『声が枯れるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
300字小説
迷い鳥
登山遠足の昼休憩。山の奥からぎゃあぎゃあと鳥が鳴くような声がする。
「アレには昔、口減らしにこの山に捨てられた子が声が枯れるまで親を呼んで鳥に変わった、という伝承がありましてね。あの声を聞くと迷うと言われています」
捨てられたのに怖い話をつけられるなんて可哀想。私はリュックの、のど飴を山頂の祠に供えた。
中高年登山ツアーの昼休憩。山の奥から可愛らしい鳥の鳴き声が聞こえる。
「昔は人を迷わせるなんて怖い伝承のある鳴き声だったんですけど、最近では迷い人を麓に案内してくれる、なんて言われているんですよ」
秋晴れの下、紅葉に彩られた木々の奥から鳴き声が響く。
「のど飴が聞いたのかな?」
楽しげな声に私は耳を傾けた。
お題「声が枯れるまで」
声が枯れるまで君の名前を呼ぶよ。
どこにでもないどこかにいる、たったひとりの君に聞こえるように。
そのためなら喉が潰れたってかまわない。
君にこの思いが届くのなら。
私は声が枯れるまでカラオケをした。好きなミュージシャンの曲をたくさん熱唱した。
はじめての恋人に、サヨナラを告げられた。
その瞬間、私は笑って「わかった」と答えた。
「こんな時までものわかりいいのな」
「何考えてるかわからんくて、もう冷めたわ」
だって。
最後なら笑顔を記憶されたいでしょう。
だって。
何か反対したら、嫌われないかこわかったんだよ。
好きだから、どうしたらいいかずっと分からずにここまで来たんだよ。
「じゃあな」
告白してくれたときの、優しかった瞳はもうそこにはなかった。
光の灯らない瞳が、最後を物語っていた。
なんで最後くらい、あなたの前で泣けなかったのだろう?
私のこころを、さらけ出せなかったのだろう?
サヨナラしたくないって言えてたら、ほんの少しくらいの愛は遺ったまま記憶されたかもしれないのに。
一人になったこの部屋で
やっと、泣けた……声が枯れるまで。
私たち中学生は今大切な時期だ。
なぜなら文化祭があるから。
その中でも合唱コン。
声が枯れるまで歌わなければいけない。
今日も喉が痛い。
風邪ではない、そう思っておこう。
【声が枯れるまで】20 kogi
いつもずっと、自分の心とは裏腹なことばかりを言い続けてきた。
あまりにも慣れすぎて、自然にベラベラと出てくるもんだから、自分でもそれが本心なんだと錯覚していた。
そのことに気付いた時、本当の声が枯れていた。
― 声が枯れるまで ―
『声が枯れるまで』
誰か私を愛してよ
誰か私を求めよ
誰か私を連れてってよ
声が枯れても届かない私の
儚い夢
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
怖い!助けて!
ねぇ!助けてよ!!
うまく説明できない恐怖が
私の心に爪を立てて
引っ掻く
助けてほしいのに
何もないように
「大丈夫。」なんて。
反比例の本音は
喉にすら届かない
叫んでいるのに
目が、心が、体が…
–声が枯れるまで–
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声が枯れるまで誰かに
好きを伝えたいと思えるほどの
恋情をまた抱いてみたいです
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Theme:声が枯れるまで
声が枯れるまで
声が枯れるまで貴方に言えば良かった。
声が枯れるまで貴方に歌えばよかった。
声が枯れるまで貴方に伝えればよかった。
声が枯れるまで貴方に謝らなくちゃ。
声が枯れるほど愛してたから。
声が枯れるほど涙が出るの。
声が枯れるまで愛してたから。
声が枯れるまで嗚咽が止まらないの。
この枯れた声が治ってしまえば、きっときっと、
貴方のこと忘れてしまうでしょう。
だから声が枯れるまで叫び続けるの。
声が枯れるまで愛してたから。
声が枯れるまで
