『声が聞こえる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日は9月23日2024年 私は82才と10ヶ月26日
今年の夏は毎日の極暑で今朝がたまでエアコン無しでは過ごせなかった。老いの身には本当に辛い夏だった。
20日金曜日 ヨガに出かけた。暑くていやいや汗びっしょりになって出かけた。
八月は余りの暑さに腎臓が悪くなってから すぐに熱中症にかかってしまうので休みにしたのだ。
帰りに順子ちゃんの仰せのままにスタバで軽食を取る。店内にはいつもだが座る所はなく
なぎさ通りに面した外テーブルを使った。
順子ちゃん 友ちゃん あっちゃんと四人で
主に順子ちゃんと友ちゃんが喋る。
私は道路側で車の音が補聴器をつけた耳に響いて半分聴こえて半分は車の音。そしてやけに暑いなあ〜とみんなを見るがみんな涼しい
顔で喋っている。もう1時間かなあ〜と思う所で気分が悪くなり ごめんなさい帰るわと
言って カウンターで水を貰い飲んでから鈴木屋で米とお刺身を買って 少し心配しながら家まで辿り着く。また汗びっしょり!
兎に角汗をかわかして麦茶を飲み 30分昼寝
余り眠れないが横になって体を休めて 起きたら酷い倦怠感 軽い頭痛 頭がボーッとふらつき めまいが起こりそうとメリスロンを飲んで主人に夕食をさせる。私はお刺身とごはん お昼を食べてないから食べなくてはと
食べる。お風呂にバブを入れる。頭が汗で気持ち悪くてシャンプーもする。
翌日 頭痛あり倦怠感酷い めまいの様相で
メリスロンを飲んで一日中寝たり起きたり。
主人はデイサービス オリーブに一日中!
22日日曜日 雨☂️ めまいの兆候あり まだ薬を飲んで一日中ボーッと過ごす
掃除機だけバッテリー三回充電して全部の部屋を掃除。目の奥の焦点がぼやけて本を読む気にならない。光る君へ が見れるかしらと録画もする。でもちゃんと見られた!
早寝する
23日 まだ本当に良くならない
トイレと風呂掃除 ゆっくり過ごす。焦ってもいいことはない。親指を薬を半分にする道具で切ってしまい出血🩸沢山。弱り目にたたり目。夜は吉野家の牛丼にして手抜きする。
今日もメリスロン三回のむ
参っています
ふと気がつくと、彼女は白く霞がかった世界に一人、ぽつねんと佇んでいた。つい先程まで書類仕事をしていた執務室は跡形もない。
まずはここが夢か現か確かめようと、彼女は自らの手の甲をつねる。痛い。この古典的な確かめ方が本当に正しいのかわからないが、今は他に信じるものもない。夢でないとすれば一体ここはどこなのか。常人であれば、慌てふためくか呆然とするか、せいぜいそれくらいしかできないだろう。しかし、小さくも豊かな本丸で審神者を務める彼女には、なんとなく見当がついていた。と、そのとき。
「……じ、主。聞こえるか、主」
「鶴丸」
「よかった、無事だったか」
靄の向こうから届いた、かすかに反響する声の主は、彼女の近侍の一振り。ということは、ここは彼の神域であり、彼女はいわゆる神隠しにあっているということだ。しかし、なぜ。常日頃、驚きを求めるいたずら好きの彼とはいえ、おふざけでこんなことをするとは考えられない。それに、声が届くなり無事を確かめ安堵するとは、一体どうしたのか。次々と込み上げてくる疑問に口が追いつかないでいると、鶴丸が言葉を続ける。
「主、落ち着いて聞いてくれ。たった今、俺たちの本丸に、得体のしれない何かが入り込んだ」
淡々とした声音の奥に、ピンと張り詰めた空気を感じ、審神者はごくりと喉を鳴らした。
「時間遡行軍ではないようだし、明確な敵意や殺意は感じられない。が、あれは絶対にいいものじゃない」
現在の本丸では、齢千余年の付喪神である鶴丸すら怖気立つほどの妙な気配が、ぞるりぞるりと蠢いているのだという。
「みんなは」
「本丸にいるのは皆無事だ。今のところ、向こうからの大きな影響はないぜ」
審神者はその言葉に胸を撫で下ろし、ではなぜ自分が隠されたのかと問う。彼は真剣に答えた。
「奴は主を狙っている。見つかる前に主を隠さないと、本丸ごと手遅れになるかもしれないからな」
ぞっとした。彼が咄嗟にこうして隠してくれなかったら、非力な彼女はあっという間に襲われ、本丸もどうなっていたかわからない。
