『好きな色』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
好きな色
好きな色を聞かれて「水色かな」と答えると、「普通だな」と鼻で笑われた。
私は少しむっとして、そういうあなたは何色が好きなのかと問い返した。
「☆♬∞♡色だ」
「……なんて?」
「☆♬∞♡色だ」
それは人間の耳には言語として認識できない音らしかった。
「それはどんな色なの?」
「水の色だ」
「水の色は透明だよ」
「いや、☆♬∞♡色だ。お前の星にいる生き物には見えない色だ。つい先ほど、お前の目にも☆♬∞♡色が見えるように改造した」
そう言われても、学校帰りにUFOに拉致されて目隠しをされているから、変わったところは何もわからない。
「いったい何のためにそんなことを?」
半信半疑ながらも尋ねた。
「社会実験だ。この世の全ての色が自分の視界の中に揃っていると思い込んでいる人間に、新しい色をひとつ足してみるとどうなるのか」
次の瞬間、私は自分が元いた地上に立っていることに気がついた。そして、目隠しのない視界には、今までとは全く異なる世界が映っていた。
ああ、これが☆♬∞♡色……。
☆♬∞♡色はたしかに水の色だったし、水色よりも好みの色だった。だから私の好きな色は結局水色なのだけれど、それを人に言うと「普通だね」と言われる。
作者の自我コーナー番外編
実は推しのメンカラを理由に好きになった色はない。小さい頃から水色が好きで青が好きだった。ピンクも本当は好きだったけど、少し逆張りな性格もあり、単純に水色の方が好きなこともあり、持ち物はほとんど全て水色だった。ピンクのものを今更持てなかったというのもある。水色が好きで通してしまったから親が買ってくるものも自然と青色系統が多かった。
だから苦肉の策として両方の要素を持った紫を好きというようになった。元来ビビットな色が好きでは無い。パステルカラーが好きな小学生時代、可愛いよりもかっこいいに憧れて、女の子らしい色を好きな色にあげなくなった中学、高校。
群青色や紺が好きなのは本当だけど、ふと、パステルカラーに身を包んだ『彼女』を回顧してしまう。
まだ、ピンクが好きとは言えないまま。
山吹色と葡萄酒の色かなー
最近はふわふわピンクとオレンジ色の月!
好きな色
"好きな色は何ですか?"
迷うそぶりもなくピンクと答えた。
多分、理由なんて無かった。
少し悩んで青と答えた。
子供っぽいのが嫌だった。
暖かみがあるからオレンジと答えた。
まともな理由があった。
どんな色にも染まるから白と答えた。
どんな色にも染まらないから黒と答えた。
何処からか拾ってきた言葉を並べていた。
今までの回答に本心はあったのか。
これからの回答に本心はあるのか。
"好きな色は何ですか?"
「私の好きな色はーー」
「青かなぁ」
聞こえてしまった
ばっかりに
クローゼットが
染められてゆく
【好きな色】
“好きな色”
大学の講義がやっと終わったころ、ふとした拍子に隣に座る彼の耳元に見えた水色に目を瞬かせる。
いつの間にピアスなんて開けたんだろう。
オシャレなんか興味がなくて、昨日と違う服を着てればいいだろうと信じている様なやつがよくもまあピアスなんて開けようと思ったものだ。ピアスをする前にその耳元を覆う野暮ったい髪をどうにかした方が良いんじゃないか。
モヤモヤと考えていることがバレたのか、彼は少しムッとした顔をして耳を隠してしまった。
「そんなにジロジロ見るなよ」
「お前が似合わないモンしてるから」
反射的にいつもどおりの憎まれ口が口をついた。
彼はやっぱりムッとしたまま野暮ったい髪を少し前に寄せてすっかりピアスを隠してしまった。
似合わないなんて本当はちっとも思っていないのに。
ピアスをしている彼が、なんだかずっと遠くに行ってしまった様な気がしてひどく嫌な気分になる。
ふいと視線をそらした先には先程までの講義内容を纏めた彼のノートがあった。ノートに几帳面に引かれたマーカーの水色が気に障る。机の下でもぞもぞ動く彼の足元には水色のスニーカー。
足元に置かれたカバンから覗くハンドタオルも、パスケースも、何もかもが水色で腹が立つ。
