天国と地獄』の作文集

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天国と地獄』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/28/2024, 7:36:18 AM

【天国と地獄】

「わぁ〜!」
 その場所へ足を一歩踏み入れたとたんに、紗夜香さんが歓声をあげた。
 色とりどりに咲き誇る花々の間を、色とりどりの鳥たちが飛び交っている。まるで天国のような光景――って、さっき読んだパンフレットに書いてあった。実際の天国とは、きっとかけ離れているんだろうけど。でも、僕は天国なら、このドーム内の光景のほうが親しみやすいと思う。綺麗な花は、僕も大好きだ。
 ここは地元の動物園で、色鮮やかな花と鳥たちが有名なテーマパークでもある。僕たちは今、その花と鳥のドームに足を踏み入れたところ。そして、僕の横で目を輝かせて周囲を見回している網代紗夜香さんは、結婚相談所のお見合い相手。地元で二百年以上続いている布団問屋の娘さんだそうだ。一方の僕は、天涯孤独のしがない地方公務員。しかも、顔に醜い傷痕がある。はっきり言って、彼女と釣り合うとは思えない。相談所のお姉さん、なにを考えて僕たちをマッチングさせたんだろう?
「結城さん、ほら、あの飼育員さんのところ、鳥が集まってますよ、行きましょう」
 紗夜香さんが僕の手をとり、引っ張っていこうとする。えっ、初デートなのに、こんなにすんなり手を握られちゃっていいの?
 彼女に会ってから高鳴りっぱなしだった心臓が、ますます早鐘を打った。うるさすぎて、もう心臓に杭でも打ち込んで黙らせたいぐらい。彼女にこの鼓動が知られたらどうしよう。
 僕の武骨な手をぎゅっと握りしめた、華奢な手のひら。折れそうに細い指先。驚いた僕の顔を振り返り、小首をかしげる仕草。続いて、ふふっ、と悪戯っ子みたいに吹き出す表情。いちいちあまりにも可愛すぎて、不安になってしまうほど。なんでこんなに可愛くて無邪気な二十五歳の子が、結婚相談所に登録してるの? なにを間違って、三十歳のおっさんの目の前にいて、あまつさえ手を握ってくれてるの? もしかしてここ、本当に天国なの? それとも、美人局みたいな地獄に続いてるの?
 近くでペンギンたちの徒競走でもはじまったのか、ちょうどオッフェンバックの『天国と地獄』がドーム内に流れだした。運動会やテレビの動物たちのかけっこでよく聞いたあの曲だ。鳥を目指して小走りになった紗夜香さんと、それを追う僕にぴったりの曲でもある。かけっこのコミカルなイメージが染み付いた曲調は、どのあたりが天国でどこが地獄なんだか、よくわからない。でも、『天国と地獄』というタイトルだけなら、僕の心境そのものと言える。
 というのも、僕は羽毛アレルギーだ。鳥に近づいただけで地獄がはじまるのは、目に見えている。なのに、僕を引っ張る紗夜香さんの幸せそうな笑顔には逆らえない。だって、一目惚れだったんだ。


