『子猫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「寒い」
マフラーに顔を半分埋めて
雪の降る帰路に着く
「にゃぁ、ぅ、」
「…?」
道の端をよく見ると、真っ白の子猫がいた
それは、雪の中、小さく凍えていた
私は早くそれを拾い、
マフラーに包み持ち帰った
雪の日に拾った子猫
_「あの日は大変だったね
うちに来てくれてありがとう、ゆき」
#子猫
【子猫】
インターホンに呼び出されて玄関のドアを開ければ、土砂降りの雨の中に立ち尽くす君の腕の中に、一匹の子猫が横たわっていた。
「どうしたの、それ」
「っ……道路に、倒れてて……」
雨音にかき消されそうなほどに掠れた声。よく見れば君の頬は腫れていて、唇の端に血が滲んでいる。どうやらまた理不尽な暴力に晒されたらしい。それなのに自分の傷には構うことなく、君は腕に抱いた子猫の身を案じていた。
……もう、死んでいる。一瞥しただけでそれはわかったし、たぶん君だって理解してはいるのだろう。それでも私を頼ってきた君のその必死さが、いじらしくてたまらなかった。
「入って。手当てするから」
おままごとのように死んだ猫の傷に包帯を巻いて、君が満足したら亡骸は地面に埋めてやろう。
(良かったね、優しい人に見つけてもらえて)
私が死んでも、君は同じように悼んでくれるだろうか。或いは君が死んだ時、こんな風に君の死を本気で悼んでくれる人はこの世界にいるのだろうか。そんな馬鹿げたことを考えながら、私は君の腕の中に眠る幸福な子猫の冷たい頭を撫でた。
#55 子猫
私の前を横切った黒く
美しい彼は、きっと私を幸せにしてくれる
2023/11/17
親に運ばれなければ
段差を飛び越えることができない
成長したら軽々しく高い壁を飛び越えて
ほんとにすごいと思う
だって僕なんて
越えられない壁には手を出さない
僕にはできないからってさ。
全部諦めて
やる気も出ないし
授業だって聞かないし
塾だって
塾っていう空間が嫌で
苦痛
分からない勉強は誰にも聞けないし
答えみて写すだけ
そーゆー人
これから
親を見て学んで立派に成長して
子供を育てる
すごいな
見習わないといけないね
子猫を見て思った
【子猫】#82
殺してやる、とかさぁ思ったことない?
一度や二度あるでしょ?
ないなんて言わせないよ。
こんな自分で終わらせられちゃう道が
真隣にある社会で生きてるのにね。
本題戻るけど、殺しちゃえば良い。
でもバレたら君の負けだよ。
捕まったら何もかもおしまいだから。
君が殺されたってことになる。
バレない殺し方教えてあげようか?
うん、うん。
それはね、
信頼してるところをコロッとするんだ。
信頼してるやつに殺したいとか思わんやろ?
だからそこを突く。
あ、あと一番バレないのは
意外と射殺らしいよ。
触ったところアルコールで拭いとくの
忘れないでね。
何躊躇ってるの?
やればいいじゃん。
ね?
あ、え、銃持って何してるの?
ふーん、信じちゃったんだ。
あからさまなのに?
まぁ、良いよ。
まだ君は子猫ちゃんなんだから。
僕からは殺さないでおくね。
【子猫】
その小ささと
その瞳と
その暖かさと
その鳴き声と
その垣間見せる
色々な感情と仕草
誰に似てるんだろう、誰だっけなぁ
「ま、いっか」
そういえば
「吾輩は猫である」の名前の無かった猫は
お酒を呑んで亡くなったんだっけ
――吾輩は死ぬ。死んで此太平を得る。
太平は死ななければ得られぬ。
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。有難い、有難い――
と、思って鳴いて溺れたんだっけ
猫目線で書いた夏目先生は猫になれたのかな
若しくは猫だったのかもなぁ
あら、気付けば
強気で弱気な瞳を持ってして、
私の様子見している可愛い子猫さん
見透かすのが上手
空気を読むのが上手
人を喜ばすのが上手
機嫌の塩梅が上手
心を猫じゃらしでくすぐられる様な
心を見透かしてる様な瞳の子猫さん
―何を見ているか何を考えてるのか分からないよね―
人は見える物しか信じないから伝わらないけど
君が見てるものを私は分からないけど、
「私は君のその嗅覚や五感を信じるよ、大丈夫よ」
嗚呼、いつからか、私はこの瞳を持って、
五感を持ってして見事に生きて
「南無阿弥陀仏」
何かに溺れて、きっと、私も、どこかの誰かも、
あの作品の猫の様にいつかは亡くなるんだ
「君は私みたいね、ん? 私が君みたいなのか、
失礼、あはは」
――気付かない振りも上手ね――
猫は返事の代わりに「ニャァオ」と鳴いた
私は応えの代わりに馬鹿みたいに笑った
ワインの瓶を抱えながら
一緒にマタタビ如何?と君を呼ぶ
AM:4:37の日常の中に閃き
何かが開花、否、解禁宣言されたある夜のお話
「にゃりがたい、にゃりがたい、だね、ふふ」
――塵芥――
――忘れよう
私の事は、もう――
――塵芥――
5時25分 仔猫…
仔猫が目覚める時間…
窓の外の仔猫…
窓の下に仔猫…
8時前に出勤する仔猫…
自転車でダッシュする仔猫…
遅刻しそうでダッシュする仔猫…
黒いジャケットの仔猫…
冬の朝に額に汗する仔猫…
慌てん坊の仔猫…
今日も頑張れ仔猫…!
