『安らかな瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「今日はここから先は駄目だからね」
地面に引いた線を指し彼女は言う。
彼女と一緒に遊ぶ時のルールのひとつ。線を見ながら小さく頷いた。
「じゃあ、今日は何して遊ぶ?」
問われて周りを見回した。
今日遊ぶ場所は中心に大きな木が一本立っているだけで、周りには何もない。隠れ鬼が候補から消え、それならばと木を見上げた。
手を伸ばせば届く位置に太い枝が伸びている。今まで木登りはしたことがなかったが、これなら自分でも登れそうだ。
「じゃあ、今日は木登りにしよっか……おいで。登り方を教えてあげる」
何も言わずとも考えていることが分かったのだろう。小さく笑った彼女が木へと近寄り、手招いた。
彼女の元へ近づけば、するすると器用に枝に登っていく。彼女を真似して木に足をかけ、指示された通りに登っていけば、すぐに彼女の隣の枝まで辿り着いた。
「上手。どう?初めての木登りは」
「思ったより簡単だった」
きっとそう感じたのは、彼女の指示があったからだ。自分一人では最初の部分で躓いていたと思いながらも口には出さず、枝に座って遠くを見る。
どこまでも続く草原が、風に吹かれて波のように揺れている。温かな日差しと穏やかな風に、無意識に笑みが浮かんだ。
「寝ないでよ」
「寝ないよ」
そう言いながらも、心地よい温もりに少しだけ意識が揺らぐ。
隣から呆れたような溜息が聞こえた。それと同時に風が吹き抜け、ふわりとした浮遊感と共に、地面に足がつく感覚がした。
「寝て落ちてしまったら大変だからね」
笑われて顔が熱くなる。けれど何も言い返せずに、彼女から顔を逸らして木の根元に座り込んだ。
木漏れ日が心地良い。意識が微睡み始め、恥ずかしさなどどこかに消えていく。
「次はお昼寝になりそうだね」
顔を覗き込んで、彼女が言う。もう顔を逸らすことはせず、ただぼんやりと彼女の目を見返した。
こうして顔を覗き込んでくる時の彼女の瞳は、満たされているような安らいだ色をしている。まるで自分がここにいることに安堵しているようだ。
何故そんな目をするのか。疑問に思ったことは何度もある。けれど聞いてはいけないような気がして、今日も知らない振りをして目を閉じた。
烏の鳴き声が聞こえて、目を開ける。
気づけば辺りは夕暮れの朱に染まり、沈みかけた夕陽に向かい烏が一羽飛んでいくのが見えた。
「そろそろ帰る時間だよ。ほら入口まで送ってあげるから、早く行こう」
彼女に手を引かれて立ち上がる。そのまま手を繋いで、彼女の言う入口まで歩き出す。
入口というのは、彼女が地面に書いた線の一つだ。引き戸のようにそこだけが二重になっている。
それもルールの一つだ。必ず入口から出入りしなければならない。
入口から入り、線の内側だけで遊び、烏が鳴けばまた入口から出て帰る。
前にルールについて彼女に聞いたことはあるが、必要だからとしか答えてくれなかった。
「じゃあね。気を付けて」
「うん……」
送り出されて、彼女の目を見ないようにしながら頷き、歩き出す。
この時の彼女の目は見れない。表情の抜け落ちた、けれども鋭い目が逸らされることなく向けられている。今も感じる強い視線が恐ろしくて、彼女に気づかれぬよう少しだけ足を速めた。
どうして。口に出せない疑問が、頭の中で渦を巻く。
どうしてそんな目をするのか。いくつもあるルールは何のためにあるのか。
今振り返り、引き返したとしたら、何かが変わってしまうのか。次に遊ぶ時に線の外側へと出たら、築き上げてきたものすべてが崩れてしまうのか。
いくら考えても答えは分からず、行動を起こすこともできない。
俯き歩きながら、見て見ぬ振りを続ける臆病さに自嘲した。
ひた、と、額に感じる冷たさに意識が浮上する。
体が重い。汗の不快感にシャワーを浴びたいのに、起き上がることができない。
息苦しさに、自分が発熱していることを知る。ならば先程感じた額の冷たさは、誰かが額に乗せたタオルなのだろうか。
母だろうか。重い瞼に力を入れて開けながら考える。
しかしそれは、目を開けて視界に映る室内を見て違うと気づく。
一人暮らしで借りているアパートの一室だ。自分の他に誰かがいるはずがない。
夢だったのだろう。額にタオルはなく、熱に浮かされて昔の夢を見ていたのだ。
そう思いながら、室内を見回していた視線がキッチンへと続く扉を見て止まる。
ただの引き戸。だというのに、彼女と遊ぶ時に通る入口が思い浮かんだ。
