『子供のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は子供の頃、
人の印象を色や模様で感じ取っていた。
いつも自分の感覚や心の声を聞けていた。
でも、いつしか傷ついたり、悩んだりして、
色々調べたり、
他人の言う意見に惑わされたりして、
自分の心の声が聞けなくなっていた。
昔の日記を読んでいたら、
私が今望んでいる私が "そこ" にいた。
私は既に過去なりたい自分を持っていたと、
日記が教えてくれた。
だから、それは探さなくても
私の中にあるんだと、
昔の私が教えてくれた。
【子供のように】
皆がみんな
純粋で無垢で美しい心を持ってるわけじゃない
#子供のように
─── 子供のように ───
ここはネバーランドじゃなかった
それでも僕達は無邪気なままでいたかった
永遠は初めからなかった
【子供のように】
ビルの屋上から人々を見下ろす。頭上を気にする者はなく、暗闇に溶けている俺など誰も気にしない。家族連れ、イヤホンを付けて歩く若者、サラリーマン。様々な人間が成す光の世界。あそこにはもう戻れない。高校生の頃の忌々しきあの事件さえなければ。拳を握り締める。既に成人はしているものの時にトラウマを抱えた子供のままだと思い知らされる。元凶の黒百合、邪悪な黒椿。メカクレギザ歯の底知れぬ男に狡猾でおぞましい憑神。どいつもこいつもドス黒い悪だ。容赦なく人々を屠る。どうしようもない…そう、太刀打ち出来ないやもう復讐する事さえ出来ないという意味でもどうしようもない奴等。力が欲しい。奴等を一掃出来る力が。日々の鍛練を積む時間の間に犠牲者が増える。本当に本当にどうしようもない。無力さに腹を立てて歯軋りをする。
「やぁ、こんばんは」
嘲る声で分かる。憑神。何しに来た?
「別に通りすがりであって探してすらいないよ。でも、うちの復讐者君に接触したそうじゃないの。宜しくないねぇ。これ、お家のお話だから」
やはり、知っていたか。
「此方の出方うかがっても無駄。何もしやしない。水溜まりで溺れるアリごときに気なんか配らないさ」
挑発に乗るな。コイツはそういう奴だ。
「堪えてても武器に手が掛かってる。堪えきれてないねぇ。言っておくけどこれは傲慢が故の煽りじゃない。本当に余裕があるからこうしてる。殺すなら殺してるさ」
事実。俺が奴に勝てるビジョンは見えない。
「まぁ、せいぜい復讐者同士で好き勝手するといい。俺だって好きに生きさせてもらう。己が血族に寄生しているだけの憑神が生きてるだなんて笑わせるという面白味もない言葉は受け付けてないよ。さて、お仕事の時間だ。ちょっと抜けてる宿主がまたろくでもない同級生に金を貸したそうな。お人好しだね。そんなお人好しだけを生かして俺を殺す。出来るかねぇ此方側の知識を囓った程度のお子様が。足掻くだけ足掻くといいさ。じゃあね」
振り向く事などなかったが気配が一瞬にして消えた事でここには俺しかいないと理解出来る。そう、奴の宿主は何の罪もない大学生。それを殺すなんて出来ないという甘さを見抜かれているし、接触した彼もそれを望んではいない。もっと非情になれればいいんだろうが奴等の様に心を捨てた外道になどなりたくはない。それが甘いという事なのだろう。深くため息をつく。あぁ、実に無力だ。
〚子供のように〛
無邪気に君と過ごす日々。
君は僕をみてくれる、僕は君をみつめる。
子供のように、喋って寝て。
君と夢の時間を過ごす日々。
「ベッドを使うか、それともソファにするか」
俺のベッドだとむしろ、イヤかな。と当惑顔で藪さんが言う。
「いやじゃないですけど……。ソファで十分です」
すみませんと、頭を下げる。
手料理をごちそうになっているうち、豪雨に見舞われた。電車も不通になるほどの雨脚だったので、お前さえよければ泊まっていくかと藪さんは言った。
お言葉に甘えることにした。シャワーを浴びさせてもらい、藪さんのTシャツと短パンを借りた。下着は、さすがに替えがないから、身に付けなかった。
