変わらないものはない』の作文集

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変わらないものはない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

12/27/2022, 2:35:35 AM

猫のカップルが歩いている。
彼らの話し声に耳をすませる、わたし。

メス猫が「変わらないものってあるのかな」と聞くと、オス猫が「変わらないものはないってことは、変わらないかもね」と答えた。

「きみへの愛」と答えなさい、嘘でもいいからさー。

12/27/2022, 2:18:30 AM

いつからだろう
見える景色が変わったのは
いつからだろう
その事に気付いたのは

お前は昔から変わらないよな
そう言われることが多いけど

それなりに色んな経験を積んで
今の自分を形成している


変わらないものはない

12/27/2022, 1:45:08 AM

枕元に気に入りの珈琲カップ。
ホワイトブラウン色のそれの中身はいつものスコッチの水割り。
コイツに黙らさせてもらう日々も結構もう長い。
昨日久々に冷蔵庫の中に女房が買い置きしてある缶ビを飲んだよ。
美味い! ... 一口目だけど、思ったよ。
何かを、求める心が失くなった者に、笑える有難い美味を啜らせるのは勿体無い事だと念う。
死や終りを急いて請う愚か者 ... 度胸がないからイニシャルでタイミングを待つ小心者 ...

そんなやつは、珈琲カップで隠れスコッチで黙って最期を待つが似合いさ。

12/27/2022, 1:42:18 AM

「はぁ、変わらないものはないんですね……」
 「どうしたの」

 ひょい、と覗けば、すっかり枯れた花束。
 そういえば、せっせとお世話していた気がする。ぼくがリビングに行けばすでに花瓶を覗いていたし。お顔を洗おうと思ったら、パチンパチン、お花の茎を切って。毎日お水を替えて。お砂糖を入れてたり、十円玉を沈めてたり、切り花延命剤っていうのも買ってた。お水の量も調節してたみたいだし。
 よくやるなぁ~、なんて思って見てたけど、そんなに落ち込むの。

 くったりして元気のないお花がきみの手の上。
 きみの横顔はひどく切なげ。俯いてじっと愛惜の眼差し。今までどうやって生きてたの、って訊きたくなるくらい。

 「……枯れちゃってもお花でしょ? きれいなお花がいいなら、お花屋さん行こ。買ったげる」
 「あなたったら、本当、ひどい人。だから長く続かないんですよ、何事も」
 「ながくても短くても同じだもん」
 「……、情緒もへったくれもない」
 「ぼくにもこころはあるの。時間にまつろえば、どれだっておなじ。みーんな、変わって元には戻んないんだよ」
 「はあ……」
 「あからさま。なに」
 「あなたに、慰めてもらおうとしたわたくしが、ばかでした」
 「……なにそれ」

 ふい、ときびすを返して。
 ぼくの顔も見ないで。なにそれ。そのお花、きみのいちばんじゃない。線引きが大事。なんでも。だって、こころすり切れちゃう。ぼく、そう言ってる。特別だって、いちばんじゃないから、他とおなじなのに。

 だけれど。

 だけど、……感受性がすてきなきみは、いちばんとそれ以下もきっとおんなじくらいに大切……なんだ。
 ねえ、ぼくがわるかったよ。

 広げた新聞紙。そこに、人を横たえさせるみたいにお花を寝かせて、顔伏せの布。くるくる畳んで、腕に抱いて。
 キッチンのゴミ箱のペダルを踏んだ。
 でも捨てられないみたい。じーっとゴミ箱の中を見て動かないまま。きみのそういうところ、ずっと見ていて知ってたけれど、どうしてかは分からないの。
 だって、きみとぼくとじゃ、ちがう。

 「あのねっ」

 慌てて追いかけた。

 「あのね、さっきはごめんね。ぼく、わかってなかった。きみのこと。そのお花のこと」
 「……」
 「変わらないものはないけれどね、もともとはぜんぶね、おんなじなの。えと、あのね、世界五分前仮説っていうのがあってね、世界は五分以上前からそうあったかのように五分前につくられた、ってお話でね。だから、過去はおんなじで変わんなくて、でも、現在とつながってないから…………待って、ぼく、またきみにひどいこと、言ってる」