声が枯れるまで、永遠に貴方の隣で貴方への愛を奏で、貴方の隣で貴方への愛を叫び、囁こう。何時までも貴方だけを愛していると…「恋は盲目」と言う言葉があるがまさにその通りだと私は、思う。何故なら、人は、誰しも、恋をすると、ガラリと見た目や性格、ファッションなど全てがその人好みに変わるから。それに、人は、恋をすると、時に周りが見えなくなる。だからこそ、友達がガラリと変わると、恋人出来たんだ、とか、新しい恋人が出来たんだと分かる。そう、何時だって恋は盲目…それでも、一生をかけて、貴方だけを愛していくの…これからも…ホントに最近、貴方以外の他の男性との妄想とかすると、それだけで吐き気がする程、貴方しか見れないし、貴方しか愛せない体になってしまった…確かに私達は、結構な程、色々な物の価値観が違ったりするけれど、価値観だけが全てじゃないから…価値観が違う、ただそれだけで上手くいかなくなる事なんて無いから…例え、どんなに二人の価値観が違っても、二人は愛し合ってる…それが確かな証拠で、どんなに二人の価値観が違っても、二人が愛し合っていれば、何でも乗り越えられるから。
「声が枯れるまで」
あなたに 私の想いを伝え続けたい
いつだって…
沈みきれないこの想いだけが
悲しみの色となって
僕の心の奥底に根付く
声が枯れるまで…
君の名を叫び続けたけれど
もう誰もそこには居ない
冷たい風が頬を打ち
眩しい光が心を刺す
理不尽なまでに激しい鼓動は
あの日の君を思い出させる
失くした時に頼る先が
見当たらなくて…
君の手を離してしまった
後悔から僕はまた
声が枯れるまで…
君の名を叫び続ける
広くなった部屋にひとり立ち尽くして
じわじわと現実が胸に沁みわたる
離したくないとみっともなく縋って
声が枯れるまで叫びつづけていたのなら
何か変わっていたのだろうか
今になって僕は
悲しみで、声を枯らしている
(声が枯れるまで)
声が枯れるまで伝えればよかった…
どれだけ愛してたか
どんなに必要だったか
声が枯れるまで叫び続けたい
大事な全てを奪ったあなたを許せないと
私は叫んだ。声が枯れるまで。
でも、届かなかった。
叫んだ方向には、誰もいなくて、みんなはもう私よりも遠くへ行ってしまった。
誰も振り返ってはくれない。引き返してもくれない。
所詮こんなものだと、私は絶望した。
ふと目線をあげると、そこには私の大切な仲間がいた。
「あなたはひとりじゃない」
そう言って、私をゆっくり抱きしめてくれた。
私は泣いた。声が枯れるまで。
声が枯れるまで……。
声が枯れるまで、罵りたい。
人生を台無しにした、あのゲス女のことを。
人のおもいを躊躇いもなく踏みにじった売女……犯罪者・今井貞夫の娘、人でなしの今井裕子。
声が枯れるまで……。
人の言うことを聞かずに、熱くなって怒鳴ってばかりいるからだ。
俺は今中学一年生だ。
俺は今日文化祭に向けて歌の練習をしていた。
担任の先生が声を枯れるまで歌え。といわれた、だから頑張って歌おうとした。でも俺のクラスの友達は全然声を出していなかった。だから俺も自分だけ声を大きく歌うのは、恥ずかしくて大きく歌えなかった。だから俺はどうしようと思った。
千冬
声が枯れるまで私は応援をした。
この声が届けばいいなと思いながら。
けれど、その声が彼に届くことはなかった。
何故なら、その彼には既に大切な人が居て、その人の声しか、彼には届いていなかったから。
無駄なことだって、私だって思う。
けれど、私の好きな人を応援しないわけにはいかなかった。沢山の応援の人に紛れ、私は声を張り上げ、枯れるまで応援をした。
「……私、ただ応援してた訳じゃなくて、私の気持ちも一緒にのせちゃってたなー」
帰りの学校のバスの中、一人そんな事を思った。
隣には友達。友達は寝ている。
私のこの気持ちは、誰にも言っていない。
言うつもりもない。
私は自分の気持ちをどうするんだろう。
今の私には、まだ、わからない。
僕は此処だと、此処に居るのだと。
叫んでみよう。
誰かがきっと見つけてくれるはずだから。
恐れることなく、全てを賭けて。
〝声が枯れるまで〟