『声が枯れるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題《声が枯れるまで》
世界は残酷だった。――奪われた宝物はすべて、自分が愚かで、無知で、力がないからだと歌う。世界は誰も救いはしない。価値なき者には、滑稽な物語には。
でもあなたはもっと、残酷だった。――笑顔で毒を吐き、誰かの大切な宝物を平気で葬ることができる、蝶葬の悪魔。
私の楽園を埋めた。
誰かの物語を踏みにじるのは、許されざる大罪だ。
私の怒りは、紅蓮の鳥を幻想させる。
これは終わりなき奪い合い、守るための物語。
わたしは室外の部活
きみは室内の部活
壁1枚へだてて姿が見えないのがもどかしい
わたしが近くにいること気づいて欲しくて
いつもより大きく掛け声をあげて
それはもう声が枯れるまで
自然に熱が入っていく
きみが休憩で外に出た時に気づいてくれたら
わたし、もっと頑張れちゃうかも
#声が枯れるまで
声が枯れるまで
「雨は止んだ?」
振り返ると掛け布団が動いて少しだけ持ち上がっていた。自分で見ればいいのにと思いつつ、ベランダ側の窓を開けて雨音を聞かせてやる。
「まだ」
「そう」
しゅると布団を持ち上げていた白い指先が引っ込んで、布団が再びこんもりとした山の形に戻る。私は低気圧に影響を受けることは無いが、相手は真逆の体質で雨が近づく度に頭痛を引き起こしてしまう。薬を貰っている筈なのに、負けた気がするから飲みたくないらしく、耐えられるギリギリまで服用したがらない。
久しぶりに2人が一緒の休み、本来であれば新しく出来たカフェで新作のケーキを食べる予定だった。しかし、蓋を開ければ土砂降りの雨。私は昨日の夜から何となくこうなりそうな気がしていて、お泊まりしたいと相手に伝えて今の状態である。
「……ごめん」
「なんで謝るの?」
「予定が台無しになった」
「天候は私たちがどうこう出来るもんじゃないから、仕方ないよ。また今度一緒に行こう」
布団の隙間からずぼっと顔を出した相手の頭を撫でた。湿気のせいでもふもふになる髪が嫌いらしいが、触り心地が楽しいので私は好きだ。私は布団の上から相手を抱きしめる。
「ココアを買ってきるんだけど、飲む?」
「鍋で作るやつ?」
「うん」
「飲む。新しく買った蜂蜜があるから一緒に作ろ」
「そうしよう」
かなり前、
私が
遅刻をしてしまった日の事だ
その時は、
合唱祭の練習日で
教室には誰も居なくて
そういえば
今日、歌の朝練あったなぁ
なんて
ぼんやりと思いながら
席に着いて
周りを見ていた
水筒や開きっぱなしの教科書
散らばる文房具
聞こえない声
時が止まった様だった
私だけが置いていかれて
一人みたいだった
………
そんな事を今
舞台の上で思い出す
日常を失くして
希望を失う主人公
…そこから
幸せな記憶を思い出し
立ち上がる
そんなよくある合唱曲
…今は何故だか
愛おしい
私は歌う
思いをのせて
声が枯れるまで
声が枯れるまで
私はこの声が枯れるまで、この体が使えなくなるまで
あなたのことを想い、叫び続ける
No.155『声が枯れるまで』
声が枯れるまで叫んでも誰にも届かなかった。
じゃあ、何のために声があるんだよ。
『声が枯れるまで』
「僕から離れないで」
行ってしまおうとする彼の手を掴み、膝から崩れつつも、縋り付く。
「ちゃんとやるから!演技も声出しだって、今まで以上にちゃんとやるよ、」
僕を拾ってくれたあの日から今まで手を抜いた事など一度もない。壁にぶつかりそうになっても持ち合いの勤勉さで努力して、励んできた。
「それに…」
目の前の彼の顔を下から見上げる。
「僕は、貴方に全てを捧げてきた、!!…何もかも、貴方が所望してきた物全て!!!」
ーーなのに…なのに、!!なのに!!!!
「なんで離れようとするの!僕はまだ枯れてない。少なくとも声が枯れるまでは捨てないでくれるって、言ったじゃないか、…」
だんだんと声に勢いがなくなって、小さくなってついには、声を出すのを止める。手を離すとゆっくりと、彼は、歩き去っていってしまう。その後ろ姿を見えなくなるまで、ただただ見つめていた。
あぁ、そっか、僕はとうに……。
枯れていたんだ。
ふざけてみせる君が面白くて
おかしくて
声が枯れるくらい大笑いしたあの頃
君はいつから
数字で相手を見るようになったの?
