『宝物』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【宝物】#87
君が僕に好きだと言ってくれたのは
あの晩だった。
君が僕に対して言った言葉は
僕の宝物だ。
次に会った時の君の姿は
そりゃあ美しかったさ。
本当だよ。
あぁ、そうだ。
鮮やかな君を神は嫌ったんじゃない。
羨ましいと心から思ったから、
僕より先に君の心を奪いたかったから、
僕は負けてしまったんだな〜。
参ったよ。
またいつか会おう。
それまで僕を思い続けてほしい。
愛してる。
散歩の途中で拾った枝や鳥の羽根、謎の木の実。
水をかけると青緑に透ける石、友達の誰かに貰った異国のコイン。
子供の頃に集めていたカード、飼っていたネコのヒゲ。
銀のエンゼル、へそくりが挟んである古い手帳。
若い頃の両親の写真。
ただのガラクタと笑うだろう。
だが、私にとっては大切な鍵だ。
テーマ「宝物」
宝物は、大切にしなさい。
そうしないと、壊れてしまうから…。
小さい頃、そう言われたけれど私にはピンと来なかった。
何故か?
……私には、宝物と呼べるものがその時は無かったから。
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「紗雪〜、朝ごはん出来た」
「は〜い。今行く〜!」
「………今日もバタバタしてるね」
「そう思うのなら、起こしてよっ!」
「ごめん。寝顔が可愛かったから」
「思ってもないこと言わないで!どうせ面倒くさいとおもったんでしょ?!」
「…………本音なのにな〜」
私には今、付き合っている人がいる。
彼は在宅の仕事をしている為、家事は殆どを任せてしまっている。
そんな、彼は家事がとっても上手。
……それに比べ、私は今日も起きるが遅かった。
「………昔ね。お母さんが言ったの」
私は朝ご飯を食べながら彼に昔母にされた話をする。
「宝物は、大切にしなさいって」
「うん。よく言うよね」
「……でもね、私、その当時はよく分からなくて。宝物と呼べるものなんてなかったからさ」
「ぬいぐるみとか、お人形とか、そういうおもちゃなかったの?」
「あったけど、それが宝物かって言われたら、違ったの」
「ふ〜ん。」
「………でもね。今は出来たんだよ。宝物」
「……どんな宝物ですか?」
「それは、目の前にいらっしゃいますよっ」
「……………。俺?」
「そう。俺っ!俺の事宝物だから、大事にしないとな〜」
「………(笑)その割には当たりが強くないですか?」
「あたりの強さは、甘えの裏返しです」
そういうと、彼は笑顔で困ったな〜と言った
大人になった私には、宝物がある。
彼が大切で、大事な宝物。
小さい頃の私、その時に分からなくても大丈夫。
今ならちゃんと、お母さんの言ってた事がわかってるから…。
「前付き合ってた人がくれた海で拾ったシーグラス」
「シーグラス?ってなに?」
「もとはゴミだけど海でもまれてなんかキレイになったっぽいやつ」
「ふーん。ごみが宝物」
「なんかきれーじゃん」
「なんかきれーならいいの? ゴミでも?」
「いいよ、なんかきれーなら」
「ふーん。うーん」
食べ散らかしたあとの机の上を見渡してる。さすがにないよ、なんかきれーなものなんて。
やっぱり見つからなかったらしくて、今度は自分のポケットを探り始めた。ないでしょ。つかなんで探してんのさ。
「あ」
ポケットから出した握りこぶしを目の前に突き出される。なんとなく手で受ける準備をする。ぽとりと落ちたのはさっき噛んでたガムを包んでた銀の紙。
「なんかきれーじゃね?」
「さすがにない」
でもここで一つ、意地悪を思いつく。
「でもあんたが一生懸命探した『宝物』ってことね。もらっとく」
