好きな本』の作文集

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好きな本』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

6/16/2023, 5:01:48 AM

兄の部屋には本棚があった。

香織の部屋にはない、オークでできたイギリスアンティーク調の本棚だ。背丈は100cm程で、均等に三段に分かれている。
棚の一番上には草花のような模様が彫られていた。
濃い茶色のその本棚は、兄の部屋には似つかわしくない、重厚でそれでいて繊細な存在感を示している。



「なぜ」

と思わなかったわけではない。なぜ自分の部屋にはなく、兄の部屋にだけそれがあるのか。
ただ口にはしたことはない。
なぜならたとえ自分の部屋にあったとしても、そこに入れられるのは“本ではない何か”なのは明らかであったからだ。

兄は本が好きだった。
ジャンルは問わずに様々な本がその本棚に所狭しと収まっていた。




「香織が読みたいものがあれば、いつでも好きなものを持って行っていいからね」

兄はよくそう言っていた。
そんなとき決まって香織は、三段ある一番上の一番右側にある本を手に取るのだった。
その本は作者が書いた短篇を集めた本だった。

初めて手にした時、“無造作に積まれた本の上に黄色い檸檬がポンと置かれた”その表紙に惹かれたのだ。

「ほんと好きだね、それ」


そして思いを馳せるのだ。

いつか、えたいの知れない不吉な塊が私の心を終始圧えつけているようなそんな焦燥感なんかがある時に、兄の部屋の本棚の本を無造作に積み上げて、黄色い檸檬をぽんと置いてみよう、と。そしてそれが兄の部屋にしかない、あの綺麗な本棚を巻き込んで爆発するのをこっそり見ていよう、と。


香織はそう妄想して笑みを浮かべるのだった。

6/16/2023, 4:44:59 AM

子供の頃に好きだった本を見つけた
お姫様が王子様と幸せに暮らす話だった
自分には王子様はいない…
フィクションだと気づいた時には遅かった…
あ〜あ 私は脇役で主人公の引き立て役にすぎない
私の王子はホントに居ないのかな…
やっぱりね…

物語の舞台の上で踊らされる
マリオネットなんだなー

6/16/2023, 4:16:33 AM

今日のテーマ
《好きな本》




「何読んでんの?」
「漫画」
「それは見りゃ分かるって」

教室の一番後ろの席で1人黙々と漫画を読んでるやつなんか放っとけばいいのに。
そう思いながら声をかけてきたクラスメイトに愛想なく返す。
だけど彼はそれで興味を削がれることもなく、それどころか更に興味を引かれたとでもいうように身を乗り出してわたしの手元を覗き込んできた。

「ああ、『ハチクロ』か」
「え?」

お母さんの本棚から借りてきたそれはまさに彼が言い当てたタイトル、その略称だ。
一目で言い当てられたことに面食らう。
アニメ化もドラマ化も映画化もされてるとはいえ、それにしたって結構前の作品だし、そもそも絵柄からしてガチガチの少女漫画で同年代の男子が知ってるとは思えなかったから。
驚いて顔を上げると、彼はページに目を落として「その辺りの話か」なんて言いながらうんうん頷いてる。

「読んだことあるの?」
「うん、姉ちゃんが好きで全巻家にあるし、何度か読み返してる」
「そうなんだ」
「それ、おまえの?」
「ううん、お母さんの」
「ふうん。他にはどんなの読んだ? 何が好き?」

いつのまにか前の席を陣取って話しかけてくる彼に、ちょっと気圧されながらも聞かれたことに答えていく。
そうしたら、思いのほか、好きな本の傾向が似ていることが分かった。
正確には、わたしのお母さんと彼のお姉さんの読書傾向が近いのだと思う。
話しているうちに、話題は漫画から小説や音楽なんかにまで広がっていって、それを機にわたしと彼はすっかり仲良くなったのだった。


「おまえ読んでるのいつも俺の好きなのばっかだったからちゃんと話してみたかったんだよな。でも少女漫画の話なんかしたらキモいって引かれるかなって思って」
「別に引いたりしないけど。じゃあ、どうしてあの日は話しかけてきたの?」
「実は『ハチクロ』大好きなんだ」
「それは前に聞いた」
「……おまえが読んでたの、ちょうど俺の一番好きな話の辺りで、その……好きな子が俺の好きなもの読んで笑ってるの見たら、なんか、いろいろ飛んだ」

途中で少し口籠もりながら、でも後半は聞き間違えようがないくらいはっきり告げられる。
その言葉をゆっくり咀嚼して、わたしは嬉しさのあまり口元が弛んでしまうのを止められない。

「好きな本を介して好きな子とお近づきになれるかもって思ったら、そりゃ奮起するだろ。テンパって不自然にならないように俺がどんだけ緊張しながら話しかけたか分かるか?」
「わたしも、気になってる男子から好きな本を貶されたりしたらやだなって思って、だから予防線張ってたんだって言ったら笑う?」
「え、じゃあ、最初やたら素っ気なかったのって……」