 どうしよ、言いたいことは簡単なのに……上手にぼくの考えを、心配をきみに知ってもらえない。だって、きみのお顔、さっきと変わんないし、ぼくのこと嫌って思ってる。
 ど、どうしたらいいの。きみと、ばいばいなんてしたくないのに。ぜったいに。

 「えと、えっとね、お願い、待って。聞いて」
 「……」
 「あのね、えと、ぼくはね……、過去は変わんないんだよって言いたいの。あのね、どんなにいまがね、諸行無常で……ぜんぶが変わってもね、きみが選んできたもの、見てきたもの、それにね寄せた好きとかきれいとか嫌だとかね、きみのなかで、変わんないの。ずっと同じ。そのお花もね、きみが大事にしてたのは変わんないし、きみが見てたきれいも、きみのなかにずっと、ずっと、変わんないで残るの」

 ちゃ、ちゃんと、伝えられてる?
 ぼく、きみに、ぼくはこう思うんだよって、分かってもらえてる?

 「だからね、落ち込まないで。過去はぜんぶ、きみのもの。変わらないんだよ、過去は。だから、いま、かなしくても、いま、変わっちゃっても、きみのなかでは変わらないままなんだよ……だから、かなしいけど、落ち込まないで……」
 「……そう、ですよね……きれいだったことは、変わらないまま……なんですよね。わたくしが覚えていれば、ずっと変わらないまま」
 「あ、あのね」
 「ごめんなさい、わたくし、傲慢に、あなたを突き放してしまって……。あなたはちゃんと、慰めてくれていたのに……気づけなくて……ちゃんと、耳を傾けなくて……」
 「ううん、ぼくも、きみのこと、考えてなかった。これからは気をつける」

 へにゃりと笑ったきみ。
 とっても下手くそな笑顔だけど、そのままでいいの。変わってもね、いいの。

 「わたくしのこと、辟易しないでくれて、ありがとうございます」
 「ぼくのこと、嫌いにならないでくれてよかった。ありがと」

 変わっちゃったお花を、新聞紙できれいにラッピングして、すてきなリボンで飾った。それから、きみが大事に大事に言葉を贈って。
 名残惜しそうにペダルから足を離したの。



#変わらないものはない

12/27/2022, 1:29:35 AM

【変わらないものはない】

変わらないものはない



そんなわけないでしょう。


商店街は新しい店ができては潰れる。


あの時の小さい私はもういない。



変わらないものはない


そんなの嘘だ

12/27/2022, 1:18:25 AM

【変わらないものはない】


“変わらないものはない”
そう言われて、私がすぐ頭の中に浮かんだものは、人間関係です。
私の人間関係の話を聞いてくれますか?
長くならないように、書きますね。

高校生の頃の話。
1年の頃、隣の席で仲良くなった子がいる。
その子は明るくて、話も面白くて、趣味も同じで、一緒にお弁当食べて、一緒に帰って…本当に優しくて面白くていい子なのです。
入学してすぐの初めての友だちで、本当に嬉しくて安心したことを思い出した。


2年の頃、クラスに少人数だけど友だちができ、毎日毎日楽しかった。
私は、いじめられたけど、友だちは「気にしなくていいよ。」って言ってくれたり、友だちと少ない休み時間に絵を描いたり話したり、机を引っ付けてお弁当を食べて、帰りに一緒に帰ることが本当に本当に、楽しかったな。
休みの日は、一緒に遊んで、写真もたくさん撮って、たくさん笑って…本当に本当に、楽しかった。


3年の頃、突然、何の前触れもなく、一人ぼっちになった。
何があったのかどうしてこんなことになったのか、理解できなかった。私は、本当に訳が分からなかった。
精神的にも身体的にも悪くなった。
あんなに、仲良くしてた友だちが急に私を見る目が変わって、移動教室の時もお弁当の時間も私を避けて、とうとう一緒に帰らなくなった。
いじめっ子もこことぞばかりに、いじめの内容がどんどんエスカレートしていき、授業中もいじめてくるようになった。(いじめの内容は、割愛する)


