『声が枯れるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「本当に感極まってしまったというんだね」
「……」
「だからって声が枯れるまで泣かなくて良かったろう」
「……」
「蜂蜜茶を用意しておいたから、飲めそうなら飲んで」
「…ぁぃ」
昨日、泣き女のバイトを2軒回ってきた。こちらは副業にしているつもりもないのに、絶叫具合が上手いからと斎場や先輩つながりで時折お呼びが掛かる。
家族より、友人より、知人より。
見ず知らずの他人を悼むほうがよほど「上手く」泣けるというのは、一体どうしたことだろう。
ただここに横たわる一人の人間が居なくなった世界の、私にとっての変わりなさが、そう、ただどうしようもない悲しみを呼ぶのだ。
同じように、もし私一人が居なくなったとしても、この地上に生きる190億の人間の日常にとって何も変わりはないだろう。そのことを悲しいと思ってくれる人はいるだろうか。一人の人間の小ささを、憐れんでくれる人はいるだろうか。
いつかあなたはどれほど悲しんでくれるだろう。
いつか私はどれほど悲しむことになるのだろう。
そんな思いに捕われて昨日は現場で身も世もなく泣き叫んで帰って来たのだ。2軒目で対面した遺影があなたと年恰好の似た姿だったから、きっとそれでうっかり余計なことを考えすぎてしまったのだ。
…などと一言だって伝えなかったのに(物理的に声も出ないのだけれど)、しょげた顔を見せただけであなたには何かが伝わるらしい。何も訊かれずとも届く優しさに、今は少し甘えることにした。
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「声が枯れるまで」
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所感:
実生活では、声が枯れるのは風邪のときぐらいです。そこまで泣いたり歌ったり叫んだりすることはなかったので、シチュエーションを考えるのが楽しかったです。
…声が枯れるまで…
何度でも呼ぶよ
君が気づいてくれるまで
その名を。
_end_
『親友の失恋』
電話がかかってきたのは夜10時
親友のユウからだった
どうやら彼氏が浮気したらしい
「男って、どうして最後まで嘘がつけないんだろう?
隠し通してくれたら許してあげたのに」
どうやら以前から女の影には気づいていたけど
彼氏から面と向かって謝罪されたことで
疑いが現実になり、別れることにした模様
「でもさ、ずっと疑ったままも辛くない?」
いつものカラオケに到着して
注文した飲み物が届いたら
送信する加藤ミリヤの「SAYONARAベイベー」
「ちょっと、何この曲のチョイスは!?」
今晩は声が枯れるまで失恋ソングを歌って
強がる親友を思い切り泣かせようと心に誓った
#声が枯れるまで
声が枯れるまで
必死に何かを叫べるほどに
何かに情熱を燃やすことは
今はあまりないかもしれない。
何かを本気で思うということは
とても力を使うもので
疲れてしまうこともあるものだから。
けれど、そういうものは必要でもある。
世界に彩りを与えてくれる。
いつか、力を使っても良いくらいに
本当に思いたいものを見つけられたなら
そのものの色に染まってみたい。
声を枯らしたことは、生きてきた中で一度もない。
枯れ果てるまで泣き腫らしたことも、ひたむきに叫び散らしたことも、何かに対して懸命になったこともないからだ。
それは自業自得の怠惰なのだろうか。怠けの証左なのだろうか。
こうして大人と呼ばれる歳になってからも、この自問自答は時折目の前に現れて行き止まりの壁を作り出す。
しかし、私はその壁を自らどうこうしようとは思わない。壁から少し離れたところに腰を下ろし、ただじっと待つのだ。
むやみやたらと張り付いた末、取っ掛かりも見つからないまま背中から落っこちては大惨事。かといって、今は何の手立てもないのだからどうしようもないのだ。
両脚を抱えて、膝頭に頬杖をつきながら、人生の大きな壁がいつの間にかいなくなるのを待つ。
いつか私もなりふり構わず壁をぶち壊そうとする日が来るのだろうか、などと思いながら。
/声が枯れるまで
考えてもそんな激情は思い浮かばない。
続けられる事。
辞めたい事なら、いくらでもあるのに。
でも、それを辞めるために準備しても、
挫折して、
また、辞めるために始めて。
好きではない事を続けているのも自分の責任で、
この人生が続くのも自分の弱さで。
ただ、いつも幸せではないと感じながら、時間を過ごして、いつか消えていくのかもしれない。
でも、長いな。人生。
声が枯れるまで
私は叫び続けた。もう会うことのできない彼へ。
もうこの世に存在しない、大切な彼へ。
声が枯れるまで、叫び続けた。
声が枯れるまで、歌い続けた。
彼が大好きだった曲を。
私はひたすら歌い続けていたけど、もう哀しさがコップから出てしまった。
この恋が枯れるまで
君を想い続け
この声が枯れるまで
君の名前を呼び続ける
どうせ実ることなんてないんだから
声が枯れるまで叫び続ける
あの君に向けて
けど振り向いてくれない
なんで なんで
悲しくなり叫び声が小さくなってくる
うずくまり一人で泣き続けた
すき
大好き
愛してる
ありがとう
まだ言い足りないよ?