入口を通り、区切られた室内で遊ぶ。けれど外の音は壁に阻まれて、烏の声は聞こえない。
発熱とは違う恐怖で体が震え出す。今まで何も疑問に思わなかったことが、次々と浮かぶ。
自分はいつから彼女と遊んでいたのか。遊んでいた場所はどこなのか。
そもそも、彼女とは一体誰なのか。
不意に、扉の向こうで影が揺らいだ。
人の影。視線を逸らすこともできずに見つめていれば、扉がゆっくりと開いていく。
音はない。ただ微かに、土と草の香りが鼻を掠めた。
「あぁ、起きたんだ」
いつもと変わらない様子で、彼女が桶を手に部屋に入ってくる。
どうして、と口にしたつもりだった。けれど震える唇から溢れるのは意味の伴わない、掠れた吐息だけ。
それでも言いたいことが伝わったのだろう。彼女は枕元まで来ると、薄く笑いながらサイドテーブルに桶を置いた。
「入口は、出入りするためのもの。遊ぶ時に決めたでしょう?」
だから入って来れたのだと、彼女は笑いながら桶から取り出したタオルを絞る。額に乗せられて、その冷たさに目を閉じた。
「それに、またねって手を振ったのは貴女でしょう?それなのに、こんな遠くまで逃げ出して、しかも獣除けの札まで貼るんだから……私、扉問答は苦手なのに」
彼女は何を言っているのだろうか。思い当たる記憶はない。
あぁ、でも。ぼんやりとする意識の中、うっすらと思い出す。
引っ越しの時、母が部屋の壁に何かを貼っていた。本棚や箪笥で塞がれ、今まで思い出すこともなかった。
それに、実家の近くの神社では、人を攫う狐の怪談話があったはずだ。はっきりと覚えてはいないが、攫われた人は狐に食べられてしまうのではなかっただろうか。
「失礼ね。ちょっと迷わせて遊んでいただけで、一人も食べてなんかいないよ。飽きたら皆返してたし」
口には出していないというのに、彼女は言い訳のような答えを返す。けれどやはり、彼女の言葉の意味はほとんど分からなかった。
熱が出ているせいなのか、思考がまとまらない。何が起きているのか、これからどうなるのかを考えることができない。
あの日と同じ。幼い頃、怪我をしていた狐を見つけ、気まぐれにハンカチを巻いたことを思い出した。
「言っておくけど、本当に食べたりしないからね。食べるくらいなら、ずっと一緒に遊んでいた方が楽しいし」
優しく頭を撫でられる。固く絞ったタオルで汗を拭いていく感覚がする。
沈んでいく意識を手繰り寄せ、必死に瞼をこじ開けた。
「夢を通して、ようやく捕まえたんだから。元気になったら、たくさん楽しいことをしよう」
だから、早く元気になってと。
あの安らかな、それでいて怪しい光を湛えた獣の瞳が、自分を見下ろし笑っていた。
20260314 『安らかな瞳』
わたしのかわいい娘
大きくなっても
クリクリおめめの
かわいいままだね
色々はなしてくれて
ありがとう
ずっとあなたの味方です
味方ってなあに?
大好きだってことだよ!
安らかな瞳
私の通う小さな教会には魔法が使えるシスターのお姉さんがいる。魔女は危険な存在だからと村のみんなは関わりたがらないけど、小さい頃泣いてた私を魔法で慰めてくれた時から私はお姉さんが大好き。
今日もお菓子や本を持って人っ子1人近寄らない村のはずれの教会へと足を運ぶ。お姉さんは意外と知らないものが多い。聖書の内容とか天使様のこととかはすごく詳しいのに、それ以外のことはあまり知らない。だから私が毎日色々持っていく。お姉さんはいつも興味津々で楽しそうに持ってきたものの話を聞いてくれる。
ある時お姉さんに聞いてみた。
「どうしてそんなに知らないことがたくさんあるの?」
『神様のところでお仕事してるからよ』
天使様みたいに安らかで暖かい目をしてお姉さんは言った。私はずっとシスターってお仕事をしてるって意味だと思ってた。
いつもみたいに軽快な足取りで教会に行った。お姉さんに会えると思うとお父さんに打たれたところも全然痛くなかった。大きな扉をギィと押した時、中から出てきた真っ白な羽が頬を掠めた。鳥でも入ってきたのかとお姉さんの方を見やると、大きくて白鳥みたいに綺麗な翼を背中から広げて、優しく微笑むお姉さんがいた。
『迎えにきたわよ』
お姉さんに手を取られるとふわりと体が軽くなった。
ほらね、魔法が使えるからって危険なわけない。お姉さんの手を握り返して笑った。最期見たのはお姉さんの天使様みたいな暖かい太陽みたいな安らかな瞳だった。
《安らかな瞳》
安らかな 瞳にボクを映したら ドキドキしちゃって タイヘンでしょう?
