まるで修行中

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がらんとした何もない、六畳ほどの部屋。
白っぽくて、電気はない、窓から差し込む光だけ
時折風が入り、薄いカーテンを揺らす。
その部屋の真ん中に、ぽつりとひとり、手足を伸ばして寝転ぶ。
仰向けになれば白っぽい天井が見える。

好きな本を一冊。
ただそれだけを持ち、生きる。
他には何もなく、がらんとした部屋の床に、ぽつりとただ置く。
時折、風と一緒に入ってきた鳥の鳴き声が、私の前髪を揺らす。

女は、ぱたり、と本を閉じ、ただそれだけが書かれた白い本を、そうっと机の上に置いた。
そして部屋を見渡し、どう片付ければよいのか、と途方に暮れた。

6/16/2023, 2:27:35 AM