『好き嫌い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
好き嫌い
カレーライスは、好きな人が多い。
でも、わたしは嫌い。
だって辛いもん。
好きなもの?
ん〜っとね…
あっ、わたしピーマン好きだよ。
苦いけど、なんだろ
食感?が好き。
みんなは嫌いっていうけど
わたしは好きだよ。
辛いのは嫌いで苦いの好きなの。
おかしい?
甘いものだいすきで太っちゃうよりマシでしょ。
#好き嫌い
お花たちがむしり取られる儀式
涙を流すくらい辛い時があった時、
雨が自分の手に降ってきた時、
自分の感情が一瞬だけ無くなった時、
ふと、感じたの。
もしかしたら私たちがみている世界は一人一人違くて、夢を見ているのかもしれないって。
私たちは今も、この瞬間も生きているかも分からないこの境目で夢を見ている。
いつか死ぬ。生と死の壁を越えた時。私たちは本当の世界、現実を見せられるのかもしれない。
死んで本当の世界がある。
そう考えると少し、気持ちが楽になった。
これは夢だ 早く夢から覚めたい、?
大丈夫だよ
まだその時じゃないよ
好き嫌いって誰にでもあるよね。
味、匂い、感触、理由も人それぞれ。
でも、食品ロスを減らすのも大事。世界には私達のよう
にお腹いっぱい食べれる人達が少ない国もあるから。
そう考えるとお腹いっぱい食べれるって有り難いこと
なんだなって思った。
私も嫌いな食品があっても少しでも多く食べ、頂きま
す、ご馳走様でした、を忘れず言うようにしたい。
好きとか嫌いって、本当に都合のいい考えだ。だから、私は好きな人も嫌いな人もいない。でも、私はいつも誰かに好かれていたい。私が、1番都合いい人間なのだ。人間失格。また、都合いい言葉を使ってしまった。
【好き嫌い】
不思議なもので子どもの頃は食べ物の好き嫌いがはっきりしていてなすの漬け物なんてとても無理と思っていた。
ところが今では自分で漬けて食べている。もちろん今でも苦手な物はあるけれど以前に比べれば食べられるものが多くなった。
しかし人間に対する好き嫌いは別だ。以前は苦手でも、どうにかやり過ごし毎日会う人でもないからとあまり嫌いという感情を持つことはなかった。
ところが年齢のせいなのか、堪え性がなくなったからなのか、嫌だと思ったら、もうイヤ!
好き、はともかく嫌いという感情があらわになってそれを出さないようにするのが苦しくてたまらない。
会うのが週に1度だけの人でもそれさえしんどい。
食べ物なら食べなきゃ良いだけだけど人間となると、なかなか難しい。目は口ほどに物を言う、というが私の全身から「あなたが嫌い」オーラ全開したらどうしようかと思いつつ、今日も会議でその人に会ってきます。
【好き嫌い】
好きを嫌いになったり、嫌いを好きになることがある。
49好き嫌い
「お父さん、僕ね、アルティメットワイルドスティンガーと、絶竜孤斬剣で迷ってるんだよ……」
「うん? なんて?」
「だから、アルティメットワイルドスティンガーと、絶竜孤斬剣。どっちも好きだから、選べないの」
小学三年生の息子が、一枚の封筒を見せてきた。
学校で今年から使う、書道セットの注文のお知らせである。
私が子供だった頃は、せいぜいパステルカラーとモノトーンの二択、と言う感じだったが、最近は10や20もある中から選べるようになっている。多様性の時代だ。単純に華やかでもあるし、いいものだと思う。
「どっちもかっこよくて、選べないんだ…」
新旧のキャラもの、なじみ深いお菓子のパッケージ、無地からグラフィックアート風、少女向けのキラキラ風。
そして、少年向けのドラゴンと剣。ご丁寧に、西洋風の騎士と和風のサムライと2パターンが用意されている。
西洋風がアルティメットワイルドスティンガーで、和風が絶竜孤斬剣。
「究極の選択だな…」
「うん……」
親子で頭を抱える。多様性の時代には選択肢がたくさんある。好きなものがたくさんある。一つを選ぶのも、それはそれでなかなか大変なのだった。
好きを集めて積み上げて
嫌いはどこかに捨てていく
きっと私はカラスと一緒
「好き嫌い」
私が嫌いなのはー
我がクラスメートのー
自分以外全ての人を見下してる野郎ー
