『夫婦』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「いい夫婦の日じゃんね」
「え?ーあぁ」
「せんせ、奥さんになんかしてあげんの」
「生徒がそういうこと聞かないの」
「はいはい、つまんな」
「どこまでいった」
「あと10問くらい?」
「早く終わらせろ、俺が帰れない」
「えーむりー」
だって帰ってほしくないんだよなー
チョークまみれの左手の薬指が光った。
あーあ、つまんな
「ー花でもあげなね。」
――何年目かわからなくなるまで。
「九年目はトウキらしいな」
「え?」
美しい仕草でチーズケーキにフォークを差し込みながら、友人が突然言った。思わず、桃を口に入れようとしていた手が止まる。トウキ?
「とうき、って何」
「食器などに使われる陶器だが」
「え、うん。それが九年目?」
「ああ。結婚九年目を陶器婚式というそうだ。ほら、五十年目の金婚式が有名だろう」
「あー、そういうこと!」
相変わらず言葉の足りない話し方だ。まあ、こちらを信頼しているからこそだというのはわかるけれど。気を抜いているのだと思えば悪い気はしない。
「食器類は足りていそうだな……何か入り用なものはあるか」
「んん、特にないかなあ」
後日加筆します。
(夫婦)
冬柿を両手で頬張るにこやかな老女の瞳に翁が映り
「夫婦」
『夫婦』
紙は簡単に切れる。
しかし夫婦の絆は簡単には切れない。
それはお互いが認め合っているから。
お互いを信じているから。
どんなにつらいこと、嫌なことがあっても。
そばにいてくれる存在。
そんな人を大切にしなくてはいけない。
人生という名の物語を一緒にするパートナーなのだから。
氷雅
夫婦っていいなって思う
一緒に居るから支え合えるし、楽しく暮らせる。
一人でも暮らせるけど、やっぱり誰かにいて欲しいのかもしれない。
「幸せにする」じゃなくて
「一緒に幸せになろう」
「幸せにして」じゃなくて
「一緒に幸せでいよう」
どちらかの責任じゃなくて
どちらかの一方的じゃなくて
ふたりで。
小さい頃読んだ絵本の名前が未だに思い出せない。
確か、赤い糸で結ばれた男女は幾つもの障壁を乗り越えて幸せになるという話だった。
私はあの絵本のお陰で離婚せずに済んだのに、思い出せない。
運命の赤い糸を信じて頑張れたきっかけのあの絵本を、もう一度読みたいのに。
いっそ私が絵本のキャラクターになって、あの本の筆者を救えたらいいのにな。
そうすればあの本に恩返しできるから。
まあ、どうせ物語の主人公になれるほど濃い話もないのだけれど。
でも、もしなれるなら
あの絵本を探す「夫婦」のお話だろう。
湿った空気が頬を撫でる。
彼と喧嘩をして、思わず家を飛び出してきてしまった。
しかし、冬の始まり、しかも雨上がりの夜の空気は、コートも持たずに出てきた今の私にとっては冷たすぎた。
彼と付き合って5年になるけれど、こんな大喧嘩をしたのは初めてだった。
始まりはカップルならよくある些細なことだったが、私も彼も引くに引けなくなって。
私は思ってもないことを散々口走ってしまった。
彼の驚いたような、傷ついたような表情に気づいていたのに、それでも私は謝ることをしなかった。
完全に私が言いすぎてしまったこの喧嘩、今更謝るのは彼にとっては腹立たしいことだろうか。
それでも、寒空の下に震える私をどうか嘲笑ってほしい。
愚かだと。
滑稽だと。
そしてどうか、抱き締めて許してほしい。
しかし、そんな傲慢な願いは冬の湿った空気に溶け込んだ。
もう、別れてしまうのだろうか。
そう思うと、涙がとめどなく溢れ出てきた。
どんなに酷いことを言っても、彼を好きな気持ちに嘘は無い。
___別れたく、ないな。
気づけばそう呟いていた。
その瞬間、柔らかな布が肩にかけられると共に、思い切り抱き寄せられた。
「俺も別れたくないよ」
