『夜景』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【52,お題:夜景】
カラフルな色が咲き乱れる夜
涼しい風を浴びながら、軽やかに階段をかけ上る
ここはとあるビルの屋上、かなり錆びてたし多分もう廃墟だろう
夜の空気を全身で吸い込み、ふわふわとした足取りで屋上の隅に向かう
上から身を乗り出すと、うっとりするほど美しい夜景が目に飛び込んできた
これから私は天使になるんだ
この腐りきったこの世とおさらばして、自由の翼を手に入れる!
きっとどこまでも飛んでいけるんだ、縛るものはなにもない
靴を脱ぎ、危なっかしく縁に足をかけて立ち上がる
両手を大きく広げた、あんなに淀んで見えた世界が夢のように綺麗に歪んで見えた
フッと、体から力を抜く
私を抱き止めるように、大きく手を広げた街並みが見える
目に突き刺さるネオンの光り、夜なのに騒がしい街
...さようなら
朦朧とした意識の中、最後に聞こえたのはサイレンの音だった。
夜景
私の家から見える夜景はそんなに綺麗ではない
でもなにもないかと言われると、それも違う
マンションの十階から見える夜景
住宅街から遠くにある山
工場が立ち並び田んぼがある
田舎とも都会とも言えない
そんな風景が見える
いつか、東京の夜景を見てみたい
きっと、この夜景とは違う夜景が見れて
私に新しい風景を見させてくれるだろうから
夜景
夜景が見たくて友達とドライブに行ったら走り屋がいて焦ったことある。
夜景はきれいでした。
SF
200字
さよならの燈
「夜景を見に行こう」
そう誘われて住宅区画の向こうの、高台になっている広場に向かう。
転落防止の柵から下を見下ろせば、住人が移転し、少なくなった家の灯りがぽつりぽつりと広がっていた。
このコロニーはもうすぐ老朽化により、廃棄され、太陽に投棄される。
頭上……反対面にも虫食いのように広がる闇。
いつもは街の灯りに埋もれて見えない内壁の裏を走るインフララインの灯りが『さようなら』を告げるように静かに瞬いていた。
お題「夜景」
ひとつめの扉は天国へ
ふたつめの扉は地獄の恋人のもとへ
みっつめのドアは君の生きるべき世界に戻れるよ
うつくしい人だった。
私が霞んでしまうくらいに。
容姿もさながら、
その心は赤子の様に純真で、清らかだった。
彼の前では妬みなど何処かへ行ってしまった。
そんな彼が、死んだ。
地獄の悪魔が、拐かしていったらしい
わたしを止めるモノは、無くなった。
勢いできたこの世界は、光に包まれて酷く美しかった。
それでも此処は天国ではないという。
自称案内人は、ひどい三つの選択肢を突きつけてくる。
やっぱり天国ではないのかもしれない。
天国へ行くには何も得ていなさすぎる。まだ早い。
では、地獄へ行けるのか?