好きなのは、それに該当しないお方
あと、鴉と夜とお菓子です
好き嫌いせずに生きるなんて無理だぜ。
_ ₇₃
人は誰しも好き嫌いがある。
でも、それは当然のこと。
今まで生きてきた環境が違うのだから、当然一人一人の価値観も違ってくる。
人はその価値観を元に好き嫌いを判断している訳だから。
だから、周りに気を遣いすぎてる人にこう言いたい。
「全ての人から好かれる事は無理だ」と。
でも、全ての人から嫌われる事も、世間を騒がすレベルの罪を犯したような人でもない限り絶対に無い。
だから、気を遣いすぎず、自然体のあなたでいて欲しい。
自然体のあなたの方が魅力に溢れているよ。
【好き嫌い】
人にはさ、なんでも好き嫌いってあるもんじゃん
だから私がアンタのことを嫌っていても変ではないの
だってしょうがないから
アンタが私を好きだと言ってくれるように、
私もアンタのことを嫌いって言うの
誰も傷つかないほうがいいでしょ
はっきりしたほうがいいと思うの
でもね
たまに思ってしまうの
私がアンタを想っていたならどれだせ幸せか
話を変えるね
私がトマトを嫌いだとする
でも、少しだけ食べてみると「いけるじゃん」
ってなる時があるの
それと一緒なんだよ
女も男も嫌いって思ってても甘い言葉で、またすぐに
夢中になる
そんなアンタは最低ね
それを本当の恋だと思ってしまう私も可哀想でしょ
しょうがないよ
それが恋なんだから
好きな物が周りと違った
嫌いな物が周りは好きだった
そしたら何故か、気まずくなった。
『自分だけ違う』
それは個性として捉えることができるのに、
何故だか"異端"と捉えてしまう。
『周りと違う、直さないと』
そんな風に考えてしまう。
そうして私は、好きだった物を我慢した。
嫌いだった物を好きになろうとした。
"好きだった"ではなく、好きな物なのに
好きなのに、選べない。
嫌いだった物は"嫌い"ではなく"興味が無い"になった。
はぁ、しんどいなぁ(笑)
無理にそうしなくてもいいのに。
どうしても周りに合わせようとしてしまう。
勿論それは悪いことでは無い
ただ、自分を縛っていて、苦しいだけなんだから。
お題〚好き嫌い〛
誰にでも好き嫌いはある。
私はゴーヤが嫌いだ。大雑把にいうと野菜が嫌いだ。
トマトとかきゅうりとかそういうのは食べられる。
けどキャベツとかレタスとか小松菜とかね、、
嫌いすぎて食べれない。
けど嫌いな食べ物、好きな食べ物がない人はいないんじゃないかって思う。だって、この世のものをすべて食べたことがあるわけじゃないし、いろんな食べ物の中で必ず嫌いな食べ物はあると思うから。
絶対どっちがはあると思うしそれがなにであっても、
とやかく言うことではないと思う。
親だったり祖母、祖父や友達とかに好き嫌いせず食べなさいとかお前それ食えねーの?とか言われたとしても自分が食べたくなければ食べなくてもいいと思う。私だったらそうするから。誰になんて言われても食べられないものは食べられないんだから。嫌いなんだから。人にあーだこーだ言われる筋合いはない。
だって好き嫌いがない人なんてこの世に1人もいないんだから。
この歳になると好き嫌いの数より「普通」の数が多くなってきてるようだ。私だけなのかもしれないけど。
「普通」がなんで多くなってしまったんだろう。経験値が上がったからなのか、知ったかぶりが当たり前になったからなのか、感じたりすることができなくなったからなのか。
会社の人間関係どう?って聞かれても「普通」
このお菓子どう?って聞かれても「普通」
とてもつまらない人間だ。
でもいつも私のことを気にかけてくれるあなたは好きだ。
お題 好き嫌い
誰もが幼い頃「好き嫌いがあるのはダメなこと」と教わったものだ。しかし、大人になった今、どうだろう。「好き嫌い」について否定されることは無いし、むしろそれを個性として認めようとするのが世の中である。
「あ、もしかして、パプリカ嫌いとか?」
「いや、嫌いとまでは……」
私の向かいに上品に腰かけた彼女が、可笑しそうに笑った。
彼女とは両親の紹介で、今日出会ったばかりだが、不思議とそんな感じがしない。前々から見知っていたような気がするのだ。