「え」
「どうしても宝物を渡したくなって探したんだよね。大事にするね」
「なんかちげーんだけど。どこまでゴミを大事にするか見たかっただけなんだけど」
「ありがとう」
めったに見ない顔してる。今日はこっちの勝ち。
2023/11/20 宝物
自分の宝物は自分で決めるし大切にしたい。
他の誰かに決められたり否定されたくない。
先週、出張のおみやげにと、夫から六花亭のお菓子をたくさん貰った。
北海道移動中、運良く本店に行けたと言う。
素朴な草花で彩られた小袋はチョコレート、
「こっちは、パケ買いの缶」
同柄の小さな丸い缶には、ボンボンとあった。
缶を開けると、小さな砂糖菓子が6色。直径10ミリほどの、酒入りボンボンである。
可愛らしく、行儀良く、まるでジュエリーのような顔。
しかし、その味わいこそが、筆舌に尽くし難い宝だと思った。
【宝物】
「今日のリアルタイムネタに絡めたハナシをすりゃ、もう、『宝物』は昔プレイしたゲームの思い出に決まってるだろ……」
信じられるか、昔々の初代「かみつく」はノーマル技で、今日25周年迎えた第2世代からやっと幽霊に当たるタイプに変更されたんだぜ。
某所在住物書きは携帯機の電源を入れ、ダウンロード済みのゲームを呼び出した。
音源とドット絵の圧倒的レトロに、25年前を思い出す。コンビニ予約であった。初代からずっと初見プレイの相棒は水タイプだった。
理論も数値稼ぎも知らず純粋に戦って勝って捕まえていた頃の、なんと、懐かしい。
「で、4種類だけじゃなくなったボール、実は数種類、説明通りの性能じゃなかったっつーね」
執筆活動そっちのけで、物書きは画面を見つめ……
――――――
今日は朝から、昔々のゲームソフトとか、ハードの名前とかが、大量にトレンドに上がってくる日だ。
私が生まれる前のやつとか、やっと物心ついたかなって頃のゲームとか、ギリギリ知ってるけどプレイしたことないタイトルもあった。
私と同年代だと思ってたフォロワーさんが「初恋は今日25周年のオカリナだった」って。
「今でも当時のソフトは宝物」って。
ん?(年齢誤認の可能性)
……んん?(実年齢が迷子)
そんなどこぞのゲームの日の、昼休憩。
「先日、11月5日頃に、まだ緑一色だったイチョウの木の画像を見せただろう」
休憩室の、いつものテーブルに座って、いつもどおりお弁当広げて、いつもどおりに職場の先輩とふたりしてランチ食べてたら、
先輩のスマホが、ピロン、DM着信の音を鳴らした。
「アレの続報だとさ。いい具合に色づいたそうだ」
送信元は、先輩の実家のご両親。どこか知らないけど、雪国の田舎だって言ってた。
故郷の隣の隣の隣の、なんかその隣あたりの町に、「昔イタズラで悪さをした狐が化けたもの」って昔話のあるイチョウの大木があって、
どうやら、良い具合に黄色くなったからって、東京に住んでる先輩に画像を送ってきたらしい。
「今頃黄色くなるんだね」
「他のイチョウやモミジは、もうだいぶ、葉を落としているんだがな。このイチョウ、『イタズラ狐の大銀杏』だけ、色づきがとても遅いんだ」
仕組みは分からないが、不思議なものさ。
本当に狐が化けているのかもな。
先輩は呟いて、スマホの画面を見せてくれた。
「わぁ。ヤバい。綺麗」
表示されてたのは、地面スレスレに垂れてるたくさんの枝と、光加減でいろんな黄色をして輝いてるイチョウの葉っぱ、
その枝のひとつを気取って掴む、多分先輩のお母さんと、足元いっぱいに広がる黄色と薄黄緑。
よく見かける並木とは違う、大きい大きい1本のイチョウの本気を、見たような気がした。
「ずっと守られ続けてきた宝物だ」
スマホをスワイプして、別の画像を見せながら、先輩が言った。
