『声が聞こえる』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
声が聞こえる
どこか懐かしい、聞き覚えのある声
古の記憶の私が声をかけている
ただ一人地方に投げ出され、孤独だった私
だれか共感者が欲しくて叫んだネットの世界
だが今や私はネットに頼る必要もなく、自分の手に収まるほどの安寧を得ることができた
だから、もう大丈夫
私は私なりに生きていけるから
お題『声が聞こえる』
「おはよう! 朝だよ、起きて、起きて」
舌っ足らずな子どもの甲高い声が聞こえてきて、私は思わず「うわぁっ!」と声を上げて飛び起きた。
私にはお気に入りのイモムシみたいな形をしたゆるキャラの手のひらサイズのぬいぐるみがいて、いつも一緒に寝ているが、どういうわけか枕をよじ登ってきて私にずっと突進し続けていたらしい。すこし顔の部分が丸みを帯びていたのがたいらになっていることからそうなのだろう。
それによく見ると、在宅ワーク用のPCのモニターにつけてたはずの猫のデスクトップマスコットもなぜかいる。
私はまばたきして
「よし、夢だ。寝るか」
と横になった。その瞬間頭にやわらかいものが思い切り突進してくる。
「ぬおっ!?」
「夢じゃないってば!」
「えぇ……」
二匹の声が同時に聞こえて、困惑したまま目に入った時計の時刻は8時45分。
「やば……」
私は急いで起き上がるとパソコンをつけに向かった。そうしたら、いつの間にそんな運動能力を身に着けたのだろう、デスクトップマスコットはモニターの上に、イモムシくんはデスクの左側のあいたスペースに来た。二匹して私のことをキラキラした目で見ている。正直、かわいい。
「なぁに見てんだい」
とぬいぐるみたちに聞いたら
「ごしゅじんさまのおさぼり防止!」
とイモムシくんは答え、
「おぬしがYoutubeで推しの配信のアーカイブを仕事中に流しているのは知ってるニャ」
とデスクトップマスコットにゃんこが答え、私はすこし恥ずかしい思いをした。
声が聞こえる
どんなに頑張っても
うまくいかない
目の前が真っ暗で
何も見えなくて
身動きがとれない
苦しい
助けて
そんな時
どこからか声が聞こえる
それは私
未来の私からの声
「私は元気だよ
未来は明るいよ
もしつらくて動けないなら
ゆっくり休んでてもいいよ
でもね
つらかったことも
いつかはいい思い出になるよ
だから希望を捨ててはいけないよ」
その声で
私は顔をあげる
前を向いて歩いていく
そして元気になったら
次は少女時代の
もろく繊細な私に
会いにいくんだ
『声が聞こえる』(His Master's Voice)
ラッパ型のスピーカーから今は亡き兄の声が流れてくると、うずくまって眠っていた犬は耳をそばだて首を傾げてとことこと傍へと寄ってきた。
「懐かしい声だろう」
兄の声が犬の名前を呼ぶたびに彼は不思議そうにしながらもしっぽを緩やかに振っていた。ふいに視線を上げたのでつられてそちらを見てみるけれど、そこには変わり映えのしない我が家の一角があるばかり。犬は緩やかにしっぽを振って頻りにクンクンと鳴いていた。
優しい、という性質は手足と同じ。
ゆえに、優しさで苦しむ人に、優しくするのを止めなさいと言うのは、手足を失いなさいと言っているのと大差ない。
同じに、人の命を奪いたい、と思うこともまた性質である。
しかし、だからといって、実際にそれが出来るかどうかはまた千差万別の話。
なぜ殺したいのか?
理由があろうがなかろうが、人を殺したいと思った時点で罪を感じるものはいるし、
人を殺したあとでもなんら罪の意識が芽生えない人もいる。
優しさは善、そして人殺しは悪だ。
しかし、人殺しを庇う優しさは悪で、
優しい人間を守るための人殺しは……。
考え出すとキリが無い。
人の命を奪わないものは、人の命を奪える人間に常に狙われている。なにかきっかけがあろうものなら、彼らは悪びれなく他人の命を奪うだろう。
そして、そのきっかけは常にすぐ隣に存在している。
人は簡単に、悪意がなくとも、意識せずとも、人を傷つけられる。相手が悪ければ、いとも簡単に報復される。けれど、人は何故か、自分が強者だと思い込みたがる。自分は相手より上だとマウントをとる。
彼らはなぜ、自分がマウントを取れない人間などいないと思い込んでいるのだろうか?