「で、あえなくフラれた、と」
 職場の机に突っ伏す僕に、主任がニヤニヤと無遠慮な言葉をかけてくる。いや、僕は顔を伏せているから彼女の顔は見えないけど、ぜったいニヤニヤして僕を見下ろしている。そういう意味で、僕はこの上司を信頼している。
「うちでは羽毛布団を作っているから、羽毛アレルギーのかたはお断りしているの、ごめんなさい」
 デートのあいだじゅうズビズビ鼻を啜ることになった僕は、帰り際のバス停で紗夜香さんからはっきりそう言われた。初デートでいきなりこの動物園を指定したのも、アレルギーの有無を確かめるためだった、と。そんな選別方法ある!? ……なんて、そのときは思ったりもしたけれど。今ならわかる、あれはとっさに思いついた嘘の断り文句だ。しかたない、もともと網代紗夜香さんと僕とじゃ、釣り合わなかった。彼女も、僕を断る口実を見つけられて、さぞやほっとしたことだろう。
 ああ、彼女と触れ合ったあのつかの間の時間は、まさしく天国だった。だけど、今の僕の心境は、地獄そのものだ。
 だって、さっき回ってきた出動要請のターゲットの顔写真が、忘れもしない、僕が一目惚れした彼女その人だったのだから。
 書類の写真を見るなりいきなり頭を抱えて机に突っ伏した僕から、主任が先週の動物園デートの話を聞き出したのが、ついさっきのこと。そして今、僕は無粋で失礼な主任にニヤニヤ笑われているわけだ。
 いつまでも突っ伏して職務放棄しているわけにはいかないので、僕はしぶしぶ顔を上げた。主任に目をやれば、ほら、やっぱり。黒いパンツスーツの足を組んで隣の机に行儀悪く腰掛け、ショートカットがサマになる綺麗な小顔で、僕を見下ろしながらニヤニヤしている。
「討伐対象の吸血鬼に失恋済みとはねぇ」
「どうりで、やたら魅力的なわけですよ……。吸血鬼なら納得です……」
「君がフラれたのは、吸血鬼狩り専門の警察官だと気づかれたからだね。銀の匂いが染み付いちゃってるんだろうな。君のほうこそ、相手が吸血鬼だと気づかなかったのかい?」
「ぜんぜん気づきませんでしたよ……」
 僕はすこぶる耳がいいので、その気になれば人の鼓動を聞き分けられる。つまり、鼓動がない吸血鬼のことも見抜ける、いや、聞き抜ける? とにかく判別できる。とはいえ、普段はそこまで聞き耳を立てていないし、あの日は、僕自身の鼓動がうるさすぎた。
 今回、彼女が吸血鬼だと判明したのは、隠密調査員がバーで彼女の唾液の採取に成功したからだ。そして、人の世に紛れる吸血鬼がいるとわかったからには、僕たち警察官は彼女を狩らねばならない。
「だいたい、どういう奇跡ですか、吸血鬼と吸血鬼ハンターのお見合いマッチングって」
 僕が愚痴ると、主任がニヤリと笑う。あ、いやな感じ。
「最近の男性不審死の調査対象に、もともと彼女が含まれていてね。で、ちょうどいい接触ポイントに君がいた、というわけだ。君が尻尾を掴んでくれればその日のうちにカタがつくだろう、ということで、相談所に働きかけてマッチングしてもらった」
「ひ、ひどい、僕の婚活心を弄んだ……っ!」
「なんだ、婚活心って。ほら、以前にも婚活パーティーで獲物漁りしてた吸血鬼がいただろ? あれ以来、上層部も婚活現場に着目しててね。私としても、不埒な吸血鬼どもを炙り出すための猟犬として、君にはとうぶん婚活しててほしいと思っているよ」
「とうぶんなんて、いやですよ。さっさといい人を見つけて、家庭を持って安らぎたいんです」
「家庭を持ったところで、この仕事をしている限り、安らぎとは無縁だねぇ。ほら、立ちたまえ、わざわざ君を指名した出動要請だぞ」
「失恋相手を狩らせるなんて、僕に対して無慈悲すぎやしません?」
「君に尻尾を掴ませなかったぐらい強力な吸血鬼だとしたら、命を賭けたお見合いの相手が務まるのは、この部署じゃ君だけ、ということだよ。今回は、私もサポートに入る」
 最後の一言で、急に身が引き締まった。主任まで駆り出されるなんて、そうとう戦い慣れた吸血鬼ってことだ。
「この任務が終わったら、辞表出しますからね!」
「ああ、ぜひとも無事に終わらせて、元気な辞表を見せてくれたまえ」