「ただ、この町の観光資源、経済効果のある宝物、『千年の大銀杏』は、イタズラ狐より大きくてな」
大木のそばの祠とか、大きなイチョウを撮る小さな観光客の図とか、
スワイプしてスワイプして、ピタリ。
「それも、見るか?」
休憩室の壁時計を見ながら、先輩が聞いてきた。
見る。 条件反射で言いかけたけど、
先輩につられて時計を見たら、昼休憩終了まで残り3分くらいになってた。
「ヤバ!お昼ごはん食べ終わってない!」
「では、見なくて別に構わないな」
「見る!でも食べる!……やっぱ見な……る!」
「どうぞ。どちらでも、お好きな方を」
『宝物』
小さな頃は、宝物がたくさんありました。
いつから、それらがガラクタになったのか…
あんなに素敵に輝いて見えた物が、すっかり輝きを失ってしまい、ゴミにしか見えなくなりました。
今では、宝物を『宝物』と思える心が宝物だと思います。
失って初めて気づく、僕にとっての宝物。
それはまるで空気のように軽やかで、無くなる時はするりと手からこぼれ落ちていく。
そっから後悔しても遅いから、今ある宝物をちゃんと認識して大切にしていこう。
失ってようやく気づくモノ。
でも失ったらもう遅い。
だから、一瞬一瞬を大事に生きよう。
そうしたら、いつか、その宝物に触れられるかな。
宝物
失って初めてわかる
それは違うんじゃないかな
失って初めて気づくなんて
大事だったかも知れないけど
きっとそれは宝物ではなかったんだよ
失ってからその大切さに気づくだなんて、絶対にありえない。
本当に大切なら最初から大事にしてるばすだ
宝物は自分だけのもの
誰にも見られないよう、
盗られないよう、
壊されないように
上手に隠しておく
その方が安全だから
宝物はみんなそれぞれ箱に詰めて心の中に仕舞ってある。開けない箱もあるけれど、捨てたい箱はない。
誰にも見せない。誰にも見つからない。
私だけの、あるいは私と誰かとだけの、思い出。
宝物。誰だって宝と言えるものを二つ持っている。それは若さと健康だ。
なんてそれっぽいことを言ってみる。まぁ生まれた時から健康じゃない人もいるけどそれは置いておいて若さと健康というのは大事なのだと年を取るごとに痛感する。
年々肉体的に無理ができなくなって昔できたことがしんどくなってくる。人生の残り時間と老後の心配で悩んでばかり。
若さというより時間が宝と言うべきか。気がついた時にはなにかするには遅い。そんな年齢になってしまう。
だから今この時間が大切なのだ。今が自分の人生で一番若いと思って行動するべきなのだ。
そうわかっちゃいるけど毎日だらだらしている俺がいるんだよね。長年積み重ねた怠惰の習慣をどうにかするのは難しい。
もう一つ大切なのは健康。これも若さと同じくらい取り戻せないものだ。
肥満や糖尿病、アルコール依存症など色々気を付けないといけないのは多いけど特に歯は大事にするべきだ。
歯は大事だ。ちゃんと歯磨きしてフロスして定期的に歯医者に行って見てもらう。
これが基本的なことでなにも難しいことはない。誰にだってできることだ。
でもフロスするのめんどうでしないし歯医者にも痛くなるまで行かないのが俺だ。
わかっちゃいるけどめんどうなんだ。全部わかっているけどめんどくさいんだ。
もっとちゃんとしなきゃな。そう思いながらこの年で死ぬまでそう思い続けるんだろうな。我ながら救いようがない愚かさだ。
公園の土手の敷石のそのなかに、色のある光沢を見つけて立ち止まった。それをじぃとみてみると、なんの瓶飲料の欠片なのか、少し濁ったような綺麗な硝子片だった。
後ろから小さな子供が駆けてくる。立ち止まってそれを眺める自分の前に飛び出し、しゃがみこみ、これを拾う。「ああなんてきれいな硝子なんだろう!宝石みたいだ!」
