『子供のままで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『子供のままで』
親から愛されなかっだ子供時代。
恋人を愛せない今。
愛せなくて悲しませるなら
悲しいのが自分だけで済む子供のままでいたい。
2024 5/13(月)
「早く大人になりたい」
と、心底願っていたのが今となっては馬鹿馬鹿しい。しかし、当時子供だった私の心の中には、確実にその願いが宿っていたのだから、なんとも言えない。
あの頃、大人は私たち子どもの見る世界とは随分違う世界に生きているように思えた。
欲しい物は自由に買えるし、大人の許可なんかなしに公園で遊べるし、大人に酷く怒られることも無い。いつか私が大人になったら、自分でお金を稼ぐようになって、高級車と立派なお家を買うんだと思っていたし、大人になったら恋愛をして結婚して、子供ができるのだと思っていた。
そしていつかは年老いて、幸せに死ぬのだとも思っていた。
しかし今はどうだ?
私は、あの頃思い描いていたような大人にはなれていない。
描いていた大人とは随分かけ離れた大人になってしまった。なんだ、こんなものか。
現実はゲームのように上手くはいかない。そんなネガティブなことを、会社終わりに寄った公園で考えていた。
「子供に戻りたい」そう静かにボソリと呟いた私の横で一人の少女が、私を羨ましそうな目で見ていた。
「おねえさんは、いいよね」
「……どうして?」
「もっと遊びたいのにね。帰らないとママに怒られちゃうから」
「……そっか」
少女の言葉に、私は何も答えることが出来なかった。ただ、ブランコから下りて、公園を走り去っていく後ろ姿の少女のランドセルが、妙に輝いて見えた。
子供は大人を羨ましく思い、大人は子供を羨ましく思う。
人はみな、自分の都合に良いように理想を描いて生きているのね。
#23 子供のままで
【27日目】子供のままで
月日が経つのは早い
小学生の時は
永遠に小学生のままだと
思っていたけど
あっと言う間に
おばさんとおじさんに
なっちゃった
でも彼は
ずっと変わらず
好奇心旺盛で
瞳をキラキラさせて
いろんなことを
報告してくる
私は彼を見て
時に顔を赤らめながら
ドキドキしてる
彼と私の姿形は
おじさんとおばさんだけど
ずっと小学生のまま存在してるよ
子供のままで
子供のままでいたのなら星を掴み
脇役でない空気を吸い
山彦を返す相手がいたと思っていただろう
ただ返って
言葉が乏しく渋滞せず、
蜂蜜が入った泥をのむよさを知らなかったのだと思うとあの時を反芻するくらいがちょうどよくなる
「子供のままで」
私の友達は交通事故に遭って、怪我した場所が悪くてあと5年しか生きれないんだって、
その間にたくさん遊ぼうねって約束したけど、その子は病気で足が麻痺して立てないんだって。
それから四年後。
私とその子の推しは一緒で、その子と一緒にライブを見に行くのが約束なの。
でも君は大丈夫とか言って笑ってたくせに亡くなっちゃった。
病気の進行が思ったより早くて、首から下が全部麻痺して動かせないまま亡くなった。
死ぬ直前まで笑顔だったのに。
結局、一緒にライブ行けなかったね。約束守れなかったね。
ずっと子供のままなら良かったのに。
ずっとずっと日が過ぎなければいいのに。
そしたら君は死ななくていいのに。
なんで時間って経つのかな、
なんて事を考えながら私は子供のまま大人になった。
(権力者が集団であることがバレた後)
「この世界って、みんなこんな感じで洗脳されている訳じゃないんだろう?」
「ん、あぁ⋯⋯うん」
相変わらず話の切り出し方が唐突で、前後のつながりがミリもないなぁ、なんて思いながらそう答えた。だいたいさっきまでは、花が綺麗だが誰が育ててるのかみたいな話してなかった?