 黒いスーツをピシッと着こなして警察手帳を見せると、話が早くなるので助かる。やっぱり、見た目と権威は大事だ。とくに、僕のような、相手を怯ませる顔面を持っているともなれば。
「ああ、毎回ツレが違うのに、初めて来た、みたいな反応をしてるあの女の子ね。さっきドームに入っていったのを見たよ」
 僕と主任は、対象の吸血鬼を追って例の動物園に来ていた。彼女はまたしても婚活デート中で、またしても花と鳥のドームに相手を連れ込んでいるらしい。まさか本当に羽毛アレルギーチェックをしているわけでもないだろうに。そろそろ職員さんたちに顔を覚えられているんじゃないだろうか……と思ったら、案の定だった。
「そういえば、イカす傷の兄さん、こないだあの子と一緒に来てなかったっけ? 君もなんらかの被害者かい?」
 ……僕まで覚えられていた。たしかに、鼻の上を通って顔を真一文字に横断する爪痕は、よく目立つ。吸血鬼相手に不覚をとった若かりし日の自分が恨めしい。
 職員専用の裏口からドームに入れてもらい、生い茂る葉の陰から彼女の姿を探す。主任はキョロキョロしているけれど、僕は耳を澄ます。深く――深く、聴覚の奥底へ。ドーム内に反響する鳥たちの声。人間たちの歓声。おしゃべりの声。葉が騒ぐ音。空調の風のざわめき。そして、生き物たちの小さな鼓動。呼吸音――会話やささやかな動作音が伴っているはずの、命の音がない、そんな違和感の出どころを探る。
「あ、いましたよ、フクロウの止まり木のそばです」
「ここからじゃよく見えないのに、本当に猟犬並みに鼻が利くね、君は」
「鼻ではないですけどね……」
 主任が葉の陰からざっと立ち上がる。僕もそれに続く。
「では、あとは手筈通りに」
 僕たちは顔を見合わせ、頷きあった。