他の刀剣男士たちが危害を受ける様子はないこと、政府へ連絡を入れてあることを告げられ、審神者はほっと息をついた。今は鶴丸の言う通り、主である自分の身の安全を確保しておくことが、一番良策のようだ。
「なぁに、すぐに戻れるさ。主のことは俺が必ず守るから、安心していいぜ」
声しか聞こえないが、どこか楽しげにすら聞こえる口調が頼もしかった。
声が聞こえる。
遠く、私を呼ぶ声が。
ひどく、ひどく寒い。
体も動かない。
何をしていたんだっけ。
たしか──…
そうだ、戦い続けていたんだ。
みんなを守るために。
仲間と、共に。
けれど、そう簡単に事が運ぶわけもなくて。
敵の凶刃に倒れてしまった。
かなりの致命傷。
もう、目を開けることも億劫なぐらい。
意識が途切れそうになる。
私を呼ぶ声は、止まない。
諦めるわけには、いかない。
みんなの為に。
私の為に。
その声に、応えよう。
「声が聞こえる」
「前回までのあらすじ」───────────────
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!
そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!
……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!
それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。
もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。
どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。
……ついに裁判の時を迎え、ボク達はなんとか勝利を収めた!
それから。
ボク達はニンゲンくんに、そばにいていいって言って貰えたよ!
とまあ、改めて日常を送ることになったボク達だが、きょうだいが何やら気になることを言い出したよ?
────────────────────────────────
はぁ……今日は疲れたなあ!
仕事があるから後は寝るだけ……と言うわけにはいかない。
今日こそはきょうだいの面倒を見るつもりだったのだが……。
「ニンゲンしゃん、ねちゃったー!」
全く!ニンゲンくんはどうして子どもに寝かしつけられているんだい?!普通逆だよね?!!
「そうかー。⬜︎⬜︎も寝る時間だね?」
「んー。まだあしょびたい!」「そっかー。」「ん!」
そう言って積み木で遊び始めた。
「ちゃんと遊び終わったら片付けるんだよ?」「はーい!」
よく分からない建造物と……なんだ、これ?
とりあえず踏んだら痛いことしか分からないな。
でも楽しそうだからいーか!
しばらく遊んでいるうちにちょっと眠くなってきたみたいで、ボクの隣で横になり始めた。
「ほら、お片付けだよ?」「ん。」
「ねぇ、⬜︎⬜︎ちゃん。おとーしゃん、いちまんねんまえ、いなくなっちゃったの?」「そうだね。」「ほんとに?」「……そのくらい前に亡くなったんだ。」「ほんとだよね?」「うん……?」
「あのね、ボク、おとーしゃんのこえ、きいたの。」
「ん?夢とか、空耳じゃないのかい?」
「しょらみみー?わかんない!でもおなまえよんでたのー。」
……名前を?
ボク達機械はコードネームと本当の名前を与えられる。
そして、本当の名前を呼ばれたらそれに従うように作られているんだ。まあボクはそんな機能解除済みだが?!!
それはともかく、きょうだいの本当の名前を知っているのはボクとお父さんくらいで、聞き間違えるはずもない。
……一体何が起こったんだ?
と言うか、アーカイブ管理士達に対して「この事件の原因はキミ達の不手際だろう?!!」ってバチギレしてしまったのに、こんな怪現象が原因だったとしたら……うわー、最悪だ……。
ただでも仕事を増やす面倒なヤツだと思われているっていうのに、もし正体不明の呼び声が原因っていうのが本当だとしたら……。
確実にぶっ叩かれる!!!
純粋な興味もあるが、今宇宙管理機構各位のヘイトをさらに貯めると超ややこしいから、この事件の原因を究明しなくては!!