それは、彼等の周りにいる人間が、優しいからだ。
優しい人間はマウントを取らない。
だから馬鹿が勘違いをする。
身を守るために、優しさを捨てなさい。
人は優しい人間にそう諭す。
しかし、そもそもの前提が違う。
優しさとは、自分と他人とで解釈が全く違うのだから。
人が優しいと評価しても、優しい人は誰かに優しくした覚えは無いものだ。覚えているのは見返りを求めている人間だけ。
ただ、見返りを欲しがることは、悪では無い。何かを得られるから、人から優しいと言われる行動や言動をとろうと思うのだ。
そしえ、それは自覚出来るものではない。
自覚しようとしても、疑問は消えない。
自分が優しい人間であるのだろうか?
これからも、誰かが優しいと思ってくれるような人間を演じるのだろうか?
疑問に思わないのだとしたら、それは優しさではない。
人殺しよりも罪深く、己の心を殺し、人を悪に陥れるだろう。
『声』がきこえる。
思考は自分の声で、
小説を読むときや漫画を読むときはその人物の声で
私の頭の中ではいつも『声』がする。
頭の中の『声』は時々『会話』をしている。
それは突然降ってきて、私はそれを文章にする。
だから私の文章は書きたいとこだけ。
『声』がする。
いまも私の頭の中の『声』をなぞる。
なぞる
なぞる
『声』がきこえる。
「声が聞こえる」
あなタはだれ?
なにをはなしているの?
たのしみにスるって。わたしなにかいったっけ?
がまんしているの?いったいなにを?
きれいなそのめで、なにをみつめているの?
らくえんにいケたらいいな?ちがうか。でもわたし…
いま、そんなことをかんがえテいるよゆうはないの。
【#89】
『人生』という名の列車を途中下車しようと思ったことが幾度か、ある
その度に
「今じゃないんじゃない? このまま大人しく乗っていたって、いつかは必ず終点に着くんだ
そんなに先を急がなくても、これからまだまだ出会うだろう美しい景色を見ないなんて勿体ないよ」
という声が私をその場にとどまらせてくれた
辛く苦しい時、嬉しくて舞い上がりそうな時、日々の何かの折に聞こえてくる声
励ましだったり、叱咤だったり、賞賛だったり、共感だったりの声がどこからともなく降りて来るのだ
きっとそれは、私が誰かに掛けて欲しいと無意識に欲している声を、どこからともなく降りてきた声として聞いているのだろう
ここで言葉を綴り始めるきっかけも、
「書いてみたらいいじゃない」
と言う父の声だった
その半年前に他界した、物を書くことを生業のひとつとしていた父
生前父から書くことを勧められたことは一度も無かったが、何気なく父に送ったメールに
「なかなか良いじゃないの」
と珍しく感想をよこした
そんな父の声が聞こえた気がして、今もこうして綴っている
父の言うところの「書く」にはまだまだ程遠く、ようやく文字を羅列し始めたところだけれど、
いつか
「なかなか良いじゃないの」
と言う父の声が聞こえる日を楽しみに、文字を並べていこうと思う
『声が聞こえる』
声が聞こえる
会えない時間が2人を引き裂いて
声も顔も忘れて
これからは一人で生きていこうか、と
ふと考えるくらいには
寂しさを紛らわせていれたのに
私の心の奥底に
微かに残る貴方の温もりが
記憶に色を塗っていくものだから
覚めたら忘れちゃう夢だけど
少し意識を向けてみる
確かに聞こえる
大好きだった人
確かな過去は消せないね
声が聞こえる
赤ちゃんのような鳴き声
まさかね?と思いつつ
1階ベランダ側の窓を開けた
五つ子かな?