「じゃあ、他の場所にいる住人は違ったりするかい?」
「ああ、うん」
「よかったら教えてくれないかい?」
ヤダって言ったら引き下がるみたいな言い方をしてるがこいつに引き下がる気は一切ない。そういうズルい奴なのだ、こいつは。
「子供、みたいな人になっちゃうとか」
「⋯⋯⋯⋯子供、みたいな人?」
「ん。なんか性格とか、場合によっては見た目まで」
「へぇ。子供」
自分で聞いたわりに興味無さそうだな、お前!
まぁ、ボクは半分子供みたいなもんだし、演奏者くんもワガママな性格があったりして、わりと子供っぽいからあんまりよく分かんないのかもしれない。
「子供になったら、何も出来ないね」
「⋯⋯⋯⋯例えば?」
「きみを口説いてみるとか」
またか、演奏者。
ココ最近君はそんな話しかしないけれども、ボクは正直呆れてんだよ。
「ボクは君に口説き落とされたりしないよ」
「⋯⋯⋯⋯僕が頑張ればできない話じゃない」
そんな話し方しかできないのか、演奏者くんは。
だいたいボクは本当に口説き落とされたりしない。なぜならもう、君のことを好きだから。ここでさらに落ちるなんて馬鹿な話はないんだ。
風が吹いて、君の短い髪がなびいて、ボクはその横顔にまた、好きだななんて思ってしまった。
小さい頃小銭を握って
駄菓子屋にあるガムボールが出てくるくじをひいた
ガムの色によって当たりが決まる
今となってはあまりにもちゃちな紙箱のお菓子
でも箱のスイッチをかくっと押し込むことにドキドキした
今は800円もするようなコンビニの一番くじ
昔も今も
どれが欲しいとかじゃない
スイッチを押し込むドキドキ
くじをめくるドキドキ
値段こそ何十倍にも膨れ上がったが
この瞬間だけは
まだ子供のままでいる
くじに書かれたF賞の文字に
鼻を鳴らして
小さなタオルハンカチと引き換える
あーまた余計なモノ増やしちゃったな
呟いた瞬間
大人に戻った
【子供のままで】
大人にならないでほしい
子供のままでいてほしい
叶わない願いだと分かっている
ただキミを手放したくない
ボクのわがままだと
分かっているんだ
私ももういい大人になって
しっかり者のフリをするけれど
家族の前ではいつまでも
私は子供のままで
不器用に甘えてみたりする
パラパラじゃない水っぽい
でも世界一、大好きなチャーハン
今日は食べたいな。
#子供のままで
子供のままで
自分が子供のころは、とにかく純粋で可愛らしい至って普通の子供だったのに。
成長して、世間の穢れた部分だけに目を向けているせいで純粋など当てはまらない大人になってしまった。
こんな自分はきらいだから。
もう少し、子供のままでいたかったな。
皆様からの❤︎が1000件を超えました
不甲斐ない私の作品を
もっと見たいと❤︎をつけて頂き
本当にありがとうございます
とても励みになります!
今後とも、応援よろしくお願いいたします。
【子供のままで】
私の心は止まっている
「聞き分けのいい子、いい子でしょう?」
と、母は昔から私をみんなに自慢していた
でもそれは母が作り上げた私であって
私ではなかった
そう言われることで
私自身の気持ちは封印せねばならなかった
ワガママはおろか、
好きなこと、得意なことも
友達でさえも、進路でさえも
結婚相手さえも
全て母に支配された
ぱっと見、自慢の娘だろう
なのに…
母はどこかで私をライバル視していた
最初は母も、自分のしたかったこと
出来なかったことを私に託したのかも知れない
だが、それを難なくこなしていく私が
気に入らなくなっていった
そうして、6つ上の姉と共に
私を阻害した
学校では今で言うモンスターペアレントの母
同級生も私と連むのは嫌がった
学校でも家でも居場所を失った
結果
私は恐らく14歳で自我を失った
そして何度も死を覚悟し
パニック障害と鬱病になった
発症して14年目だ
寛解に辿り着いては再発の繰り返し
それでもそんな心の病になった私を母は
恥じたのだろう
もう、がんばれずに入院した私に
死を覚悟してまで病院に行った私に
「もう少し、がんばんなさい!」
と言い放った
私の味方は最初からいないことを悟った…
昨日は母の日だった
だが
私には母などそもそも存在しなかった
カーネーションをあげたいと想う人は
私にはいないのだ
母にだけ子育てをさせた父という存在も
