『子供のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
子供。
美しくて、純粋で、真っ白なソンザイ。
そんな、何も知らないか細い子供のココロを、
潰して
殺して
黒く染めていく。
僕はある組織に捕えられた。
人工授精で作った子供を、兵器に育てる組織。
うまく育てて、従順な兵器をたくさん作ったら、解放してくれるらしい。
だから僕は、組織に服従することを誓った。
それがどんなに悪いことだと分かっていた。
誰だって自分の身がかわいいじゃないか。
とにかく生きていたくて、傷ついていく子供を見ないふりをした。
僕は今日も部屋に入る。
それまで穏やかだった子供達の顔が、一瞬で強張るのが自分でもわかる。
でも仕方がない。
痛い思いがしたくなくて、毎日僕が子供を殴り、痛ぶった。
大体の子供は殴るということを聞いたが1人、周りと違う子がいた。
どれだけ殴られても組織に従わず、周りの子が傷ついて泣くと、代わりに自分を殴れというのだ。
ここから出る邪魔になるその子が嫌で、見せしめのつもりでその子を傷つけた。
その子は周りの子には慕われ、傷が増えた。
ある日、僕は施設から出られることになった。
今日が最後だと、喜び部屋に向かう。
もう傷つけることに罪悪感はなく、いつもの子を、今までの憎しみを込めて、ナイフで切りつけた。
痛みに耐えられなくなったのか、その子の目から涙が落ちる。
周りの子の目の色が変わる。
切りつけた少女の名前を叫んでいる。
なんで、なんで、なんで、やめろ、やめろユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ
全ての子供が武器を持ち、襲いかかってくる。
痛い、痛い。
やめてくれ。
自分が切りつけた少女を見る。
笑っていた。
不気味な満面の笑みで。
少女が口を開く。
ばかなひと。
あなたのおかげでこのこたちをあらつれる。
きずつけたおかえし。
ああ、全て俺はこの子に操られていたのか。
自分のシャツが赤く染まる。
多分俺は、助からない。
それはこの少女も同じだ。
意識が遠のく。
少女が言葉を紡ぐ。
じごくはあなたのばんだよ。
いっぱいいたいのおかえししてあげる。
またあとで
もう開かない瞼の奥で、赤い川の向こうに、ナイフを持って立つ少女が
見えた気がした。
「やめて。来ないで。嫌だってば!」
「そんなに嫌がる事はないだろう。前は喜んでいたじゃあないか」
「だから!それは子供の時の話だって!」
部屋の中を逃げ回る。
悲しげな表情に心が痛むが、だからといって捕まるわけにはいかない。
「何を言う。おまえはまだまだ子供だろうに」
呆れて息を吐くその姿に、思わず唇を噛みしめる。
分かっている事であるが、それでもまだ子供としてしか見られていない事が悔しかった。
あとどれくらい歳を取れば、大人として認めてくれるのか。
「ほぅら、捕まえたぞ。鬼事は終いにして、湯浴みをしようなぁ」
「やだっ。離して、変態じじい!」
彼から意識を逸らしていたせいか、抱き上げられて逃げられない。
嫌だと暴れても全く意に介さない様子に、じわりと危機感が首を擡げた。
「そこまで言う事はないだろうに。そんなに儂と湯浴みをするのが嫌なのか?」
「一人で入りたいの!いつまでも子供扱いしないで」
半ば叫ぶように伝えれば、渋々ながらも下ろされる。
安堵に深く息を吐き、荒くなった呼吸を整える。
ちらりと横目で様子を伺えば、隠す事なく不満を表した表情がはっきりと見えた。
目が合うと眉を下げ、悲しい顔をされる。
この顔は駄目だ。弱い事を知っていて、敢えてするのだから質が悪い。
絆されないようにと、慌てて目を逸らす。
「もう一人でお風呂にも入れるし、一人で寝る事だってできるんだから。何も出来なかった子供じゃない」
世話を焼かれるばかりの子供ではないのだと繰り返す。
きっと彼には伝わらないのだろうけれど。それでも、伝えないままには出来ない。
「おまえは子供だよ」