なんでこんなにも腹が立つのか自分でもわからないが、とにかくむしゃくしゃした俺は勢いでガタンと音を立てて席を立った。
……どうせ、最近好きになったと言っていた女の趣味か何かなんだろう。面白くない。
「お前いつからそんなに水色が好きになったんだ?」
「……なんだよ急に」
「しらばっくれるなよ、どうせ好きになった女の好みなんだろう?」
「そんなんじゃないよ。何をそんなに怒ってるんだ」
ああ、もう本当にイライラする。
もういいっ!と叫んで飛び出そうとしたところで彼に腕を掴まれて、気づけばもう俺たち以外には誰もいない教室の片隅で彼と向かい合っていた。
彼はもうちょっと怒っているか呆れているかと思っていたのだが、案外ニヤニヤと面白そうに笑っていてまた俺の知らない彼の一面を見つけてしまった様で余計に腹が立った。
「そんなに水色は似合ってない?」
「……ああ。ちっとも」
「それは残念だなあ。……最近好きなことに気づいた色なのに」
残念だなあと言いながらも彼の口元はまだ緩んだままだ。バカにされているような気がして、掴まれていた腕を振り払ったが余計に強く握りしめられて振りほどけなかった。
「だからっ!どうせ好きになった女の好みなんだろうって……」
「違うよ。水色は君の目の色じゃないか」
「……は?」
いつも俺を睨む君の目の色が好きだからつい水色を選んじゃうんだ。
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尻切れトンボ……:'(
「好きな色」
濃い緑色の物を見ると
思い浮かぶのはあなたの事
あなたの好きな色は
いつしか私の好きな色になってたの
黄色がすき。
小さい頃からすきだったから、愛着がある。
中高6年間の体育祭でも、信じられないけどほんとにずっと黄組だった。毎年色の組分け発表のときにびっくりしてたし、嬉しかった。
黄色は明るいイメージだけど、赤とかオレンジのテンションアゲ⤴みたいな勢いは無くて、落ち着きを感じる。
優しくて、穏やかな感じ。そこがすき。
「好きな色」
好きな色は 空色 です。
澄んでいてどこまでも広がるような、吸い込まれてしまいそうな、あの明るい魅惑的な色が好きです。
まあ空の色って変わるんだけどね
混ぜ合い、溶けて新しい色ができる。
人と人の出会いや別れは色を混ぜ合わせるようで鮮烈だ。
人は最初から真っ白なキャンバスなわけじゃない。しっかりとした鮮やかな下地を持っている人もいれば誰かと交われば直ぐに染まってしまいそうな程に儚い下地を持った人もいる。
"その下地にパレットの上で得てきた色を自分なりに混ぜ合わせて好きな色を作っていくの。
それぞれが、誰かから得た美しい、自分にとっての大切な色を大事にしながら。
人生ってそんな感じな気がする。"
いつかの君にされた話を思い出す。
彼女のキャンバス上に塗られた私の色が占める割合は、どのくらいなのだろうか。
きっとそれは、友達の範疇を超えることは無いと思う。というか、彼女のキャンパス内で私が、友達以外の形を持つことはこれからもない。
だって、彼女にとっての鮮烈な色は、彼女の隣にいるパートナーの彼でしかないのだから。
事実を目の当たりにして考えると、私には彼女は届かない存在であることを思い知らされるばかりで、より一層虚しくなる。
皮肉な事だ。
私のキャンバスには、思わず目を引くほどに、あなたの色で多くの部分が染っているというのに。
友達の範疇なども超えるほどにあなたの色はも私の網膜に焼き付くほどに美しい。
それほどに、あなたは私にとって鮮烈だというのに。
あぁ、寂しいものだ。私は一生、あなたの一番好きな色にはなれないのだから。
―――あなたの好きな色
お題【好きな色】
好きな色
パステルカラー
意外と何時も
言われるけれど…
柔らかい
優しい色が好き
2024年6月21日
心幸
私の好きな色は淡くて可愛い色
でも最近はあなたの名前の色ばっか選んでる
#好きな色(2024/06/21/Fri)
すてきなワンピースだな 今日もあの子可愛い
何も言ってくれないな つまんない
きがついてること 言わなきゃ でも
何か言うまで黙ってようかな ふふ
なんて言えば良いのかな ワンピース良いね?