「ボクはおねーしゃんのおなまえよんだのー。」
「キミはキミでなんてことをしてくれたんだ……ってもう寝てる……。」
やはりおそらく「誰か」に名前を呼ばれたから⬜︎⬜︎は目を覚ましたのだろう。
ボクだって名前を呼んだこともあったが反応はなかったうえ、ここ数年は忙しくてアーカイブ管理室にも行けなかった。
じゃあ誰が?どうやって?
ボクを困らせるなんて……ふふふ。興味深いな。
ボクは必ず原因を突き止める!
まだなーんにも分からないけれどね!
To be continued…
P.S. すごい誤字してた!!!ごめんなさい!!!
「声が聞こえる」
最近、声が聞こえる
励ましてくれたり
怒ってくれたり
時には子守唄を歌ってくれたり
どこかで聞いたことある声なんだけど
思い出せない…
ある日
押し入れを整理していたら
1本のビデオテープがみつかった
タイトルはわからない
まだ家にビデオデッキがあったので
再生してみることにした
画面にうつるのは
家族で遊園地に行った時の映像
懐かしいなぁ…
これ、お母さんが亡くなる前に行ったんだよね
お母さんの声、今まで忘れてた
思い出せてよかった…
あれ?
お母さんの声、最近聞こえる声と違う…
あの声、一体誰の声?
お母さんだと思っていたのに…
泣いていたのは痛いからじゃない。私は二度とは届かない、酷く懐かしい彼を呼んだ。
『声が聞こえる』
📍
母が炒め物をしていると
けたたましい音と冷静な声が聞こえてくる。
うぅ~、うぅ~、チンチンチン
火事です!
火災報知器が作動した。
普段ならコンセントを引っこ抜いて
サイレンの冒頭「う」の時点で音を止める母だが
今回は予想外で間に合わなかったらしい。
フルで聞く機会は中々ない。
母は大して煙出てなかったのにと、いぶかしんでいる。
確かに煙っている様子はなかった。
壊れてるのかな?と呟くと
「正常です」という声が返ってきた。
(声が聞こえる)
サヨナラさえ言えぬなら私はどうすればいい?
私はあなたを裏切ったの。
だから、別れの言葉を言わなくてはいけない。
誰かの声が聞こえる。
「今までありがとう」
君は誰なの?
「あなた」なの?
もし、そうならば…
誰かの声に涙を流す。
「せめて許せないと言って」
【お題:声が聞こえる 20240922】
━━━━━━━━━
(´-ι_-`) マトマラナイ⋯。
お題:声が聞こえる / No.3
━━━━━━━━━━━━━━━
聞こえる、聞こえる。
怒りに満ちた人の歩み。
今日は時間通りにやってきた電車。
独りを宥める鈴虫。
閉め忘れられた冷蔵庫。
聞こえない、聞こえない。
母からの頼まれ事。
先生からの挨拶。
映像の中の人。
吠える愛犬の本心。
ピコーン。
涙の匂いが充満した寝室に、
着信音が1回、響いた。
どうせまたチェーンメールだろうと、
ぞんざいにスマホを見る。
毛布を払い除けた。
あなたからの着信。
何日ぶりかの、あなたとの電話。
嗚呼、聞こえた、聞こえた。
あなたの声が聞こえる。
優しい声。
可愛らしい声。
愛しい愛しいあなたの声。
沢山の聞きたくないことを聞いて、
硬い殻を被った私の耳は、
愛しいあなたに解されて、
また聞こえるようになりました。
聞かせて、聞かせて。
もっと、あなたの声を。
声が聞こえる
私は嫌われるのが嫌だ、特に今好きな人が悲しむ顔自分を好んでる人が悲しむ顔、見たくない。でも冷たい態度をとってしまう。そして毎回後悔、なぜだろう考えた、自分が考えて思ったこと、それは、ありのままの自分を奥に隠しているから、自分の本音を言ったことは、、、ない自分は、「本物の自分」を隠しているだから、今日からは、いや、今から、自分の、ありのままの自分で行こう。そう決意した。でもそれは少し不安だ。何故かは、ありのままに生きて人に迷惑をかけてしまったら、、、