「子供じゃない」
「子供さ。大人になろうと、必死で背伸びをしている可愛い子。親の庇護を失って、巣立つ事も出来ず。飛び方も知らずに、空へと手を伸ばして藻掻いている。哀しい、愛しい、子供だよ」
頬に触れられ、目を覗き込まれる。
一言一言、言い聞かせるように紡がれていく言葉に、彼の瞳の中の自分の顔が歪んでいくのが見えて。
聞きたくないと身を捩っても、手が離れない。
逸らそうとしても、眼が逸らす事を許さない。
「強情を張るな、愛い子。子供は子供らしく、儂に世話を焼かれていろ」
静かではあるけれど強い言葉を、否定する事は出来なかった。
「さて、では湯浴みをしようなぁ。さっきの鬼事で汗をかいただろう」
機嫌良く目が細まり、抱き上げられる。
いい子、と背を撫でられあやされながら、向かう先を見るともなく見る。
良くはない気もするが、彼が満足そうであるならば、それでいいのではないか。
微睡む意識の隅で、そういえばどこへ向かうと言っていたのかを思い返し。
途端に鮮明になる意識に、全力で抵抗した。
「だからっ!一人で、入るってば!」
耳元で叫び、頭を叩けば、さすがに堪えたのか緩んだ腕から抜け出し距離を取る。
危なかった。もう少しで流されてしまう所だった。
睨み付ければ、ちっと舌打ちをされる。
「そのまま流されてくれれば良いものを」
「変態!馬鹿!もう、あっち行って!」
「何がそんなに嫌なんだ。儂が嫌いにでもなったのか?」
「そうじゃない!一緒に入るとか、そんなの…は、はしたない、だろうに!」
力一杯に叫ぶ。
きょとり、と目を瞬かせて。そうか、と頷き笑う。
「そんな些事なぞ気にするな。お互い見慣れているだろう?」
「気にするから!見慣れてる、見慣れてないとかの話じゃないから!」
「そうか?なればそうだな…儂が女の体になれば問題はないか?」
「それはそれで、問題しかないからっ!」
何を言っているのだろうか。理解が追いつかない。
反射で否定すれば、彼は拗ねたような表情で未練がましくこちらを見つめてくる。
けれど、その表情はすぐに柔らかいものへと変わり、ふんわりと微笑んだ。
「我が儘め。だが子供とは皆、我が儘なものだ。ここは儂が折れるとしようか」
仕方がない、と手を伸ばして頭を撫でられる。
「何かあれば、すぐに声を上げるのだぞ。あぁ、だが溺れてしまっては声が出せんか。やはり共にいた方が、」
「溺れない!一人で入って溺れた事なんてないから!」
「今までが問題ないからといっても、絶対ではないからなぁ」
妥協を見せたというのに、すぐに撤回しないでほしい。
「落暉《らっき》」
頭を撫でている手を取る。
大人として認めてくれないのならば、彼の望むようにするだけだ。そうして、うまく扱えばいい。
子供らしくはないな、と認めてもらえず、拗ねた心が苦笑したようだった。
「お風呂上がりに、何か甘いものが食べたい。作って」
手を握り、強請る。
それだけで彼の表情は明るくなるのが分かった。
「そうか!なれば今から作ろうなぁ。何がいいか。夕餉もあるから、軽いものがいいな」
「夕ご飯は、なめこのお味噌汁にして」
さらに上機嫌になった彼の手を離す。
「お風呂、行ってくる」
「気をつけて行っておいで。作り終えたら、迎えに行こう」
「手抜きはしないで。ちゃんと作って」
「急に我が儘になりおって。いいぞ。おまえがまだ食べた事のないものを作ってやろう」
最後にもう一度頭を撫でて、彼は風呂場とは正反対の方へと向かう。
台所へと行くのだろう。
彼の背を見送って、安堵の息が漏れた。
何とか危機は脱したようだ。
しかし、ふと気づく。
「世話を焼くって…もしかして、ご飯食べさせられたり、寝かしつけされるって事?」
想像して、羞恥に顔が赤くなる。
幼い頃にされた彼の言う世話を思い出し、耐えきれずにしゃがみこんだ。
「早く、大人になりたい」
大人になりたいだなんて、そう思う事こそ子供のようだと感じながらも。
切に願わずにはいられなかった。
20241014 『子供のように』
子どものように、はしゃぎたいときがある。