何を言うかな 服?それとも
いま言うべきだよな 今だよな
何を迷ってるのかな 悩んでる?
ろーずピンク、かな?可愛いバッグだね
何でそこなの 今日はワンピース褒めて
貴方の好きな色で決めてみたのに
あ うん 最近のお気に入りなの ふふ
《好きな色》
あなたの色に染まりたい。私が好きな色は今何色か分からない。心がボロボロな時なにもできないし
今のイメージカラーは青。澄み切った綺麗な青ではなく、濁りかかった青。心が折れた
なにもできないあなた色に染まりたかった
ただそれだけなんだ。
「けいたくんは、何色が好きなの?」
隣の席の、かなちゃんが聞いてきた。
かなちゃんとは今年から初めて同じクラスになって、席が隣だからこうしてよく喋る。
「んー、ぼくは青色かな?青色は、お空と海の色なんだよ!とってもきれいで好き!」
「へえー、そうなんだ。かなも青好きだよ!かき氷のシロップの色!」
かなちゃんは嬉しそうににんまりと笑う。それを見てぼくも自然と笑顔になる。
「かなちゃんは?」
「私はね、黄色が好きなの!おひさまの色も黄色だし、ひまわりやちょうちょだって黄色でしょ!あとねえ、バナナでしょ、お星さまでしょ、あと、、、」
かなちゃんは指を折り曲げながら数えていく。
「とにかくたくさんあるの!」
「そっか!じゃあいいものあげる。」
ぼくはポケットの中からたんぽぽの押し花の入った栞を取り出す。良かった、ちょうどいいのがあった!押し花を作るのが好きなぼくは、日頃から花を集めてこうして栞にしたりしているのだ。
かなちゃんはぼくが差し出したたんぽぽの栞を見て目を輝かせる。
「わあ、すごい!私の好きなたんぽぽが入ってる!これも黄色だね。ありがとう、大切にする!」
そう言ってかなちゃんは嬉しそうに栞を掲げた。
かなちゃんが嬉しそうにしている様子を見たら、ぼくも黄色が好きになってきた。
「気に入ってくれて良かった!」
そして、2人で笑い合った。ぼくの好きな色が、また一つ増えた。
懐かしいな。僕は昔の写真を見て思いを馳せる。そこには幼少時代の僕が笑顔でピースしている姿と、ツインテールの女の子が恥ずかしそうにしている姿が写っていた。女の子が身に付けているワンピースや靴は相変わらず黄色で、より懐かしさが込み上げてきた。
「圭くん、写真の整理は順調?」
後ろから白い手が伸びてきて、僕を優しく包み込んだ。僕はそれに安心感を覚えて、彼女の手を握る。
「ああ、それなんだけど、懐かしい写真を見つけたんだ」
僕は彼女にその写真を渡す。彼女はそれを見て顔を綻ばせた。
「ふふっ、懐かしいね。これって小学2年生のときに撮ったんだっけ?圭くん小さくて可愛い!」
「それはお互いさまでしょ」
それを言うと彼女は恥ずかしそうに目を細めた。その表情が写真の女の子と重なる。あの頃仲の良かった〝かなちゃん〟は今、僕の目の前にいる。
「このワンピも懐かしい!お気に入りだったなあ」
そう言って笑う彼女の着ているスカートは、やっぱり黄色だ。
ふと、彼女が何か思い出したように顔を上げた。
「ちょっと待ってて」
そして、リビングを後にして隣にある寝室へ入っていった。ものの数分もしないうちに出てきた彼女の手には、色褪せた紙でできた栞が握られていた。栞のたんぽぽは、あれからより干からびている。
「これ、圭くんが初めて私にくれたプレゼント。ずっと大事に取ってあるの。もらったとき、すっごく嬉しかった」
彼女は栞に目を移し、大切そうに撫でる。
「これをもらってから、黄色がますます好きになってね。でもそれだけじゃなくて、黄色は私にとって、とても大切な色になったの」
そこで彼女は僕の方を真っ直ぐ見る。
「あなたとの出会いの色。そこからあなたとこうして幸せな思い出をたくさん作ってこれた」
そこで彼女は言葉を切り、また笑顔になる。それは、儚く、眩しい、たんぽぽのような笑顔だった。
僕はそれを見て胸が一杯になり、彼女を抱きしめる。
彼女の体温は温かくて、春を感じさせた。