子供はあたりを見回し、このきれいな石のいくつかあるのを発見する。そうして手のひらに拾い集める。子供の手のひらの中、捨てられたがらくたの硝子片が宝箱の中に招かれる。敷石の中に微笑むような温度が見える。かつての子供がそれを眺める。手を伸ばして、ひとつ、拾った。
宝物。
やっぱり家族。自分は恵まれてるから家族がいるんだと思う。
でも自分に辛いことや苦しい事があっても家族には言わない。迷惑をかけたくないから。
家族に大丈夫?とか苦しかったよねって言ってもらうのはあまり好きじゃない。そういう性格でもないし。
TikTokとかでライブ配信してる人とかなら打ち明けられるんだけどね笑
なんでだろ。これって家族のこと信用できてないって事なのかな?だったら最低だね。自分。
今年は受験で不安もいっぱいあって、成績とかも気にして、先生からは今年は受験なのでよく親と話し合ってくださいって言われるけど、話し合いとか無理って思っちゃう。時々、成績連絡表とか見せるんだけどね。テストの点数がまとめて書かれてあるやつね。
こっちが信用しきれてないのはまだまだ足りないところがあるから。100%信用されてるのかはわからないけど、相手なりの考えがあるのだろうと思う。
でもやっぱり自分の1番の宝物は、
家族なんだなって。思った。
何があっても守りたい
誰にも傷つけられたくない
私の”宝物”は子供達です
大学生になった娘に 素敵な彼氏ができました
私の”宝物”をまた同じように大事にしてくれます
以前よりも ”宝物”は輝いています♡
そういえば、私には宝物と言えるようなものがない。
家族や友達はいないし、金もない。幼い頃に大切にしていたものなんて、気づいた時には全てなくしてしまっていた。
社会の癌共の下で都会の畜生より酷い客と戦うだけの日々も、貴重な経験で宝物のひとつだ。
なんて綺麗事を言える余裕があれば良かったが、いつかそれを手に入れることに憧れる前に倒れそうで、夢ひとつ持たずに、ゴキブリのように必死に生きている。
一人でいた頃は宝物が沢山あった。
お気に入りの手帖。
お気に入りの腕時計。
お気に入りの服。
一緒に遊べる友達、仲間。
そんなものが全て宝物だった。
結婚して最初の頃は彼女が宝物だった。
やがて子供が出来て子育てが始まり
だんだん宝物とかどうでもよくなっていた。
手帳も買わなくなった。
腕時計もはずして
服なんかも着られればなんでもいい感じになった。
友達とも会わなくなって、
仲間みたいな関係の人も
職場に行けばギリギリいるかな?
みたいな感じになっていた。
子供たちが巣立ち、僕は猫を飼った。
猫はいつもそばにいてくれてすぐに僕の宝物になった。
でも一年足らずで彼は逝ってしまった。
その時はじめて妻と二人、向かい合って泣いた。
二人で一緒に泣いた時、
もしかしたら宝物はずっと
そばにあったのかもしれないと思った。
特別な何かでは無い。
誰の周りにもあるような普遍のもの。
それが宝物であるかどうかは
自分が気づいているかどうか?だと言う事に
その時やっと気付けた気がした。
多くは要らない。
ほんのひと握り、
ありがとうと思える何かがそばにあるだけで
心は満たされるのかもしれない。
私の宝物は、なんだろう。
生きていくのに必要な
家、仕事、お金、そんな物を
削ぎ落として考えてゆくと。
私の宝物は、守りたい物になり。
奪われたくないもの
に、行きついた。
私は、私より大事な子どもたちが
何よりの宝物だ。
いつか、手を離れるその日まで
どうか大事に守らせて。
いつか、遠くに行く日には
姿が見えなくなるまで見送れたなら
きっと、幸せ。
【お題:宝物】