もちろん私にはそもそもいない
母の理想の人生を歩んだ結果
とてつもなく不幸になった
そして
誰にも甘えることさえ許されなかった私は
【子供のまま】で
心が止まっている…
40を過ぎても尚、大人の階段は登れていない
「子供のままで」
僕は高校の頃の自分から、あまり変わっていないと思っている。
もちろん自分を振り返ってみると、所々あの時よりは成長したかと感じることもあるが、まだまだ大人になれたと実感できない。
子供の頃は、大人たちを見て、しっかりしていてなんかカッコいいと思っていたけれど、いざ自分が歳を取ってくると、大人も大したことないんだなと思ったりする。
それでも子供たちからしてみれば、自分は大人に見えているのだろう。
気持ちは子供の頃のままで、いつまで経っても大人になれた気がしないまま、いつの間にか大人になっていくんだなと思う今日この頃。
【⠀子供のままで⠀】
いつか放り出されてしまうのかと思うと、怖くてたまらない気持ちになる。
今年で私は18歳になる。
成人の年齢が早まったから、今年で成人になる。つまりは、保護者が要らなくなる。
だから、今年の誕生日はものすごく来て欲しくない。
数年前ならまだ子供でいられた年齢なのに、と思ってしまう。
両親が家に帰ってこなくなったのは小学5年生くらいの頃。何故帰ってこないのか、私は未だに知らないけど。
幸運だったのは家の前で泣いていた私のことを、隣の拓也さんが見つけてくれたことだった。
寂しくなったら家に来ていい。その言葉が心の拠り所だった。
一軒家の中、一人でいると寂しくて、怖くて。
夜中に耐えきれなくて拓也さんの家に突撃したのが初めてだったと思う。それでも得体の知れない女児を受け入れてくれた拓也さんは凄い。
それから何がどうなったのか私は知らないけど、拓也さんは私の仮の保護者になった。学校の同意書はもっぱら拓也さんが書いてくれている。もう両親よりも親らしい。
自宅に帰るよりも拓也さんの家に入り込むことの方が多くなって。いつでも受け入れてくれたし、一人で寝るよりも誰かと一緒に寝た方が怖くないから。
でも、もう甘えられない。
……合鍵、返したら泣いちゃうかもな。
「美緒、なんかあったか?」
いつもの煙草の匂いのする、勝手知ったる拓也さんの家
。私は勝手にキッチンに入り込んで料理を作っていて、背後に拓也さんが現れた。
「なにもないよ」
「……何かあったら言えよ」
今更遠慮すんな、と頭をぐりぐり撫で回された。
ずうっとこの関係が続けばいいと思う。
子供のままでいたいなぁと、本気で思った。
end
※昨日の愛を叫ぶ。のお話。
『悪童』
悪童たちが行ったみち 綺麗な小石が並んでる その小石の幾つかが シマヘビに向かって投げられた 酷いことをするもんだなと思ったら やっぱごめんと謝った やったことは消えないけれど 何かそれ以上の素敵なことを あの子らはきっと知っている
道にたんぽぽが咲いていた。
葉が赤くなるのを見るともうそんな季節か、と思うし
こうしてたんぽぽを見ると、また季節が一巡してきた
と思う。
ただそこには子どもの頃感じたような、
ワクワクする感覚はもう、ないような気がする。
あるいはうまく見つけることが
できなくなっているような気がする。
子どもの頃の方が、変化に敏感で
感じたもの全てが新鮮で、きらきらとしていた。
大人になってからは少し世界が色褪せて見える
そんな気がする。
けどだからといってそれが悪いことだとは一概には言えない。
感覚で「綺麗」と感じたものもあれば、
そこに隠れる「過程」を知り、それを含めて「綺麗」
なのだと思えるものもある。
特別じゃなくても、あらゆる経験から、そのときの風景や言葉を思い出して
すべてが合わさるからこそ「綺麗」な思い出になるものもある。
子どものままでよかったのか。そうじゃないのか。
きっと大人になったからこそ増えた喜びがある。
そうやって今を受け入れられるようになりたいな。
【子供のままで】
自分は成熟したという錯覚に乗じて
ただ飽き始めていた おままごとに蓋をする
齢を重ねる事を厭う他人を真似て
社会に足並みを揃えんと躍起になる
そうして事を成せば、子供は大人になれる
そんな確証も理も
何処にも無いと言うのに
貴方はまだ“大人である自分”に
固執してしまっているのかい?