 主任が彼女の連れに話しかけて気を引いている間に、僕は背後から彼女に話しかけた。
「場所を移しましょう」
 目を丸くしている彼女に、すかさず提案する。
「あなたとしても、そのほうがいいでしょう。お連れのかたに正体を知られたくないのなら」
「そうね」
 僕が現れたことで、これからなにが起こるのかを察したのだろう、彼女はすぐに、ふふっと魅力的な――さらに言えば挑発的な微笑を浮かべた。
「ここで大立ち回りをして、出禁になったら悲しいものね」
 彼女はすんなりと僕の手招きに応じてくれた。連れが主任と話しこんでいる間に、二人でこっそり裏口からドームを出る。
 と思ったら、彼女は外に出るなりぴょんと跳び上がった。吸血鬼は身軽だ、あれよあれよという間にドームの壁面を駆け上り、姿が見えなくなってしまう。
 ひょっとして、逃げたつもりだろうか。でも、僕だって、吸血鬼を相手取るために血反吐をはくほど鍛錬を重ねた警察官だ。見くびらないでほしい。彼女の後を追ってドームの壁面を駆け上るぐらいのことは、簡単にできる。
 一息でかるがるドームのガラス屋根へと上りきると、少し離れたところから、彼女が呆れ顔で僕を見つめていた。
「驚いた、あなた、ずいぶん身軽なのね」
「いえ、どちらかといえば重いほうです。これでも、鍛えているので」
「細身に見えるけど、案外パワータイプってことかしら。やあね、筋肉質の血は好みじゃないのに」
 逃げるのは諦めたらしい。彼女はずかずかと僕に近づいてきた。
 ドームといっても、天井は平らで、ガラス屋根を支える鉄の骨組みもある。そして、人目はない。厄介な羽毛もない。吸血鬼と戦うには、うってつけの場所だ。もともとここに誘導するつもりだったから、彼女がすすんで上ってくれたのは、ラッキーだった。
「ね、今日は見逃してくれない? 私、この動物園、壊したくないの。すごく気に入ってるのよ。花も鳥も色鮮やかで、まるで、行けもしない天国みたいだから」
「天国なら、僕がちゃんと本物を見せてあげますよ」
 近づく彼女を制するように、スーツの襟を開き、裏地から手のひらサイズの十字架を抜き取る。銀製の十字架の先端は尖り、杭になっている。十字架の頭を握れば、形はほぼ短剣だ。
「あなたが、天国に? つまり、血を吸わせてくれるってことかしら?」
 彼女はあの魅力的な表情で、ふふっと笑った。
「だって、吸血鬼は死んだら地獄に落ちちゃうんでしょ?」
「そんなことはないと思いますよ」
 それは吸血鬼を悪魔とみなす特定の宗教が言い出したことで、吸血鬼も人間も動物も、死んだらどこに行くかなんて、本当はわからない。
「ところで、最初にお聞きしておきたいのですが」
 杭を逆手に構え、彼女との間合いを計る。彼女はまだ爪を見せていない。
「本物の網代紗夜香さんはどちらに?」
「あら、彼女なら、とっくの昔に土の中よ。しわしわのお婆さんになって、ね」
「それは、老衰で寿命をまっとうした、という意味ではなく?」
「吸い尽くしてやったに決まってるでしょ。なかなかの美味だったわ。たまには女の子もいいものね」
「それを聞いて安心しました」
「え?」
「遠慮なくあなたを天国に送れます」
 僕はほんの一瞬で距離を詰めた。体を倒す力をそのまま移動のエネルギーに変えた、縮地。彼女の懐に入り込むなり、体当たりの力を乗せて、心臓の位置に銀の杭を打ち込む――はずが、彼女はそうそう簡単には終わらせてくれなかった。素早く避けた彼女に杭は空振りして、僕は前のめりにバランスを崩した。慌ててしゃがみ込むと、吸血鬼の鋭い爪が髪をかすめとった気配を感じた。
 僕はしゃがみ込んだ勢いで彼女の足元まで前転し、跳躍を誘う。彼女が僕を避けて跳んだ隙にさっと立ち上がって、体勢を立て直す。
「驚いた。私と同じぐらいに素早いのね」
「僕も驚きました。僕と同じぐらいに素早いんですね」
 最初の対峙からそっくり入れ替わった立ち位置で、僕たちは睨み合う。
 僕は並の吸血鬼よりは素早い自信があったから、素早さが互角ということは、彼女はかなり強い部類に入る。主任の言うとおりだ。こんな面倒な相手、他の同僚には任せられない。
 吸血鬼の武器は、俊敏な身のこなしと、あの長くて鋭い爪。車を簡単にへし折るほどの怪力。そして、多少のダメージならものともしない回復力。決着をつけるなら、一瞬で決定的なダメージを叩き込まなければならない。それも、あの俊敏でパワフルな爪を掻い潜って。
 彼女の隙を生み出さなければ、僕に勝ち目はない。素早さは互角。パワーも今のところは互角。打ち合いの体力勝負になれば、無尽蔵のスタミナを持つ吸血鬼が有利。武器のリーチでも、吸血鬼が有利。五分五分どころか、九対一ぐらいで、僕には分がない。
 とはいえ、まったく勝算がないわけではない。なにしろ、今日の僕には主任がついている。
 かすかなワイヤーの音を耳に入れながら、僕はおもむろに足の位置を入れ替える。彼女を中心にして、円を描くようにゆっくりと周囲を回る。彼女は僕から目を離すまいとして、体の向きごと僕を追う。
 かすかなワイヤーの音が止まる。僕は一気に攻勢をしかける。彼女に飛びかかって、そのまま杭と爪の打ち合いになる。短い杭一本で両手ぶんの爪を捌くのは厳しいので、スーツ内に仕込んだ籠手の出番だ。両腕を使えるなら、爪あしらいには自信がある。彼女は思うように僕を捉えられず、少しムキになっている。いいぞ、その調子。ワイヤー音はふたたび唸っている。僕はスタミナの消費も気にせず、鉄骨の上でステップを踏みながら、彼女を誘い続ける。
 ギリリ、と弦を引き絞る音が聞こえる。主任が愛用している、大型の弩の音だ。
 吸血鬼は、まだ気づかない。
 元隠密調査員だった主任は、吸血鬼に対して気配を消すのがうまい。ワイヤーを使ってドームの端に上がって来た主任は、さらにワイヤーで愛用の弩を引き上げると、そこそこ離れた場所から吸血鬼の背後を狙って、矢を放とうとしている。
 僕は吸血鬼の注意を引きつけ、向きを誘導し、主任を視界に入れないようにする役割。戦闘に夢中にさせ、主任の気配に気づかせない役割。
 そして、もうひとつの役割は――
 僕は吸血鬼の爪を弾いた隙に主任へと視線を向け、大きく頷いた。
 その合図で、吸血鬼はようやく、弩を構えた主任に気づいた。
「挟み撃ちってこと!? 甘いわね!」
 間髪入れず弩から放たれた矢を、吸血鬼が反射的な動きではたき落とす。
 それが僕たちの狙いだった。
 木の矢にくくりつけられていた風呂敷がほどけ、中身がぶわっと周囲に飛び散った。
 彼女の足元にぼとぼとと落ちる、色とりどりの花。ドーム内で咲き誇っていた、美しい花たちだ。
「え、なんで!?」
 彼女が一瞬目を見ひらいた、その隙を見逃さない。
 縮地で彼女の懐へ。体重を乗せて、まっすぐに。
 彼女の心臓の位置に、杭を打ち込む。深く、深く。僕のありったけの想いをこめて。
「受け取れ。結城くんから君へ、天国への餞だそうだ」
 遠くから、主任の声が遅れて聞こえる。
 吸血鬼にとどめを刺すのも、僕の役割だ。主任はあくまでもサポートで、戦闘員ではないから。まあ、弩を持たせたら腕前はピカイチなんだけど。
「そん、な……」
 彼女にぴたりとくっついた体を通して、呻き声が僕に響く。
 とっさに僕へ突き立てようとしていたのだろう、長い爪が、かき抱くように僕のスーツの背中を切り裂いていた。僕の両脇から、スーツの生地が、死者の腕のようにだらりと垂れ下がった。