と、その時声が聞こえた実際に会ったわけでは無い
自分のことを「好き」と言ってくれる友達、好きな人
「生まれてきてくれて良かった」と言ってくれる親、自分が失敗したり怪我をすると心配してくれる周りの人、声が聞こえる!私は、周りの人のおかげで勇気をもてた迷惑をかける勇気ではなくありのままに生きる勇気そして、これからも幸せに生きれるという勇気、「自分はみんなに愛されてるんだ」そう思った嬉しかったまず自分を大切にしてくれた人達に感謝をしたい。その時、みんなが、「いいよ」「どういたしまして」という声が聞こえる
零れ落ちた涙の理由は
聞かないでくださいと
あなたの美しい横顔が
残像となり心に溢れた
空が青かった夏の日の
白いブラウスが揺れた
風は少しだけ強かった
わたしはただ側にいて
時を少しだけ遅らせた
空は高くて青いままに
風は冷たい、あなたの
『声が聞こえる』
俺の日課は鳩の餌やりだ。だから毎日昼休憩に公園で鳩にコンビニのパンをちぎってやってやる。そんな変わらない日々を送っていた。しかし今日はいつもと違った。鳩の群れの中に一匹小さい子供の雀が混じっていた。そいつはゴミが絡まって上手く飛べないようでパンがなくなっても俺の足元にずっといた。
「お前、親はいないのか?」
そう問いかけたが動物なので返事をするはずもなく、俺は虚しくなった。恐らく育児放棄されたのだろう。雀は警戒心が強く一度他の種族の匂いが着いたら見捨てられる。少し可哀想で少し同情した。俺も母親が5才のときに飛んで父親はそれを忘れようとずっと仕事に明け暮れていた。
「お前も可哀想に。じゃあな。」
世話をしてやりたい。そう思ったがこれから仕事が始まる。もう行かなくては。俺はベンチを立ち公園を出る。少し雀の様子が気になって後ろを振り返ったら俺の足元に雀がいた。…ついてきたのか?俺はなにもしてやれないのに付いてくるそいつに胸が痛くなる。だが俺には仕事がある。胸が痛いのを我慢して仕事場まで早歩きで向かった。
やっと仕事が終わった。もう8時だ。あいつはどうしてるだろうか。あの公園に戻ったのか?それもとカラスにでも……それは考えなかったことにしよう。
「チュン!」
会社の玄関を出るとそいつはいた。くそ。なんでいるんだよ。世話してやらないといけなくなるだろ。俺は誰にもバレないように何か落としたフリをして雀を拾い胸ポケットに押し込んだ。
「いいか?家に帰るまで大人しくしてろよ。」
俺は雀にそう耳打ちし、コンビニでカップラーメンとこいつ用にパンを買って帰った。胸ポケットから雀を出し机に置いた。よく見るとプラスチックの紐が体に食い込んで少し血が滲んでいる。一体どのくらいの時間絡まっていたのだろうか。
「今取ってやるからな。」
ハサミを取り出し体を一緒に切ってしまわないように慎重にとってやった。そいつは嬉しそうに跳び跳ねた。パンを与えてあげねば。昼も何倍も体が大きい鳩にパンを取られてたもんな。腹がすいているだろう。そいつが食べやすいよう出来るだけ細かくして食わせてやった。1日一緒にいると愛着が沸いてくる。治るまで家に置いてやろう。
二週間経っただろうか。いつの間にか傷は治り、顔立ちもすっかり大人になった。そろそろ別れの時のようだ。俺の部屋はすっかりこいつのための水呑み場や水浴び場で溢れておりもうどっちの部屋かわからなくなっている。寂しいもんだな。俺は雀のチュン太を掴みベランダへ放した。もう1人でやっていけるだろう。すぐ飛んで行くと思ったがチュン太はベランダの柵を往復しているだけ。早く飛んでくれないとまた家にいれてしまいそうになる。窓を叩いて驚かせて飛ばせてやろう。
バンッ!バンッ!