子どものように、甘えたいときがある。
子どものように、泣きじゃくりたいときが、ある。
-子供のように-
子供のように無邪気に文章を書きたいところですが、久しぶりに開いたらお題更新の時間が来ていたので、ひとまず枠を確保しました……
星の王子さまが言ってた、
子供の頃は理解できなかった言葉
めんどうをみたあいてには、いつまでも責任があるんだ
今は、とても大人に侵食された言葉だと強く感じる
責任という言葉はすごく都合が良くて 人間は集団として共存していくことしか存在するすべはないのに
関わることで相手に責任が伴うというのは 他責思考極まりない
犯罪や非人道的な事柄に対しては別の話として、会社や学校の後輩などに対し面倒をみることに責任が伴うというのは理解できる。だが大人の世界の話だ。
人と人の世界ではなく、大人の世界の話。
責任を重要視する大人の世界が大嫌い。
わたしたちは大人の世界に呑み込まれて生きていくために生まれてきたわけではない。
大人の世界で生きている大人であることに 誇りなどない
子供のようにいつも
振る舞う君が好き
寝たい時に寝て
食べたい時に食べ
甘えたいときに甘え
イラッとすると噛む
そんな君をいつまでも
守り続けたい
子どものように
ときに子どものように
純粋に 情熱的に
ときに大人のように
思慮深く 冷徹に
かつては子どもだったわたしが
社会の中で
血を流しながら身につけた
大人の生存戦略
子供のように
笑い
歌い
泣き
走り回る
それが
自由の象徴のように
言われたり、
感じたり
でも、
そうでなくても良いんだ
上手く表現できなくても、
歌えなくても、
元気よく走り回らなくても
子供のようになんていう枠さえ
いらないんだ
みんな
今ここにいるだけで
もう素晴らしいんだ
「ごめん
離婚することになった」
10歳のきみは
大人のように悲しく目を伏せた
そんなきみを見た40歳のぼくは
子供のように号泣した
#子供のように
子どものように、と昔を思い起こしても子供のようにはなれない。
その事実から約十数年たった今の時代。
文明が発達して子供の頃の記憶を外部装置に残しやすくなった。子供のように、と昔を思い起こそうとスマホを起動すれば、いつでも子供になれる。
例えば子ども時代が不登校であれば、いつまで経っても子供のままである。
これは一種の提案であるが、こんな便利な世の中だからこそ、子供の頃の記憶は記憶のままでいたほうが良いと思う。スマホ動画などを撮らずに、記憶は記憶のまま残そうとしよう。
そのほうが脳の記憶領域が活性化するのではないか、という、一種の戯言。
AIの発達で、人間の脳は大容量なだけで実はスカスカになる。子供にスマホアプリみたいな便利を体感したら、大人になる頃にはボケていると思う。
「子供のように」
泣きたい時に泣いて、笑いたい時に笑って。
感情を押し殺さなくても許されていた子供時代。
子供は、いつも泣いてばかりだと思っていた。
でも、辛い時苦しい時常に傍にいてくれた、今育児をしんどいと思っている方諦めずに頑張ってください🔥🔥
努力はいいことです。なので、沢山頑張りましょう。❤
子供のようにはしゃぐ君 純真な君の心
どうかこの世界に けがされずにいてください。
子供のように
さよう、不老と不死は違う概念であるな。では不老と不死の対となる概念はなんであろう。「老いと死」であるとな? そうか、おぬしはそう思うのか。それは「夜」と対になるのは「夜でないもの」というようなものぞ。まあまだおぬしは若いので考えるがよい。
暗くなってきたの。夕餉じゃ。サアキイよ、酒を持ってきなさい。あれ、サアキイはさっと動くよい子だが、何歳だと思うかね? 十歳か十一歳? まあそんなもんよの、子供のように見えるの。あれはな、儂の三倍は生きておる。齢二百を数えるであろ。あれは老いぬ生き物でな、おそらく殺せば死ぬし病めば死ぬやもしれぬが、儂の知る限りあの姿で数十年生きておる。老いの対になる概念はなんであろうな?
