ヤトミ

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いつの日か、全てを消してしまいたくなった。何も創れず、何も生めない。生み出した物なんて所詮は自分の妄想に過ぎないのだと。そう思った時、ふと光に目を向けた。その光は画面の向こうから放たれており、此方を誘っているかの様に思えた。頬に伝う涙を拭いマウスを掴む。そして記憶を開けると、
そこには幾千の命があった。実体は無いが、確かに存在している。生きている。創られた存在なれど、動いているのだ。胸の中で。
彼等の声は自分にしか聞こえない。そんな声を一瞬で消しても良いのだろうか。それは、自身の命を失うのと同様。彼等の声に耳を傾けなくてはならない。
夢を掴むために、今日も声に耳を傾ける。
自分にしか__聞こえない声を。

9/23/2024, 6:56:21 AM