勿論と言いかけて、ふと心を占める感情に気づく。
ワタシはずっと、彼が、兄が憎かった。
片割れのくせして、全てを奪っていった兄。
優しい心も絶世の容姿も、少しくらいくれてもよかったのに。
気づいたら、三つ目のドアに向かって足が動いていた。
二つ目に行こうと思うのに、足が痺れて動かなくなる。
珍しいブリキのドアノブを捻る感触が、妙に手に残った
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「ちょっと!何処いってたの!?」
「あ...」
気づいた時、私はマンションの前に突っ立っていた。
瞳からは涙が溢れているのに、直前のことがどうも思いだせなかった。
でも、これだけは聞いておかないと。
「あのさ、私って一人っ子だよね。」
当たり前との返答を得て、何故か酷く安堵した。
歩きだした私に、夜景の光がしみる。
(この中に、彼もいたのかな。)
もう思い出せないけれど
【夜景】
今年の夏、わたしにしては珍しく、展望台から夜景を眺めるという贅沢をした。
門司港への一人旅。この日は一日中レンタサイクルで走りまわって、あまりの暑さに冷房の効いた展望室に駆け込んだ。まだまだ日が長くて、夕暮れの気配も遠い、真夏の午後六時。
思ったよりも夕暮れまでの歩みが緩やかで、頼んだクリームソーダはとっくに飲み干してしまった。「夜景を眺めるまでは帰らない」、半ば意地になりながら港を眺める。
ほのかに色づいてくる空、徐々に伸びてゆく影、ポツリ、ポツリと灯っていく街のあかり。関門海峡に架かる大橋が、段々とその輪郭を人工的な光へと変化させる。
名残を惜しむように太陽からの光が空を濃紺に照らしながら、やがて夜が訪れた。
光で縁取られた港街の景色は、美しかった。あれは、人々が生きている灯りだ。対岸には下関の夜景が見える。さっきわたしが巡った道は、あの辺りだろうか。
少し振り向けば山が近い。街の中心から離れると、そこから先は途端に闇が広がる。レトロな建築で有名な門司港の駅、その線路の先も今はもう見通せない。都心の夜景とは異なるコントラストに、かえって人々の日常が感じられた。
いつの間にか展望室が混んできた。皆、きらきらと輝く夜景を目にして、口々に嬉しそうな声をあげている。
あの光のつぶがまばらなあたりが今日の宿だ。夜に溶け込むべく展望室を後にすると、生温い海風に迎えられた。
ああ、いい旅だ。
夜景……。
夜景を眺めながら思う。今、人生が終わっても。哀しむやつはいるのか?
あのゲス女に、台無しにされた人生。この先、長生きしても、楽しい瞬間なんて無い。
人のおもいを躊躇いもなく踏みにじった売女……犯罪者・今井貞夫の娘、人でなしの今井裕子。
夜景……。
夜景は、美しい。
ただ……。その中で、何人が残業しているか。
そこまで考えなければ……の話だが。
夜景
ほんのちょっとでも
夢心地に酔いたいの…
あなたと一緒に夜景を
見たいわ
ロマンチックなひと時
夜景
去年見た夜景
私だけが時間が止まっているかのように
外が煌めいている
また
この世界に置いてかれた
もう
追いつけない
19時30分。仕事終わり。
もう外は真っ暗だ。
空気が澄んでいるからか建物の灯りがハッキリとこの目に映る。
最近は18時過ぎかその前くらいに日が沈むらしい。もう冬に近いのかもしれない。
夜景が綺麗に見えるところまで、車を飛ばす。
小高い丘にある公園の駐車場に車を止める。
いくつもあるベンチのうち、夜景が見えやすい一番右のベンチに座る。
三脚の上にカメラを構え、シャッターを押す。
カシャっと音が鳴って写真を見る。
一つ一つの明かりが一人一人自分を主張しているように見えて、星はそれに負けないように自分を輝かせている。
そしてビデオを回す。
10分ほどの動画を撮る。
寝る前に好きな音楽を掛けながら見るのがルーティンで、毎日と言っていいほど夜景をここに撮りに来る。
今日もそれ用。
夜景を堪能した頃、通知が一件。
先週買った服が届いたとのこと。
そろそろ帰ろう。
109テーマ【夜景】
『夜景』2023.09.18