彼女は僕の胸に顔を埋めて抱きしめ返した。
「僕も黄色が好きだ。黄色を見ると、君を思い出す。元気になれて、心が温かくなる」
彼女の腕に力が入る。
「かな、好きだよ。」
「私も圭くんのこと、好き。」
そして2人で、またあの頃のように笑い合った。
【好きな色】
好きな色は?と聞かれると即答で「青」と答える。子供の頃から青が好きだった。理由は特になかった。ただ青色が好きだった。
今は...。
青空の青が好き。青い海の青が好き。そして、アズーリが好き。
中学校時代にイタリアのサッカーチームの虜になった。でもそのチームはロッソネロ。むしろそのライバルチームが青だった。でもそのチームはどうも好きになれなかった。その後好きなチームはビアンコネロに変わった。
好きなイタリアサッカーのスター達が集まってできたのがイタリア代表。通称アズーリ。その青いユニホームを身に纏った選手達はとにかくかっこよかった。子供の頃、理由もなく青が好きだった本当の理由が分かった。完全な日本人。でもイタリアに心底惹かれる。今もなお、イタリアが、イタリア代表が好き。将来は2人でイタリアで住むのもいいかも。
ピンク1色のTシャツを着てたら心がめっちゃ幸せになってすごい。好きな色を着るって大事だなって思う。
「何処でも良かったんです、一人で生きられるのなら」
さして大きくもないその声は、静かな室内に響いた。
出されたコーヒーに手を付けることなく、湯気の立ち上る様を静かに眺めていた声の主が此方を見やる。
冬の海のような暗青色の瞳。
彼の国では稀有な色のその目には、無機質的な鋭い光が湛えられていた。
危うい色だ、と目の前の青年からさり気なく視線を反らして、自身のカップへと手を伸ばす。
テーマ「好きな色」
私の好きな色は黄色。だと思ってた。
だって昔は自己紹介の時とか、流行ってたプロフィール帳とかで好きな色を聞かれるから、とりあえず黄色って答えてた。
名前が向日葵に似ているからっていうのもあったけど。ても、嫌いじゃない。明るくて、きらきらしてて。
今は、分からない。推し色だから水色、の時期もあった。独自性が欲しくて浅葱色、って時もあった。
でも実際、何色でも良かったんだよね。心打たれる色なんて沢山あるんだから。
ふとした時の空の色、誰かの描いた絵の色、その辺に咲く花の色…グラデーションにしたら無限にもあるような大量の色のなかで、たった一つのそれを良い、好きだって思える自分でいたい。
その出会いを大切にしたい。
全部を好きだって言いたい。
だってその時にしか出会えない色なんだから。
色の見え方は、人によって違う。
だからこそ自分にしか見えない色がある。
と、私は信じている。
帰り道、微笑ましい中学生の会話が聞こえてきた。
「なぁ、お前の好きな色ってなに?」
「んー?どうしたのさ急に。合コン始まった?」
「いやなんか唐突に気になってしまって。」
「ふーん。
逆になんだと思う?僕の好きな色。」
「茶色とか?小学校の時のランドセル茶色だったし。」
「おー正解、」
「なんで正解したのに腑に落ちてないんだよ。」
「合ってるんだけどね、
これにはちゃんとしたわけがあるんですよ。」
「へぇー?理由あるんだ。
お前直感で好きになるタイプだと思ってた。」
「いや普段はそうだけど、
これだけはちゃんとわけがあるわけ。」
「ここにきてだじゃれか?ちょっと寒くなってきたわ。
で、その理由はなんだよ。教えろよ。」
「いやそれは言えないですわ。」
「はぁー?なんだよそれ。
そんな大それた理由があるのか?」
「いやー別にー?
じゃあ俺こっちだから。また明日な。」
「ちょっと気になってきたんだけど。
明日理由聞くからな。じゃあな。」
と、まぁこんな感じ。好きな色の話をしてたみたいだ。
途中で気になって2人の様子を横目で見ていたが、
何となく分かった。茶色が好きな彼の理由が。
あまりに、もう1人の子の瞳を見つめてたもんだから。
きっと、彼の真っ直ぐな茶色い瞳が好きなんだろう。
『 好きな色 』