いってらっしゃい!仔猫…!
「明日が来れば大丈夫になる」「今日が過ぎたら大丈夫になる」
そんな曲を聴きながら、日付が変わるのを見ていた。
意味もなく明日が積み重なって、私の前に壁となって立ちはだかる。
駆と二人で歩いていると、道端に蹲る子猫を見つけた。
「ねこだ」
駆が跪いて抱き上げると、子猫は弱々しくミャーミャー鳴いた。
「どうするの、それ」
「さあ……握り潰してみる?」
物騒なことを言う。子猫はそんな危険な状態にあるとも知らず、駆の親指をちゅぱちゅぱ吸っている。
「しないでしょ」
「なんで」
「する意味がない」
「そうかな」
駆は子猫を撫でながら息を吐く。
「この子を殺す必要はないけど、助けるつもりもない。でもこのままここに置いていったら、昼過ぎには鴉あたりのおやつになっているだろうよ」
だから、と駆は続けた。
「その前に、苦しまないように逝かせてやるのは、慈悲じゃないか?」
子猫はぐるぐると喉を鳴らしている。ピンと伸びた尻尾が併せて小刻みに震える。
「さてね。そういう慈悲もあるかもだけど」
敢えて素っ気なく返すと、駆はつまらなそうな顔をした。
「もう少し焦ってくれるかと思ったのに」
「やるつもりのないことは言わないほうがいい……ほら、そこに動物病院があるみたいだよ」
電柱に巻きつけられた看板を示す。
「連れて行きますか……七実、幾ら持ってる?」
「2万」
「俺は1万ちょっと。足りるかな」
「わからん」
動物など飼ったこともないから、相場がわからない。とはいえ、足りなければその時はその時で、カードを使うなりATMで下ろしてくるなりすればいいだけのことだ。
「行くぞ」
そう言いながら、少し意外だった。握り潰す云々は質の悪い冗談にしても、捨てられた命を救うようなタイプでは無いと思っていた。今、どんな顔で駆を見ているのかが解らない。だから足早に歩き出した。
「その猫、診てもらって、その後どうする」
「どうするかな……俺達が飼うわけには行かないだろうから、実家にでも送るか」
「無責任な話だ」
「じゃ、飼う?」
「冗談」
「その時になったら考えよう」
如何にも刹那主義の駆らしい回答が返ってきた。
「そうだな」
その、らしさに安堵する。角を曲がると、動物病院の看板が見えた。
(お題 子猫)
子猫が居た。隣家の庭の中で寝ている。
真っ黒な猫で、以前にも同じような猫を見たことがあるので、恐らくその子が親猫だろう。
動物はあまり好かないが、(懐かれないので)悪くはないかもしれない。
子猫って意外と大きいんだなぁ。もう少し小さいのかと思ってた。そんな風に惘惘と考えていると、不意に時間が気になった。あ、仕事いかなくちゃ。
そんな朝。
#子猫
猫が怖い
今まで誰にも言って来なかった
初めて触ったときのあたたかさ
皮膚を1枚挟んだすぐ向こうに血が巡っているという感覚
SNSで流れてくるかわいい子猫の動画には癒される
いいねやブックマークだってすることもある
しかしいざ目の前にすると
その小さな体に収まる生命に恐怖を抱いてしまう
猫=かわいいを定義付けられない自分が非情に思えてしまい
想像上の猫にひっかかれた経験を思い描いて
トラウマがあるからちょっと苦手
ということにしている
たしかに猫はかわいい
しかしそれ以上に
怖いのだ
猫を飼っている親友もいる
彼女に懐く猫もまた
甘えん坊でかわいいと思えている
しかし
猫と共に暮らすのはおろか
自分が猫を愛でているイメージすら全く湧かないのである
私にとっての猫は
遠くから眺めるいきもの
画面越しでだけ
誰かの腕の中にいるときだけ
そのかわいい姿を近くで見せて
子猫が鳴いた
誰もが子猫を助けた
カラスが鳴いた
誰もカラスを助けない
嫌われた人間が鳴いた
同情と嘲笑の声が半分ずつ
目の見えぬ人間はカラスを助けた
