『好きじゃないのに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
新月みたいだな。
それをわざわざ探したりしない。探したところで見つかりやしないのだし。
気づいたらいない。いなかったことに、ふと気づく。
そうやって、いないときにばっかり、気づくんだよ。
わたしにとっての君って、そういう感じ。
君のこと、好きでも嫌いでもない。
でも、君がいない、ってことばかり、気になるんだ。
#好きじゃないのに
わたしは。
楽しくないのに、面白がるふりをした。
好きじゃないのに、とにかく、笑っていた。
わたしは、そういう性質だ。
本当に厭になる。
「あら、お客様は帰ったの。すっかりむくれているわね」
「……最初からむくれているわよ」
「うん。じゃあ、お茶にしましょう」
あなたの長くてきれいな髪がなびく。
わたしのこんな性質を知っているのは、あなただけ。
あなたは、なにもかもつまらないわ、大っ嫌いなの、ってぶすっとしたわたしに笑いかけてくれる。
厭な気持ちが、少し、すうっと軽くなる。
淹れたての紅茶を飲みながら、向かいに座るあなたのことを考える。
ねえねえ、わたしね。
あなたとお話するのは楽しい。
あなたに笑いかけるのは好きよ。
わたしの、唯一のお友だち。
『好きじゃないのに』
テーマ:好きじゃないのに #133
私のことをいじってくる
彼のことが好きじゃないのに
視線では彼のことを
自然に追いかけている
恋なんてしたことない
漫画みたいにときめいたり
小説みたいにイベントが発生するわけでもない
アニメみたいにキラキラ輝く王子様に
惹かれたりもしていない
ただ隣の席に座る
私をいじってくる
たまに少し思いやりのある行動をする
クラスの男子に今日も振り回される
別に君のことなんて好きじゃない。
頑固だし、一人で突っ走るし、どんくさいし、おまけに服のセンスはダサいし。
でも、仕事熱心で、何でも一生懸命になって、自分のことよりも他人のことばっかり優先して。
そんな君が心配で、気になって、目が離せないなんて。
(僕もどうかしてるよね…)
隣に座る彼女を見やる。
今日の飲みの約束に遅れてやってきた彼女は、大好物の芋焼酎をたらふく飲んで気が済んだのか、うとうとと眠りはじめていた。
ここのところ、仕事が大詰めでろくに寝ていないと言っていた。相当疲れが溜まっているのだろう。
(仕事熱心なのはいいけど、もうちょっと自分のこと大事にしなよね)
だらしない顔で寝こける彼女の頬をつつく。
一瞬顔を顰めたが、起きることはなかった。
「ちょっと起きなよ。こんなところで寝ても疲れ取れないでしょ。」
今度は肩を揺すってみる。
うーん、と何か唸っていたが起きる気配はない。
(よくもまぁ、無防備に寝てられるよね…)
なんだか疲れている彼女を無理に起こすのも忍びなくなり、すやすやと眠る寝顔を眺めるだけに留める。
どこでも寝られるこの子の図太い神経が少し恨めしい。
寝落ちる前に、「今日会えるのすごく楽しみだったんですよ!」と嬉しそうに話していた君の顔が頭に浮かんだ。
「僕も楽しみだったよ」
さっき返せなかった言葉が、今になって自然と口に出た。
君と会えるたび、嬉しいと思う。一緒に過ごす時間を楽しいと感じる。君のことが大切なんだと思う気持ちが何なのか、僕は気づいている。
だけど、素直じゃない僕は、どうしてもそれが伝えられないままだ。
人の気持ちには聡い君だ。きっと僕の気持ちなんてとっくにわかっているだろう。
「…別に君のことなんて、好きじゃないんだからね。」
早く起きて僕に構ってよ、という気持ちを込めて、未だ目を覚さない君の額にデコピンを喰らわせた。
好きじゃないのに、好かれそうな態度取らない
好きじゃないのに、思わせぶらない
好きじゃない人に、告白されたとき
好きな人に、叱られた…
テーマ「好きじゃないのに」
好きじゃないのに
この人はこう考えて、こう想って、こう行動して、今はこうで、きっとこの後こうするだろう。
その理由はこうで、こういうことがあったからだ。
これは僕の推測、あるいは想像、はたまた空想かもしれない。それはその人に対する、紛れもない、何かしらのの想いだ。
名前を付けるなら「愛」かもしれない。
あだ名をつけるなら「情」ともいうかな。
「好き」は不思議。
