「あ~! 辛~い!!」
「相変わらず好きねぇ」
口中を大火事にして激辛カップラーメンを啜っていると、カフェテリアに入ってきた香澄に笑われた。
「苦手なんでしょ? なんでそんなの食べるのよ」
「えー、なんというかクセになるのよ、これが」
最初は面白半分で食べたし、その時から口中ピリッピリでひどかったんだけど、何度か食べているうちに妙に病みつきになって、未だに食べているのだ。
「そんな様子でこの後の授業大丈夫なの?」
「平気平気! 牛乳買ってきたし」
紙パックの牛乳を振って見せる……ってあら?? だーいぶ中身減ってないこれ??
「……もう半分もないけど」
「だ、だだだっ大丈夫! まだ舞える!! まだ戦える!!」
舌を犬のようにはっはと出しながらグーサインを出した。ほんとはだいぶやばいけど。うん。
「もしもーし? 結構やばそうなんですけど?」
「……えー、正直に申し上げますが残りHPは半分を切っております。休み時間全部使ってギリですわ」
「手伝おうか? 私辛いの平気だから」
「わっ、神! マジ助かる!!」
持つべきものは友達だわ~と思いながら香澄に残りを分ける。
「ほんと、なんでそこまでして食べるのよ。好きでもないのに」
「いやー、でもたまーに食べたくならない? 苦手なものとか普段食べないもの」
「わからなくもないけど」
そう言うと、香澄は私の口にカップを突っ込んだ。へ? あの? 香澄さん??
「自分で食べれるくらいのものに挑戦しろ! バカ!」
そのままカップを勢いよく傾けた。真っ赤なスープが私の口に一直線に吸い込まれて……!
「ぎゃー!! からーーーい!!!!」
3/25/2023, 1:00:27 PM