キクツキ

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○夫婦○
冬の朝の肌を刺すような冷たさに身震いをしながら、身体を起こす。
隣の主人を起こさないように布団から抜け出し、キッチンへ。
ヒーターのスイッチをOn。
ヤカンに水をいれてお湯を沸かす。立ち上る湯気を横目に、マグカップにインスタントコーヒーと紅茶のティーバッグをセットした。

久しぶりの夫婦揃っての休日。
何かを計画している訳ではないが、なにもしないのも勿体ないような気がする。

「おはよ」
欠伸を噛み殺しながら主人が顔を出す。
袋から食パンを2枚取り出してトースターにセット…冷蔵庫を開けてバターとジャムを取り出して、くるりとこちらを振り向いた。
「今日は目玉焼きの気分だなー?」
にこにこと笑う顔にこちらも笑顔になるのを感じながら、冷蔵庫から卵を2つとベーコンを取って貰う。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」

フライパンを温めてベーコンを敷く。程よく火が通ったところへ卵を割り入れ、白身が固まってきたら蓋をして火を止める。
沸かしたお湯の残りでカップスープを入れている主人に、今日の予定を尋ねてみた。

「んー…そうだなぁ。天気も良さそうだし、写真でも撮りに行こうか」

出来上がった朝食を運びながら、行き先へと話題は移っていく。
カメラを持ってどこへ行こうか?

今日はまだまだ始まったばかりだ。

11/22/2024, 12:37:27 PM