好きになって、恋して。
愛してほしくて、恋愛して。
愛されたら、愛して。
愛情が生まれて、好きが分からなくなっていく。
愛から目覚めて、情が残る。
好きじゃないのに。
心変わりして、愛が離れていく。
恋をしている時が、一番幸せで、一番残酷だった。
愛に溢れている時、一番辛くて、寂しかった。
情が残ったこの時、あなたの全てが分かる気がした。
ちゃんと愛せなくて、ごめんね。
好きで居てくれて、ありがとう。
ごめんね。
もう、あなたに僕がしてあげられることはないのかもしれない。ごめんね。
どうして背中を探しちゃうんだろう。
きっと、好きじゃないのに。
シーツの擦れる音に目を醒ます。
あの子の笑う夢を見た。
気怠い腰と、咽せ返る汗の匂いが嫌でも現実を思い出させ、私は枕に顔を沈めた。
好きじゃないのに
ベッドに腰をかけ、服を着てコーヒーを飲んでいる彼氏が、裸のまま寝ていた私の髪を撫ぜてくる。
「……起きた?」
黒い髪を白いシーツに無造作に散りばめながら寝返った私は彼氏の顔を見上げた。
「おきた、……何時?」
「10時。帰る?」
起き上がって、こくんと頷く。
「シャワー浴びてくる」
あくびを一つして伸び上がる。腰近くまで伸びた長い髪は汗を含んで気持ち悪い。今更恥じらいなどなく裸のままで、ラブホテル特有の知らない音楽が流れる明るい部屋を進み、浴室に向かう。
彼氏はもう済ませたのだろう。「行ってらっしゃい」と言ったきり、付いてくる気配はない。
かこん、
と響く浴室のドアを閉めて、シャワーから湯を出し頭から浴びる。
心地良い。
私は彼氏のことが好きなわけではない。告白されたから付き合った。あの子の、好きな人だったから。
あの子——伊原 梨恵は私の親友だ。高校二年生の時に出会い、地元の同じ大学に進学した。そして、彼氏とは大学で出会った。軽音サークルでベースをやっているという、一つ年上の少しお調子者な彼に、梨恵は恋をした。そして彼は私に恋をしたのだ。梨恵を愛する私に。
梨恵は私の全てで、私は梨恵に愛されたかった。しかし叶わなかった、だから梨恵の愛する者に愛されることで満足する事とした。
それだけだ。
だから私は、今日も好きでもない男に抱かれ、あの子の嫉妬も何もかも、全てを手中にする。
シャワーの音が、私の体を伝って床に滴る湯が、世界を包み込む様だった。
————嗚呼。
あの子の笑顔が見たいと、ただただそう願う。
必死になって笑って
笑って、笑って、笑って
好きじゃないのになぁ
君も、笑うのも、何もかも。
好きじゃないのに
ラウールって名前を聞いて
ハガキ職人のラウールくんと名前が同じだから
アイドルとか好きじゃないけど応援したくなる。
R.N ラウール
今まで好きでは無かったものをずっとやっていた。
でもある日好きな物に気づいたら変わっていた。
ある日そのことに気づいた。
好きでは無かったものから好きに変わっていた。
いつまでたっても努力の種は実らなくて
そのまま時だけが淡々とすぎていた。
ある日先生から言われた
[前に言ったことも治っててもう、文句のつけようがない]
と困ったかのようなでもどこか嬉しそうでもあった。
その時私は頑張って厳しい評価を受けてもそこで負けないで堪えて良かったなっと思った。
それで次の時が楽しみになって気づいたら
週で嫌なものから週で1番楽しいものへと変わっていた。
お題「好きじゃないもの」
No.9
「これ見て、めっちゃ面白くない??」
いやべつに、そこまでじゃない?
てかなんならどこが面白いのかわかんない。
本当の私なんてこんなもんだ。
でももちろんそんなことは言わない、口が裂けても。
その代わりに作り笑いで爆笑してるふりをする。
でもこれで心の内を見透かされたことはない。
マスクがあるからバレてないだけなんじゃないの?
そう思うでしょ。
だけど違うの、だってこれは物心ついた時からの
私に染み付いた癖だから。
作り笑いに関してはかんぺきだよ!
こんなの好きじゃない、でも。
だってそうでもしないと生きて来れなかったんだもの。
作り笑いをする度に感情を隠していくのってね、
紙で自分を覆うみたいな感覚に似てる。
1枚1枚は薄くてすぐに破けちゃうけど、
何回も何回も続ければ金属みたいに固くなる。
気づいた頃にはもう遅くて、
感情の出し方が分からない
私みたいな人間が完成するよ!!!