お互い顔を赤くして照れ隠しのように笑い合う。
少しだけの回り道を経たけど、こうしてわたし達の関係は『趣味の合う友達』から『趣味の合う恋人』に名前を変えた。
そして、縁結びの役割を果たしてくれたあの漫画は、わたしの中で『好きな本』から『大切な思い出の大好きな本』に昇格したのだった。

6/16/2023, 4:11:32 AM

私は、好きな本を決めてない。

好きな本を決めてしまうと、
その本に心が縛られる。
新しい本への好奇心が薄くなり、
内容も素直に入ってこない。

この本が好きと思っても、
お気に入りくらいだと、自分に言い聞かせる。

…んっ?
私、本の話しをしてたはず。
色んな人に言い寄られるけど、
特定の人は決めてません、みたいになっちゃった。

6/16/2023, 4:07:28 AM

それは幼い私にとって友人とも言えた。
どこに出かけるにも持って行った。遊ぶ時も、夜寝る前にも眺めた。
やがて背表紙が剥がれていって、表紙の角がふわふわとほどけていってもまだ、私の友達だった。
ページがとれてセロハンテープで貼り直した。
表紙が外れる頃には、もう私はあの絵本の友達ではなくなっていた。
今は同じ顔をした別の友人が、本棚でひっそりと立ち、小さな手が伸びてくるのを今か今かと待っている。残念ながら、その子は娘の「一番の友人」では無いようだけれど。

6/16/2023, 4:01:36 AM

私は吉本ばななさんの本が大好きです。
キッチンを読んだ時の衝撃が忘れられません。
なんで、こんなに人の想いや心中をさらっと優しく書けるんだろうと本当に感動しました。
友達と良かったよね〜と思う文章(箇所)が同じだったことも印象に残っています。
一番大好きな本は「違うことをしないこと」という本です。
私はこの本で自分の違和感をそのままにしないことの大切さを学びました。
今も時々読み返しては、学びをうけてます。

6/16/2023, 3:40:23 AM

図書館に行くのが好きだ。
静かで、堂々と立ち読み、座り読みができてタダで本が読める。そんな夢みたいな場所で私は好きな本を思いっきり吟味する。
最近はネットで好きな作品を探して見つけて電子で買う、って人だらけなんだろうけど、それだけでは見つけられない本だってあるはずだ。
なにより私は、この空間の何とも言えない空気が好き。
だから私は今日も図書館に足を運ぶ。

6/16/2023, 3:37:01 AM

#好きな本


好きな本は何だったかな。

夢のある空想の中の本。
自分を高めてくれる情報をくれる本。
思わず笑ってしまうおかしな本。
生活に彩りをくれる感動的な本。
手に汗握るスリリングな本。

一つに絞るのはなかなか大変そうですね。

6/16/2023, 3:33:11 AM

好きな本が一緒だったのが始まり
ありがちなキッカケだけど、人生なんて全部、ありがちじゃない?

6/16/2023, 3:20:39 AM

本日のお題:好きな本

小学生の時に両親に岩波少年文庫をたくさん買ってもらった。(成人後、全部、勝手に父の母校に寄付されてしまったが)
ラムの『シェイクスピア物語』『ナルニア国シリーズ』『ホビットの冒険』『メアリー・ポピンズ』数々の本の中でも、好きだったのが、『西遊記』だった。
神々すらも困らせる孫悟空が、三蔵法師にだけはかなわない。
最初は嫌々、取経の旅に同行するのに、次第に三蔵法師を大切に思うようになり、誤解から破門を言い渡されると、泣いてすがるようになる。
BL?そういう感情ではなかった。有名なドラマも後から知った。
石から産まれて怖いもの知らずだった猿が、長い旅の間に、『情』というものを覚えていく姿に、心奪われたのだと思う。
今でも私の一番好きな本は『西遊記』だ。

6/16/2023, 3:14:07 AM

「好きな本」
 
 ドキドキ ワクワク ハラハラ

 キュンキュン 怒り 哀しみ 驚愕 恐怖

 喜びに愛 字の向こうにありとあらゆる世界

 書き手も読み手も想像力なんて

 人類の贅沢かも知れない

 AIにとられるのは勿体ないかも

6/16/2023, 3:08:03 AM

『決められない』


好きな本と聞いて思い浮かべるのは棚にたくさん並ぶ小説たちだ。ファンタジーから猟奇殺人まで多種多様な小説が並ぶ私の本棚はいつ見ても幸せな気持ちになる。

そんな私の一番好きな本は決められない。
言うならたくさんある。
もちろん、漫画も大好きである。
私の部屋は漫画と小説だけで4つも本棚がある。
床抜けそう。


お題:《好きな本》

6/16/2023, 3:02:00 AM

#好きな本

青い空の下、サンドイッチを片手に
緑が広がる公園で寝転がって読むお気に入りの本。

6/16/2023, 2:56:12 AM

ページをめくるたび
五感が吸い込まれていく。

眠りにおちるような
この瞬間がくせになる。

6/16/2023, 2:27:35 AM

がらんとした何もない、六畳ほどの部屋。
白っぽくて、電気はない、窓から差し込む光だけ
時折風が入り、薄いカーテンを揺らす。
その部屋の真ん中に、ぽつりとひとり、手足を伸ばして寝転ぶ。
仰向けになれば白っぽい天井が見える。

