しじま

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 季節外れの心霊番組を興味本位で見た君に、深夜、トイレについてきて欲しいと起こされるなんて思いもしなかった。

なんの変哲もない自宅のトイレを怖がるなんて、と思いながらドアの横に座り込んで、くあっと大きく欠伸する。

時折聞こえてくる君の声に生返事しながら、眠い目を擦りつつ待っている内に、自分も催してきた。

早く出てこないかなあ、と思っているとカチャリとトイレのドアが開いて君が出てきたので、入れ代わるようにトイレに入って用を足す。

ザパー、と水の流れる音を聞きながら手を洗って出てくると君の姿は無かった。

先に寝室に戻ったのかな。

自分で頼んでおきながら薄情な奴だ、と少々イラっとしながらベッドに戻って再び寝た。

朝一番にそのことを言うと、キョトンとした顔で首を傾げる君。

夜中にトイレになんか行ってないよ?

テーマ「子供のように」

10/14/2023, 6:59:17 AM