『大空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
吸い込まれそうな青い空。
あぁ、そうだ、確か僕たちはそこからやってきたんだ。
広い広い空でした。
一面、分厚い雲で覆われていて、時おり雨が降り注ぎます。冷たい雨です。
傘を差したその人は、毎日のように僕を刺しました。けれど、どれだけ血が流れようと、それが人目に触れる前に流されてしまうのです。
傷つく僕を憐れに思ったのか、優しい人が屋根のある場所へ連れて行ってくれました。
広い広い空でした。
けれど僕に許されたのは、ほんの僅かに切り取られた丸い空です。
限られた空を与えてくれたその人は、全ての窓に鍵を掛けました。
雨粒の冷たさに凍えることはもうないのです。しかし、ときおり差し込む光の温かさや、そよ風の心地よさを感じることもできません。
閉じ込められた僕を憐れに思ったのか、優しい人が太陽のある場所へ連れて行ってくれました。
広い広い空でした。
太陽がギラギラと輝き、雲ひとつありません。
僕を外へ導いてくれたその人は、休むことなく大空の下を歩き続けました。沢山の人が、同じように歩き、走り、時には踊っていました。
風を感じることかできます。でもそれは、肺を焼き尽くさんばかりの熱風です。湖も、川も、水溜まりもなく、休む事も許されませんでした。
枯渇する僕を憐れに思ったのか、優しい人が水をくれました。
広い広い空の下、飲み干した水はとても冷たく、僕を潤してくれました。はじめて、僕は生きているんだと思えました。
だから僕は、それが毒だと気付いても、嬉しかったのです。
死にゆく僕を憐れに思ったのか、優しい人達が花を手向けてくれました。
広い広い空でした。からっぽの命で見上げた青は、今までで一番綺麗でした。
空ならすぐ何処にある。
顔さえ上げれば見ることができる。それが空だ。
だが大空というには憚れる。必ず視界の隅に建物やら電柱やらは見えて仕舞う。人間がやったことだ。それも多くの人間が。
だからこのことについてあれこれ言う資格はないのだ。
資格は無いが一度でいいと空に近い場所を目指した。
幸い私でも行ける場所である。
山の上だ。一応初心者でも登れるものを選択した。
選択はしたがやはり初心者。目的の標高につくのに、酷く時間がかかった。
私は感動で息をのんだ。
冬の空はよく見れば水色の向こう側にほんのり藍色が見えるのだ。だから冬にこそ空を見ていた。
山の上の空の藍色はそれ以上に鮮明だった。
もっと高い空から大空を見たい。
大空
何処までも広がる大空。そんな大空を愛する君と二人で芝生に寝転がりながら、大空の様に広い心で見ている。あー。この時間が好きだ。二人で芝生に寝転びながら大空の下でイチャイチャしているこの時間が。私は、その流れで、「あーぁ。いつか私もこの何処までも広がる大空みたいに広い心持てる日が来ないかなぁ。」と。すると君は、すぐに「なれるよ!君なら絶対!て言うか、もう君その物が大空よりも遥かに広い心の持ち主だから。僕にとって君は、大空なんだ。」と。生まれて初めて言われる言葉が、愛する人ってだけでこんなにも幸せなんだ…私は、今この幸せを改めて痛感している…
この先何があるかなんて、誰にも分からない。でも、だからこそ、人は、今を必死に毎日もがきながら一生懸命に生きる。そして、人は、愛を育む。そうやって人は、繋がっていく。
大空
今、わたしは人間。
楽しいことも悲しいこともある。
そのたびに気持ちが変わる。
もし鳥になり、
