空ならすぐ何処にある。
顔さえ上げれば見ることができる。それが空だ。
だが大空というには憚れる。必ず視界の隅に建物やら電柱やらは見えて仕舞う。人間がやったことだ。それも多くの人間が。
だからこのことについてあれこれ言う資格はないのだ。
資格は無いが一度でいいと空に近い場所を目指した。
幸い私でも行ける場所である。
山の上だ。一応初心者でも登れるものを選択した。
選択はしたがやはり初心者。目的の標高につくのに、酷く時間がかかった。
私は感動で息をのんだ。
冬の空はよく見れば水色の向こう側にほんのり藍色が見えるのだ。だから冬にこそ空を見ていた。
山の上の空の藍色はそれ以上に鮮明だった。
もっと高い空から大空を見たい。
12/21/2023, 1:41:04 PM