藪さんはそんなあたしを直視しないように、簡単にベッドメイクをして「じゃあ、おやすみ」と言って寝室に向かった。
「おやすみなさい」
ざあざあ強まる雨音を聞きながら、あたしは横になった。ブランケットを頭までかぶり、目を閉じる。
ーーでも、眠れない。
当たり前か。仮にも上司のうちに泊まることになってしまったのだ。
上司……。
あたしはもやっと何かが胸にわだかまるのを感じた。間接照明のあかりさえ、気に障る。
窓を打つ雨音は、ひっきりなしにあたしを追い立てる。
「~~ああもう、」
むくりとあたしはベッドから身を起こした。はだしで床に立ち、ぺたぺたと歩いて寝室に向かう。ノックもせずにドアを開けた。
中は暗かった。でも、目は慣れ始めている。あたしはまっすぐベッドに乗り上がり、ブランケットを捲って潜り込んだ。
「お、ーーおい、花畑」
ぎくりと身をこわばらせる。藪さんはパジャマを着ていた。仰向けの彼にあたしはまたがった。
「藪さん、あたしのこと好きですか。それって、ペットを可愛がるみたいな好き、ですか」
雨音にかき消され、自分の声じゃないみたいに聞こえる。
藪さんは、そっと眉をひそめた。身体のどこかが痛むかのように。
でも口は開かない。引き結んだまま。
あたしはゆっくりを身をかがめ、その唇に唇を重ねる。
パジャマの袷に、手を滑らせる。
あたしもあなたのことを好きなのかどうかわからない。だから、こうするしかない。
こうやって、確かめるしかーー
あたしたちの影が重なる。藪さんは目を閉じ、あたしに任せた。
母親の腕に抱かれる子供のように。素直に、雨音とともにあたしの肌に包まれていった。
#子供のように
「やぶと花畑6」
昔、急に甘えたくなって
一番背の高い君に抱きついた
そうしたら、
「しょうがないなぁ」
なんて言って、君は受け入れてくれたね
それが嬉しくて、事あるごとに君に抱きついて
一緒にいたのは
もう、黒歴史に近い大切な思い出だよ
ずっと一緒にいて、ゆっくりゆっくり好きになった
そして突然、自覚した
もう、子どもみたいには、甘えられないなぁ
君が好きと、知ってしまったから
けらけらと笑うあなたをみていると、心があたたかくなる。
理由は笑い方ではない。
子供のように自分の心に素直なのだ。
楽しいことではしゃぎ
納得のいかないことで泣いて
時には怒って
嬉しい時には満面の笑みで笑う。
無邪気な子供のようなあなたが、こんなにもあたたかい。
きらり
輝く笑顔のあの子たち
教え子たちに手を振られ
笑顔で返す
私は、上手く出来ているだろうか
子供はどうにも苦手だ
一向に好きになれない
教え子たちもそうなのかと聞かれたら
…それはノーコメントだ
僕は、子供が好きだ
でも
彼女は嫌いらしい
何でも信じるから
何でも受け入れるから
と
確かにそうだ
でも
見方を変えると どうだろう
素直だし 純粋だ
そんな事を言ったって
彼女は子供だった、自分が嫌いなんだ
知っているけど
もう少しだけ
意地を張らないで
子供の事を好きになって欲しい
僕は教師になるから
君にも仲良くして欲しいんだ
子供と触れ合う喜びを知って欲しいんだ
なんて…今は…
君と
もっと素直に
仲良くしたかった
子供のように
子供の頃はこんなことで
悩まなかったな
そうだ あの頃のように
子供のように
目の前のことだけ見て笑っていこう
「子供のように」
いつからだかずっと憧れていた。
私のためにせっせと働く大人たちを。
いつからだか早くなりたいと思っていた。
自由な大人に。
大人になった今、私が考えることは。
【#98】
「子供のように」
幼児のイヤイヤ期を
思い出してみて。
あれが人の
本来の主張だと思う。
成長する度本来の自分を
抑制されていく。
世の中に適合できるように
矯正されていくんだ。
子どものようにはしゃぐ
笑う
楽しむ
笑うことは良いこと
子どものように素直さと謙虚さと
探求心の多さ
子どもに戻ることもできたら良いな!