2026.3.14《安らかな瞳》
自分の好きを言えない私は弱い。
好きを言うと可笑しいと笑われてしまいそうだから。
自分に自信がないから、みんながいいと言うもので
全身を武装している。
だから「これは優等生みたいで私は好きだ」と
言っている彼が私はどうしても気に入らないんだ。
自分の好きをしっかり持ってて自分の好きをしっかり
伝えられる彼が。
でも怖いくらい彼の暖かい瞳が好き。
でも好きは伝えられない。
でもこの好きだけは私だけでいいと思った。
安らかな瞳
これは誰も憶えていない事。
まず貴方は大きな声で泣いていた。
いずれ自分のモノになるはずだった生家やピアノを売りに出すのを嫌だ嫌だと駄々をこねた。
「約束したもん!一緒に弾くって約束したもん!教わったら教えてあげるって約束したもん!」
貴方な家族はよくわからなかったみたい。いずれ専門の教師を雇って学ぶはずだったからその事を上手く言い表せていないのだと勘違いをした。
無理もないわね、大人たちには私が視えないんだもの。
貴方はすごい長い時間をかけて同じ家に戻ってきた。ピアノは同じとはいかなかったけれど、あの頃と同じ大きさのモノを手に入れた。
しわくちゃになった手でたどたどしく鍵盤を弾く貴方。下手くそ。でも一人で満足そう。
貴方は私が現れる事を期待していたようだけど、大人になった貴方に私は視えていない。
でもいいの、私も満足。
貴方がこの家に戻ってきてくれた事がどれだけすごい事か、理解しているつもり。
今は誰も憶えていない事。
多分、貴方自身も。
自分も家族も、朝も昼も夜も忘れてしまい、執着したのは取り戻した家と手に入れたピアノ。
ただ音を出す貴方。曲にならない音楽。
貴方の時間も、もうわずか。
触れてみた。白い鍵盤、一番端。
少しずつ寄って、貴方の真似をして指を動かす。
あの頃みたいに、曲にならない音を奏でる。これぐらいは、許されるでしょう。
きっと誰も気づかない。
隣にいる、貴方ですらも。
あ。
目が合った。
「…いた、んだ…ねぇ」
言葉も忘れたと思ったのに、貴方は言った。
「……ずっと、そこ…とな…りぃ」
ごめんね。
忘れていなかったのね。
あの頃と同じ瞳を向けるんだもの。
安らかな瞳。
子どもの頃と同じ。
約束。
守ってくれて、ありがとう。
今日はあなたと一年ぶりに遊んだ日。
友達みんな予定があって帰り道バラバラで。笑
あなたと2人で電車に乗ったね。
緊張もしてたけどやっぱりあの頃を思い出しちゃうや。
なんで私あなたのこと振ったんだろう。
あなたがいるのに遊びの予定断らないってことはあなたのことがやっぱりまだ好きってこと。
自分勝手なことは分かってるけど、気づいてよ。
あと4日で卒業だけど、だいすきだよ。
安らかな瞳
シリーズ小説の続き。過去作手直し中タグ控。お題はおじいちゃんのお陰でクリアです(^^)
賑やかな声が、隣のベッドから聞こえてくる。朝から狸原(たぬきはら)さんのお孫さんがお見舞いに来ていた。母親は「電話してくるから」と大部屋を出ていき、残った子どもは最近あった出来事を楽しそうに話していた。聞いている狸原さんの目元は柔らかく、別人のようで笑ってしまいそうになる。
「お兄ちゃん、アスリートの人でしょ?」
気づけば、こちらを見ていた子どもに話しかけられた。ベッドの上で、体を寄せて目線に合わせる。
「そうだよ」
「すごく楽しかった。おじいちゃんがイベントにつれていってくれて」
目を輝かせて、間を置かずに次の話を始めた。その様子を見ていると、ふいに、昨日の姿が重なった。
「これ、ありがとう」
色紙は前に狸原さんに頼まれたものだった。最初の人物が真ん中に大きく書いてしまい、残ったすみに狐塚(こづか)と書いた不格好なサイン色紙を嬉しそうに両手に抱えていた。それを見て、少年の頭にそっと手をおいた。
――
