『変わらないものはない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
変わらないものはない
そうかしら
わたしは
うまれた朝から
日本の人だわよ
「変わらないものはない」で真っ先に浮かんだのが空だった。
夏の鮮やかな青空に広がる入道雲とか
夜が明けて間もない空に広がる淡い日の光とか
夕暮れの少しずつ夜に変わってゆく美しい色彩とか
ずっと変わらずにそこにあって、落ち込んだ時とかは気持ちを掬い上げてくれるもの。私にとっては変わらないもの。
移りゆき、散りゆく
襖が開いた。
「あら、もう来てたの、カエデ、モモ」
カリンはまっすぐな長い髪を靡かせて歩きだす。
「ええ、なんだか落ち着かなくて」
「うん、ひとりだと逆に怖くなっちゃう」
薄暗い部屋、円形の座卓に肘をついてふたりは言った。
「あんたらが思うのも無理ないわ。あんなことがあって…あたしだって、怖いもの….」
そう言いながらカリンはふたりと同じように座布団に座る。それと同時に、再び襖が空いた。
「あ、ユズ」
ユズは、3人がいる座卓の方をじっと見つめ、敷居の手前に立っていた。
「どうしたの?」
とカリンが言うと、ユズは俯き、掠れた声で言った。
「……こんなに減るとは思っていなかった」
ユズは静かに襖を閉め、静かにこちらに歩いてきた。
座ると、スカートをぎゅっと握り、さっきよりいっそう掠れた、震えた声で言った。
「私、怖い….…もし、ツバキたちみたいに───」
襖が開いた。サクラである。円卓の空気が凍りつく。
緩やかにカーブしている長い髪を、行灯が照らす。
「あら、皆さん御機嫌よう。お茶の準備をしてたら遅くなってしまったわ。まあ、そんな、緊張なさらないで。昨日ツバキが"去ってしまった"ことを気にしていらっしゃるの?でもね皆さん、私は、私たちは、ずっと同じじゃいられないのよ。世の中移りゆくものなんだから」
そしてサクラは微笑んで言った。
「さあ、楽しいお茶会を始めましょう」
12月27日『変わらないものはない』
ねぇねぇ 待ってよ〜
背中を向けて歩いていく君
いつまで続くのかなぁ……
小さな声で呟いた
彼に聞こえてたみたい!彼は(ずっと)こっちを向いて口パクでいいニコッと微笑んだ!
いつも喧嘩ばかりで好きともいえなかった。
私の気持ちはそれでも変わらない!
たった一つ!
〜彼が大好き〜
No.25『やり直し』
散文 / 掌編小説
クリスマスイルミネーションが撤去された、寂しい街中をひとり歩く。クリスマスイブにされたプロポーズを断ったわたしは、酷く後悔していた。
『君を幸せにするよ』
そう言った彼の言葉が信じられなくて。そこで『二人で幸せになろう』と言われたのなら、わたしの努力でなんとかなるからOKしたかも知れない。
だけど、子どもの頃に、母親に浮気されて捨てられた父親から言われた『変わらないものはない』という酷い言葉が、まるで呪文のようにわたしの心を縛りつけていて、咄嗟にごめんなさいと口にしてしまった。後悔するも後の祭りだ。
「あ……」
その時、プロポーズを断って以来、連絡がなかった彼からメッセージが届いた。今夜会えるかな、と一言だけのメッセージに、なんと返そうか悩む。いいよだとか大丈夫だけだと素っ気なさすぎるし、連絡をくれて嬉しいだと図々しすぎる気がして。返事に悩んでいると、続けて『いつかやり直させてもらっていい?』とメッセージが入る。
このやり直しがプロポーズのことだとしたら、わたしはまだ、彼の恋人でいさせてくれているのだろうか。わたしは付き合い始めた頃から変わらず、彼の恋人でいたい。
お題:変わらないものはない
一度、炎が消えた
そして、それを失った
途方に暮れて迷子になった
道が消えて泥沼に足をとられて
がむしゃらにがむしゃらに
歩いた私はやっと
違う世界を見出し中
変わらないものはない
胸が締め付けられるように悲しくて、
泣いていた夜があった
その悲しみすら忘れたくなかった
失くしたのはとても大切なものだったから
まるで、心の中の時間が止まったようだった
けれでも季節は巡って
大切なものが残してくれたものの
輝きが増していくのを見たとき
大切なものの欠片はまだ時を進めているのだからと
自分も歩み出せそうな気がした。
変わっていくことを寂しく思うこともあるけれど
変わった先で素敵な出来事が起こることを信じて。
今日は何の日だと思う?
周平くんがぼくに訊いた
ぼくは首を傾げた
十二月二十七日?
そう
うーん、なんだろう
クリスマスは終わったし
大晦日でもないし
何にもない中途半端な日?
