『始まりはいつも』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
始まりはいつもこの掛け声始まる。それに合わせて、お客さんが掛け声をし、ショーが始まる。それは絶対、どちらの立場でも忘れられないショーになる。様々な演出、用具、キャスト、時間をこのステージにかけて、マジックをかける。この時間は有限で、無限ではないことは誰もが知っている。そして、「ショータイムはいつまでも」という掛け声で終わる。
『始まりはいつも』
今日もBLです。よろしくお願いします。
始まりはいつも、あなたの言葉からだった。
私の右腕になってくれ、だとか、わいんことを好いちょ、だとか、今世でもわいがいいんだ、だとか。
俺たちの関係はあなたの言葉で繋がっていると言っても過言ではないだろう。
だからこそ、今世での結婚という繋がりだけは、俺の言葉で始めたいと思った。
「だから鯉登さん、俺と結婚してくれませんか」
柄にもなく赤い薔薇の花束を差し出しながらそう言った俺に、あなたは目尻が裂けるんじゃないかというほどに瞳を見開いた。と思えばその瞳からぼたぼたと涙を溢し始める。
「ど、どうしたんですか?」
「わいがそげんこっを言うから…!」
涙と鼻水で端正な顔をぐちょぐちょにしながら俺の肩に顔を押し付けるから、どんどん服が湿り始める。
「ちょっ、鯉登さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃなか!」
「えぇ…」
ぐすんぐすんと鼻を啜る音が聞こえる。
いくらかそうしていたものか、結構長い時間が経ったような気がするが、鯉登さんが落ち着いたので、もう一度、あなたの瞳を真っ直ぐに見つめて同じ質問を繰り返した。
「俺と結婚してくれますか?」
「もちろんじゃ!幸せにすっ!」
花束を抱えたあなたが、世界の美しいものを全て詰め込んだみたいな表情で笑う。
ただそれだけのことが、どうにも愛おしくて、あなたを抱き締めた。
2日連続の鯉月です。今回エセ鹿児島弁多いんですけど大目に見ていただけると助かります。
当社比鯉登さんが泣き虫です。そんな鯉登さんも愛しい月島さんいとしげら。
月島さん目線しか書いてないのでそろそろ鯉登さん目線も書きたい今日この頃です。
始まりはいつも
始まりはいつも君だった。
君と一緒に色々やった。
私だけならどれもやっていなかった。
何もやらずに平穏な人生を送っただろう。
平穏な人生が良さよかったと、今でも思っている。
君と縁が切れて、本当に良かった。
恋の始まりはいつも突然だ。
それが年頃の乙女のものなら尚更に。
とある少女は恋をした。
絵画の中の美しい青年に。
いつしか青年は心を持った。
少女も知らない間に。
そして青年は恋をした。
二人は愛し合っていた。
少女は涙した。青年は嘆いた。
二人の恋が結ばれないことに。
青年は思いついた。
二人が永遠に共にいる方法を。
時は流れとある美術館。
そこに飾ってある一つの絵画。
そこに描かれていたのは、青年と少女の姿。
少女のドレスは、まるで血のような紅に染められていた。
お題:恋の始まり
始まりはいつもキラキラするのにね
終わり方が哀し過ぎて、始められない…
誰しもルーティーンはあるもので、僕の場合、起きて2時間、ゲームをする。僕の1日の始まりはいつもゲームからだ。
ルーティーンというのは、意外と本人は意識していないものである。この文章も始まりはいつも7時からである。他にも椅子ではいつも左端に座る。今、書こうと思い出して、初めて知った。……ルーティーンはいつもの生活習慣が影響することが多い。椅子で左端に座るのは、左利きだというのもある。あとは、目立ちたくないから、真ん中には座らない、というのもある。
どうだろう。貴方にもないだろうか。無意識でしている「始まりはいつも」に目を向けてみれば、新しい自分に出会えるかもしれない。