戻った母親と三人で、一階にあるレストランに行ったらしく、大部屋は静かだった。
「しばらく無理な運動は控えて、痛みが強くなった場合はすぐに連絡を…」
担当の看護師が退院後の説明に来ていた。手元の紙を読みながら、中指で眼鏡を押し上げる。その仕草を横目で見ながら、要点だけ確認して軽く返事をした。
「お姉さんにはメッセージで送っておきますから…」
「北星(きたせ)さん」
「気になることでもありましたか?」
「…ナイトさんって、呼ばれたことありますか?」
ほんの少し見開かれたその目は、すぐにいつもの穏やかな笑みに戻った。
(後書き)
この間の話AIにえらく怒られまして…
「ギョウカンヲセリフデムダニウメルナ、ヨミテノフタンヲカンガエロ」
苦手な描写表現、練習頑張りますTT
君は俺を見下してる気らしいけど、君ほど無垢な目で俺を見てくる奴なんか他にいないぜ? 大体みんな、悪意があるか裏がある。それか迷惑そうな顔かな。
まぁ自業自得って自覚はあるよ、俺そんな良い奴じゃないし。
だってのに君ったらどうよ? 口では俺のことをナメてるだの軽蔑しているだの言うけど、じゃあ俺に向けるその安心しきった目はどう説明つけるの? 警戒心が足りなすぎるよ、君ちょっと人を見る目ないぜ。
だから、そう、俺なんかが君のそれを壊しちゃいけないんだ。カスなりにできることはやるよ。
君の目が恐怖や苦痛を湛えないように。君がずっと、安らいだ顔でいられるように。
お題:安らかな瞳
死期が近い人間の傍に降り立って最期を看取った後に魂を回収する、この一連の流れが死神の仕事。必ずしも黒いローブをはおり、三日月型の鎌を手に持っているわけではなく、姿形は変幻自在。幼いこどもの姿で活動するやつとか、なんなら愛くるしい犬猫の姿でこの世に来るやつだっている。とは言っても必ずしも人前で姿を現し、正体を明かすわけではなく、基本的に人の目には映ることなく淡々と仕事をこなすのみ。なお、例外として稀に死を迎える少し前に俺たち、死神の姿を認識する人間もいる。
俺の目の前で清潔そうなベッドに身を預けている人の良さそうな老婦人、彼女は例外に当てはまる人間らしい。
「あなたはだぁれ?どちら様かしら?」
「死神。」
「ああ、迷子になってしまったわけではないのね。...お迎えに来てくれたのかしら。」
彼女は俺を怖がるわけでもなく寂しげな、それでいてどこか安心したような返事をした。
「怖くないので?」
「ええ、ちっとも怖くはないわ。早く連れて行ってくれるのであれば、それほど嬉しいことはないわ。」
「...もう一度くらい、子どもとかお孫さんの顔とか、せめて友だちや同級生、なんなら知り合いとかご近所さんの顔を見たいとかあるんじゃあ。」
不思議そうな表情を向けられた。そりゃそうだよな。死神だっていう男がなんで自分のことを気遣うようなことを言うのだろうって、言葉にされなくともなんとなく思っていることが分かる。彼女は小さな笑みを携えながら、しかし寂しそうな声色で、
「...悲しそうな顔は見たくないもの。どうせならこう、嬉しそうな顔とか満面の笑みを目に焼き付けた後に、お別れを告げる前にひっそりと息を引き取りたいわ。」
体も思うように動かないからね、と付け足して俺のことを真っ直ぐと見据えた。
「それにあの子たちの顔を見ることはできたわ。しかもとびきりの笑顔をよ。また会いに来るからねって約束が果たせないのは、心苦しいけれど。それでもいい終わり方でしょう?」
だからお願いね、と俺の目を見て告げた後に眠るように安らかな目を閉じた。
生気のない色をした、でも満足気な微笑をたたえた顔だった。
安らかな瞳
今まで生きてきた日々にさよならを告げる
また会える日まで…
この前ときメモをやった
微塵も世代ではないけれど
友達がハマってたから家に遊びに行ってやった
ムズい…
現実でも恋愛下手くそなのに
ゲームでも下手なことある?