好きな本を一冊。
ただそれだけを持ち、生きる。
他には何もなく、がらんとした部屋の床に、ぽつりとただ置く。
時折、風と一緒に入ってきた鳥の鳴き声が、私の前髪を揺らす。

女は、ぱたり、と本を閉じ、ただそれだけが書かれた白い本を、そうっと机の上に置いた。
そして部屋を見渡し、どう片付ければよいのか、と途方に暮れた。

6/16/2023, 2:22:56 AM

自分で買った本よりも、誰かが読み倒してボロボロになったような本のほうが安心して読めるし、内容も面白いと感じることが多い。

真新しいきれいな本は、汚してしまうのが嫌で埃を被っている。最初からボロボロの本が、私はお気に入りだ。

6/16/2023, 1:47:30 AM




美しい花、白い花
私の心に咲いた花
あなたの心はどんな花
それはたとえば薔薇の花
それはもしくは桃の花
けれど私は摘み取ります
どうせ枯れてしまうので
美しいまま、殺しましょう
嗚呼あなたは美しい
健気に揺れる水辺の花よ

6/16/2023, 1:02:29 AM

安部公房の『砂の女』を25,6,7,8回前後読み返しています。小説という媒体の意義とはこうした事を謂うのであろうと思いました。村上春樹著書作品も数冊 ... 5作品程度読み触れさせて頂きましたが内容を殆ど記憶しておりません ... 其所が将に村上春樹作品の凄味だと私は確信しています。降る雪の掌また手の甲に降りて即座に溶けて水となり足に地に流れ落ちて消え失せるが如し .... 。事象の詳細が記憶から消え失せるに代わり本能そして骨髄となる ... 私にとっての村上春樹作品の特徴である。漫画では大和和紀著『はいからさんが通る』を数百回は読み返している。私にとっての究極の女性像は花村紅緒である。幼稚染みた我を通す語弊のある物言いをさせて頂くが ... 花村紅緒は血液型O型、伊集院少尉はAB型 ... 間違いなくそうした人間模様で描かれていると私は確信している。映画『天外者』五代友厚役の三浦春馬がAB型で妻の五代豊子役の蓮佛美沙子がO型なのだが正にあの関係性に等しいと私は想っている。三浦春馬と言えば代表作品は『君に届け』だが私はこの作品を拝見した時に三浦春馬に一番似合うのは蓮佛美沙子だと直感的に確信していたので遺作となった『天外者』の妻役のオファーを三浦春馬自身が行ったというエピソードを耳にした時は驚嘆以前の内心 ... 〝 だと思ったわ。〟だった。三浦春馬の人間30年での終了は実に惜しくまた残念だった。同じAB型男子としてもね。まあそれはそれとして、で昨今というか此処2,3年間は崇敬する昭和の仏師と謳われる某僧師の大乗仏教の本を延々と繰り返し読み返している。生涯死ぬ迄に何回読み返せるかわからないが耳なし芳一よろしく全身また全内臓に全魂に書き記し遺すべく毎日毎日読み続けている。何よりも大切な一冊である。。。。さて書き疲れた。さて本日は公休。雨上がりの晴れ渡る炎天の下 ... 🥃🍾 カティーサーク飲んで寝る。

6/16/2023, 12:53:45 AM

学生の頃、好きで読んでいたのは
星新一である
短編小説が好きでぼっこちゃん
なんかよかった
好きな本は人それぞれに
色々な思い出があり
その時その様子が読むと
思い出されてくる
楽しかった事や悲しかった事など
・・・・

6/16/2023, 12:51:31 AM

この現実とは違う魔法の世界の話。もともと魔法の話が好きでよく図書館でもその手の話の本を借りて読んでいた。
きっかけは成り行き。家には親が買ってた3巻分だけあったので読み始めやすい環境ではあったと思う。あっという間に読みきっちゃって、続刊を買ってもらいながら寝る間も惜しんで(授業中にも読んでたな)最終巻まで一気に読んだのを覚えている。ちょうどその本繋がりで知り合った友人と映画も見に行ったこともある。その本繋がりで今も月1ペースで遊ぶ友達もいる。

思い入れがある好きな本の話。

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