始まりはいつも何かを失う
春の出会いには誰かの別れが、
夏の狂熱には静寂が、
秋の風は色を生みだし、
やがてそれを枯らしてゆく
いつの時代もそうだった
逆も然り、
終わりはいつも何かを得る
それがどんなに望んでいないことでも
貴方を失って1年
私は何かを得ただろうか
未だに答えが出てこない
始まりはいつも
知らない場所
知らない人
始まりはいつも知らないところから
始まりはいつも❍から始まる
私は月を見ると君も月を見る
私が笑うと君は微笑む
僕が歩くと君もついてくる
僕が本を読むと君はそばに居てくれる
私は君の瞳が好き
僕は君の笑顔が好き
視点を変えても始まりは同じ
❍は変えられる
『始まりはいつも』
始まりは怖くて、めんどくさい、
でも、案外慣れたりする、
でも、始まりはいつも、『終わりがある』
ずっーとがいいのにな、
〚始まりはいつも〛
君だった。
君から僕へ、まだ知らない世界をくれた。
幼い頃からずっと一緒で。
最近は同性婚も許されているんだって。
だから、今度。
"一緒に結婚式をあげよう"
って言ってくれたんだ。
「始まりはいつも」とかけまして
「ねずみの侵入を防ぐ」と解きます。
その心は「開始/返し」でしょう。
始まりはいつも君の「着いた!」のメッセージ
待ち合わせ場所に君の車がある
君の車が見えると嬉しくてワクワクして
足取りが軽くなる
そしてドアを開けると大好きな君が
笑顔いっぱいで迎えてくれるんだ
この瞬間がたまらなく好きだ
「ご馳走様、美味しかった~」
朝食を完食して、花畑は手を合わせた。朝からいい食いっぷり。
昨夜、俺のうちに泊まっていった。俺たちは付き合いだした。
「どういたしまして。今日の予定は?」
食器をキッチンに下げた花畑に俺は訊いてみる。
「面接があるの。正社員枠でね、行ってみるよ」
「派遣会社、辞めるの」
「うん、なんか、腰を落ち着けて働くのもいいかなって。藪さんがあたしに仕事のしかた仕込んでくれたし」
「そうか……」
懐かしい思いがこみ上げる。うちの会社に来たはじめはいつもさぼること、手を抜くことしか考えてなかったようなやつなのに。
付いたあだ名は「おはなばたけ」ちゃん。だったのに。
変わった。ーーといえば、俺も大分変わったが。
こいつへの想いが。
「なあ、本気でここで一緒に暮らさないか。何回も言ってるけど」
ダメもとで言ってみる。でも、花畑の答えはいっしょだった。
「やですよ、そんな扶養家族でもないのに」
「扶養家族になればいい」
プロポーズ。何回も結婚しよう、一緒に暮らそうと申し出ている。しかし、「んー、それはまだいいかな」と花畑は素っ気ない。
「まだってな」
俺は脱力する。
「ずるずるになるの、やなんだ。折角藪さんが一から育ててくれたんだもの。力、試してみたい」
きっぱり言う。迷いのない目をしている。
俺はやれやれとため息を宙に溶かした。後頭部を掻く。
「俺は保留扱いか……。仕事なんか教えるんじゃなかった」
「後悔してる? 藪さん」
「いやーーぜんぜん。お前、いまかっこいいよ」
最高にな、と言ったところに、キスが来る。花畑がつい、と俺に近づいて掠めるように唇を重ねてきた。
「お」
目を白黒させてしまう。出し抜けだったから。
「じゃあ、行ってきます。面接、うまくいくように祈っててね」
鏡の前で髪を整え、身づくろいをして花畑は言った。
「わかった。今夜も一緒に食わないか」
「うん。楽しみにしてる」
俺は片目をつぶって、「行ってきます」と部屋を出ていく花畑を見送った。
俺に満開の花を見せる女。笑顔ひとつで。
……俺が育てたんじゃないよ。元から、能力はあったんだよ。質の高い仕事、ずっとやりたかったんだよ、お前は。
本来の姿なんだ。だから今、そんなキラキラしてるんだな。
とても嬉しくて、少し寂しいよ。本音を言えば。
「行ってらっしゃい」