あいつは一瞬こっちを向き飛んでいった。今日は酒を飲もう。あいつが家に来てから飲もうとするから酒を開けられなかった。冷蔵庫からビールを取り出し流し込む。
「プハァー………」
明日は休日だから思う存分飲んでやる。
頭が痛い。気づいたら朝になっていた。
いつもならチュン太がチュンチュンと鳴き起こしてくれるのに。
「チュンチュン!」
俺はベランダの方を見た。電柱に一匹雀が鳴いていた。
いつでも会いたいけど、あなたも忙しいのを知っているから、会いたいなんて言えない。
私が会いたいって言えば、余程のことがない限り時間をつくってくれるでしょ?
とっても嬉しいけど、同じくらい申し訳ないの。
毎日会っていると、それがあたりまえになって何も感じなくなってしまうんじゃないかな?
それは何だか悲しいわ。
だから会いたくても"少しだけ"我慢するの。
どうしても会いたくて会いたくて仕方がないってなったら、あなたに連絡するね。
その時は会いにきて。
顔を合わせて声を聞かせてほしい。
私は明るい人間じゃないから一緒にいても楽しくないかもしれないけれど、あなたの話を聞くことはできるから。
少しでもあなたが楽になれるように話を聞いてあげたいと思う。
電話やメッセージでは顔が見えなくてあなたの気持ちがわかりにくいの。
だから、会いたい、声が聞きたいって思う。
🌷
突然聞こえた小さな声。
少女のような幼い声。
花弁のような美しい声。
小鳥のような可愛らしい声。
私とよく似た__な声。
嫌いなその声に導かれるように
私は進んだ。
声が聞こえる
今日は親が出張!誰もいない!いえーい笑!友達と電話でもしちゃおっかな!
…あれっ?なんか呼んでる?なんだろ?お母さんかな…?
…ん?えっ…誰……?
声がきこえる
荒廃した教室を背に、セーラー服の少女がこちらをにらみつけている。
映画のストーリーからすれば、無言で十分、その表情から察するに余りある怒りは、十二分に観衆を圧倒した。
しかし、暗い客席で、まなざしにのまれた刹那、私の中に声が
「私は神も仏も信じない」
あの、声がきこえる、あぁ。
#声が聞こえる
気を緩めるとすぐに
あなたの声が聞こえるの
すき、かわいいって
昨日みたいに、手が熱くなるの
16. 声が聞こえる
昨日から鈴虫が鳴いている。ついに夏は終わった。
秋自体は良いものだ。ただ、それに続いて冬がやってくるのは嫌だから、夏の終わりは少し寂しい。
春は夏に向かっているからいい。寒くなる兆しなどない。盛り上がっていくだけ。だから花粉症も許せる。一方秋は冬に向かっている。冬が来るのだ。
冬の寒さは体から熱を奪うだけでなく、生気とか意気のようなものを奪ってしまう。
それだけではない。朝布団から出るのが大変だし、脱衣所も冷え込むし、換気が億劫になるし、着込むから洗濯物は増えるのに乾きにくいし、それなのに空気は乾燥して鼻と喉が呼吸の度に痛むし、指先の感覚が遠退くし、筋肉が解れず怪我をしやすいし、寒いから楽器のチューニングが大変だし、頬や唇は切れる。
しかし、一番嫌なのは空の色とか、木々の淋しさとか、寒さを堪えるときのあの惨めな気持ちとか、そうやってのんびりさせてくれない所だ。厳しくて冷淡で突き放されているような疎外感。冬が怖い。
鈴虫は冬を連れてくる。だから時々秋まで嫌いになりかける。いい季節なのに。
いつの日か、全てを消してしまいたくなった。何も創れず、何も生めない。生み出した物なんて所詮は自分の妄想に過ぎないのだと。そう思った時、ふと光に目を向けた。その光は画面の向こうから放たれており、此方を誘っているかの様に思えた。頬に伝う涙を拭いマウスを掴む。そして記憶を開けると、
そこには幾千の命があった。実体は無いが、確かに存在している。生きている。創られた存在なれど、動いているのだ。胸の中で。
彼等の声は自分にしか聞こえない。そんな声を一瞬で消しても良いのだろうか。それは、自身の命を失うのと同様。彼等の声に耳を傾けなくてはならない。
夢を掴むために、今日も声に耳を傾ける。
自分にしか__聞こえない声を。