だって今だって猫かぶってるからね!!!
世の中は物語で溢れてる。
でも、私は物語が好きじゃない。と思う。
元々好き嫌いがあってなんでもチャレンジ出来た訳じゃないけど、この頃は物語を嫌厭している。
でも、書くのは好きだから書くことが上手くなりたいので、好きじゃないけど偶に本を読んでいる。
私は、物語が好きな人が羨ましい。
どんどん吸収してどんどん表現出来る素質があるから。
憧れている。
ここは、私にとって、少しでも物語と触れ合う為の貴重な場所だ。
憧れのひとに少しでも近づく為の場所。
最初は嬉しかった。
「そらちゃんって自分の意見とか持っててかっこいい」
「いつもハキハキしててほんと憧れる!」
たしかに他の人に流されたりしないし、楽しんでた。
最初は。
「そらちゃん文化祭実行委員やりなよ」
「団長とかどう?」
違う。そういうの好きじゃない。わたしは自分の意見を言うのが得意なだけ。
みんなのことを引っ張ったりできない。
でも、それができないって言ったら?
「そらちゃんって、何ができるの?」
「なんも出来ないんじゃない?笑」
怖い。今の立ち位置がなくなってしまうのが怖い。
わたしは嫌われたくない。
でも違う。みんなが見てるのはわたしであって私じゃない。
いつの間にか癖になってた、自分を偽ること。
いつまで続くのかな。辛くない辛くないって思ってたのに。辛くなかったはず、最初は。
好きじゃないのに
好きじゃないのに好きなんて
そんなこと言えるわけないでしょ
あたしは正直なんだから
「あ~! 辛~い!!」
「相変わらず好きねぇ」
口中を大火事にして激辛カップラーメンを啜っていると、カフェテリアに入ってきた香澄に笑われた。
「苦手なんでしょ? なんでそんなの食べるのよ」
「えー、なんというかクセになるのよ、これが」
最初は面白半分で食べたし、その時から口中ピリッピリでひどかったんだけど、何度か食べているうちに妙に病みつきになって、未だに食べているのだ。
「そんな様子でこの後の授業大丈夫なの?」
「平気平気! 牛乳買ってきたし」
紙パックの牛乳を振って見せる……ってあら?? だーいぶ中身減ってないこれ??
「……もう半分もないけど」
「だ、だだだっ大丈夫! まだ舞える!! まだ戦える!!」
舌を犬のようにはっはと出しながらグーサインを出した。ほんとはだいぶやばいけど。うん。
「もしもーし? 結構やばそうなんですけど?」
「……えー、正直に申し上げますが残りHPは半分を切っております。休み時間全部使ってギリですわ」
「手伝おうか? 私辛いの平気だから」
「わっ、神! マジ助かる!!」
持つべきものは友達だわ~と思いながら香澄に残りを分ける。
「ほんと、なんでそこまでして食べるのよ。好きでもないのに」
「いやー、でもたまーに食べたくならない? 苦手なものとか普段食べないもの」
「わからなくもないけど」
そう言うと、香澄は私の口にカップを突っ込んだ。へ? あの? 香澄さん??
「自分で食べれるくらいのものに挑戦しろ! バカ!」
そのままカップを勢いよく傾けた。真っ赤なスープが私の口に一直線に吸い込まれて……!
「ぎゃー!! からーーーい!!!!」
「好きじゃないのに」
好きじゃないのに、
君への気持ちは抑えられない。
何でそんなこと言うの…
そう思ってほしいの…
いいの…ほんとに……
俺…
素直なんて…
いつも持ち合わせてないから…
知らない間にたくさん
ごめん…
もう泣かせないから…
ごめんな…
ごめんね…
いつもそばにいてくれ…
いつもいてほしいんだ…
いつも隣で笑っててほしい…
いつかかならず…
大切な気持ちを声にして
言葉にして言うから…
もう少し…
待ってて…
君に声にして言うから…
君に言うから…
好きじゃないのに
好きじゃないのに、なんで買ってしまうんだろう。
おすすめとか、期間限定とか。
今じゃないと手にいれられない。
これがいい出会いかもしれない。
『好きじゃないのに』
「プリン食べよう!」
「うんうん!いいね!」
甘いもの好きじゃないのに、今更言えない。