「大丈夫よ、もう大人なんだから、好き嫌いしたって、誰もあなたを咎めないわ」
「俺は…逆じゃないかと思うんだ」
「逆?」
「大人こそ、嫌なことを我慢したり、我慢できないなら怒られて然るべきだ。けれど、もう大人になった俺を、誰も怒ってはくれない。」
「あなたは怒られたいの?」
あんぐりと口を開けた彼女にそう問いかけられると、自分が言わんとしていることが分からなくなる。
「いや、それは……」
そう話していると次の魚料理が運ばれてきて、そっとテーブルに乗せられた。
「あなた、私は難しいことは分からないけれど」
と言って、魚料理の皿とパプリカの乗った皿を入れ替える。
「これで、いいじゃない。私たちはこれから、こうして生きていくの。怒るんじゃなく、補い合えるところはこうして、ね?」
「ありがとう……しかしところで、君は魚が嫌いだったんだね」
パプリカをひとつ、ごくりと飲み込んだ彼女はゆっくりと俺に視線を合わせて言った。
「あれ?分からなかった?これからは、貴方が嫌いなものが、私の唯一好きな物なのよ」
その目の奥から手が伸びて掴まれてしまいそうなほどの迫力に、俺はつい目を逸らした。
「両親からの結婚の話だったけど、悪くないと思うわ。ご馳走様。」
そう言って立ち上がった彼女からは、死んだはずの元妻と同じ香水の香りがした。
どん臭くて何も出来ない、イライラするだけの結婚生活を思い出し、キッと俺が彼女を睨むと、彼女は不気味に弧を描いて笑った。
「あなたのその顔が、堪らなく大好きよ」
今日のテーマ
《好き嫌い》
「うわ、お兄ちゃんがピーマン食べてる……」
兄のピーマン嫌いは筋金入りで、母がどんなに細かく切り刻んでも見つけ出しては避けていたほど。
私も小さい頃はあの苦味が嫌いだった。
だけど中学の頃には克服したし、高校の頃には他の食材と同様に食べられていた。
それに対して兄はと言えば、慣れるどころか頑ななまでにピーマンを避け続け、母も遂に兄の皿にはピーマンを避けてよそうようになったほど。
その兄が、細かくして見た目が分からなくなっているならまだしも、明らかにその形状を残しているピーマンの肉詰めを美味しそうに食べているのだから、私達家族の驚きといったらない。
「別に、このくらいどうってことないだろ」
「いやいや、どうってことあるでしょ。あのお兄ちゃんがピーマン食べる日が来るなんて」
「ハンバーグに混ぜ込まれた緑色の小さな粒を血眼になって避けてたあの兄貴が……」
「あんたもこの年になってやっと好き嫌い克服できたのねえ」
私はもちろん、弟も母も驚きと感慨に耽り、恐らくそれを克服させたであろう女性――兄嫁に尊敬の眼差しを向けた。
照れているのか、当の兄はふて腐れた顔で2つ目の肉詰めを口に放り込んで黙秘を決め込んでいる。
一方、義姉はそれほどまでとは思っていなかったのか、私達家族の反応に目を丸くするばかり。
「あまり好きじゃないって言ってたから、最初は苦味の少ない品種を探して試してたんですけど、それでも最初から食べてくれてたから、まさかそんなに苦手だったなんて知りませんでした」
「いや、兄貴のあれは苦手とかいうレベルじゃなかったから。憎しみすら感じるくらいの嫌いっぷりだったから」
「青椒肉絲の日は、この子の分だけ別のおかずを用意したりしてたのよ」
「お兄ちゃん、そんないじらしいところもあったんだね」
義姉と兄の馴れ初めは、兄の猛烈なアプローチによるものだったという。
彼女の容姿に一目惚れし、友達として少しずつ距離を縮めていく中でその人柄に惚れ込んで、長年口説き続けてやっと頷いてもらえたのだと、そんな話は兄の友人から聞いていた。
てっきり少し大袈裟に盛られた話だろうと思っていたのだが、あの兄がピーマンを我慢するほどということでその本気度が窺える。
「別に……嫌いって先入観で避けてただけで、食ってみたらそこまで不味いものじゃないって分かったからで」
「やめておけ、下手に誤魔化すと傷が広がるぞ」
「そうよ、お父さんの言う通り。経験者の言葉は重みが違うわね」
それまで黙っていた父が助け船を出すかのように兄に言うが、それを母が笑顔で追い打ちをかけて台無しにする。
義姉はそんな両親の言葉にくすくす笑って兄に優しい眼差しを送る。