さてそろそろ痺れ薬が効いてきたかの? サアキイや、おまえも夕餉になさい。この男は若いし壮健のようだから、血もうまいであろ。
「雪(ゆき)くん持ってきたよ~」
園芸用の土を運んできたリサの髪は、いつもと違って長い髪を高く結っていた。
「あ、リサ。ありがとう、そこ置いといて」
雪とリサは袖を捲り、軍手をしている。委員会の仕事で花壇を作ることになったのだ。
「先生も急に言うなんて酷いよー私今日アイス食べに行こうと思ってたのに~」
「さっさと終わらせるぞ」
「そうだね」
二人は先生から聞いたやり方で、花壇の土を作っていく。
「そういえば、お花ってどこにあるの?」
「今はまだ校舎にあったはず、後で俺が取ってくるよ」
「わかった、よろしくね!」
「...ふぅ、こんなもんかな」
「やった、次はお花だね」
「そうだな…って、うわ!」
視界にうにょりと動く、ピンク色の生物が写った。雪はざりっ、と身を引く。
「...うわ、ミミズ...」
俺ミミズ嫌いなんだよなー...と顔を背けようとした時だった。
バチッ
リサが花壇にスコップを振り下ろしていた。
丁度、雪がミミズをみた辺りに。
「......リサ、そこミミズが...」
「何?」
先程となんら変わらない顔を見せる。
「...あ、ミミズ?土の栄養になるし、大丈夫だよ」
スッ、とスコップを退けるが、そこにミミズは居なかった。
(...土の中、だよな?そうだよな)
雪は自分にそう言い聞かせて「花取ってくる」とその場を離れた。
「...土の中かな。つまんな」
と、リサはその土を少しいじった。
お題 「子供のように」
出演 リサ 雪
子どものようなあなたのその言動。いつも私を苛立たせる。でもあなたは私が待ち時間に少し遅れても、下品な事を言ったりしたりしても何も咎めない。
そんな子供っぽさもいいと思ってた。でも気付いた。ホントは私と子どもを養えるくらいにお金は稼いでるし、私たちのわがままにも嫌な顔せず付き合ってくれる。前の日にどれだけ疲れていようと。
そんなあなたが私を見るときは子供のような真っ直ぐな視線で向いてくれる。
#子供のように
日を増すごとに子供のように
あなたは曝け出してくる
剥き出しの感情を惜しげもなく披露する
落ち着きの無さも苛立ちも何もかも
さっきまで笑っていたと思ったら
貝のように全てを閉ざし口を噤む
背を向け拗ねた幼児のようでいて
孤独に耽る老人のよう
抱える孤独や失望に背は曲がり
陰鬱な瞳は世界の明度を下げてしまう
子供のように無償に愛されたいのだと
あなたの姿を見て思わずにはいられない
子供のように、素直に泣くことができたら、
こんなに苦しくなることもないのかな。
悔しい思いをしても、
負けてたまるか。
見返してやる。
って、頑張ってきた。
だけど、泣きたい思いを閉じ込めて、無理矢理に前を向いて、気づいたら心はボロボロで…。
泣きたい気持ちに蓋をして、先に進まず、子供のように泣き疲れるまで泣いたなら、結果は違ったのかな。
涙は心をキレイにしてくれる雫。
男だから、女だから。なんて我慢せず、
ときには子供のように、声を上げて泣くことも必要だな。って、心底そう思う。
【お題:子供のように 20241013】
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(´-ι_-`) ふぅ(*´・ω・`)=3
『子供のように』
「早く寝なさい」
夜いつまでも起きていると、母からそう声が掛かった。まだ起きていたいのに‥と思いつつ布団に潜り込むと直ぐに眠りについて、気が付けば朝になっている。瞬きを一回するだけで、夜から朝になっているので、小さい私は本当は毎日寝てないんじゃないかと本気で思っていた。
夢を見る暇も無く、ぐっすりと寝ていた頃があったなんて今は想像も出来ない。毎日、睡眠時間を削りながらの忙しい生活に、最近は特にお疲れモードだ。
もしも子供のように振る舞えるなら、身体が欲するままに眠りたい。そしてもう一度、瞬きだけの睡眠を体感してみたい。