『始まりはいつも』
今日もBLです。よろしくお願いします。
始まりはいつも、あなたの言葉からだった。
私の右腕になってくれ、だとか、わいんことを好いちょ、だとか、今世でもわいがいいんだ、だとか。
俺たちの関係はあなたの言葉で繋がっていると言っても過言ではないだろう。
だからこそ、今世での結婚という繋がりだけは、俺の言葉で始めたいと思った。
「だから鯉登さん、俺と結婚してくれませんか」
柄にもなく赤い薔薇の花束を差し出しながらそう言った俺に、あなたは目尻が裂けるんじゃないかというほどに瞳を見開いた。と思えばその瞳からぼたぼたと涙を溢し始める。
「ど、どうしたんですか?」
「わいがそげんこっを言うから…!」
涙と鼻水で端正な顔をぐちょぐちょにしながら俺の肩に顔を押し付けるから、どんどん服が湿り始める。
「ちょっ、鯉登さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃなか!」
「えぇ…」
ぐすんぐすんと鼻を啜る音が聞こえる。
いくらかそうしていたものか、結構長い時間が経ったような気がするが、鯉登さんが落ち着いたので、もう一度、あなたの瞳を真っ直ぐに見つめて同じ質問を繰り返した。
「俺と結婚してくれますか?」
「もちろんじゃ!幸せにすっ!」
花束を抱えたあなたが、世界の美しいものを全て詰め込んだみたいな表情で笑う。
ただそれだけのことが、どうにも愛おしくて、あなたを抱き締めた。
2日連続の鯉月です。今回エセ鹿児島弁多いんですけど大目に見ていただけると助かります。
当社比鯉登さんが泣き虫です。そんな鯉登さんも愛しい月島さんいとしげら。
月島さん目線しか書いてないのでそろそろ鯉登さん目線も書きたい今日この頃です。
10/20/2024, 10:17:36 AM