私は、3年の三学期保健室登校するようになった。
卒業式にも出席せずに、空き教室で卒業証書もらった。


あんなに、暖かくて明るくて楽しかった教室なのに。
教室が、冷たくて、暗くて、恐ろしくて、怖い。
そう思うようになった。



変わらないものは、ない。
私は、そう思います。

12/27/2022, 12:56:00 AM

変わっていくのが常ということでしょうか。私は変わりたくないことはずっと変わらないままでいたいと思っています。それは昔も今になっても変わりませんが、自分も世の中も変わっていくことのほうが多いし変われたら楽だったり客観的に幸せなことも多いんじゃないかと思います。
でも変わる変わらないの前に目の前のことに精一杯で自分のことだったり周りのことでもその変化に気づけていないことがあることに気づきました。慌ただしい中では気づけないけど冷静になってふとそう思いました。
また、ずっとなかなか変われないと思っていたことも見方ややり方を変えれば案外簡単にかわれるんだと思いました。でも敢えてしないのはやっている人が多いのであえて自分がしなくてもって思ったからだけで、結局そういうことを考え出すとただ価値観の問題になってくるからです。
ただただ億劫なこともあるし、ずっと変わらないままで、とか変化を柔軟に受け入れようとかそのようなテーマで書かれるのを時々みましたが結局自分のこととして考えると堂々巡りになります。私は生まれてから人間なのは変わらないし、そういうものにいちいち考えたり悩むのが人間なんだと感じました。

12/27/2022, 12:08:41 AM

『変わらないものはない』

別れたばっかりの頃は

「もう逢えないなんて信じられない」
「もしかしたら、彼の気持ちが変わって明日には連絡が来るかもしれない」
「彼以上に好きになれる人なんてきっともう出てこない」

などなど、別れた彼への執着を一生胸に抱えていくものだと思っていた。
この先に続く彼のいない日々が果てしなく長く感じ、絶望していたあの日。

そんな辛かった時期さえ、今思えば懐かしい。
彼への気持ちは一生変わらないと思っていたのに。

変わらないものはないんだな、と実感した経験。

12/27/2022, 12:07:16 AM

変わらないものはない
頭ではそう思ってるし
実際変わっていくものばかり

意識してないものは劣化の方向へ
滑り落ちるように変わっていくし
こう有りたいと思うものは
意識して努めて 努力の上に
ようやく変わっていく

ははぁ〜ん 意識のチカラね
今日のお題のおかげで
よいことに気付きました

変えたいところは変えるぞワタシ!!

12/26/2022, 11:55:43 PM

変わらないものはない…か…。そうだね。
物であればやがて朽ち果て消えるだろうし、人間も「変わらない」と言っていても「変わってしまう」よね。

人に合わせて自分を変えて生きてきたから「変わらない」に憧れるけど、その生き方は生き辛い。
どうせ「変わってしまう」…「変われる」のだから、楽に…楽しく生きたほうが良いじゃない??

「変わらない」が勝手に変わったとき、その「変わらない」を信じていた自分が裏切られたみたいで嫌な気持ちになったときがあった。自分の外側はすごいスピードで変わっていく。「自分」を変えられるのは「自分」だけ。外側に囚われてる暇なんかない。時間がもったいないと思わない??

何かひとつだけ、大事なものを自分の内側に持っていればいい。それで充分。

12/26/2022, 11:30:03 PM

変わらないものはないってことは
変わるよって言ってるんだよね?
あんまり難しく言わないで笑
わかんないから。

でもほんとにそうだと思う。
変わらないものはない。

人と関わっていくなかで
心って変わっていくと思ってるから
私の考えだからそうは思わないって感じても大丈夫。

例えば,いつもひとりで
行動してる人がいるとするでしょ。

「あの人いっつも独りだよね」
「ひとりが好きなんじゃない?」
「友達いないんじゃない?」
「可哀想」
「暗いから友達できないんじゃない?笑」

周りの人はその人のことを
知らないでそんなこと言うの。
心無い言葉で傷ついてるかもしれないのに。
でもきっとこの中の全員が全員
そんなことは思ってないと思うんです。