山の奥の社から下界を見渡す。国家元首の趣味で時代が逆行しても、この夜景は変わらない。
他の地方は知らないが、少なくともこの首都は以前のままだ。
男はそれを無感動の表情のまま見下ろしながら、やがて来る新しい時代に思いを馳せた。
先の大戦でかの国より持ち込まれたプレゼント。
それが今、ここにある。
男はそれをまるで赤子に触るように、優しく撫でる。
着々と駒は集まりつつある。
その駒は「どこにでもいるありふれたもの」だから、わざわざ探さなくても手に入った。
残るはあと一つ。
目は付けてある。下準備も万端だ。あとはきっかけを待つばかりである。
男の傍らでは「どこにでもいるありふれたもの」を持つ青年が侍っている。凛々しさのなかにもあどけなさを持つ彼は、男の忠実な「駒」である。
「この夜景も見納めだな」
そう語りかけると、青年は短く「はい」と答えた。
必要以上、喋ることはない。当たり前だ、初めて会った時にそう細工をしたのだから。
「新しい時代の幕開けだ。お前の働きには期待している」
どこぞの悪役のような言葉だ、と言ってから気付いた男は笑う。しかし、青年はニコリともせずに男を見つめている。
それで良かった。変に反抗されるよりは幾分かマシである。
「少し休む。時間になったら起こしてくれ」
「おやすみなさい」
青年はそう言って部屋から出て行った。それを見届けてから、男はまた夜景を見下ろす。
あと数日もすれば、この夜景が更に明るくなる。目が潰れるほどに。
新しい時代を見届けられなくても構わない。新しい時代のきっかけになることが重要なのだ。
だから。
男は惜しむように夜景を見つめた。
車の免許を持っていない私の旅行は電車の移動での移動が主になる。
行きはワクワクとした気持ちで切符を握りしめ、これからの旅の日程に思いを馳せたりする。
もしかしたら、旅行というのは向かう時が一番期待値が高く、現実から離れられる喜びも加味されて、楽しいと思っている事が多いかもしれない。
では、帰りはどうかと言うと
ペアで旅行することが多いので、旅先での思い出話に夢中になったりしていることが多い。
話しが途切れた時には、車窓を眺めている。
そんな時は、暮れる空と普段は見ることのない山々の景色が遠ざかる毎に旅の終わりを感じセンチメンタルな気分にもなる。
日が沈み暗い車窓に車内が映り込む一時には、非日常から現実へと戻っていく感覚がし、
東京の夜景が車窓を彩る時には、現実に戻ってきてしまったのだと思い知る。
戻ってきたばかりだと言うのに
また、旅へ行きたくなってしまう。
しかし、富豪でもない自分の身では、その願望を今すぐ叶えることは難しい。
その願望を叶える為には、また現実に戻る必要があるのだ。
旅の終わりの東京の夜景は美しくも何だか切ない。
【夜景】
静かな夜には似合わない
賑やかな街を見ても
嵐の日の荒れ狂う空を見ても
貴方が居ないとこんなにも虚しい
約束事を忘れて
二人でのんびり話して
そんな日々が何時の間にか
何処かに消えてしまったんだ
どうすればいいのって
辛い事ばかり並べて僕は何がしたいんだ?
泣きたくなる様な悲しい想いも
全て貴方が僕にくれたものだろ?
〝哀しくないよ〟〝淋しくないよ〟
例え見えなくなったとしても
僕と貴方の心は繋がっているから
〝苦しくないよ〟〝痛くもないよ〟
貴方が附けた傷なら全て
どんな事でも乗り越えてみせると誓うよ
あの頃にはきっと戻れなくても
貴方と過ごした時間は確かだったから
夜の闇の中、きらきらと輝く明かり。その景色はさながら、電飾の海を眺めているようで。どこか知らない別世界に来たような気分になる。
CMなどで聴いたことのある会社や企業の本社と見られるビルの看板。近未来を感じるマンションの青い光。本当に存在した109のピンクネオン。
物理的にも心理的にも、眩しかった。
「夜景」
空は、昼間の停止を告げ、夜の解除を告げる。
穏やかな街は消え、混濁した街になる。
窓から見えるものは様々だ。
期限付きの愛に溺れる人
お酒で回復をする人
誰かの帰りを待つ人
誰かの為に帰る人