いつか歳を重ねきった暁には
あの頃、若かりし頃へ戻りたいと
誰しも一度はごちる事だというのに…
大人なんて、なりたくてなる訳じゃない
子供にも戻りたい時には戻れない
貴方が変わらず貴方であるなら…
記憶の奥へと押し込めた
幼稚だとしても成したい事は
熟し切り、腐り出す前に
己の悔いとならぬ内に
手を付ける事をお勧めしよう。
ー 子供のままで ー
大人になったというよりは、子供を諦めた。
うわ、それだ!って、瞬間的に思いました。
今、どうしているんだろうね。あの人は。
どこかの動画のコメント欄に、ポツンとこの言葉だけを
置いていった、誰なのかも分からない、あの人。
ねぇみなさんご存知でした?小さな絶望の積み重ねが、人を大人にするらしいですよ。・・・分からないなぁ。
私はまだ自分は「大人」じゃないと思ってるから。
子供でいたいって感情はあります。でもそれこそ、拘りを持つのは終わりの合図だね。私だって数年後には、子供を諦めているかもしれない。
本当の子供は子供に執着しないし、大人に憧れる。
自分の中の「子供」にしがみついた後に、それを諦めて私たちは大人になるのかな。んー、よく分かんないや。
来年で成人か、と思うと恐ろしいですよ。本当に。
周りが、責任が、知識が「早く大人になりなよ」って
私を急かしてくる。私の中身はちっとも変わってない
のに、中学に入学した途端に「もう中学生なんだから」って言われてる気分です。
私の内面が世界の認識に追いつくのは、いつだろうね?
それはそれとして、子供は「諦める」ものらしいから。
まずはしがみついてみないと。
#19 子供のままで
今日は脳を使い過ぎたようだ。
とくに意味のない文字の羅列に縦横斜めの無数の線が、閉じた瞼の裏、グルグルグルグル回転しつつ明滅を繰り返している。
カレイドスコープみたいだ。
キラキラ、クルクル、ヒラヒラと、色とりどりの華やかな輝きが躍る。
ユラユラとした浮遊感に浸りながら、深く息をついた。
本当に、本当に綺麗なんだけれど……。
ねむれない!
テーマ「子供のままで」
母はずっと子供だ。
思った事を口にして行動し、余計な事を仕出かして入院する。
いつか笑って無邪気な人だと思える日が来るのだろうか。
[子供のままで]
ジワジワと照りつける様な暑さの中
麦わら帽子をかぶって虫取りに勤しんだこと。
友達とふたりで分けて食べたソーダ味のアイス。
藺草の香り溢れるおばあちゃんの家で飲んだ
ちょっとだけ濃いカルピスの味。
すぐに落ちてしまった線香花火と、
夜空に輝く大輪の打ち上げ花火。
おとうさんに背負われ微睡んだ夕暮れ。
全てが懐かしい思い出で、
毎日がキラキラと輝いていた子どもの頃。
大人になっても、きっとその日々は続くのだろうと
信じていた無垢な瞳は、何時からか濁り。
カブトムシを掴んでいた手にはマウスが、
友人に見せた笑顔は死に、虚ろ目には液晶から漏れる光が滲む。
優しく甘いカルピスを忘れるようなエナジードリンクの味は、何時からかすっかり常飲するようになってしまった。
父の背を思い出す夕暮れには上司の怒鳴り声と終わらない書類の束。
打ち上げ花火は高層ビルに隠れ、残業の夜景に消える。
線香花火と同じように今にも消えてしまいそうなのは
懐かしい思い出か、それとも ___。
「あぁ、まだ《子どものままで》、いたかった。」