『安心と不安』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
安心はいまはない。不安はあるけれど期待もいっぱいある。自分でなんとかするしかない。
知らないから怖いと思ってた
だから名前を知り枠にはめてた
だからそれに名前があるということに怖さを感じたし名付けた人を恨んだ
安心と不安
「親って安心するよね〜。」
そういつも思っていた。
だけど親の秘密を知るうちに不安も重なった。
安心と不安が混ざりあって、
喋ったり会うのが億劫になった。
親の秘密を知りたくなかった。
そしたら、不安なんてなかったから。
#『安心と不安』
No.27
安心と不安
一緒にいると安心
一人にしておくと不安
私があなたを絶対に守る
なんとしてでも守りたい
あなたの笑顔がまた見たいから
あの生き生きとした顔
可愛い笑顔
絶対に取り戻してみせる
だから私にどんどん頼ってほしい
全力で守るよ
あなたのことを
僕はひどく不安に襲われている。
今を明日を乗り越えられるか分からないからだ。
なぜ分からないの。
そんなの決まってる。
『自信がないから』
なぜ自信がないの。
勉強してないから、練習してないから、、、、要は、一生懸命に向き合ってないからだ。
だけど過去を振り返ると安心する。
乗り越えてきた、もしくはなんとかなったからだ。
それを材料に気持ちを紛らわそうとしてる自分がいる。
もう逃げるのはやめよう。
向き合うんだ。
一生懸命に向き合って自信をつけるんだ。知らないことも学んで知ってるに変えていくんだ。
本当に不安から逃れる方法は自分が変わるしかないんだよ。
今を変えていこう。
両足を地面に乗せて立っているときのほうが、夢中で走り抜けていくよりも心細い瞬間が確かにあった。
#安心と不安
安心と不安は紙一重
今安心しても後が…と考えると不安になる
今すごい不安だけどいつかは…と考えると安心する
安心があるから不安がある
不安があるから安心がある
#11 安心と不安
貴方とのメッセージのやりとり。
それはとても安心するもの。
だけどそれは
時にすごく不安になるもの。
私がメッセージを送ると
すぐに返してくれる。
スタンプでもなんでもいい、
会話出来ていることが嬉しい。
だけどメッセージを送ったあと
なんじゅっぷん、
なんじかんも
返事が来ないととてもこわい。
なにか言っちゃったかな、なんて
たくさん考えちゃう。
きっと忙しいだけ。
メッセージがないのは、
たまたまタイミングが悪かっただけ。
だってほら、
明るいメッセージが届いた。
《安心と不安》
勇者、というのは、人々に安心を齎す存在だ。
たとえばその世界に仇なす魔王を倒し得る者。
だが、魔王がいなくなれば不安を齎す存在だ。
それはひとえに、持つ力の大きさが故だろう。
やるやらないではなく、できるかできないか。
力を有するというだけで、畏怖に値するのだ。
持たざる者からすれば、当然の思考であろう。
それでも、勇者は人々の為に魔王を倒すのだ。
これ以上苦しめられぬようにと、願いながら。
但し、勇者に選ばれた者であっても心は弱い。
それ故に、魔王を倒した勇者は居場所を作る。
己の心を守る為に、誰もが守られる国を作る。
その後に、彼らは呼ばれるようになっていく。
勇者ではなく、堕ちた存在、それ即ち魔王と。
安心を与えていた者が、不安を与える者へと。
皮肉にも、堕ちずとも同じ道を辿ってしまう。
それが勇者という、悲しい生き方なのだろう。
正反対の感情を世界に与える、それが勇者だ。
相反する二つの感情は、表裏一体かも知れぬ。
かつての勇者と今の魔王がそうであるように。
「安心と不安」
面接に受かるか不安
進級出来るか不安
納期に間に合うか不安
先生達に思いが伝わるか不安
先の見えない未来が不安
心が不安定になる度合いは人それぞれある
皆頑張ってる。今を頑張ってる。それはとてもすごい事なんだよね。
心のエネルギーは寝て全回復、なんて簡単なものじゃないと思う。
どうしたって不安だらけ…。
エネルギーが無くなりそうだけどあともう少し…あともう少しなんだ。あと一歩…あとひと踏ん張り。
…だから
……早くいい未来が来て一時の安心を。
ぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらと、本当に良く回る口ですね。
