれて売りそこねたヤツだと思った
でも違ったんだ
翌朝起きると、床一面に宝石とか装飾品とかの宝物が散らばっていた
気味が悪いんで、すぐに売っぱらっちまった
それで売り払ってから帰ると、また部屋の中に宝石が散らばっていたんだ
朝起きたときよりも
俺は怖くなってそのままホテルを飛び出した
だってあんな気味の悪い場所にいられないからな
すぐに違うホテルに行って、部屋を取った
金ならあるからな
でもそも新しい部屋宝石まみれだった
部屋に一度も入らずにホテルから逃げた
それからどこに行っても宝石があるんだ
どこに行ってもどこに行ってもどこに行っても
宝石があるんだ
でもアンタのことを聞いた
こういう時に助けてくれるって
出来るんだろ
本当か
これで安心して家族と過ごせるよ―
ちょっと待ってくれ
俺に家族なんているのか?
え、あの宝石は俺の宝物のような思い出が、現実にお宝になって出てきたものだって
でも俺宝石売っちゃったし、残りも部屋に置いてきたから、一つも持ってない
それだと、記憶は戻せない
そんな馬鹿な
アンタ助けてくれるって
いやちょっと待て、アンタ誰だ
どうしてここに
何も思い出せない
俺はいったい誰なんだ