子供のように
秋晴れの今日は自治会の運動会が行われる。コロナ禍から5年。久しぶりの運動会だ。朝から弁当を持って孫を連れて、近くの学校の運動場に出向いた。
「お。三郎さん。おはようさん。今日は何に出るつもりかね。」
自治会の運動会では、誰がどの種目にでるかは決っていない。自分が出たいものに申し込むだけだ。運動会と言っても、大人たちは酒が入れば上機嫌だ。
自治会の運動会は大人たちの運動会と言っもいい。もちろん、子供が出る種目もあるが大人と一緒に出る玉入れや綱引きなどがある。
そして、リレーは大人たちの独壇場だ。
「位置についてー。よーい。どん。」
俺のチームは、三軒隣りの和男さんと向かえの川本さん、いとこの貴ちゃん。そして俺だ。平均年齢65歳前後。目指すは優勝だ〜。
「お〜!貴ちゃん!がんばれ〜。」
「川本さん。走れ〜。三番目だ~。」
「和男さん〜。あ!え!なんで転ぶだよ」
ピーポー。ピーポーピーポー
転んでしまった和男さんは、起き上がれず担架で救護所に運ばれたが、痛みがひかずに足が動かせなかった。そして、救急車に乗って総合病院へ搬送された。
久しぶりの運動会。酒も入り子供のようにはしゃぎすぎた。いい年した大人がはしゃぎすきた結末だ。
俺でなくて良かった。かもしれない。
「子供のように」
泣いたっていいじゃないか。
笑い転げたり、怒ったり。
理性は感情を消したりなんかしないんだから。
はしゃいだっていいじゃないか。
桜に花火に紅葉に雪に。
季節は感動を伴ってやってくるんだから。
子供を羨ましく思うな。
何者かに支配されるな。
大人だって自由に生きりゃいい。
と、思うのに。
-子供のように-
とある夜であった。
網戸の外、澄み切った光を絞りだす月の下で、わたしはただぼやりとしていた。生きている意味とは何なのだろうかと。そう思うわたしに、涙も優しさも、悲しみもなかった。
ただ、わたしの生きる意味というものを、
子供のように探し回る姿が、そこにはあった。
なぜわたしはこうして生きているのだろうか。
生きる価値とはなんなのだろうか。
永遠に辿り着けない答えを探し求める。
まるで幼い子供のようだった。
【子供のように】
無邪気に笑う君が好きだ
小さいことで喜ぶ単純な君が可愛い
愛してやまない君へ
僕も子供になってもいいかな
君がいない部屋は少し広くて冷たい
僕は子供のように泣きじゃくって
世界を憎んだ
こんな言葉を知っている
<神様は綺麗なものが好きだから持っていってしまう>
君は神様に選ばれたんだね
だってこんなにも綺麗だもの
嬉しいことがあると子どものようにはしゃいでしまう
かと言って落ち着いて喜びを表現するのは難しい
いつかは落ち着きが出るだろう
まだその時じゃないのだろうと言い訳をし
今日も小さな喜びに子どものようにはしゃぐ
子供のように
子供心を持ったまま大人になるのは難しい。
子供心を持っていても、心のままにはしゃぐ事は難しい。
社会性や羞恥心が勝るからだ。
しかし、大人だからこそ出来ることがある。
大人の体と財力は子供にはない。
子供のようには楽しめないが、大人として楽しませてもらおう。
子供のように楽しみたい気持ちは消えないが。
憧れだったものが
僕の首を絞める
縋るたびに傷付いて
求めるたびに焦って
何にもなれなかった僕を責めないで
希望を壊して慰めて
純粋に想わせて
子供のように