里佳子の血色の悪い唇を、私は頬杖をついて見ていた。あれだ、ボクトウガの幼虫に似ておる。
里佳子は大学時代のテニスサークルの友人だった。大学時代にテニスサークルなんぞに籍を置いていたことすら半分忘れかけ、里佳子という名の友人はもはや忘却の彼方であったが、律儀にも名前と連絡先を覚えていたスマホを通じてメッセージが届き、大学卒業以来5年ぶりにランチをご一緒することになったという次第であった。
(来るんじゃなかった)
イカとマイタケのアラビアータ・スパゲティを啜りながら、私は貴重な休みを無駄にしたことを嘆く。
安心を得ようと思ったのだ。
毎日毎日家と職場の往復で、たまの休みは趣味の昆虫採取のために自然公園や山林を飛び回る変な女。それが私だ。
彼氏はおろか友達すらまともにおらず、家の中は虫と虫を採ったり飼ったりするための道具でいっぱい。親に泣かれ、妹に笑われ、職場の同僚にドン引きされるに至り、さすがにマズイと思い始めたのが先月の話だ。
久しぶりに会おうという里佳子からのメッセージは、脅迫めいた不安に苛まれていた私にとって、救世主に等しいものだった。
全く覚えていないが、テニサーという無駄に煌びやかな響き、大学時代の友人という青春の食い残しのような中途半端なポジションもいい。
一片の興味もないのにとち狂ってテニサーなんかに片足を突っ込んでいた過去の自分を褒めたい気分だった。大丈夫。私はまだ大丈夫。私には、休みの日におしゃれなカフェで一緒にランチを摂取する友人(覚えてないけど)がいる!
そう思って待ち合わせた里佳子は、せっかくのリゾットにも手を付けず、飲むだけで光楼気が満ちて絶対幸福の奥義に通じるという「光楼気水」の話ばかりしていた。今なら2ℓでたったの1万円という超お手軽価格だそうなのだ。どうしよう、私は、水は水道水しか飲まないって決めてるのに・・・・・・。
初夏の日差しも穏やかな午後であった。爽やかな羽音が踊り、誘われるように天を仰いだ。ストレスで半眼になっていた私の頭上を駆け抜けたのは、艶やかな水色の複眼を輝かせた、立派なギンヤンマであった。
「あ・・・・・・」
完成されたメタリックな美しさに、思わず吐息が溢れる。なんて雄々しく、自由なのか。それに比べて、私はくだらないことで不安になり、愚にもつかない話ばかり聞かされている・・・・・・。
何だか可笑しくなり、私は無造作に右手を伸ばし、
「ボクトウガ!」
水の話を続ける里佳子の唇を鷲掴みにして黙らせた。
目を丸くした里佳子の唇が、ふがふがと蠢き、私を喜ばせる。
「あはは。里佳子、ごめんね。光楼気水って、コオロギ水みたいな響きで私は好きだけど、水は塩素がたっぷり入った水道水しか飲まないと決めてるの。それよりあなたの唇って、ボクトウガみたいでとっても素敵・・・・・・。でも本物が見たくなったから、ちょっと山に行って来るわね。ばいびー!」
呆気に取られた里佳子の唇に、残したイカのミミを突っ込んでから、私は千円札を2枚置いて席を立った。
今日は、来てよかったのかもしれない。心からそう思う。詰まらない不安を吹っ切ることができた。普通が何だ。これが私だ。彼氏も友達もいらん。いざとなればヨツスジトラカミキリと結婚すればいいのだ。
軽やかな心地だった。良く晴れた初夏の陽気の中を、私は駆けて行った。
(安心と不安)
「おい、ガキ!この俺様をみて怖気付いたのだな!」
まだお母さんが生きていた時に、私に読んでくれた絵本を思い出した。
「怖くて声も出ないのだな!」
寿命が短い女性のもとに現れた死神の話し。
その女性と死神の3日間を描いた物語。
「おい!何かものを言え!」
憧れていたのを思い出した。
もう良くもならない病気で、不安な私にお母さんが読んでくれた物語。
「この俺様を無視するなんて…このガキっ!」
でも、所詮…物語は物語でしかない。
それにあの物語は「シンデレラ」や「白雪姫」みたいに綺麗魅せるためにに描いた夢物語だ。
現実は無常だ。
「あーあ!この…死神様が来てやったのによ!」
これは私とこの自称死神を名乗る男と…過ごした3日間の私だけの物語だ。
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不安な事は山ほどあった。
特に最初の頃は、いつ自分が死ぬのか…そればかりが不安で仕方なかった。