『声が枯れるまで』
僕は彼女を壊した
でも僕は彼女の事を考えていた
怖かったこの幸せが壊れるのが
だからずっと愛し続ける為に壊した
これでずっと一緒だね
ごめんなさい過激すぎたので
◇声が枯れるまで◇
私はWest.というグループを推して約5年目のジャス民です。しかし、高校生までファンクラブに入っていませんでした。高校生でバイトして稼いだお金でファンクラブに入ると決めて、高校2年生でバイトをしてとうとうファンクラブに入れました。そして、LIVEが当選して「award」に参戦しに行きました。あの時の感動は未だに忘れません。一発で当選した上にアリーナのステージの前列から3番目でした。5年越しに生でwest.を見た時、「あ、生きてる」という実感と共に思わず登場してすぐに泣いてしまいました。
初めて生きがいを見つけた感じで、「ここまで生きててよかった」と心から思いました。私は、LIVEに参戦する時に「息をしに行く」という感覚で行っています。ここだけは唯一私が私でいられる場所なんです。声が枯れるまで叫んでました。笑
本当にご本人に直接言いたいくらいです。
生まれてきてくれてありがとう。生きててくれてありがとう。って
♯声が枯れるまで
愛してるって叫べば
伝わるわけじゃない
いくら叫んでも
どうせ届かなかった。
あの人を呼んでも
少しも振り向いてくれなかった。
結局何をしても変わらないんだよ。
ただ泣き喚いて忘れるしかないの。
#声が枯れるまで
かいーー!蚊に食われたーー!
こんな時期になって…
声を枯らして叫びたい!!
(声が枯れるまで)
『声が枯れるまで』
声が枯れるまで歌い続けようと思った。
世界中のファンのため、自分のため。
だけど、本当は私を捨てたアイツに届けたいの。
声が枯れるまで歌い続けようと思った。
血が繋がっていなくても本当の父親だと、家族だと思っていたから。
たけど、本当は淋しさで押し潰されそうになるの。
声が枯れるまで歌い続けようと思った。
「世界一の歌手になったら迎えにきてやるよ」とアイツが言った言葉を信じているから。
あの言葉が、私の生きる全てだから。
たけど、本当は置いていかないで欲しかったの。
声が枯れるまで歌い続けようと思った。
誰か私の歌で癒されるから、世界中のファンが救世主を求めるから。
たけど、本当はもう引き返せないところまできてしまった。
ねぇ、この二年間で世界中にたくさんのファンが出来たよ。世界中のたくさんの人に私の歌は届いたよ。
私が皆を導いたら、新時代を築いたら迎えに来てくれる?
声が枯れるまで歌い続けようと思った。
いつだって貴方に届くように歌うから。
たけど、本当は新時代なんていらないの。
ただただ……貴方の隣りで歌っていたいだけなの。
声が枯れるまで
部屋に一人篭って青白いモニターの前でキーボードをカタカタやってる。テレワークになって2年は経っただろうか。ただ家で仕事をしているだけなのに曜日感覚や時間経過の感覚が薄れていくのは何故だろう。一人暮らしでテレビもない。触れるメディアといえばSNSか。耳が淋しければラジオを聞くこともあるが毎日決まった時間に聞いている訳でもない。本当にただの気まぐれ。
これといった矜持がある訳でもない仕事を毎日決まった時間、カタカタやったら日が暮れている。味なんてあったものではない。無味無臭の劇薬とは己そのものかもしれないと、まるで思春期特有の尖った自我の総称のようなことを思う。それとは真逆で、このままでは風景に同化して消えてなくなってしまいそうなくらい、自我が薄れているようにも思える。こういう時に湧き上がるのが承認欲求なのかもしれない。自分はここにいると誰かに証明してほしい。気づいて欲しい。手っ取り早く済むのはSNSかもしれないが、あれもまた知識と技がないと中々バズれない。と、なると自分の承認欲求を満たすにはどうすれば良いのか。
ただ目の前の画面に向かって叫ぶ。声が枯れても知るものかと、自分でも驚くような大声で叫ぶ。すると隣室からドォン、という怪獣が一歩踏み出したかのような音が聞こえる。ああ、今日も居てくれたか。
玄関の方でカタリと何かが投函される鳴る音がした。モニターの隅にあるデジタル時計を見れば丁度15:00だった。一休みするかとポストを開いて見ればA4サイズのコピー用紙に赤いクレヨンで「67てん」と書かれていた。この前は「40てん」だったから、評価が上がったようだ。ミミズの這ったような字からして子どもだろうか、割と辛口だ。しかしいち叫び手として評価を得られることを素直に喜んでしまっている自分がいる。この波風とは無縁の凪のような生活の中では既にかけがえのないもので、隣室の誰かにとってもそうであったら良いと、密かに願っている。
声が枯れるまで
お互いの名前を呼ぶ声が枯れるまで。