じゃあなんで悪く言ってしまうのか
貴方は分かりますか?
そのグループの中で
「そんなことないと思うよ」
「そんなこと言うのやめよう」
なんて言ったら次は自分が言われてしまうから
悪く言ってしまうんです。
人間ってこんな生き物なんです。

でもきっと
悪く言われてしまった人,悪く言ってしまった人
どちらも変われると思うんです。

悪く言われてしまった人は
まだここで素を出せてないだけであって
これから信頼出来る友達をつくることだって
出来ると思います。

悪く言ってしまった人は
いつか自分の過ちに気づいて,
友達が気づかしてくれて,
そこから新しく人との関係を築くことだって
出来ると思います。

人は変わります。
いい方にも悪い方にも
それを選択するのは自分自身です。

すぐに変わらなくても
時間をかけて変わるんです。
毎日毎日変わり続けている私たち

今日はどんな日になるんでしょうね。





─────『変わらないものはない』

12/26/2022, 11:17:59 PM

変わらないものはない。


感情も、

友情も、

家族も、

もちろん恋愛も。


元通りにはならないものばかりで

変わる景色に追いつけないでいる。



『変わらないものはない』

12/26/2022, 11:04:39 PM

#変わらないものはない


変わらないものはない

この世の全ては変わっていく

自分もそう…


変わることを 拒み 恐れ

自分の殻に閉じこもったら

そこで終了


楽しくないことを選択してはダメ!

より楽しいことを選べばいい!

そして笑うんだよ!

笑って笑って笑いまくれ!

後はなんとかなる

きっと上手くいくよ!


喜怒哀楽ってさ

“喜ぶ” と ”楽しい”が

“怒る” と “哀しい”を挟み打ちしてるよ

怒ったり哀しんだりつまらん負の感情なんて

大笑いしてぶっ壊せばいいんだよ(⁠。⁠•̀⁠ᴗ⁠-⁠)⁠✧キラ


🌈黒猫のつぶやき🌈

人を笑わせるの大好き〜
ハメ外し大好物です(ΦωΦ)フフフ…

12/26/2022, 10:30:57 PM

変わらないものはない。だけど俺の体重は変わらないんだなこれが。

 痩せようと酒をやめてある程度体重が落ちたけどそっからがだめだ。

 どうにも食べすぎてしまう。このままではだめだと思い続けて二年くらいたった。

 酒を飲まなくなってつまみやしめも食べなくなったから太りはしないけど痩せもしない毎日だ。

 体重の維持はできてるんだから一年くらい我慢すれば平均的な体重になって今の生活で大丈夫になるのにそれができない

 ダイエットっていうのは簡単だ。摂取カロリーが消費カロリーを下回ればいい。それだけだ。

 問題はそんな簡単なことができないってことだ。辛い。

12/26/2022, 9:24:11 PM

「変わらないものはない」



  
  
  
  実際にそう思いたいけど、そうならない。


  

  どなたかそんなものが有るのなら教えて。

12/26/2022, 9:18:05 PM

変わることも変わらないことも悲しいって
思ってしまうの

12/26/2022, 6:23:28 PM

街の花壇は色とりどり
今日も綺麗な花が咲く

いつもの街の
いつもの花壇
いつもの花は咲いてない

街の花壇は色とりどり
今日も綺麗な花が咲く


/ 色とりどり

12/26/2022, 5:37:31 PM

12月。クリスマス。酷く体調を崩して、1人寝ていた。
SNSではキラキラキラキラした女の子たちがたくさん写っている。
加工だろうがなんだろうがもうどうでもいい、ただ、キラキラキラキラ。美味しいご飯、スイーツ、高いシャンパン。
羨ましいな、と思っていたのはもう何年も前だった。でもその何年も前の自分は、クリスマスの24か25か、どっちかは絶対休ませてください!なんて職場に頼み込んでた自分がいた。ちゃんと、キラキラしてた。
今年の私は布団に包まって、でもそのことに安堵している。
仕事休んじゃったなぁ。けどよかった。穏やかに幸せを重ねるカップルを見なくて済む。