寝ても覚めても見える景色は病院の天井。
身体を起こして外を見てみれば、本で読んだ物語の世界が広がっていた。
知りたかった。
手を伸ばしても届かない空はどうしたら手が届くのか。
雲にだって触りたいし乗りたい。
自分で作るアップルパイの味だって知りたい。
だけど人間は適応能力に優れていると本で読んだ時に、私は全てを悟った。
私の思い描いたことは夢でしかない。
この身体の時点で私はこの身体に適応能力した人間になったのだと。
いつしか不安を感じなくなった時だった。
「あーあ!この…死神様が来てやったのに2日も無視しやがって!なんか物言えガキ!」
ふよふよと浮いているこの男は自称死神。
真っ黒のフードで顔が見えない。
2日前から見えていて態度も仕草も口も悪い。
「出て行かないと人呼びますよ」
「あははっ!やっと喋ったな!他の人間には俺様は見えないから…残念だったな…ガ・キ!」
「っ!私はガキじゃないです!もう12歳で…本当だったら…来年…中学に通っていて…」
「はぁ?来年?無理無理!お前はもうすぐ死ぬ運命なんだからそんな一瞬の話しされてもわっかんねーよ!」
死ぬ運命。
その言葉をかけられても私は不思議と不安ではなかった。
本当はもう分かっていたのかもしれない。
「お前は泣き喚いたりしないんだな?人間って奴はすぐに死ぬって言うと泣くんだぞ?それにガキの方が泣いてすぐに、人呼んで話にならねぇからめんどーだけど…お前は家族も呼ばないし泣かないし…見てて気色悪ぃ」
「死ぬとか…今さらどうでもいいよ」
「うわぁ…まじでこのガキ大丈夫か?不安ひとつも感じねーし…やっぱり気色悪ぃ」
「殺すんだったらはやくして」
「いや、お前が死ぬのは今日じゃねーよ。勝手に寿命を縮めたり延ばしたら俺様が減給される。休みもなくなる!それは嫌だ!それに…1番嫌なのは…」
自称死神が浮いたままぷるぷると震え出した。
よっぽど人間の運命を変える事は重罪なのだろう。
「お前みたいな不安を感じないガキを見ても俺様は気分が良くならない!!」
「えっ…気分?重罪は?」
「ない!お前が産まれる何千年前に死神と死ぬ間際の人間が駆け落ちした時も特段お咎めなかったしな!」
「それで…成り立つの?」
「どうせ、生き物は短命なんだし。ほっときゃ勝手に死ぬ」
生き物は短命。
それでも私よりも遥かに長生きをするはずだ。
「だから…お前が不安になれば俺様は気分が良くなる!という事でお前が不安になる事はなんだ!?」
「えっ……。分からないけど…人間高い所に行ったら不安になるって本でよん…」
「じゃ、今すぐ行くぞ!高い所に!」
自称死神はそういうと何処から出したのか分からない大きな鎌を振るった。
私に鎌があたる。そう思った瞬間には私は空の上にいた。
「えっ…!私…空の上に!」
「はははーん!どうだ?怖いだろう?不安だろう!」
確かに怖い。
地に足がつかない感覚がこんなに怖いなんて知らなかった。
たけど、隣を見ればちゃんと両手を握ってくれている自称死神がいる。
この気持ちはなんだろう。
お母さんに本を読んでもらったあの時の気持ちに似ている。
温かくて…ゆっくりと時間が動いていく。
私がいつ死ぬのか…忘れさせてくれたあの瞬間に似ている。
「ねぇ…!自称死神!私、あの雲に触りたい!乗りたい!」
「俺様は自称死神じゃねーよ!たくっ…最近のガキは躾がなってねぇ」
悪態をつきながらも白い雲が触れられる近くまで近付いてくれる。
「待って!なんで雲って乗れないの?触れないし?」
「はぁ!俺様に聞かれても知らねーよ!あとお前ガキのくせに重いから戻る!」
死神が私を抱き抱えまた鎌を振るうと、何事もなかったようにいつもの病院のベッドに私はいた。
隣には変わらずにふよふよと浮いている自称死神。
「どうだ!怖いか?不安になっただろう!さぁ、泣き喚け!」
「重いってどういうこと!それ聞いて不安なんか飛んでいったよ!」
「はぁ?!このガキ…俺様を騙しやがって」
「騙してないよ。勝手にそう思って行動したのは自称死神さんじゃん」
「もういい!」
急に白い煙が出たと思うと自称死神さんは居なくなっていた。
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「消えたんじゃないの?」
「消えるわけないだろう?俺様の仕事はお前の魂を刈り取って正しく導くことだ!」
