声が枯れるまで私は応援をした。
この声が届けばいいなと思いながら。
けれど、その声が彼に届くことはなかった。
何故なら、その彼には既に大切な人が居て、その人の声しか、彼には届いていなかったから。
無駄なことだって、私だって思う。
けれど、私の好きな人を応援しないわけにはいかなかった。沢山の応援の人に紛れ、私は声を張り上げ、枯れるまで応援をした。
「……私、ただ応援してた訳じゃなくて、私の気持ちも一緒にのせちゃってたなー」
帰りの学校のバスの中、一人そんな事を思った。
隣には友達。友達は寝ている。
私のこの気持ちは、誰にも言っていない。
言うつもりもない。
私は自分の気持ちをどうするんだろう。
今の私には、まだ、わからない。
10/21/2023, 10:29:54 AM