聞き慣れた優しい声、だけど、震えている。
大好きな彼が私を抱き締めている。
「ごめん、本当にごめん。離れたくない」
___私も、ごめんなさい。大好きだよ。
お互いに涙を流しながら、雲が流れ星が輝き始めた冬の夜空の下で愛を伝え合う。
暖かくて、幸せな時間。
「もう二度と涙を流させないって誓うから、どうか俺と結婚してくれませんか」
___よろしくお願いします。
体を寄せ合い、額をくっつけて微笑み合う。
私たちは今日、夫婦になった。
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『夫婦』
なんとなく、な雰囲気が似てて
まあいいか、とお互いゆるせる
似てるところ似てないところが半々だね
ひとりのほうが楽だけど なぜか自然は
違うもの同士かけ合わせたほうが豊かになる
音楽だと和音 夫婦だから二重奏だね
不協和音にならないように
慌てずゆっくり奏でていこうね
心地よいハーモニーが続くように
#夫婦
最初は他人だったはずなのに、
いつのまにか、自然と重なる関係になっている
「夫婦」
時代の多様性で熟年離婚なんかも、よく見るけれど、
私は貴女と添い遂げたい
そのためには、気の利く人間にならないとね
最近、ずっと考えていたことがある。それは子供が欲しいと強く思うようになったこと。
時々、子供を預かることがあって、その子が本当に可愛い。その子の面倒を見るのも楽しいし、同じように面倒を見ている恋人の姿が、たまらなく愛おしい。
それと、俺の仕事の危険性。
救急隊として、それなりに危険と隣り合わせだ。実際に怪我をして彼女に心配させたこともある。
そんなことにならないよう訓練もしている。それでも俺自身に何かあった時に彼女に残せるものがない。恋人として一緒に住んでいるけれど、他人と言われたら他人なんだ。
俺は隣でスマホを見ている彼女に視線を送る。それに気がついた彼女は俺を見つめ返した。
「どうしましたか?」
「うーん……」
ほんの少しだけ気のない返事をしてしまう。
彼女とは〝子供が欲しいね〟と言う話もしたことがあるし、先の将来のこともぼんやりと話している。それでも、これを言っていいのか……。やっぱり不安なんだ。
彼女の性格と関係値を思うと、ダメ……とは言わないと思うけれど。
視線だけ彼女に向けたまま言葉に詰まっていると、首を傾げてしっかりと俺を見てくれる。
俺は深呼吸をする。冷たい空気が体内にめぐって頭がすっきりする。そして、しっかりと彼女を見つめた。
「あのさ……」
「はい」
声が震えるし、心臓の音がうるさい。
それでも、伝えなきゃ。
「家族になろうよ」
「え……」
はっきりと驚いた顔をしたと思ったら、頬を赤く染めて微笑んでくれた。
「嬉しい……です……」
目の端に涙を溜めて、俺に抱きついてくれる彼女。それが嬉しくて、俺も抱きしめ返した。
「良かった……」
「え、断ると思ったんですか?」
「や。断らないとは思っているけど、百パーセントなんてないでしょ?」
「なに言っているんですか! 百パーセントですよ!!」
ぷくっと頬を膨らませて、口を尖らせる彼女に心の底から安心して、より強く抱きしめた。
「ありがとね」
「はい、夫婦になりましょ」
おわり
一九〇、夫婦
お題「夫婦」(雑記・途中投稿)
今日が11/22でいい夫婦の日だからか。分かりやすい。
……今時夫婦茶碗ってある(売れる)んだろうか。とふと疑問を抱いた。
大抵水色に近い青と桃に近い赤の一対で、青が一回り大きいお茶碗。
犬も食わない夫婦喧嘩もとい夫婦漫才は今でもそこそこ見られるんだろうけど。
#2【夫婦】
夫婦という文字を見て、ふと「おしどり夫婦」が浮かんだ。
おしどり夫婦の意味合いとしては、仲の良い夫婦を指しているが、実際のオシドリの夫婦はそんなことはないようで。
内容は省くが、感想としては「人と変わらんのだな」である。
