『子供のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どぼん、じゅわ、と大きめの水音の後に耳障りのいい炭酸の弾ける音が浴室に響く。今しがた湯船に放ったそれは帰り道立ち寄った家電量販店で買った『子供向け入浴剤』だ。
頭を洗い終え視線をやると、水底で徐々に溶け出していた塊はわざとらしいピンク色を散りばめながら浮上する。既にボロボロになりつつあるそれに手を伸ばすと、崩れた中からつぶらな瞳の玩具が顔を出す。
「あんまり可愛くないなあ」
『海のなかまたち!何が出るかお楽しみに!』
そう銘打たれたパッケージに手が伸びたのに可哀想なくらい値下げされていたから以上の理由はなかったが、買ったからには心躍らせる『何か』を求めていたのだろう。
──まるで子供のようだ。
シャンプーの横に小さな魚モドキを置くと、桃の香りのする湯船にいつもより軽い足取りで浸かった。
明日の心配なんて考えずに
なんの不安もなく
ただただ笑っていたい
子供のように。
よく大人はこう言います
「子供は無邪気だねぇ!何も悩みがないみたいで羨ましいよ」
と
言われた子供はこう思います
「何も知らないくせに」 と、
悩みを隠してあんなに無邪気に、純粋そうに振る舞えるのは大人にはできないことかもしれませんね。
私たち大人はもっと、子供を子供のように、時に大人の仲間のように接してあげなければけいけないのではないだろうか
「子供のように」
黄身ボーロが好きだ!
子供のようだろ参ったかと言わんばかりに好きだ。
色々浮気するが、最近は専ら大阪マエダの乳ボーロ。
だが自分の中で子供のようと言うのも何か違う気がする。
なぜなら…
黄身ボーロをツマミに飲むからなのである!
ミルクではない、アルコールである。
とりあえず、ビールに黄身ボーロ
チューハイに黄身ボーロ
ワインに黄身ボーロ
ハイボールに黄身ボーロ くくっ
そしてポン酒に黄身ボーーーロ
梅酒やカルーアミルクでも、もちろんいけるぞ。
鼻血出そうだけど。
家飲みでしか叶わないのでドン引かれることもない。
さて、今宵も舌の上で崩れた黄身ボーロを
ちまちまアルコールで流し込もうかな。
子供のようにはしゃいでる姿が好きで
楽しいとき、悲しいとき、怒ってるとき
全部顔にでる君がとても愛おしくて
僕の残りの人生全部をかけて君を守りたいって
そう思ったんだ。
大人になった今でも
あの子といると
子供の面倒を見てるみたい
どうかそのままで居てね
【子供のように】
君が泣きながら家に来た。
声を押し殺して君はまだ泣いている。
「こんなとこ見せてごめん」
しゃくりあげながらそう伝える君。
そんな事言わないで。
「謝らないで。」
嫌いになんてならないよ。
「声殺して泣かないの。苦しくなるよ。」
「かっこ悪いから。」
ここまで泣いてて今更遅いよ。
「大丈夫だよ。」
子供のように君は声を上げて泣き始めた。
「子供のように」
私は子供の時に子供のような事をした思い出がない。それは、両親が望むからだ。あなたはこうあらなくてはいけない、あなたは優秀でなければいけない。あなたはいつだって冷静でいなければいけない。あなたはいつだって優しく……そんなことをずっと言われてきた。毎日呪いのように…。
私が子供のようにはしゃいではいけない。
私もいつか子供のように…笑ったりはしゃいだりする日が来ると良いな…。
子供のようにケタケタと
隣で笑うあなたが大好きだった
その笑顔を途切れさせてしまったわたしは
もうあなたに会う資格なんてないよね
季節外れの心霊番組を興味本位で見た君に、深夜、トイレについてきて欲しいと起こされるなんて思いもしなかった。
なんの変哲もない自宅のトイレを怖がるなんて、と思いながらドアの横に座り込んで、くあっと大きく欠伸する。
時折聞こえてくる君の声に生返事しながら、眠い目を擦りつつ待っている内に、自分も催してきた。
早く出てこないかなあ、と思っているとカチャリとトイレのドアが開いて君が出てきたので、入れ代わるようにトイレに入って用を足す。
ザパー、と水の流れる音を聞きながら手を洗って出てくると君の姿は無かった。
先に寝室に戻ったのかな。
自分で頼んでおきながら薄情な奴だ、と少々イラっとしながらベッドに戻って再び寝た。
朝一番にそのことを言うと、キョトンとした顔で首を傾げる君。
夜中にトイレになんか行ってないよ?