独り者の私と弟は何となく居たたまれない気分になりながら、義姉の作ってくれたピーマンの肉詰めに箸をつけた。
ピーマン自体にも味がつけてあるらしく、確かに苦味はだいぶ軽減されている。これなら苦手な人でも食べやすいかもしれない。
「たしかに凄く美味いけど、あの兄貴だよ? ベタ惚れの彼女さんの手料理じゃなきゃ絶対食わなかったよな」
「それはそう」
こっそり耳打ちしてくる弟に、私も密かに、だが大いに頷いた。
恋に溺れると味覚も超越するんだなあ、なんて笑ってるけど、これは弟もきっと他人事じゃない。
さっきの話の様子じゃ父もそうだったみたいだし、我が家の男共はみんな揃って単純だ。
「あんたの人参嫌いも、彼女ができたら克服できるかもね」
「俺のは兄貴ほど筋金入りじゃねーし。一応食えるし」
「まあね、お兄ちゃんみたいに執念で避けたりはしないよね。噛まないで飲み込むけど」
肘でつつくと苦虫を噛み潰したような顔をする。
そういう反応はまだまだ子供っぽさが抜けないが、そんな弟にも少し前に気になる相手ができたらしい。
その相手は私の友達で、彼女は義姉に負けず劣らずの料理上手だ。
彼女も満更でもなさそうで、私は密かに2人がうまくいくよう応援している。
いつか彼女の手料理で弟が人参嫌いを克服する日がくるんだろうか。
そんな未来を思い描き、私はにんまり笑ってピーマンの肉詰めに再び手を伸ばしたのだった。
好き、嫌い、好きかもしれない。
あなたがくれる言葉は
いつも、優しすぎてわからなくなる。
どうして隣に立ってくれようとするの。
私は、自由なあなたのお荷物でしょう。
これ以上、何かが
動きはじめる前に、いっそ
消えてしまいたい。
あなたに励まされると
頑張ってしまうのが、辛い時もあるから。
そうして、ひとり泣く夜が
心が千切れそうなほど痛い日もあるから。
好き、嫌い、忘れてしまいたいほど。
【お題:好き嫌い】
好き
嫌い
好き
嫌い
何度だってやるよ
好きが出るまで
舞華
【好き嫌い】
好きか嫌いかなんて、他人からはわからない。
桃が好きだとか、葡萄が嫌いだとか、わざわざ自己申告でもしない限り、人に知られることはない。
だから、私が真司を好きか嫌いかも、他人にはきっとわからない。
真司が私のことを好きか嫌いかも、他人である私には、わからない。
私と真司はいわゆる幼馴染で、家が近所だったから子供のころはしょっちゅう一緒に遊んでいた。中学生になったころからお互いよそよそしくなって、外ですれ違っても挨拶すらしなくなった。地元の高校で同じクラスになってからは、中学時代なんてなかったかのように、またちょっと会話するようになった。そんな間柄。
一部のクラスメイトには、私たちが幼馴染だと知られてる。「じつは好きだったりしない?」「付き合わないの?」という話が、当たり前のような顔をして出てくる。そんなときは、「思い出補正な友情はあるけど、恋愛的に好きってわけじゃないから」と返してる。真司側も、「俺、そもそも女嫌いだし」と言ってるらしい。私もどちらかといえば男嫌いなので、真司の気持ちはなんとなくわかる。
私たちのいる世界が少女漫画だったら、きっと真司はイケメンで成績優秀でスポーツ万能でモテモテの王子様、私は平々凡々で取り柄のない女の子だけど幼馴染特権で真司とラブラブ、みたいな展開になるんだろうけど、ここは現実なので、そうもいかない。
真司はイケメンというわけではないし、昔はバスケやってたけど今は帰宅部だ。勉強は好きじゃないから成績は悪いほう。モテる要素は見当たらない。それに、動きはガサツだし言葉は乱暴だしで、私の嫌いな男性像に近い。
私は顔こそ平々凡々だけど、成績は学年一位、しかも地元の名家の跡取り娘だったりするもんだから、自分で言うのもなんだけど、高嶺の花みたいな扱いをされている。
いまどき政略結婚なんて流行らないけど、それでも将来は親が決めた結婚相手と一緒になるのが無難だろうな、と思っているから、恋愛なんてするだけ時間の無駄。そんな悟りの境地に達している。
「百花また一位だったんでしょ? すごいね、その成績なら、もっといい高校行けたんじゃない?」
「ほんと、なんでこんな掃き溜め高校にいるのさ」
