狂戦士 

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子猫のように甘やかされたい。


猫撫で声で媚びを売って渡せるものは全部明け渡した。
この心も体も、もうとっくの昔にアイツに盗られてる。
それなのに最近はめっきり構ってくれない、意地悪ばかりだ。
でも時々飴玉を煮詰めたような愛情を魅せてくれる、それが堪らなく意地らしくて、可愛くて、愛おしい。

だから離れられないの、手放し難いの。

知らぬ女の耳元で愛を囁く口を縫い付けて
自分だけに向けられない目を塞いでしまいたい。
バレンタインのチョコを包むような
赤い箱の中で二人っきりで過ごしたいわ。
でもそんな事口が裂けても言えない
私だけのものにならないなんてずっと前から知っている。

でもねダーリン、ワガママで可愛げがないこんな私だけれど、貴方にとびきり優しくされたいの。
スパイシーな恋も素敵だけれど、私は砂糖のように甘い愛が欲しいんです。


子猫のように甘やかして。


《子猫》

11/15/2023, 5:30:36 PM