くだらない話で笑う声が枯れるまで。
将来の事を語り合う声が枯れるまで。
話しかける時は「ねぇ」とか「あのさ」とかでいいから。
ちゃんとしてって叱ってくれていいから。
こんな事があったねって思い返してくれたら嬉しいです。
お題 声が枯れるまで
今日は君に会いに行く約束の日。
鏡を見ながら身なりを整えここ最近は
外すこととなかったピアスを外して
この日の為だけにあると言っても過言では無いお気に入りのピアスを刺す。
鞄にはお茶と携帯と少し大きめのハンカチを。
久しぶりだな。1年ぶりか。
社会人になってから学生の時よりも1年はあっという間に過ぎていく。
テストや長期休みといった大きな区切りもなければ
特別思い出になることをしているわけでもないと言うのに。
そんなことを考えながら誰もいない部屋に向かって
いってきますと残して家を出る。
まだ早い時間だから少し肌寒い。
吐く息は白くふわりと空へ消えていく。
そうだ、最近出来たパン屋さんに寄っていこう。
君は最近のここらの事は知らないだろうから。
ここのパン屋のメロンパンがサクサクで美味しくてね。
最近ハマっているんだ。
お花も買っていこう。喜んでくれるといいな。
色々買い物を済ませ君との待ち合わせの場所に向かう。
もう来てるかな。
君はいつも私よりも先に到着してぼーっと時間を潰してたよね。
でも今日は私の方が先みたいだ。
去年もそうじゃなかった?変わっちゃったなぁ君は。私との約束忘れちゃったの?私を待たせるなんていつもしないのに。
誰もいない桜の木の下が待ち合わせ場所。
木の幹をそっと撫でながら
お待たせ
と呟けば堪えられない涙が零れ落ちる。
あぁ、何年経っても慣れないな。
やっぱり君は来ない。
何分経っても
何時間経っても
何日経っても
何年経っても。
止めようと思うほどとめどなく溢れてくる涙。
君は、もう居ないんだ、
痛いほど思い知らされる。
言ってたじゃない。今日この日、この木の下でって。
でも何回来ようと君はいない。
君の名前を何回叫んでも。
私がここでずっと泣いていても。君は来ない。
あ...あぁ............うぅ......
嗚咽とともに気持ちも涙も溢れ出てくる。
私は毎年ここで涙を流す。日が暮れるまで。声が枯れるまで。
ようやく涙がおさまったら
次はお墓参りに行こう。
花はもう萎れてきてしまっているし、
毎年、1日遅れてしまうけれど。
昨日が君の命日だから。
好きなのに行動だけでは伝わらないから手紙を書いた
手紙なら文字が私の心を代わりに伝えてくれる
そう思っていた
でも彼は文字を読むのが苦手な障害を持っている
そんなことを知らない私は
彼に強く問い詰めてしまった
「どうして?なんで答えをくれないの?」
「文字がわからない」
始めはその一言の意味がわからなかった
見え透いた嘘をついていると思ったけど
ネットで調べたら
『ディスレクシア』と出てきた
その説明を読んでいくうちに私が止まらなかった
「なんでわかろうとしなかったんだろう」
親の転勤で引越しが決まった彼に声で訴えた
最後の登校で初めて知った引越しの件
誰もいないオレンジの空が似合う雲が浮かぶ空の下で
私は、声が枯れるまで謝罪の言葉を叫んだ
「ごめんね!わかってあげられなくて。でも!私は」
そして最後にかすれ始めた声に
「好きだよ」を言った
彼は大きな声で
「ありがとう」とだけ言った
その言葉に私は精一杯の笑顔で応えた
声が枯れるまで
泣いてもいいよ
そう言ってくれた
私もそうしたい。
いつか泣けたらいいなぁ
声が枯れる
音が枯れる
心が枯れる
歩みが枯れる
事象が枯れる
見えない見ない
言えない言わない
聞こえない聞かない
「愚か者」を見ては蔑む目を閉じ
愛の欠落した知識を吹き込む口を閉じ
命の声を聞かぬ耳を閉じ
しかしいのちはやまぬ
棄てることも叶わず
逃げてもついてくる
物理の身体のあるなし問わず
気軽な無責任に踊って大切な交差点を見失い
壊れの成就の後に泣く
突き抜ける目をひらけ
ウワツラ丸呑みじゃまさに「愚か者」
叡智と愛とを以て両輪と成せ
オノレの責をただしくあらしめよ
いのちの響きと香を聞け
閉ざしたが故の妄想の霧を払え
「空から罰を受けているのだ」と言うものの
自らを処罰しているだけ
寂しさに涙をこぼしているのに
自分の中に沈む愛も見ず言わず聞かず
鍵を持ちながら鍵があることに気づかない
私がここで声を枯らしても
傲慢な厭世で見下ろすうちは届かぬでしょう
あの子が悲痛に叫んでいても
伝わる命に気づかぬうちは麻痺しているでしょう
「咲く花すら自分を切りつける」と
自分で生み出した花を尖らせる
あなたは無傷であの子たちは血塗れ
自分の観の地獄くらい自分自身に受けなさい
明日の平穏を呟くならば