大空を飛んで、いろんなところに行けたら、
どんな素晴らしいことに巡り会えるだろう。
悲しいことも少しは、へらすことが出来るかな。
高層ビルの屋上で
金網によじ登って
飛んでみた
ヒョイ、と スタート台から飛び込む水泳選手のように
意味はなかった
ずっと羨ましかった 翼のある生き物たちが
それだけ
地上にはもう
呪詛と呼ぶほどの怨みはなく
ふり返るほどの未練もない
ぐんぐん落下スピードを増して
吹き上げる突風が息苦しくて
翼みたいに両腕をひろげて
おなかにグッと力をこめて
空気を蹴って
羽ばたいた
飛行機が離陸するとき、いつも泣きそうになる
体は地上にしがみつくのに、心は解放を叫んでもがく
……すでに過去の話
白い翼が 青空にひらめく
くるくる旋回して
太陽めざして飛び上がって
真っ青な世界を
翔ける
どこまでも
空と海は溶けあって
もう、どこにも果てはなかった
#大空
大空
真っ青な大空
心の汚れが吸い込まれていく
心が軽くなって
今日もまた目まぐるしい世界へ
#花鳥風月
大空ってなんだろう
僕には大空が分からない。
大空以前にお母さんの顔もお義父さんの顔も義弟の顔も分からない。
自分の顔だって…
お母さんが荒々しくドアを開け入ってきた。
そして嬉しそうに
「助けてあげれるの!」
と言った。
僕は嬉しかったずっとみたかった外の世界が見れると思ったから。
12月25日にクリスマスプレゼントとしてやってくれるみたいだ。
12月25日
やっと僕が待ちわびていた日がやってきた。
僕はお母さんと一緒に病院に向かっていたの
病院に入ったと思われる辺りから段々と音が小さくなっていって遂に聞こえなくなった。
とあるところでお母さんと僕は離れた。
静かな部屋
誰の声も聞こえない
ドンッ
誰かが入って来たみたいだ。
何をしてるのか見えないし聞こえないけどと話しているんだと思う。
ちょっとずつ近ずいてきて
僕は麻酔を打たれてそこで意識が途絶えた。
気がつくと手術は終わってるみたい。
いつもと違う何か違和感を感じて周りを見ると真っ暗な世界じゃないんだ
あぁ目の手術は成功したんだ
お母さんだと思われる人が入ってきた。
「良かった目が覚めたのね。」
なにかいつもと違う
僕は
「お前誰?」
とそう言ってしまった。
お母さん?の話を聞いていると
僕とドナーだったんだ。
脳を移植されてこの体に持ち主になったんだって。
僕は裏切られたんだ。
まあ大空が見えるしいいかな。
お母さん
「最高のクリスマスプレゼント」
でしょ。
ニュースで、ガザの子供の写真を見たよ。
彼は3歳。
自宅が空爆され、両親と兄をなくした。
避難しても避難しても爆撃は追いかけてきて
彼は両脚もなくした。
サッカー選手になりたかったんだ。
空が続いているなら
こんなのんきな日本の平和とも地続き。
私は雨降らす男たちを狙撃しに行きたいが
濡れる子たちは多すぎる。
______________________________
【21】大空
好きを伝えるのって難しいんです
だけど、
伝えてくれないと不安なんです
ほんとに付き合ってるのかとか
付き合ってていいのかとか
話す頻度が減ってくと
それもまた不安で
不安になる程の事は無いだろうけど
考えてしまうんです
貴方を好きだから
【愛しているから】
✂ーー⚠ーー✂
''母さんは娘の恋愛相談聞きたくないのー?"
''別に?聞きたくない"
そう言う母の顔は
にやけていて
その日で1番温かかった
''なんか悩む程の事あった?"
"え?!聞いてくれんの?!"
