「雪(ゆき)くん持ってきたよ~」
園芸用の土を運んできたリサの髪は、いつもと違って長い髪を高く結っていた。
「あ、リサ。ありがとう、そこ置いといて」
雪とリサは袖を捲り、軍手をしている。委員会の仕事で花壇を作ることになったのだ。
「先生も急に言うなんて酷いよー私今日アイス食べに行こうと思ってたのに~」
「さっさと終わらせるぞ」
「そうだね」
二人は先生から聞いたやり方で、花壇の土を作っていく。
「そういえば、お花ってどこにあるの?」
「今はまだ校舎にあったはず、後で俺が取ってくるよ」
「わかった、よろしくね!」
「...ふぅ、こんなもんかな」
「やった、次はお花だね」
「そうだな…って、うわ!」
視界にうにょりと動く、ピンク色の生物が写った。雪はざりっ、と身を引く。
「...うわ、ミミズ...」
俺ミミズ嫌いなんだよなー...と顔を背けようとした時だった。
バチッ
リサが花壇にスコップを振り下ろしていた。
丁度、雪がミミズをみた辺りに。
「......リサ、そこミミズが...」
「何?」
先程となんら変わらない顔を見せる。
「...あ、ミミズ?土の栄養になるし、大丈夫だよ」
スッ、とスコップを退けるが、そこにミミズは居なかった。
(...土の中、だよな?そうだよな)
雪は自分にそう言い聞かせて「花取ってくる」とその場を離れた。
「...土の中かな。つまんな」
と、リサはその土を少しいじった。
お題 「子供のように」
出演 リサ 雪
10/14/2024, 9:06:49 AM