本来の意味合い通り、おしどり夫婦という関係に出会えるのは稀だ。
おしどり夫婦を長年続ける秘訣を知りたいものだ。
その前に結婚相手を探すところから、なのだが。
心の中に雨が降った時に
お互いに傘を差し出せる
そんな関係なのかな?と私は思う
膝を抱えて項垂れる
相手の手を取り
ゆっくりと共に歩く
そんな上手くはいかないかな
最近、養子縁組をとっている身内やSNSの方から
「自分の子じゃないから愛せない」
や
「姪とか甥は愛せるのにこの子は愛せない。」
などの言葉を耳にする。
そして揃って理由は
『血の繋がりがないと愛を感じないから。』
なんだよね。
愛することに血の繋がりなんて関係ないことは
私たち夫婦が1番証明してるのに。
No.4
夫婦
楽しんで諦めながら空を見て
ふたりで明日もこんな感じで
気がつくとシングルばかり夜喫茶
だよねワンワンニャンニャンの日だ
♯夫婦
「夫婦」
最高の恋人にも、友人にも、パートナーにも、同士にも、何にでもなれる。
でも、その反面、最低の他人同士にもなれてしまう。
○夫婦○
冬の朝の肌を刺すような冷たさに身震いをしながら、身体を起こす。
隣の主人を起こさないように布団から抜け出し、キッチンへ。
ヒーターのスイッチをOn。
ヤカンに水をいれてお湯を沸かす。立ち上る湯気を横目に、マグカップにインスタントコーヒーと紅茶のティーバッグをセットした。
久しぶりの夫婦揃っての休日。
何かを計画している訳ではないが、なにもしないのも勿体ないような気がする。
「おはよ」
欠伸を噛み殺しながら主人が顔を出す。
袋から食パンを2枚取り出してトースターにセット…冷蔵庫を開けてバターとジャムを取り出して、くるりとこちらを振り向いた。
「今日は目玉焼きの気分だなー?」
にこにこと笑う顔にこちらも笑顔になるのを感じながら、冷蔵庫から卵を2つとベーコンを取って貰う。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
フライパンを温めてベーコンを敷く。程よく火が通ったところへ卵を割り入れ、白身が固まってきたら蓋をして火を止める。
沸かしたお湯の残りでカップスープを入れている主人に、今日の予定を尋ねてみた。
「んー…そうだなぁ。天気も良さそうだし、写真でも撮りに行こうか」
出来上がった朝食を運びながら、行き先へと話題は移っていく。
カメラを持ってどこへ行こうか?
今日はまだまだ始まったばかりだ。
夫婦というものは、まるでハリネズミみたいだと思う。
ハリネズミのジレンマというものがある。
ハリネズミは相手に近づけば近づくほど、相手の針が体に刺さるので
冬の寒い時期など暖かく過ごしたい時も
身を寄せあって温まり合うことが出来ないというものだ。
私は人間の夫婦もハリネズミのジレンマに似通った性質があると思う。
全ての夫婦に共通するとは思っていないが、
少なくとも、趣味や考え方が違う二人が夫婦になると
相手に寄り添ったり合わせようとしても、どうしても自分の考えが先に出てしまい
相手に近づくほど自分が苦しくなってしまうのでは無いかと子供ながらに考える。
まあ、一つの憶測や妄想でしかないけれど。
(イメージソング:ヘッジホッグ/Noz.さん)
2024/11/23
夫婦
夫婦って
いつかは別れるものだと思ってた。
でも旦那さんに出会って
その考えは塗替えられた。
お互いに支え合いながら
一緒に笑いあって
お互いしわくちゃになっても
手を握ってお散歩もして
一緒にお茶を飲んで
美味しいねってほっこりして
そんな
平凡で小さな幸せがある毎日を
一緒に積み重ねていきたいと
旦那さんは言ってくれた。
それは私にとっての理想で
諦めていた未来だった。
でも
同じ未来を夢見てくれるこの人となら
諦めていた未来も
きっと現実になると思った。
この人とだから
私は夫婦になりたいと思えた。
#夫婦