周平くんは笑って言った
十二月二十七日は
淳平が病院から帰ってくる日
だからぼくには特別な日なんだよ
その笑いが静かに大人びていたので
ぼくは恥ずかしくなって
そっか
と言った
よかったね
うん
三十年近く経っても
毎年思い出す
十二月二十七日の会話
変わらないものなんてない。
そんなのは分かっている。
だけど面影は、少しだけでも残していて欲しいな
幼い頃に遊んだ、遊具達
力一杯駆け回り
揺らして、揺られて
一生懸命にはしゃぎ通した
この場所はなんでも知っていた
ささいな喧嘩で仲間はずれにされた私の事も
小さな声で、ごめんね、と謝ってきたあの子の事も
いつの間にか、キィキィと音を鳴らし
握りしめた手は茶色く汚れるようになった
一つ、また一つと仲間を失い
今はただ、"立入禁止"の文字を風が揺らす音が響くだけ
変わらないものはない
とき日がたてばなんでも変わる
変わらないものなんてない
でも今の幸せな日々だけは変わりたくない
そんな日々も変わっちゃうのかな
変わってしまってもまた違う形で幸せになりたい
高校2年生、文化祭。
私の人生最高の瞬間だと思ってた。仲間と力を合わせ、私の最大限を注ぎ込んで作品を完成させたあの喜びを、超えるものなんてこの先味わえないって、そう思ってた。
しかし今、20年を経てフィルム越しに見るその絵はとても稚拙に見える。色彩も粗いし、筆運びも雑だ。20年前の世界一の傑作も、本職の目にかかれば高校生のおままごとにしか見えない。
一生忘れないと思っていたあの時の歓びが、気付けば心の中から消えていった。もう二度と味わうことはないのだろうな。そう思いながら、そっと写真を棚の中に戻した。
『変わらないものはない』
変わらないものなんてあるのかな。
変わってないように見えて、どこか微妙に違っていたりする。
逆に変わりたいと思うほど、なかなか、変われなかったりする。
でも、変わりたいって、その気持ちを持った時点で
すでに変わっているんだと思う。
変わらないようで変わっているものは
たくさんあって、
その中でも変わらずにあるものは、すごいことなんだと思う。
#__変わらないもの__
『変わらないものはない』
証明せよ
証明せよ
過去から未来永劫かけて
その存在を証明せよ
悪魔と悪魔の押し問答
あなたは変わった
と言われるなら
それはよい意味であればいい
あなたは変わらない
と言われるなら
それもよい意味であればいい
よいところだけ残して
よくないところは捨てる
そんな器用なこと
できはしないけれど
きれいに生きられなくてもいい
泥に足をとられ
変化してゆく自分に
失望をおぼえながら
それでも愛してあげたいのです
あなたからもらった
この命はただひとつ
#変わらないものはない
変わらないものはない
おはよー。
おはよっ
いつものように朝がくる。
今日は何食べようかな、、、
トーストは?パンまだ使い切ってないし
うーん。ジャムはあるな、、、
チーン♪年季の入ったレンジがパンの出来上がりを教える
いい匂いが部屋中に立ち込める
いただきます。
どう?美味しい?
うまー。
彼女は時間をチラッと見る
ヤバ、、、
彼女はバタバタと準備を済ますと家から出る
いってきまーす。
いってらっしゃい!!
彼女を見送ると僕は一眠りする
ガチャっドアが開く
ただいまー。
おかえりなさい!今日は遅かったね
飲み会疲れたー。
お風呂は、、、明日でいいよね?
明日はお休みの日だしいいと思うよ
彼女は倒れるようにベッドに潜り込み
寝てしまった
おやすみなさい
私はもうすぐこの家を出て行く
1人で3年も住む事になるとは思ってもいなかった
未練がましかったなー。
彼との写真
彼がいなくなっても捨てられなかった
2人で暮らしていたせいか写真に独り言を言うようになっていた
でも、、、それは今日まで。
準備できた?
まだ!あっゴミ袋ある?これ捨てたくて。
いいの?
彼は心配そうに私を見る
いいの。私もそろそろ忘れないとね、、、
彼が出て行って帰って来なくなってからずっと貴方が
支えてくれたから。
私は貴方と生きていくって決めたから。
彼は嬉しそうに笑って写真をゴミ袋へ入れた。
俺は彼女を愛している
世界で一番
彼女も俺を見てくれているそう思うこともあったのに
彼女が選んだのは別の男だった
彼女と別れてくれ
お前何言ってんだよ
雨の日俺はアイツに彼女と別れるように懇願した
だが彼はそれを了承してはくれなかった
それどころか俺と彼女を引き裂こうとしたんだ
この事彼女は知ってるのか?
それは、、、
本当に好きなら彼女の幸せを願うはずだろ?
悪いけど彼女にこの事伝えさせてもらうから
雨の音が激しくなっていく
俺は無我夢中だったんだ、だけどこれでよかったんだと思う
彼女は最初こそ辛そうだっだけど、今は僕の側で微笑んでいる
アイツも喜んでいるだろう。
彼女が幸せになったんだから
美しいから怖いものばかりだ
『変わらないものはない』
【変わらないものはない】
ふわふわの
いのちのなかで
いきてます
ふけばとぶよな
あしたがくるよ
#変わらないものはない
何も変わらなければいいのに
「どうしてそう思うの?」
大事な人が年老いていくのがとにかく寂しいんだ
大事にしていた宝物もいつかは壊れてしまう
「仕方ないことだよそれは」
分かっているけど悲しいんだ、いつか僕一人置いてみんないなくなってしまうんだ
変わらないものはないのはわかるけど、やっぱり
嫌だ
「ずっと同じはそれはそれで退屈何じゃないかな」
失くす悲しさと比べたら僕は退屈なほうがいいよ
「でもその気持ちもいつかは変わっていくよ、変わらないものはないんだから」
変わらないものは、ない
変わらないものはない。
時は、移ろい。
人も変わっていく。
価値観も変わっていくかもしれない。
だけど、人が人を愛する気持ちは、変わってほしくないと
願うこの頃。
私が、私であるようにね。