そういえばさ、このアプリにあってもう一年経ったよね?
...忘れてた!?まぁそうだよね。
最初は海の底ってお題でさ、何書いていいかわかんなくてふわふわの話書いてたよね。意外と読みたいマークついたよね~
次の話ってなんだったっけ?
特別な夜?あぁ葉瀬(ようせ)と玲人(れいと)の話か。あれも結構伸びたよね。
でも次のタイムマシーンはあんまり伸びなかったよね、なんで?
...ふーん、そんなもんか。
たぶんそうなんじゃない?
...そうだね、あれが無かったら今頃2000くらい行ってたのに。いやそれ以上行ってたよ。
そうそう。
...まぁ続けただけマシじゃね?
うん、へぇ。あ、そうなの?大変ね。
へぇ、そうなんだ。
ん?いやいやちょっと待ってよ。そっちは文字起こしされないんでしょ?え?書く意味は?
え、待ってもうちょっと考えてよ!ちょっと!
絶対見た人分かんないからマトモなのにしなよ!!
お題 「軌跡」
学校では一人の方が楽。そう気づいたのは高校生になってから。
でもその楽も楽じゃなくなる。
「藍佑(あいすけ)!お昼一緒に食べよう!」
そう言って声をかけてきたのは同じクラスの委員長山吹(やまぶき)。ちょっと...だけ、苦手。
「好きにしたら?」
「では隣失礼するね」
そう言ってコンクリートで出来た段差に腰を下ろす。包みのみで持ってきてるのか、それは落とすよ。
委員長って言っても堅苦しいわけじゃないからクラスに馴染んでて仲の良さそうな人も多い。なら何故、僕みたいなのと一緒にいるのか。
たぶんコイツは僕を可哀想とか思って一緒に居るんだと思う。
粗方クラスにも馴染めず、ひとりぼっちが惨めに見えたのだろう。余計なお世話、放っておけばいいのに。
僕だって放置してるわけじゃない。何度か突き放そうとしたことはある。でも駄目だった。
「藍佑、これを食べてみてほしいんだ!兄さんと一緒に作ったんだけど上手くできた気がするからさ!」
善意100%。彼の目の真っ直ぐな輝きからそう読み取れる。
「...ありがとう」
だから邪険にも出来ない。僕は善意をはね除ける程も強くもないから。
でも彼の眼差しは嫌いじゃない。それは彼の輝きが太陽ではなく星に近いからだと思う。別に太陽が悪いわけじゃない。太陽だと眩しすぎて、僕は光を直視してしまうから目が潰れてしまう。だから星の輝きが心地よい。
だからと言って君と居たいわけじゃない。もう人と関わるのは懲り懲りなんだ。
流れ星みたいにこっちに見向きもせずにどこか遠くに光っていってくれないかな、と僕はいつも思ってる。
お題 「好きになれない、嫌いになれない」
出演 藍佑 山吹
「人生で大好きな人と出会う確率って30億分の一らしいよ」
ソファに座って恋愛ドラマを見ていると彼がそう言う。
「ほぇー、意外と低いんだね。いっぱい居そうなのに」
「ね。俺らもその確率で出会ったんだなぁ」
「...ん?なにそれ遠回しに私の事めっちゃ大好きって言ってる?」
パッと彼の方を見るとそこまで考えていなかったらしく、小さい口をぽか、と開けていた。
「なにその顔!可愛いね~」
「いや、えっと、俺別にそういうつもりじゃなくて...!」
「んー?分かってるよぉ?無意識なんでしょ?それくらい私が大好きって事なんだねぇ」
「違...!...くはない、けど...」
「んー、可愛い~」
うにうに、と私が赤くなったその頬を触る。
愛おしいってこういうことを言うんだなって凄く納得してしまった。
お題 「巡り逢い」
出演 葉瀬 玲人
午後、昼飯を食べて話が長くて寝そうな歴史の授業を受ける。目を瞑りそうになると隣のやつが叩き起こしてくれる。起きてもどうせ暇なので。
「真人(まひと)のノートに落書きしちゃお~...」
「...おい、何すんだ......」
俺は小声で真人に話しかけ、ノートに勝手に絵を描いた。猫の顔。
「じゃじゃーん...!」
「......なにこれ、ハリネズミ...?」
「猫🐱ダヨ、真人クン...!」
ふふん、とどや顔をすると真人は眉をひそめた。
「...お前の絵ってさ...味わい深いよな」
「デショ、陽太(ひなた)クンてば天才なんだからァ~...」
「...そうだな、天才天才」
「あんもう、そんなに連呼しないで...(*σ´ェ`)σ照れちゃうワ☺」
「そうかそうか...」
「なら天才👨🎓のアタクシがもっと描いて🖼️あげるワネ;-)」
と真人のノートに更に落書きを増やす。おい止めろ...!と声が聞こえたが気にしない。
もう二人共、途中から授業を聞いていなかった。
お題 「ささやき」
出演 陽太 真人
夜。ふと目が覚めるとカーテンが少し開いていて、星の明かりが部屋に差し込んでいた。
少しくらいならいいか、とカーテンを閉めようとは思わなかった。
「.........」
目の前で眠る彼女の頬に軽く触れ、額にキスをした。
「ん......」
睡眠の深い彼女なら起きないだろうと高を括っていた、が。
彼女が薄目を開けた。
(...起こしちゃったか)
「............」
お互い無言でいると彼女は時計をチラリと見て、目をつぶり頭をぐりぐりと押し付けてきた。まだ起きる時間じゃない、とでも思ったのだろう。そのまま寝てしまった。
軽く頭をひと撫でして、差し込む星の光に目を細めながら眠りについた。
お題 「星明かり」
出演 玲人 葉瀬