成績表が配られた日のお昼休みは、あまり好きじゃない。みんな私のことを口にするから。
「だってうちから一番近いし、昔からこの制服が好きで、絶対ここにしたいって思ってたの」
「わかるー、あたしも同じ! 制服好き!」
「可愛いもんねぇ。百花も女の子だねぇ」
真司の成績ならこの高校だろうな、なんて考えていたことは、誰にも言わない。父が選んだ高校を断固拒否していまは親子冷戦中、なんてことも秘密だ。大人になったら真司も私もべつべつの進路で簡単には会えなくなるのだから、せめて高校ぐらいは同じところに通いたい、なんて、思っていたとしても、おくびにも出さない。
私がなにも言わなければ、他人はなにも知らないまま。それが一番平和で、面倒がない。
お弁当を食べ終えて、私は友人グループから抜け、体育館二階の観覧席に向かう。
体育館では、男子生徒がバスケで楽しげに遊んでいる。それを二階の端の観覧席から見下ろして、ぼんやりしている、いつもの黒い後ろ頭。
「真司」
声をかけると、ちょっと嬉しそうに振り向く。
昔のように、しんちゃん、とは、呼べなくなってしまった。真司も、もも、と呼んでくれることはなくなった。
私は真司から一つ席を空けて座る。
「来月のクラスマッチの種目、まだ決めてないでしょ。早く提出するようにって、先生が言ってた」
「なんだよ、面倒くせぇな」
真司が舌打ちする。そういう乱暴なところが、私は嫌いだ。
「早くしないとバスケにマルするぞって」
「俺バスケ嫌いなんですけど?」
「知ってる」
「伊藤の種目は?」
「私は卓球」
「意外。バレーかと思ってた」
「大勢でわいわいやるの好きじゃないし……」
「わかるわ。俺も卓球にしよっかな。ラケットの持ちかた知らんけど」
「いいんじゃない。私もそんなもんだし」
スリーポイントシュートが決まったらしく、下のほうで歓声があがる。
「あ、もうお昼終わっちゃう。じゃあね」
「おう」
たったそれだけの短い交流を、私たちはお昼休みのたびに繰り返している。一学期のはじめ、観覧席でぼんやりする真司を私がたまたま見つけてから、ずっと。
真司は怪我でバスケ部を辞めたけれど、まだバスケが好きなのかもしれない。
でも、真司の口は、バスケを嫌いだと言う。
私は自分の家が真司と釣り合わないことを中学生のときに親から聞かされて諦めたけれど、まだ真司のことが好きなのかもしれない。
でも、私の口は、真司を好きじゃないと言う。ガサツで乱暴な真司のことを、嫌いだと言う。
真司は女嫌いを公言しているから、女である私のことは嫌いなはず。
だけど、私と話すとき、ちょっと嬉しそうに、照れたように笑うのだ。
「酸っぱい葡萄なんだろうな……」
イソップの、葡萄と狐の話を思い出す。手に入れられなかった葡萄に「あんな葡萄、酸っぱくて嫌いだね」と負け惜しみを言う狐の気持ちが、よくわかる。
「百花、お昼に葡萄残してたけど、そんなに酸っぱかったんだ?」
思考をうっかり声に出していたみたい。教室移動中、隣を歩いていた友人が話しかけてきた。
「そう、酸っぱくて……もともと葡萄そんなに好きじゃないんだけどね」
「えー、あたしは好きー。もらえばよかった!」
「酸っぱいからやめたほうがいいって」
「俺も、葡萄は好きじゃないな」
ふいに、真司が隣に並んだ。
「葡萄派すくなっ」
「まだ二対一だろ」
「えっ、待って、ねえねえみんな、葡萄好き!?」
友人が前のグループに駆けていく。私と真司が並んで残される。
「俺、桃は好きだよ」
ぽつりと落とされたその言葉に、私は驚いて真司を見上げた。
真司はあからさまに視線を逸らし、歩くペースを早めて前方の男子グループに混ざろうとしている。私はとっさに、その服を引っ張った。真司が振り向く。
目を見開いて心底驚いているその顔に、怯みそうになる。でも、言わなきゃ。
ここで言わないと、私たち、酸っぱい葡萄を噛み締めたまま、大人になってしまう。
「私も」
声を振り絞った。
「私も、好きだから。……桃」
見上げた真司は、泣きそうな顔で笑っていた。
「知ってる。小さいときから、そうだったよな」
私たちはもう一度、酸っぱい葡萄を噛み締めた。
だけど、あとちょっとで、甘い葡萄に、手が届くかもしれない。