攻略対象は安らかな目をしてた
優しい声で話しかけてくれるくせに
友達と結ばれてさぁ
弟エンドだったんですけど…
まじであのキャラのエンドを見たいけど
自力でいけんのかな?
でもネタバレとか嫌だから
配信系見たくないし…
次こそはエンド迎えるぞ!!
って思ってるけど心に結構きてる
ほんとにまじで待ってろよ三原ぁ!
安らかな瞳
視界にうつるすべて。
もちろん、すべてが完璧に綺麗なものばかりではない。
うすぐらい、色あせたものもたくさんある。
そんなことは分かっているつもり。
それでも、この目にうつるすべてが愛おしい。
世界が動いていることが、たまらなく嬉しい。
安らかな瞳
昨日の夜急に思ったことだ
父が倒れて意識不明になった父の部屋
今はもう父はこの世にいないけど
今の私の部屋を母の部屋にして
父の部屋を私の部屋にしよう
ヒロアカグッズを10分の1だけ父の部屋に置いた
ヒロアカの死柄木弔、緑谷出久、爆豪勝己
魔女宅のキキの大きなフィギュアも全部
父の部屋に移動した
父の部屋は今の私の部屋の隣
カーテンを閉めると太陽の光が遮断して光が
少ししか入らない
父、父を産んだ両親(私にとって祖父母)、妹は
真っ黒な部屋が好き
一方で私は光が少ししか入らない薄暗い部屋は苦手
入院したことがあるからだ
夜になると病院の廊下の光が消えて
看護師の声だけ
真っ黒の空間で寝れなかったことが多かったからだ
それに噂話だが、当時、入院していた私は
違う患者から聞いた話だが
飛び降り自殺をした患者がいたらしいのだ
私だって当時いつになったら退院できるか分からなくて
不安と精神崩壊してた
入院患者はまるで牢獄に入れられたような感覚だった
ファミマ、ローソン、セブンイレブンなんて無かった
そして父が入院していた大学病院にはドトールが入って
いたが、私が入院していた病院にはドトールも無かった
浮かばれない気持ちになって
毎日うどんの味にも飽きてしまい
帰宅したい
ココはどこ?と思っていた
だからこそ思う
昨日、父の部屋を掃除していたらアメジストが
埃をかぶった状態で出てきた
今日アメジストをベランダに出して太陽の光をあてた
今日昼寝をしてしまった
最初のシーンがイスラム国が戦争をしているニュースが
流れて私はそのニュースを見て避難するように
パジャマ姿の裸足のまま冷たい廊下と階段を上がって
父の部屋に入った
太陽の光が入って床は温かく私は太陽の光で温めて
近くには冷たいカフェオレが置いてあった
私が理想とするナチュラルな空間部屋で
ヒノキインテリアもたくさん置いてあり
棚の上に2年前ぐらいに自分用テレビを買った
テレビが置いてあった
程よい冷たさのカフェオレを飲んでいたら
父の部屋の奥の部屋に母がいて何かを探していたけれど
部屋から出て行き
私は録画しておいた[青のミブロ]を視聴した
夢だった
夢から現実へ向かっていく
その瞳に映るものは何であろうか
眩い尊さに触れたなら
きっと、誰でも。
長く長く思っていたその男に、居ても立っても居られなくて衝動的に想いを告げてそしてこっぴどく振られたのが数ヶ月まえ。
どんなに忘れたくても忘れられない。
どんなに消したくても消えない。
大した男でもない。冴えない卑怯な奴だと。
意識に刷り込んでここ数ヶ月思い出す暇もないようにがむしゃらに働いて働いて身体もココロも極限まで追い込んで意識の外に追い出してるのに、寝る前のまぶたを閉じるその瞬間には必ず浮かんでくる憎らしい顔。
もう好きじゃない、あんな奴のことなんてちっとも好きじゃない。
好きじゃないのに、
どうしておれの中から消えてくれないんだ…。
会わないように耳にしないように気を張っていたのに、アイツに新しい彼女が出来たと同僚から聞いた。
そいつにとってはただの世間話に過ぎないその話題は、おれにとっては地雷だった。
その話を聞いたとき冷静に対処していたと思う。