子猫ちゃん達だった
3匹が私の脚をすり抜け
部屋へ入ってきた
追いかけっこの運動会状態
可愛かったな…🤗
✴️158✴️声が聞こえる
声が聞こえるで、夫はお弁当の配送先の食堂の弁当を置く時に食べ物があってどかそうとしてそのまま盗み食べてしまう。病気でもなく他界した母親の声で、スピリチュアル的問題です。1社配送したらパンでもおにぎりでも1個食べないと脳が糖分不足になると置く場所に食べ物があって、取れと声がすると取って食べてしまうのでしょう。10社配送先があれば10個パンかおにぎりがいると言うことです。それが20日だと200個いることになります。家計が赤字で、生活できないです。それプラス夕食に丼大盛り2杯白米を食べるから10キロのお米夫婦2人で、1ヶ月半でなくなり、2ヶ月分もありません。あきれてると言うか感情がないし、表現のしようがないです。毎月食費赤字になってます。脳の糖分が足りないと暴力にするので、外食することが多いです。してもショ糖を摂っているわけではないので、スイーツを食べないことには脳が満たされません。てんかのある人が食べるブドウ糖が良いのだろうと思う。私は、これからブドウ糖を夫にこまめに摂取されることにします。
声が聞こえる
君はもうここにはいないんだけど
あの場所へ行けば声が聞こえる
そんな気がするのは
僕だけじゃないと思う
もうすぐ逢えるから
心静かに待っているんだ
声が聞こえる。
「ん……」
上を見ると、知らない天井が目に飛び込んできた。
「え?」
横には、知らない男もいた。
「あ、ごめんね、起こしちゃった?」
嬉しそうに私の頭を撫でる変態から慌てて距離を取り、睨む。おおよそ30代後半くらいだろうか、体を起こして不思議そうに私を見つめている。
「だっ、誰ですか!」
「えぇ?傷つくなあ」
『声が聞こえる』
昔よく遊んだ公園のバスケットリング。
君とよく遊んでたな。大きくなった今もボウルをつく声が聞こえる。
声が聞こえる
身体が疲れてるのはわかってるから
眠りたいのに眠れない時ってあるよね
身体の声が脳に届かないから
アドレナリンが出っぱなしなのよ𐤔𐤔𐤔
きこえるよー
悪口とか言われてんやろね
人の声が雑音にきこえる
さいこーだね
耳を塞いでも声が聞こえる。
皆私の悪口を言ってるんでしょ。
声が聞こえる(9月23日)
どこからか声が聞こえる
これは誰の声?
どこから聞こえるの?
聞き覚えのある声
・
・
・
あっ、わかった
自分の声だ
多分、心の中からの声
しまいこんでいた本当の気持ちが
奥底から叫んでいる
声が聞こえる
不意に、何かを捉えて足を止める
気のせいだろう
と、その場を立ち去ることは簡単だろう
だが
何か感じるものがあり耳を澄ます
しばらく集中していると
確かに、聞こえた
弱々しい、助けを求める声
聞こえたのはほんの数秒
だけど、集中していたから方角はわかる
まるで幻聴のような声に導かれ
俺はその扉を開けた
昔、ここらで大きな戦争があった。国の勝利のため、村の女子供まで戦場に駆り出され、あえなく殺されていったのだ。後にその魂を供養するため、村の跡地には大量の墓石が建てられたという。
「でも、今になってはそれすらも無くなってしまったわけだけどね」
「どうして?」
眉を寄せた娘は父親に尋ねた。
2人は荒野となった村の跡地に立っている。
「噂によれば、何者かが持っていってしまったらしいよ。理由は分からないけどね」
「ふーん」
娘は平坦な返事をした後、静かに目を瞑った。黙祷しているのだろうかと、父親が娘の顔を覗き込もうとしたその瞬間、
「あ」
ふいに娘が目を開いた。
父親はあわててのけぞり「どうしたの」と尋ねる。
「聞こえた。声が聞こえたの」
「声?」
「生きてたんだね、本当に」
それだけ言うと娘は歩いて行ってしまう。
何が何だか分からず、首をかしげながらその後をついていく父親の背を、太陽は優しく照らしていた。