この世に絶望している人
明日に希望を持つ人
様々だ。
大人たちは仮面を外しだす。
真面目な君は、白い仮面を捨て、
本当の黒い自分をさらけだす。
清純な君は、昼間の演技を辞め、
街灯というスポットライトで華麗に踊る。
クールで塩対応な君は、
プライドも世間も跳ね除け、欲望のままに楽しむ。
十人十色でギラギラ輝いている。
人によっては、夜は人間の汚い部分が見えると
思うかもしれない。
でも、汚いと思っている部分は本当の自分なのでは
ないだろうか。
ただ、自分の我慢を解放しているだけ。
世間体、プライド、演技、お世辞、という仮面を
外しただけ。
夜に汚いも綺麗もないのかもしれない。
今日の夜景も、ギラギラだ。
建物も、人も。
END
あの窓ひとつひとつに
ひとりひとりいて
私もそのうちのひとつで
人生できてるんだな
//夜景
高いビルの屋上から見るこのネオン色の夜景は
いつか見た夢のような空想のような
されど、寂しい泡沫の幻のような輝きをしていた。
そんな輝きを見つめ一つ息を吐き、
まるで夜景から遠ざかるように背を向け
重たい足取りを明日へと進めた。
夜半の息のできない匂い。
埠頭から、夜行のフェリーが往く、ぼうとした汽笛の音。
蒸し蒸しとした霧の街の、遠く広がる小さな夜景。
それに、僕は手を伸ばして、潮騒の薫りを聞いた。
とぷん。
足が冷たい。
足元まで海水が来る。
静かな波に、無性に愛しさが増す。
ああ、何も出来なかった。
結局、僕は彼女の夫になることは出来なかった。
彼女はもう、そばにいない。
彼女がいると、僕は何も出来ない。
こうして、生きている限り、自由などどこにもない。
肺に苦しさが上ってくる。
意識が遠のく。
ああ、神様。天国なんて存在するはずがないのに、どうしてそんな、うわ言を吐くのですか?
まだ竜宮城の方が、真実味がある。
僕は、海の泡と消えるのです。
海の泡沫となって、この夜の埠頭から、姿を消すのです。
あの人が、どこまでも着いてきてくれるのなら、旅行に行きたかった。
南国の長いトンネルを抜けると、山並みに光が差す。
雲間に梅雨明けの、梯子が指していて、途中途中を、息継ぎのようにレールが走ります。
トンネルを抜けると、長いトンネルでした。
僕の人生のようでした。
僕はもう、姿を消しますが、不幸なことの少ない人生でした。
#夜景
日が沈み、真っ黒の暗闇に包まれた中、
街の街灯、窓から漏れ出す家の光が
キラキラと、輝く。
ロマンチックな輝き。
そんな夜景はとても綺麗ですよね。
私は長期休みのとき、
フランスへ行きまして、そのときの夜景は
言葉だけじゃ説明しきれないほど、
素敵な夜景が広がっていました。
私の行ったところは、ちょうどエッフェル塔が見えるところで、
エッフェル塔は夜になると綺麗に光り始めるんですけど、光ってから少し待つと、
シャンパンフラッシュといって、キラキラと輝きだし、その光景はまるでミラーボールの中にでも入ったかのように美しく、華やかで
今までに見たことのないもので、
思わず見とれてしまいました。
エッフェル塔は世界1高い塔というのは
知っていますが、
まさかシャンパンフラッシュというものが
あるとは知りませんでした。
シャンパンフラッシュに出会ってから、
私はエッフェル塔は世界1高い塔よりも、
世界1美しい塔というほうがしっくりきます。
車で兄夫婦の自宅へお邪魔した、
その帰り道。
幾つかの山を越えて
その景色はいつ見ても圧巻。
谷間からほんの数秒見える
景色は毎回違う。
ある日は
夕日を浴びて街並みが
オレンジ色に輝いている。
ある日は、
曇り空、
全体がグレーの
コントラストを見せてくれる。
兄の家を夕方出て、
山を越える度に、
空の色が変わる。
段々と、
漆黒の青となる。
その中に
キラキラと輝く街並み、
ビルの光が
眩しいくらい。
山を越えて
視界が一気に広がる
宝石を散りばめたように。
ちょっと夢のような気分になる。
この夜景を見ながら
癒される。
明日からの仕事に気合いを入れる。
次に
夜景を見るために
時間を取ろうと思う。