好きなのに行動だけでは伝わらないから手紙を書いた
手紙なら文字が私の心を代わりに伝えてくれる
そう思っていた
でも彼は文字を読むのが苦手な障害を持っている
そんなことを知らない私は
彼に強く問い詰めてしまった
「どうして?なんで答えをくれないの?」
「文字がわからない」
始めはその一言の意味がわからなかった
見え透いた嘘をついていると思ったけど
ネットで調べたら
『ディスレクシア』と出てきた
その説明を読んでいくうちに私が止まらなかった
「なんでわかろうとしなかったんだろう」
親の転勤で引越しが決まった彼に声で訴えた
最後の登校で初めて知った引越しの件
誰もいないオレンジの空が似合う雲が浮かぶ空の下で
私は、声が枯れるまで謝罪の言葉を叫んだ
「ごめんね!わかってあげられなくて。でも!私は」
そして最後にかすれ始めた声に
「好きだよ」を言った
彼は大きな声で
「ありがとう」とだけ言った
その言葉に私は精一杯の笑顔で応えた
10/22/2024, 6:11:57 AM