 彼女の形をした灰が、輪郭をとどめきれずにさらさらと崩れ落ちていく。足元に咲いていた鮮やかな色たちが、またたくまに灰に埋もれていく。僕のスーツの切れ端も埋もれていく。僕は杭を落とし、彼女を掬い上げるように、灰を手のひらに受け止めた。
 ドーム内ではペンギンの徒競走がはじまったのか、真下から『天国と地獄』が聞こえてくる。まさに僕の心境だ。無事に吸血鬼を退治できた高揚と、一目惚れだった彼女を手にかけた消沈で、天国なんだか地獄なんだか、わけがわからなくなってしまう。この仕事は、いつもそう。相対する吸血鬼たちは美しく、魅力的だ。顔に傷を負った醜い僕とは正反対で、だからこそ、僕はいつも彼らに惹かれてしまう。
「灰の清掃業者には連絡済みだ。今回は花も片付けてもらわねばな。言われたとおり、生け垣で間引いたぶんをもらってきたが、君もなかなか粋なことをするねぇ」
 主任が僕の背後に立った。ぜったい、ニヤニヤ顔で僕を見下ろしている。顔を見なくてもわかる。僕は主任を信頼しているから。
「で、怪我はないんだな?」
「ないです」
「擦り傷もか? 相変わらず、たいしたものだな。しかし君、戦闘のたびにスーツの背中を切り裂かれるのは、なんとかならないのかい? その背中のダメージが、相手の強さの指標にはなるが……」
「相手の懐に飛びこむのが僕の戦闘スタイルなので、スーツは必要な犠牲です。だいたい、なんで戦闘用の支給服がスーツなんです? 普通、もっと動きやすい服とか斬られにくい服とかあるでしょう。防刃シャツだけじゃ不安ですよ」
「上層部の調査によると、戦闘服萌えの吸血鬼より、スーツ萌えの吸血鬼のほうがだんぜん多いから。以上」
「僕のスーツは、そんな萌えのために毎回消費されていた……?」
「ま、いいじゃないか。君はスーツの着こなしがすこぶるいい。よく似合ってるよ。これからもぜひスーツを着こなし、婚活という名目で吸血鬼退治を頑張ってくれたまえ」
 軽い調子で、ボロボロの背中を叩かれた。
「職場が地獄で上司が鬼です……」
 僕はようやく手中の灰を振り落とした。『天国と地獄』が突き上げるように響くドームの上で、膝を抱えて丸くなる。今日はもう、後始末を全部主任に押し付けて直帰しちゃおうかな。いや、でも、まずは職場に帰って、やることがある。
「私からすれば、優秀で職務に忠実な君をこき使えるってだけで、天国みたいな環境なんだけどねぇ」
「宣言通り、帰ったら辞表を出しますからね」
「はいはい。今回も握りつぶしておくよ」