テーマ「子供のように」
子どもみたいだね。身体ばかり大きくなってしまって、でも、そんなのみんながお揃いだもんね。遊具は小さくなってしまったけれど、このままあの高い電波塔の上まで登ろうか。側溝に敷き詰められた桜の花弁に幼い時間を、何時間も、注いだときのことをもう覚えていないと思うけど。
明日は何をしようかって毎日考えてる?目が合ったら微笑むみたいな懐こさを、何にも知らない楽しさを、無くさないで子供でいたいね。こんなこと言って、大人みたいだね。だけど、何でもできるって思ってるよ。
お隣さんが再婚したらしい。
ずっと沈みがちだったのだが、最近はすごく表情が明るくなったように思う。やっぱり好きな人と一緒に暮らすってのは良いことのようだ。幸せそうでなによりなのだが、夫婦にはそれぞれ子供がいて、その二人がちょっと……まあ、うん。
再婚に反対しているわけではなく、ただただ相性が悪いらしくて、毎日片方の大声が必ず聞こえてくる。
もうすっかり慣れてしまったので、こちらは特に気にしていないのだが、たまに夫婦揃って頭を下げに来るので大変そうだなとは思う。
「俺の靴下どこやった!」
涼やかな秋晴れの閑静な住宅地に、片方の元気な声が響き渡る。登校前の身支度をしているんだろう。先ほどまでの静寂が嘘のようだ。
「おまえが履いてんじゃねえか! 返せ!」
なるほど、靴下の取り違えか。よくある話だ。
換気のために開けている窓からそよ風が入ってくる。風を受けてふわりと舞う挽きたてのコーヒーの香りを堪能しつつ、トーストが焼き上がるのを待つ。
からからと隣の窓の開く音が聞こえてきて、今度は眠そうなのんびりした声が聞こえてきた。
「靴下くらいで、ふぁ……騒がしい奴だな」
「まだ新品なんだよ!」
「分かった分かった。……ほらよ」
「裏返しのままで返すなよ! おまえ、ほんと雑だな!」
チンと焼き上がりを知らせるベルが鳴った。
椅子から立ち上がりキッチンへ。
「あんたが着てるシャツは俺のじゃないか?」
「はあ!? んなわけ──あるわ。すまん」
冷蔵庫から取り出したバターとジャムをパンにたっぷりと塗る。ヨーグルトを器に盛って、カットフルーツを適当に盛っていく。
「あれ、ここに置いてたハンカチは?」
「洗濯物かと思ってかごに投げた」
「なんでだよ!」
お盆に乗せてダイニングテーブルへ戻る。絶えず風と遊んでいるカーテンの向こうで、似たような背格好の影が慌ただしく動いている。
それを尻目に椅子に腰かけ、いただきますと手を合わせる。
「やっべ遅刻する! おい早くしろよ!」
「自転車の鍵がない」
「はあ!? どこに置いたんだよ!?」
「……さあ?」
「なんで決まった場所に置いとかねえんだよ! ああくそっ、どこに、ってここにあんじゃねえか! よく見ろよ!」
「わりぃわりぃ。さんきゅ」
さっくりと焼き上がったトーストから、じゅわっとバターが染み出して、ジャムの甘さを引き立てる。
もぐもぐと咀嚼していると、隣からガンッゴンッと低い音が聞こえてきた。きっともつれ合うようにして転がり出たのだろう。なにやら言い合いながら、ガチャガチャと金属音を立てている。
「いってきまーす!」
「いってきまーす」
息の揃った大きな声を聞きながら、コーヒーに口をつける。今日も元気なようでなによりだ。
小さな子供のように、じゃれ合いながら日々を過ごせるなんて少し羨ましい。耳をすまさなくても聞こえてくる喧騒を、私は毎日楽しみにしている。
高校生。大人だか子供だかわからないこの時期。けれど、多くの高校生が自分は大人であると信じて行動する。少なくとも周りよりかは大人であると。
しかしながらそういうことはなくて、大人な面があったとしてもどこかに子供の面がある。自分の子供の面に気がつけないのが非常に高校生っぽくて、可愛らしい。
#子供のように