耳の聞こえぬ人間は嫌われた人間に手を差し伸
子猫
イタズラな愛で、何度
僕を困らせて
君のセンスで 迷宮入りさせる
夜は長く気まぐれな
僕を試した素振りで
何度も 愛の言葉を 誓わせるよね
まだ始まったばかりの 試練が
終わらないうちに今は
君の胸聞いてみる
Lady last night one more than longing words
最後まで 打ち付ける beatは唇を
軽く尖らせ 毎晩 毎晩
理解不能の 異国の言葉 ちょっと酔わせる
sweet thrill Emotion
子猫のように何度も
甘く囁く
僕がベットに着く前に
子猫のように何度も
catRAIDで試すけど
傷だらけになっても
何度も抱きしめる
cuteなLady 口ずけを何度もしよう
星屑のロマンス
月夜の下で 君と約束する
何度だって 生まれ変わってくるから
世紀末だって 君を見つける
何度も見つめてくれる
君のセンスが輝く
星の生まれる夜に
天使が生まれ変わる 星空に
子猫のような 君だから
何度も何度も 約束する
君しかないよ 欲しいもの全部が
君でできてる
子猫のように甘やかされたい。
猫撫で声で媚びを売って渡せるものは全部明け渡した。
この心も体も、もうとっくの昔にアイツに盗られてる。
それなのに最近はめっきり構ってくれない、意地悪ばかりだ。
でも時々飴玉を煮詰めたような愛情を魅せてくれる、それが堪らなく意地らしくて、可愛くて、愛おしい。
だから離れられないの、手放し難いの。
知らぬ女の耳元で愛を囁く口を縫い付けて
自分だけに向けられない目を塞いでしまいたい。
バレンタインのチョコを包むような
赤い箱の中で二人っきりで過ごしたいわ。
でもそんな事口が裂けても言えない
私だけのものにならないなんてずっと前から知っている。
でもねダーリン、ワガママで可愛げがないこんな私だけれど、貴方にとびきり優しくされたいの。
スパイシーな恋も素敵だけれど、私は砂糖のように甘い愛が欲しいんです。
子猫のように甘やかして。
《子猫》
子猫が見つめていた。
気づいてしまったのはきっと下を向いていたからなんだろう。そう考えると気付かされてしまったと言えるのかもしれない。この子猫に。
不幸のどん底に降っていた雨は気づくと晴れ間を差していた。
可愛いかわいい子猫ちゃん
透き通った目で何を見る?
小さなちいさな子猫ちゃん
純粋な心で何を見る
親にピタッとくっついて
小さな体で何をする
愛しいいとしい子猫ちゃん
あなたは何を求めるの
小さな箱にぴったりとその目で私を見つめてる
首をかしげて顔をなめ、その目で私を求めてる
哀れな哀れな子猫ちゃん
もっと私を憎みなさい
その目で私を見つめては
愛しくその目で見つめてる
何も知らずに甘く鳴き
ただただ甘く泣き叫ぶ
さよならさよなら子猫ちゃん
あなたのお目めはどこにある
あなたのお口はどこにある
最後は覚えてないけれど
何かを求めてあがくでしょう
あの子は、あの子はどこいった
箱に捨てられた子猫ちゃん
何も知らずにいっちゃって
星となって亡くなった
あなたはあなたはどこでしょう
あなたはきっと幸せだ
あなたは今暖かい
私は私は遠い空
とっても暖かい天国へ
お星さまとなって亡くなった
一人気づかれずひっそりと
寒いなかあなたを思いひっそりと
星になるまで願ってた
何も知らずに消えちゃって
星となって戻れない
愛するあいする飼い主よ
あなたは私を殺したの
ずっとずっと願ってた
暖かい腕で包むこと
今もきっとあなたは知らない
私が亡くなったこの事実
冷たい風に揺れる猫じゃらし
暇つぶましにジャレついた
あの日の恋煩い
結べなかったしっぽは
冬の風に今も揺れる
満月が昇る闇夜で人間の顔が見える
昼間に欠伸を放った屋根上からじゃ見えない
人間は“その顔”を星に見えぬようにと影の中で映す
