安らかな瞳
シリーズ小説の続き。過去作手直し中タグ控。お題はおじいちゃんのお陰でクリアです(^^)
賑やかな声が、隣のベッドから聞こえてくる。朝から狸原(たぬきはら)さんのお孫さんがお見舞いに来ていた。母親は「電話してくるから」と大部屋を出ていき、残った子どもは最近あった出来事を楽しそうに話していた。聞いている狸原さんの目元は柔らかく、別人のようで笑ってしまいそうになる。
「お兄ちゃん、アスリートの人でしょ?」
気づけば、こちらを見ていた子どもに話しかけられた。ベッドの上で、体を寄せて目線に合わせる。
「そうだよ」
「すごく楽しかった。おじいちゃんがイベントにつれていってくれて」
目を輝かせて、間を置かずに次の話を始めた。その様子を見ていると、ふいに、昨日の姿が重なった。
「これ、ありがとう」
色紙は前に狸原さんに頼まれたものだった。最初の人物が真ん中に大きく書いてしまい、残ったすみに狐塚(こづか)と書いた不格好なサイン色紙を嬉しそうに両手に抱えていた。それを見て、少年の頭にそっと手をおいた。
――
戻った母親と三人で、一階にあるレストランに行ったらしく、大部屋は静かだった。
「しばらく無理な運動は控えて、痛みが強くなった場合はすぐに連絡を…」
担当の看護師が退院後の説明に来ていた。手元の紙を読みながら、中指で眼鏡を押し上げる。その仕草を横目で見ながら、要点だけ確認して軽く返事をした。
「お姉さんにはメッセージで送っておきますから…」
「北星(きたせ)さん」
「気になることでもありましたか?」
「…ナイトさんって、呼ばれたことありますか?」
ほんの少し見開かれたその目は、すぐにいつもの穏やかな笑みに戻った。
(後書き)
この間の話AIにえらく怒られまして…
「ギョウカンヲセリフデムダニウメルナ、ヨミテノフタンヲカンガエロ」
苦手な描写表現、練習頑張りますTT
3/15/2026, 9:57:07 AM