繋いだ手
嬉しくなってぶんぶんと
揺する遊びを 赤信号で
#短歌 #書く習慣 20231013「子供のように」
子供のように #4
子供の頃、自分は不満という意味も知らなかったし、感じたこともなかった。
でも、年齢が上がるにつれて、不満を沢山抱えることが多くなった。
不満を抱えることで、人間関係や自分の生活に影響を及ぼすようになり、毎日が辛かった。
無邪気な子供だった時期に戻りたい…。
いつも、自分の頭の中にはその言葉が繰り返される。
「あぁ、自分が子供のようになればな……。」
子供のように無邪気に笑うことすら
難しい歳になっちゃったんだなぁ
子供のように泣けたら、私はきっと狡い女になるような気がする。
そんな女に、私はまだなりたくない。
なりたくないから、私は本音を押し殺し、彼に別れを告げたのだ。
彼に別れを告げ私は、抜け殻になったように
帰宅した。部屋着になることなく私はソファに座り、横になる。
「はーあ、辛い日だなー今日………」
テレビもつけず静寂が響く部屋の中で、私の声だけが響いている。
私の別れを告げた彼氏は、私には勿体無いくらい私にとってはいい人だった。
物腰も柔らかくて気が利いて、何も言わなくても察することが出来る稀有な人だった。
「なのに、された事は最低だったなー
私が、悪かったのかな……」
彼は、浮気した。
それも、既婚者と。2年も前から……。
信じられなかった……。
悔しさを通り越して、気付かなかった自分に嫌気が指した……。
別れた今も、彼は不倫をしている。
ずっと好きだという。
せいぜい楽しんで、そして崩れればいい。
幸せになんて、絶対になるな……。
「あははは、サイテー、私………っ」
明日は、友達の恵美と遊ぶというのに、この気分をどうしたら良いのだろう……。
そう思いながらもソファから動けない私は、もうしばらく、ソファに寝続けるのだった。
子供のように
昨日の夜から奥歯が痛くて、我慢ができず、十年ぶりに歯医者に来ている。昔から歯医者が大嫌いだった。
歯医者
「虫歯がひどくて、これは抜かないとダメですね。」
「先生、痛いのが本当に私、無理なんです。痛いのが少しでも良くなれば後は大丈夫ですから、この痛みだけなんとかしてください。」
歯医者
「虫歯の治療をしないと痛みはよくなりませんよ。麻酔もするので、治療はそんなに痛くないと思います。」
「歯茎に注射なんて痛いじゃないですか。削る音も嫌だし。緊張で死んでしまいますよ。」
子供のように、先生を困らせる。
歯医者
「どうしますか?治療しないなら痛み止めの薬を出すので、お帰り下さい。でも、今日も痛みで眠れなくなると思いますよ。」
あんな夜、もう勘弁だ。仕方なく、麻酔をしてもらって治療をする。麻酔をした為か、思ったより痛くはなかったが、緊張で声が出たり、口を閉じようとしたりして先生に何回か怒られた。
やっと終わって、隣の治療台に乗っている患者を見ると、小学生低学年の男の子が、大人の癖に恥ずかしい、という顔で見ている。
私は小さくなって、何度もお辞儀をしながら出ていく。
歯は大切だ。
帰りに新しい歯ブラシと歯磨き粉を買って帰ろう、、、。涙。
彼は昔のおもちゃを見ると、まるで子供のような目をする。
わ、懐かしいなと言わんばかりの声色で話し、昔に戻ったかのようだ。
私も知ってたはずなのに、私とは違う趣味。
私の知らない彼の姿がそこにはあった。
子供のような君が愛おしいと思う
ゲームに合わせてよく変わるその表情、その叫び声。ゲームの登場人物の子供と張り合ったり、同じように少年になって遊ぶ君が痛いくらいに可愛くて仕方がない。
君が騒ぐのを聞きながら本を読む時間は、騒々しいながらどこか居心地が良くてずっとこの時間が続けばいいのになと願う、土曜の昼下がりのこと。
10.14 子供のように