5/28/2024, 7:29:25 AM

「天国」は、明るく穏やかで雲の上にありそう
「地獄」は薄暗ぽそう

5/28/2024, 7:24:11 AM

ここから
抜け出しさえすれば




大丈夫




そう思っていた。






もう
こんなに
考えることばかりで
憂鬱で
ずっと休まらなくて
疲れる

そんな
日々から
解放―――




なんて、
甘くなかった。


最初は
楽しかったけど

そのうち
質の違う
しんどさが表れて

眠れなくなって。




結局
地獄はあっても





天国

なんて

社会には

ないんだ。


#天国と地獄

5/28/2024, 7:13:36 AM

『すんごい、雨だネ〜。夏音ちゃん、あんずちゃん。おはよう〜。』と陽葵ちゃんは挨拶をした。私たちも陽葵ちゃんにおはようと言った。
陽葵ちゃんは、ハーフアップの髪の毛をタオルで丁寧に拭いていた。
『濡れちゃったねぇ~。』と、私は、又あたり前にのことを言った。囲碁の先生なら面白くないぞ~、あんずちゃんって言われそう(^_^;)
夏音ちゃんが眼がイタイ〜。と、喚いていた。『推し活って、大変なんだよね~。』と、朱色の目薬をさした💧
一瞬、ショートボブヘアーの夏音ちゃんの白目が朱色に染まって見えた。😱
『あんずちゃん、真夜中のマリアのことを憶出だしたの??』と、陽葵ちゃんが言った。わは、頷いた。
 ちょっと、離れた席で、高橋悟君と木田太一君たちが盛り上がっていた。
『昨日のクレージージャーニーヤバいよな~。』と言っていた。木田くんが言った。
『天草四郎の埋蔵金だよな~。』と高橋悟君たちは言っていた。
『まだ、エンディングじゃないの一言は、夏音の主人公の台詞みたいだったよな~。』と、高橋悟君はちょっと何時もより弾んでいた。
『言えているな~。』と木田くんは、wwwった。
『おはよう🌄』挨拶をして私たちも交ぜてもらった。夏音ちゃんが私も見た〜(。>﹏<。)と言って欠伸をした〜。
『スペシャリストは、ヤバいぐらいに過ごしかったよね〜』と、夏音ちゃんもサラリと参加した。
『そんなにすごかったんだ〜。』と、私は、言った。
高橋悟君があんずも見ればよかったらのに〜絶対に沼るよな~。と、三人で盛り上がり出した。
『埋蔵金を探すんだけれども、天気や自動車のタイヤがパンクしたり、ことごとく阻むんだよな~。』と、高橋悟君は、熱くなっていた。
『天草四郎は、そういう力の持ち主だからな〜。』とも高橋悟君は、言った。
『あんずも、色々なことがあったりするはよな〜(^_^;)、そういう時に、私は、見えない力が阻んでいるだ〜(。>﹏<。)』と、想えばいとをかしだと、オレは想うけれども。』
『高橋、すごいなぁ〜』とリスペクトの眼差しの木田くんだった。
『真夜中のマリアの闘いだって、まだ終わってない。ーーまだ、エンディングじゃない。』と、いう台詞が合うと想う。』と、夏音ちゃんは言って、欠伸をした。(^_^;)
あらま😯雨がキツくなっていた、
終わり

5/28/2024, 7:07:20 AM

天国は内側にあるだろうか。地獄は外側にあるだろうか。ある人にとって天国とは己だけが存在する心の内、自室の内、暗闇の内だ。またある人にとってはそれが地獄だ。ある人にとって地獄とは己の外、海の外、世界の外だ。またある人にとってそれが天国だ。天国と地獄は存在するだろう。一つは天国であり、かつ地獄でもあるもの。もう一つは地獄であり、かつ天国でもあるもの。混じり合って一つになったものが見せ方を変えて二つある。そのスリットを通して差し込む二つの光、風向き、水の流れの交差点が私たちの生きる世界だろう。