笑えてたと思う。
こいつは何も悪気はない何も知らないんだだからしょうがないんだ。
だけどおれはひそかに震える手をバレないように握りしめていた。
世界が揺らいで見えた。足元がぐらついた。
必死に耐えていた。
何を期待していたんだろう。
世界がひっくり返ってもおれの元に来るなんてことはないのに。
頻繁にやり取りしてたメールのやり取りに電話。
あれからは鳴ることの無くなったスマホ。
着信があれば咄嗟に名前を確認しては勝手に落胆する。
そんな自分が嫌だった。
切り離してしまいたかった何もかも。
滑稽な自分に笑いが込み上げてくる。
寝転んでいるベッドの上でひとり小さく笑い天井を見上げる。
見渡すすべてが色褪せて見えた。
色が消えたその世界に目を閉じて眠りにつく。
もう何もかもどうでもよかった。
この痛む心も渦巻く黒い感情もまだ彼を忘れられない自分も。
もう何もかもどうでもいい。
どうでもいいんだ。
(安らかな瞳)
安らかな瞳
あれ、昨日忘れたかもしれないwww
しばし休業中
『安らかな瞳』
人の目を見て喋れ。そういう言葉が世にはある。
けれど、その正しさが時に少しだけ、息苦しく感じられる日もある。伏せた視線の先にある戸惑いや、言葉を探すためのささやかな静寂を、許してはくれない響きを含んでいるからかもしれない。
だからこそ、おずおずと顔を上げたとき、そこに穏やかな光を湛えた瞳を見つけると、ふっと心の強張りが解けていくのがわかる。
射抜くような強さでも、見透かそうとする鋭さでもない。ただそこにあるのは、冬のひだまりのように柔らかな輪郭を持った眼差しだ。焦らなくていいよと、言葉よりも先に伝えてくれるその瞬きは、こちらの不器用な沈黙ごと、そっと掬い上げてくれる。
無理に目を合わせようとしなくてもいい。自然と視線が交わったその一瞬に、静かな安心を分け合えること。それこそが何よりの対話なのだと、その安らかな瞳は教えてくれる。
昨日はお酒を飲んでたくさん話し込んで
ちょっと暖かくなってきたから窓が開けっぱなしで
心地よくて、そのまま寝ちゃった
起きたらあなたと目があった
✒︎(安らかな瞳)
「常春の庭はどうでしたか」
満開の桜を風が柔らかく撫でて、またひとひら花弁が舞う。右へ左へ不規則に弧を描きながら音もなく玉砂利の上に落ちる。僅かに積もったそれらが季節外れの雪を思わせた。
よく磨かれた板張りの濡れ斑で私は一人、庭を眺めている。目を覚ましたときから変わらない景色に今もまだ夢をみているのではないかと錯覚する。
遠くから雷鳴が微かに響いて、枝に止まっていた鶯が飛び立つ。柔らかな花の香りに混ざってじっとりとした水の気配が庭を満たしていく。あれだ、花の濁流。香りが濃くなるあの感じ。
降り出す前に室内に下がる。道具のない文机と飾りのない棚、空の床の間。緋色の座布団だけが色を持っていて空虚な部屋の中で浮いている。
部屋を突っ切って廊下に出る。小さく軋む廊下は等間隔に並ぶ電灯のおかげで薄明るい。突き当たりの壁に額だけがかけられていて、向かって左は庭に、右は建物の奥に繋がっている。
さあさあと微かな雨音が響いている。その音から逃げるように奥へと歩を進めれば、大きく開かれた襖の前に出て自然とその中に視線がいく。
立派な雛壇に向かって緋毛氈が引かれ、早咲きの桃の花が両脇にところ狭しと生けられている。手招かれている気がしてゆっくりと雛壇の前まで進んだ。
シャン
鈴の音がして、目を閉じ頭を垂れる。そうしなければいけない、それが当たり前、常識。
「おかえりなさい」
頭に添えられた手がそのまま優しく撫でてくれる。
泣きそうになって目元に袖を当てたけどつるりと頬を撫でただけだった。思わず顔をあげて撫でてくれた手の主をみる。細められた目と目があって、何も言えなかった。
感情の凪いだ、人形のようなその目に映るものを信じたくなかったから。
【題:安らかな瞳】