以前同じ具合で体を壊したことがある。そのときは結果救急車で運ばれ、そのまま緊急入院してしまった。
ああ、今回はどうなるんだろう。もう管に繋がれまくって痛みを耐えるのは嫌だ。まして、前回は毎日見舞いにきてもらったけど、今年は1人なのか…。
救急車は呼べるだろうか?呼んだところで意識を失っても大丈夫なように、鍵は開けておかなきゃいけないって聞いたな…

不安が増してふと、友達に戻ったその人に連絡してみる。

ねぇ、あのときと同じ具合でいま体調崩したの。
うわー、嫌だねぇ…

ねぇ。嫌だねぇ。あたしたちこんなにも離れていたんだねぇ。
仕事を即切り上げて血相を変えて飛んで帰ってきてくれたあなたはもういない。
手を握り、なにができるか聞き続け、どうしようもなく救急車を呼んで、それでも意識の薄れていくあたしに声をかけ続けてくれたあなたはもういないんだね。

クリスマスだし、むしろ仕事してればよかったのかな、なんて考え始めた自分に、心から驚愕した。



*変わらないものはない

12/26/2022, 5:22:53 PM

ただそこにじっとして
動かず在るように見える岩でさえ
細かに振動し変化し続けている


全ては変わり続け
私達は循環の中に居る








永遠を誓った者達のどれ程が

愛の終焉を迎えたのだろう





╮( ᐖ )╭?



「変わらないものはない」

12/26/2022, 5:17:03 PM

「変わらないもの ね。」

諸行無常の世にそんなものがあると言うのだろうか。何て哲学めいたことを考えてみるけれど答えは浮かばない。きっと真面目に考えても答えの分からないタイプの質問。

ない。と答えてしまうことが,一番端的で単純な真実。それでもあえて回答を見つけ出すのだとすれば······。



「桜,見に行こうか」

出口のない迷宮を飽きず巡回する思考を浮上させたのはそんな言葉。顔を上げればそこに微笑む君の姿。

脈絡もない会話の始まり。目を瞬かせて見つめてみたけれど真剣な視線が返ってくるだけ。


「桜狩にはまだ早いと思うけれど。雪降ってるし」

聖夜の翌日。年明け前の忙しない空気に満ちた何でもない日。狂い咲きを望むにしてもいささか不似合いな気温。

部屋の中から窓越しに眺める景色は見るからに寒々しい。すっかり色褪せた落ち葉が風に流され舞い踊っていた。


「大丈夫。行こう」

絡ませるようにして繋がれた暖かな手に引かれて,快適な部屋を抜け出し二人夕暮れの公園へと繰り出す。

冴ゆる月に見下ろされ,うっすらと白化粧を施された木々が眠る空間。誰もいない。何にも侵されない。まるでこの世に二人きり取り残されたかのような そんな静寂。


「······不香の花」

呆然と立ち尽くした先に見えるのは樹氷。枯れ木に降り積もった雪がまるで咲き誇る桜のよう。

白銀の世界の中降り注ぐ六花と純白の夢見草。凜とした冷たさとどこか懐かしい安らぎを纏った透明な香り。


「浮き世に何が久しかるらん。だからこそ愛しく尊い。難しく考えることはないんじゃない?」

散ればこそ 満開の桜は確かに美しいけれど,変わらないのどけさは少し退屈だろう。少なくとも今日の景色には出会えていない。そんな風に君ははにかむ。


「······ありがとう」

そんな言葉しか返せなかった僕に君はまた笑みを浮かべる。粉砂糖のような甘やかな笑み。

例えこの世界で不変なものがないのだとしても,その笑顔を守れたらとそう願ってしまうことは罪なのだろうか。せめてその願いは変わらないでほしいとそう思った。




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