5/28/2024, 7:06:53 AM

君の隣が僕の居場所になる。

天国だって、君の隣は地獄のような熱をもつ。

地獄だって、君の隣は天国のような心地になる。

君がいる限り僕は何処にも行けやしない。

君は僕の神様で地獄の番人みたいなものだ。

僕の罪を捌くのは君だけど、僕の罪を赦すのも君。


二人で一つになってしまえればいいのにね。


僕の罪だけ地獄があるなら、君の善だけ天国がありますように。


《天国と地獄》

5/28/2024, 7:06:39 AM

君の隣が僕の居場所になる。

天国だって、君の隣は地獄のような熱をもつ。

地獄だって、君の隣は天国のような心地になる。

君がいる限り僕は何処にも行けやしない。

君は僕の神様で地獄の番人みたいなものだ。

僕の罪を捌くのは君だけど、僕の罪を赦すのも君。


二人で一つになってしまえればいいのにね。


僕の罪だけ地獄があるなら、君の善だけ天国がありますように。

5/28/2024, 7:06:34 AM

いらっしゃ~い。わたしゃ三途の川の渡し守。
おや?オタク人間様。はい、地獄にご案内。
え、なんでいきなり地獄かって?
最近決まったんすよ、人間は人間てだけで地獄行き。
どうして?ってそりゃ、多数決で決まったんす。
おっちんだ全ての生き物に聞いたんす。ええ、全ての。
そしたら、生きてるうちは人間のせいで地獄だったとの意見が
大多数でやしたからでね。

お気の毒だがホント最近決まってね、面目ねえ。
ま、服も濡らさないで済むし、希望すれば途中
暇になった10人の王とお茶会とか
裁判の疑似体験なんてのもあるからね。結構、楽しいですぜ
「異議あり!」なんて自分を弁護したりね。

おや、もうそろそろ着いちまう。別れがたいが仕方ねえ。
岸に着いてからもまだまだ先は長いので道中お気をつけて。
渡し賃?最近こちら勝手にルール変更したから
しばらくお代はいただかねえのよ。
地獄に仏?よせやい。

(天国と地獄)

5/28/2024, 6:55:51 AM

死んだら天国か地獄に行くんだろうけど。
なーんかね。そんなもんは無いんじゃないかって思ってる。でも何も無い「無」になったら怖くないか?

5/28/2024, 6:45:13 AM

『天国と地獄』

貴方と一緒に、あの世から消えた日。
あの世で、唯一私を理解してくれた貴方。
あの世で、一緒に蒼い世界に溺れた貴方。

この世に来たら、貴方は天国で、私は地獄に居たいと願った。
………貴方は、ここに来るべきじゃないのに。

なんで、ここでも一緒に居るの。

5/28/2024, 6:43:16 AM

ぼんやりと靄のかかった空間に
人のような影が並んでいる

人気店の行列だっけ……?
そんな景色同様ぼんやりと
何も考えずに並んでいた

自分の番になってみると
先頭にはやはり
ファミレスにあるようなウェイティングボードがあり
タッチパネルで行き先を指定するようになっていた

とはいえ普通なら禁煙席/喫煙席
大人〇人
カウンター/テーブル席
などタッチするところ
そういう選択はなく
シンプルに

天国/地獄

となっていた

審判の門も随分電子化が進んだものだ

……て

ん?
選べるの?
天国と地獄ってそういうもんだっけ?

恐る恐る天国を押してみると普通に選ぶことが出来た
但し289213番という順番待ちと共に

係の人がおずおずと言う

「あのー、地獄ならすぐ行けるんですけど
だめですか?」

いや、そんな
カウンターか相席でもいいですかーなテンションできく話題か?