"いやだ。''
"今の聞いてくれる流れじゃないの笑''
大空
息子の名前は大空
大空のように広い心を持ち
志高く生きてほしい
そんな願いを込めた
末っ子の長男
あの日、2人だけの空を覆ったのは月でも太陽でもない。
綿あめとそこから無数に生まれる魚。
大空へと羽ばたいてみたい。別に死への願望があるのではなく自分の意識を保ったうえで、意志を持って大空へと羽ばたいてみたいのだ。
外はあまり好きでは無い、暑い寒いといった温度調節をするのに手元が狂ったような空気に、耐えるだけの器を私が持ち合わせていないだけだが、私はそれを自分じゃなく世界が勝手すぎるのだと結論づけている。
話が逸れてしまったが、私は外へ出るのをあまり好まない。だが外で唯一、好きなものがある。それは、遊園地のアトラクションで高所から落下するあの浮遊感である。
擬似的とはいえ、背中に羽が生えたようなあの感覚が恋しくて叶わないのである。
大空への翼を、私の背に乗せておくれ。
お終い
随分と大きくて
随分と綺麗で
見惚れてしまう。
小さな地球に
大きいを与える。
上を見上げると
それはそれは
壮大な…
文明が進み
随分と狭く見えるものだ。
大きな建物が
君を見えづらくする。
大きい君は
どこに行ったのだろう
–大空–
【146,お題:大空】
「俺、いつかパイロットになりたいんだ!」
「パイロットになって大空を飛び回りたい!」
「そしたら、ハルも一緒に乗せてやるからな!」
そう言ってた彼は、不慮の事故で下半身不随になった。
不慮の事故、それは操縦試験の最中だった
急な不具合を起こした試験用の航空機が墜落したのだ
不運なことに、それはパイロットになれる最終試験の時だった
ここさえ通過すれば資格が取れる、そんな中の事故だった
彼が長年追い続けた、強い憧れへの道を絶ち切ったのは
他の誰でもなく、彼が愛してやまない飛行機だったのだ
病室で見た彼の横顔はまるで別人のようだった
話しかけても反応しない、生きているのに死んでいる、全てを拒絶するような暗い表情
飛行機の話をした時だけ、ほんの少し悲しげに瞳が揺れるのが
私には酷く悲しかった。
「私、自家用操縦士のライセンス取るから」
「......、...!......」
そう言った時、初めて彼が顔を上げてくれた
「私も大空を飛んでみたいの、そして......」
一旦言葉を切る、彼にこの言葉を掛けていいのか迷いがあった
少し考えて息の塊をひとのみにして、言った
「そしたら...アンタも一緒に乗せてあげるから」
何で私はこんなに口下手なんだ、と密かに自身を呪いながら
不器用にでも笑ったつもりだ、彼は少し目を見開いて
もう一度瞼を閉じた、それから少し間を空けて
「......おう、...頑張れ...!」
へにゃりとそう笑って見せた。
空を見るのは好きだよ
空の写真を撮るのも
朝焼けとか、雲がきれいなときとか
フィルターを使うと、けっこう芸術的な写真になったりするんだよね
君にも見せたいな
あっ、それと、きれいな空をバックに、きれいな君を撮りたいな、なんて
今日は、年に1度
資格試験日
鏡の前で
気合いを入れて
アパートを出る
試験場は
アパート近くの大学
キャンパスの銀杏が
黄色く色付いて
青空とのコントラストが
綺麗だった
帰り道、
全てを出し切り
スッキリとした気満ちで
大空を見上げた
まー
空は彼らを見下すようだった。
多大なる可能性を秘め、希望を抱えているとされる空が、今はそう感じられた。
ルカはたとえ軽蔑されていても、空をとてつもなく美しいと感じた。
ルカとルカの友人のノアは、海のすぐ上の崖にいた。勇気のあと一歩で海に落ちそうだ。
ここから飛び降りれば、どうなる?
愚問だった。
でも彼女は愚直に、単純にそう思った。
きっと死ぬ。でも、それだけ。
ルカは空を見た。
限りなく奥まで広がった、終わりのない空を。
彼女は何もかもがくだらなく思えた。
「海は空には勝てないよね」
ひとりごとのように、尋ねるようにルカが呟く。
「どうして」
ノアが冷めた声で返事をする。
「海は、人なんかに汚されてる。地上にいて、手が届くからよ。色だってまるで、気が悪そう」
ルカは海を見下しながら言った。
「空は何色?」
「青。でもいろんな色に変わる」
「でもあなたが言うには、海だって青色で、いろんな色に変わるんでしょう?」
「海と空が同じような色なわけ、ないでしょ?」
「私にそれを聞くの?」
「……」
ノアは生まれつき目が見えない。体も弱く、外に出るのは久しぶりだった。ルカは決まりの悪そうな顔をした。
「バカね。将来的にはそんなことを聞くのはやめておくことね」
そういうところ、嫌いだ。
きっとノアだって、同じ気持ち。
互いが互いを嫌にするのに、一緒にいる。
ルカは崖の端に足を下ろして、ふらふら揺らす。
背中に風がぶつかって、ふとしたら落ちていそうだ。そう考えても、何も感じなかった。
ノアはただ真っ直ぐ、水平線を見つめているように顔を海へむけている。
そんな彼女を見て、ルカはさまざまなことを連想した。
空。
空の青。空の青とは?