この自称死神が魂を正しく導けるなんて微塵も思っていない。
やっぱりお母さんが読んでくれた死神は、あの綺麗な誰かの物語の中でしか存在しないんだろう。
「全く!今日はもうガキの戯れ言に付き合っていられないからな!なんたって今日は…お前が死ぬ日なんだから!」
「そっか…今日が死ぬ日なんだ」
そう言われてもやっぱり不安は感じなかった。
「ははっ!怖いだろう?最初から死の宣告をしておけばよかったんだ!俺様もまだまだだなぁ!」
「いいよ、はい」
私が両手を広げると自称死神さんは鎌を落とした。
「な、な、なんで…怖がらないんだ!?不安にならないのか!?お前はもう死ぬんだぞ!」
「そうだね。怖くないよ…なんだろうむしろこの気持ちは多分…安心してるんだと思う。お母さんが亡くなってから…私はもう生きるのを諦めてた。安心も不安もなくてそれこそ魂を持っていかれたみたいに生きてた。でも、死神さんが来てくれた3日間楽しかったよ。最初の2日間は無視しちゃったけど、やっぱり誰かが隣にいてくれるのは「安心」したよ。私は死神さんがいてくれて「安心」したの」
「うわー!止めろ聞きたくなーい!」
自分の身体をカーテンぐるぐると巻き付けると死神さんは固まった。
「でも、心残りは自分でアップルパイを作って食べれなかったことかな。死神さんにも食べてもらいたかったなぁ」
「うわっ…心残りもあるのかよ。これだから極悪犯罪者以外は相手にしたくないんだよ」
死神さんはブツブツと呟くと急にカーテンを解き、何も無い空間から1枚の紙を出した。
「これは前借りだ。読め!」
「私…字読めない…」
「これだからガキは…!いいかここに書いてあるのは、お前の今の人生を延ばす契約だ」
「えっ!延ばしたら…お休み減るんじゃ…」
「うるさい!どうせ死神はブラックだよ!人間の方がマシだわ!簡単に言うとお前は輪廻転生出来ないけど、今の人生を長生き出来るって契約だ」
「りんね…てんせい?」
「それもわからないのかよ…!人はな産まれたら死ぬ。そしてまた産まれる。死ぬ。産まれる。死ぬ。を繰り返しているんだ!これに契約したらお前はもうこの人生限りだ次はない…どうする?もし書くなら無理に感じで書くなよ」
次の人生はない。
やはりお母さんが読んでくれた物語は綺麗な物語でしかなかった。一緒に生きてくれる死神もいない。
だけど…今を生きることを…安心させてくれた死神はいたのだ。私の物語の中だけには。
「私は……」
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長かった業務をやっと終わった。
紙1枚に書かれている名前を何度も読みこれからのことを考えた。
「お前…今回長かったなぁ。子供だったんだろ?大丈夫だったか?」
同僚の死神に心配されたが俺様がしくじる事はない。
「何も心配ねぇ。ほらこれ」
「げっ!輪廻転生の契約書…。やっぱり子供は生きたいって言うんだなぁ。というか…おい!お前それひらがなで書かれているじゃん!やばいよ!契約になってないよ!」
「ん?そうだったのか?知らなかったって事で。俺様だって初めてこんな紙切れ使ったし?」
「ええっ…休みが良くても358年と79日減るぞ!プラス減給かも。お前になんのメリットもないの…よくやるねぇ」
「いや、メリットならある。次にあのガキに会う時にあのガキの手作りのアップルパイとやらを、死ぬ間際に近くに置いてもらう事も俺様が作った契約書でしてある。まっ…次に会う時には、あのガキはよぼよぼのババアになってるんだろうけど」
同僚の死神は本当にお前は、「人間の空想物語に出てくる死神にそっくりだな。もう悪魔を通り越して天使だわ」と言い残すと次の仕事に消えていった。
「俺様だってあんな人間…物語でしか見た事ねぇよ。俺が傍にいて安心するだなんて…ははっ…もっと不安がれよな」
自分を信じることができるか
自分への期待に
応える自分も
裏切る自分も
できる自分も
やらない自分も
すべて自分
応える自分も
裏切る自分も
できる自分も
やらない自分も
すべて信じる
すべて自分
すべて受け入れる
【安心と不安】
正月のあの日から電子音に過敏になった。
アラート音を思わせて、ごく小さな音でも反応してしまう。本番の音はもっとけたたましいのに、過剰なものだ。
不安を煽る音色へ、正しく素直な反応をする我が身は、逆説的に安心感があるかもしれない。
