いしか

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子供のように泣けたら、私はきっと狡い女になるような気がする。

そんな女に、私はまだなりたくない。

なりたくないから、私は本音を押し殺し、彼に別れを告げたのだ。


彼に別れを告げ私は、抜け殻になったように
帰宅した。部屋着になることなく私はソファに座り、横になる。

「はーあ、辛い日だなー今日………」

テレビもつけず静寂が響く部屋の中で、私の声だけが響いている。

私の別れを告げた彼氏は、私には勿体無いくらい私にとってはいい人だった。
物腰も柔らかくて気が利いて、何も言わなくても察することが出来る稀有な人だった。

「なのに、された事は最低だったなー
私が、悪かったのかな……」

彼は、浮気した。
それも、既婚者と。2年も前から……。
信じられなかった……。
悔しさを通り越して、気付かなかった自分に嫌気が指した……。

別れた今も、彼は不倫をしている。
ずっと好きだという。

せいぜい楽しんで、そして崩れればいい。
幸せになんて、絶対になるな……。

「あははは、サイテー、私………っ」

明日は、友達の恵美と遊ぶというのに、この気分をどうしたら良いのだろう……。

そう思いながらもソファから動けない私は、もうしばらく、ソファに寝続けるのだった。

10/14/2023, 5:07:18 AM