話を聞くと、どうやら、人を殺したりしない限り選べるらしい
時代も平和になって
そうそう人殺しもなく、あっても情状酌量などの制度もあって天国が満員なのだとか
その地獄も、現世で聞くような
釜茹でや針の山はなく、
むしろ現代の人間界に近いらしい

「現世の地獄教育が酷いのか誰も選んでくれなくて」

いや、あなたのプレゼンも相当悪い
ならば、と
待ち時間の間手伝うことにした
こう見えて、現世では営業マンだったのだ

まさかの、死後再就職である



天国と地獄

5/28/2024, 6:31:18 AM

【天国と地獄】

 こんなに貴方が近いのに、手を繋ごうよの一言が、言えずに私は怯えているの。

5/28/2024, 6:23:13 AM

目の前に輝く光
キラキラした世界
手を取る相手は著名人

全てがこの世界に詰まってる

目を開ければ
見知った天井
聞き馴染んだ罵声と怒声
空っぽの心

夢は私の中だけで輝く
私が輝くことはない



◇テーマ 「天国と地獄」

5/28/2024, 6:22:50 AM

どこにあるんだろうか?
本当はないと思う。
誰もいったことがない所だし。
遠い昔、誰かが作った架空の場所。
 それが天国と地獄

#15 天国と地獄

5/28/2024, 6:21:24 AM

天国が、どこにあるかは知らないが。
地獄なら、どこにでもある。
あの世に行くなぞ面倒な事をしなくとも。
己の地獄は、今ここに。

5/28/2024, 6:14:57 AM

「貴方との子です」
そう告げられた僕は涙を流した.

-- ''天国と地獄''

5/28/2024, 6:05:30 AM

#天国と地獄…
【貴方との幸せな未来】を考えてる時の《天国》と、【貴方との最悪な恋の結末】を考えてる時の《地獄》。二つが重なり合う…私は、常に、必ず、その二つを頭に留めておくよう気を付けている。なんせ、いつ、何処で何が起きるか、分からないからね…でも、極力、マイナスな方には、考えないようにしてる。何故なら、ほんとに、マイナスな方に物事が進んでしまったら、私、もう二度と立ち直れないから…でも、心から愛する彼には、心から幸せになって欲しいと常に考えてるから、もし、最悪の場合は、離れたくないけど、離れざるを得ない…そう、これは、愛する彼の幸せの為、と…恐らく、彼と何かあったら、私は、もう二度と、異性と付き合う事は、無いだろう…それくらい、彼を愛しているからこそ、彼を失うのがとても怖い…だからこそ、尚更、彼と永遠にそばにいれるよう、私は、日々努力を欠かさない。せめて毎日一つだけでも、彼の嫌がる私の性格とかを変えていきたい。少しずつ、例え、一歩ずつでも彼の望む理想の彼女になれたら。

5/28/2024, 5:53:53 AM

よく人間は死んだら

天国か地獄に行くと聞くけど

本当にそうかな?

僕は 死んだら一度魂の姿に戻って

魂の休憩所のような場所に行くと思ってる

それは動物や植物、宇宙人や人外も

生き物全て同じだ

じゃあ幽霊や妖怪はどうなるの?

また難しいとこを聞くね

自分に聞いてごらん

また何か新しい考え方か浮かんでくるかもよ


お題『天国と地獄』

5/28/2024, 5:53:28 AM

一瞬で人生は変わる
天国に感じるか地獄に感じるか
どんな過酷な状況でも
それを楽しめる人がいて
楽しめない人には地獄となる…

やはり常に天国を求めて正解かもな

5/28/2024, 5:39:38 AM

生きていると

色んな場面で、色んな感情を抱く

景色の良い露天風呂に入って

外気とお湯の温度差のなか

森林に目をやって思うこと


顔を合わせれば悪口ばかり投げかけてくる

意地悪な人をみて思うこと


天国みたいだ、とか

地獄のようだ、とか

比喩としてたまにそうやって表現するけど

実際は体験してないから

ほんとうに天国や地獄に匹敵するのか

わかんないよね

それでも共通認識として

表現に使用すれば伝わるんだから


わたしたちって

どちらも体験したことがあるのかしらね



◇天国と地獄◇

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