「お兄ちゃん!今日は何の曲作ってるの?」
机の上にあるパソコンに向かって作業をしている僕のお兄ちゃんに話しかける。
「今日はね、奏(かなで)の為の曲を作ってるんだ」
「僕?」
「そう。奏の声を最大限に引き出せるような曲だよ」
「聞きたい!お兄ちゃん歌って!」
「まだ出来てないけど、しょうがないな。特別だぞ?」
「わーい!」
お兄ちゃんがギターを手に取り、弾き語りを始める。
「___♪___♪」
やっぱりお兄ちゃんの曲はいいな。お兄ちゃんの声も綺麗で格好いい。
いつか、お兄ちゃんの曲が有名になって、世界中の人に聴いてもらえたら、ってあの日までそう思ってた。
8月22日。
お兄ちゃんは白い部屋で、静かに目を閉じた。
まだ18歳だった。お酒も煙草も経験しないまま。音楽も世に出さないまま。
だから僕が叶えなきゃ、そう思った。
それから僕は何度もお兄ちゃんの曲を歌って、投稿して、練習して、歌って、投稿して、練習して。それを毎日繰り返した。
お兄ちゃんの歌を、声を忘れないように。
「凄い...1日でこんなに変わるの?」
僕は毎日、ルームシェアしている黒(くろ)に歌を聴いてもらっている。
「黒がお兄ちゃんの映像見せてくれたからだよ。助かってる」
「そんな......私はただ、奏ちゃんにお兄さんを忘れてほしくないだけだよ」
「...そっか」
僕は時々ふと考える。
歌を歌ったところで、1番聴いてほしかったお兄ちゃんはもうこの世にはいない。
もう意味なんてないんじゃないかなって。
それでも僕は歌い続けなくちゃいけない。
お兄ちゃんを忘れないために。
はやくお兄ちゃんに会いたい。
お題 「安心と不安」
出演 奏 黒
「安心」
には必ず
「不安」
がついてくる
私が「不安」になった時にきみが言う大丈夫の言葉は
なんの確証もないのに
私の心からすっと不安を取り除いてくれる
なんでだろう
なんで大切な人の言葉ってこんなに魔法みたいなんだろう
『安心と不安』
「不安の数だけ荷物が多くなる」ってCMがあるけれど、あれは本当だと思う。
ハンカチ、ポケットティッシュ、衛生用品、絆創膏にボールペン、小さなハサミ、メイクポーチとそれとは別に口紅が別のポケットに入ってる。マスクも一枚余分に入れて、何かあった時の為に財布とは別に小銭入れも忘れない。あ、それとのど飴と文庫本。
出掛ける度にこれだけ用意して、カバンを変える度入れ替える。
心配性? そうだと思う。
ちょっとショッピングモールに行くだけなのに、これだけ準備しないと不安で、何か忘れた事に気付くとそれだけでテンションが下がってしまう。
今日もこれだけ用意して、明日履く靴下を取り出してやっと安心する。
·····違うな。多分私は、怖いんだ。
不特定多数の人がいる場所で、失敗してしまうことを。慌てて、焦って、真っ赤になって·····そして誰かに助けを求める事が出来ずにみっともない姿になってしまうことを。
汗がだらだら、カバンや上着はよれよれで、髪はくしゃくしゃになってしまうことを。
荷物を一つ詰める度、不安が一つ追い出され、安心が一つ積み重なっていく。
「よし、準備OK」
出掛ける前のルーティンワーク、終了。
おやすみなさい。
END
「安心と不安」
つい数ヶ月前まで、あなたの腕の中から形の良い頬骨を見上げるのが好きだった。
あなたの部屋はすべての幸福を集めた場所で、わたしはそこで安心しきって眠った。
あなたはわたしのコンプレックスのつり目を可愛いと言い、誕生日には緑のピアスをくれた。
わたしの好きなサティの曲を、あなたはいつもオンボロのCDプレーヤーで流した。
結局、わたしの楽園は砂の城だった。
あなたはわたしから安心を取り上げて、代わりに不安を少しずつ押し付けた。
わかっていたけれど、知らないふりをしていた。
あなたが本当はタレ目の方が好きで、クラシックよりもJ-POPが好きで、緑よりも赤が好きなこと。
わたしの好きだった小さな緑のソファを、あなたは最近捨てたらしい。
今ではきっと赤がよく似合う子が、わたしの楽園で笑っている。
さっきまで安心だったのに急に不安になることがある。これまでの人生経験がそうさせており、解決するのは中々難しい。解決せず、ただ単に受け入れたい。
「安心と不安」
君を抱きしめていると
安心と不安という真逆の感情が
僕の胸をざわつかせる。