空の青って、なんなんだ。
飛び降りるのと、空の青を説明すること、どちらが難しいか。
盲目の彼女に、どうしたら私が心奪われたこの青を説明できる?
飛び降りる方が難しいか?
いや、断然空の青を伝えるほうが難しい。目視で確認できるものの比喩表現なんてもってのほか。
ルカはそちらに頷いた。
「あなたならどう表現するのかな」
「何?」
「あなたに言ってない」
「……はぁ? 他に誰かいるの?」
「海に聞いたの」
「……」
空は綺麗だ。空というものは見てて心が安らぐ。それでいてどこか冷ややかだ。
とても美しい色。
そう言って、盲目の誰がその本当の青を想像するだろうか。
暗闇に閉じ込められた彼らに。
私が心酔したその景色と色を、生まれたときから見ることができないと決まっている盲目の彼らに。
言葉では理解できても、知らないものを想像するのはむり。
そうルカは思った。
彼女は色覚を、視覚を絶対に失いたくないと思った。
動けなくても、声が出せなくても、何も聞こえなくなっても、暗闇に閉じ込められるのだけは嫌だ。
同時にルカは隣にいるノアを見た。
大嫌いな彼女でも、それだけは同情するな。
ルカは勝手な妄想をした。
空はときに赤、紫、黒、黄色、灰色、いろいろな色に変化を遂げる。
その変化が交じり合ったようすは人のするべき美徳を表しているようだった。
ルカはまたノアを見た。
美徳とはほど遠いノアだ。
彼女は空を見たことがないから、これほどまでに美徳を失っているのではないか。
ルカは本気でそう考えかけた。
まぁでも、どう考えたって、大空は綺麗だ。どうしたって、そうにしかならない。
「誰も空は汚せないのよ」
ルカは言った。
空は空だ。
「煙や火山灰で汚れることはあるわ」
「それはそんなのを通して見てる空ってだけ。空は汚れてない」
「……」
「見たことあるの? よく知ってるね」
「……目は使えなくても、知識は分かるのよ」
空は変わらず空だ。誰に汚されることもない、美しい空だ。
「空よ、ねぇ。色々なものを見てきたんでしょ。空からしたら、私の命なんて一瞬。空、空、聞いてるの?」
「変な子ね」
「この大空と比べたら、私なんて一粒の砂にも満たない存在なんだわ。そう考えると、死んでしまいたくなるの」
「あら、空とあなたは、比べられないわ」
「酷い、私にはそんな価値もないってこと?」
「あなたは私に愛されていて、空は私に愛されていないわ」
「……あなたが私を愛してる?」
「そうよ。分からないだろうけれど。きっとあなたは私の空」
「……」
「あまり深く考えないで。空のことは飽きたわ」
「あなたが興味のあるものなんて、あるの?」
「あるわよ。だから、興味のない空を見にきたの」
「……」
「……帰りましょう。空はあなたにとって憧れで、危険なのね」
「……空の色が知りたい?」
「えぇ」
やっぱり、色が気になるんじゃないか。
見ることはできないのに。
ルカは切なくなった。
嫌いなノアでも、寂しくなった。
「あなたの感じる空の色が見たい」
ルカは目を丸くして、ノアを見た。
それに伴うように、ノアもルカの方を向いて微笑んだ。
ルカも笑った。二人の目があっているようだった。
今、ルカは、飛び降りる方が難しい。
「太陽のような」という形容詞は、明るく快活で周りを陽だまりのような温かさで満たす者に使われる。
「月のような」という形容詞は、大人しく控えめで、それでいて静かな存在感を示す者に使われる。
けれど君はそのどれにも当て嵌まらない。
太陽のように明るすぎず、しかし月のように控えめでもない。ただ周りをふわりと包み込み、素の自分をさらけ出すことができる穏やかな雰囲気をまとう人。
そんな君に相応しい形容詞は、「大空のような」というものがきっと一番似合うのだろう。
鳥が自由に空を飛べるように、自然の恵みを分け隔てなく与えるように、…私が私らしくいられるように。
人々が君を求める理由はそこにあるのかもしれない。
【大空】
大空の向こう、はるか彼方
いくら見つめていたって、何にも返してはくれない
僕が、そこまで
君のところまで行くことが出来たら、なんて呟けば
まだまだ早いと、そんな声が聞こえるようだ
(大空)