パタンと閉じた玄関のドアに向かって俺は呟いた。
がんばれ、という思いといっしょに。
END
「やぶと花畑・完」愛読ありがとうございました
#はじまりはいつも
「始まりはいつも」
始まりは最初から決まってる。
終わりは自分で決める。
始まりはいつも
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.10.21 藍
始まりはいつも
私の暮らしの中の、
はじまりはいつもとても小さなこと。
下ろしたてのスリッパの履き心地。
新しい香辛料の開けたての香り。
初めてのパン屋さんに行ってみたり、
夜に散歩に出かけてみたり。
もちろん旅行などもっと大きいことも、時々しんどいこともあるけれど。
そういう小さなはじまりは思ったより元気をくれて、くたびれた心に効いている。
#63
【始まりはいつも】
トントン、トントン。
ドア越しに聞こえてくる野菜を切る包丁の音。それが我が家における一日の始まり。
枕元のチェストに置いてある眼鏡に手を伸ばし脱いだ寝巻きを手に階段を降りると。出汁の旨みを含んだ味噌汁のいい香りが鼻腔をくすぐった。
「おはよう」
「おはよう、あれ?買い替えたの?」
俺が指しているのは先ほどまで使われていたであろうまな板のことだ。長年使っていた木製のものが寿命を迎えたため、先週手入れの楽な薄手のものに買い替えたはずだった。
「やっぱりね、音が違うのよ」
「音?」
「木のおとじゃないとなんだかシャキッとしなくて」
昨日までいた白いまな板はそこには無く、木でできた厚い板が新しいはずなのに馴染みよく台所に立てられている。
木の優しさ、なんて抽象的な表現は好きではないが、どうやら我が家の始まりに必要なのは『いつものそれ』だったらしい。
あれやりたい、これやりたい
いつも俺の願いを君は叶えてくれる
今の仕事を始めたのも、どこかに行く時も
いつも君が一緒。
君がいないとだめなんだ、
始まりはいつも君と共に。
#始まりはいつも #4
あの日、心の奥深く眠っていた僕を、呼び覚ましてくれ
たのも君だった。
いつも優しく笑って話を聞いてくれた君。流れる黒髪が
綺麗だった。
こんな僕を好きになってくれた人。
永遠に一緒にいれると思っていた。
だけど神様は、ずっと怠けていた僕に大きな幸せを与え
たくなかったのか、神様は君を奪ってしまった。
そしてきっと神様は君を好きになってしまったんだろ
う。君が寿命で死ぬのを待てなかったんだね。
君がこの世からいなくなってしまったとき、僕は泣い
た。君が開いてくれた世界は君の存在ありきだった。
まさしく僕にとっては世界の終わりだった。
それでね、恥ずかしい話なんだけど葬儀や手続きで、
忙しくてずっと君の死から立ち直れていなかったんだ。
ずっとずっと君を恋しく思っていた。
何もしてあげられなかった自分を責めたりもした。
君は僕といて本当に幸せだったのかな。
だけど今日初めて君のお墓に来て気付いたよ。
お墓の周りにはクチナシが咲いていた。
君が好きだった白いかわいい花。クチナシが咲き誇って
いる様子は眼を見張るほどだった。白くて眩しい花達。
君が教えてくれた花言葉は、たしか「私は幸せ者」。
それに気付いたとき、僕は持ってきたキンセンカを
落としてしまった。
クチナシは君が咲かせてくれたのかな。
そうだったら君は僕といて幸せだったと思ってたかな。
でもね、たとえクチナシが君と関係なく咲いていた
としても、世界はこんなにも美しいって分かったから。
また立ち直れる。
君のお墓に来なかったらずっと悩んでいたままだった。
僕の闇に射し込んだ光。優しい君。
これで僕は再び始めれる。
参っちゃうなあ。また君のお陰だ。
やっぱり、始まりはいつも君からだね。
ありがとう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「優しい君」
始まりはいつも