大人の邪魔をせぬように公園に駆け出す幼子は大人の汚さを嘆いていた
逃げれずにアパートの階段で殴られる少年
昔はそこで母に手を引かれる少女が居た
カーテンの隙間から零れる動きと声は性を交ぜた
その行為が愛を産むと言うのに感覚を優先にしているのが人間だ
昔は埃に包まれた少年が働いていた部屋で
路地裏を覗けば生きる場を終われた生命が膝を抱えている
相応の生命は対等の存在とテリトリーを産む
昔は足を奪われた少年が啜り泣いていた場所で
息をするのが難しいと生物が鳴く刻に
生きる事の難解さに人間は泣いていただろう
時には性に悩む日もあるだろう
人間は考え過ぎてしまうから
時には生の重さに壊れてしまうだろう
人間は死に慣れなさ過ぎるから
正義も悪も其処には無いのだ
お互いが都合良く生きる為に創られた法に悪を見定める力は無いから
友情も友愛も其処には無いのだ
お互いが都合良く生きる為に作られる群れに綺麗事を掲げる価値が無いから
持つべきは己の強さと叫ぶか
持つべきは自由に動ける身体と走るか
持つべきは正しさと勘違うには愚かだ
持つべきは信頼と勘違うには浅はかだ
穢い街に夜空のような光があると教える高台
そこで白い息を揺らすのは2匹の猫の影
奪う息を数える事もせずに光を眺めていた
道に戻れば匂いが強く入り交じる
匂いを縫うように蜂は夜を舞って1つの目配せを
柔らかな匂いも少し目を反らせば消えていた
己を撫でる甘い香りは雨に濡れた金木犀のよう
掌の温もりは緩やかな曲線を生む白髪に向かうのだ
己の為に光を生まずにシャッター音を鳴らされる
気持ちの良い言葉の並びも己には無価値と鼻を鳴らした
各々の大切の為に足を動かす彼らだって人間だ
哀しみも怒りも喜びも楽しみも食んで息を吸う生物だ
己を指さしはしゃいで微笑んでその姿に呆れて
叶える事を誓い、護る事を誓い、走る事を選んだ3つの生命に一鳴きのエールを
1匹の猫の影は溜息と微笑みを生んで己に言葉を吐いた
懺悔も感情も愛も全て貴女のモノでは無いかと一鳴きで返した
どんな繋がりも彼らが見なければ見えないのだ
人間は見ようとしないものに気付けないから
自由に動けぬ生命の声を知る者は限られているだろう
見て見ぬふりも正義足りうるのだから
獣とは違うと謳いながら時には弱肉強食と獣の論を謳うのだ
生きる場所が違うと知るには無知過ぎるから
人間は己の思考を振り回すのだろう
自由を選択出来る力があるが自分で捨て去るのだから
人間と言うのは莫迦だ
吐き捨てるように一鳴きを
影で零した涙も生きる為に隠すのだろう
抱いた不信感も必要無いと生きる為に捨てるのだろう
伸ばされた手も感情も己として生きる為に突き放すのだろう
人間なんてそんなもの
人間なんてそんなもの
感情の生物と、生物から外れた王と謳われど
その総てに囚われて苦しんでいる
人間なんてそんなもの
人間なんてそんなもの
よく食うなぁと頭を撫でる草の匂いの貴女も
所詮は食を得る為に利用されてるだけの人間なのだ
藁の隙間から赤紫の光を見つめて一鳴きを
『みゃお』
お題:子猫
作者:M氏
出演:一匹の黒猫
【あとがき】
子猫じゃなくなっちまったですね
M氏は黒猫を作品に出演させるの結構好きなんですよね
人間に対してそれ程近くもなければ遠くもない
感情を動かしてる訳でもないような
そんな距離感が凄く好きです
【子猫】
トテテテテ……トトト…
シュバッ…コロン…
獣人キャラが好きな私にとっては、いろんな
想像が止まりませんっ!
うん、かわいい…
片手で持ち上げられるほどの
小さな猫だったうちの子
生後2週間だけ野良生活だった元保護猫
現在4歳
6kgを超える筋肉質ボディの
たくましい子に育ちました
それでもまだまだ心は子猫のまま
子猫のような子犬のような声でおしゃべりします