だからもっと言わせて
#声が枯れるまで
「声が枯れるまで」
私の彼は、中学2年の時に病気で亡くなった……
私に病気だと隠してた彼。亡くなったことを知った時は辛かった。食事もまともに食べられなかった。
私は薄々気づいていた。彼の顔から笑みが消えていったから。
彼は私に毎日、「愛してる」「大好きだよ」「そばにいるからな」って言ってくれてた。
ある日突然彼からの言葉が無くなる。
彼が私の事大切にしてくれていた。
声っていつか枯れていくんだ。
なら、伝えたい人に伝えたいこと伝えないと……
「ありがとう。私はずっと大好きだよ」
〜物語の説明〜
これは、自分の声が枯れるんじゃなくて、大好きな彼が亡くなって、彼の声が枯れていくと言う物語です。 一般の物語って、自分の声が枯れていく場合が多いけど、彼からの声っていう大切なものが消えると、自分にとってどう影響が出るのか。これかれどうしていけばいいのか、ちょっとでも考えて貰えたらと言うことで描きました。
「愛してる」「大好きだよ」カップルだったり、夫婦なら当たり前に口に出す言葉。
それでも、突然その言葉が消えたら、どうします?
当たり前に口に出す言葉だからこそ、伝えないといけないんです。
そばにいるうち、そばにいなくたっても、今日から思いを伝えて言ってください。
「声が枯れるまで」
別人のように憎しみに満ちた目をした君を見て、僕は動揺した。
君の手が握りしめてくしゃくしゃになった楽譜と、掻きむしられて赤い爪痕だらけの首。
掠れた息で必死に何かを伝えながら、君がこちらに歩いてくる。
うん、うん、歌いたかったね、でも歌えなかったんだね。
僕の傍に来て崩れ落ちた君の泣き声は、やっぱりひとつも音にならなくて。
声を枯らすことも叶わない、君の努力は行き先を失った。
声が枯れるまで、歌を歌った。
まだ、まだ、まだと、練習練習
あなたに、見てもらうために
「凄かったよ、優勝おめでとう」って、言ってもらうために
でも、でも、結果は5位
でも、でも、あなたは褒めてくれた
「凄く良かったよ 5位なのがおかしいって思うくらい!」って
嬉しい
でも、もっと練習する
あなたに、表彰台に乗ってる姿を見てもらうために
心がうずうずかゆくてもどかしい
だけど心地よく清々しい
声が枯れるまで叫んで
叫んで
涙が枯れるまで泣いて
泣いて
それでもなお
あなたが恋しい
それでもなお
あなたが愛おしい
初の小説です。
声が枯れるくらい、私は貴方に「好き」を伝えたかった。
貴方は、いつでも笑っていて、どんな事があろうと、楽しくやり過ごすし、知らない子とも仲良しだった。
そんな貴方が、私は大好き。
ねえ、貴方は、私の事好き?
「好きなのに…好きなのに…」
気持ちを伝える勇気がない…。
「ねえ、今の気持ち、伝えられないの?」
「え…」
どうして、貴方が…
「貴方は、私の事好きですか…」
「えっと…ごめんね…そういうのちょっと、わかんないからさ。」
ああ…私の恋はたった今、終わっちゃったんだ。
なんだか、「声」って、私の恋を終わらせているみたい。私の感想なんだろうけど…。
声は、何のためにあるのかな。
こんなのいっそ、枯れてしまえばいいのに。
↑ホラーになってしまいました。すみません!
皆さん、「声」は大事に使いましょうね。喉が痛くなったら、薬などで対処しましょう。
お題 声が枯れるまで
声が枯れるまで
ごめんって伝えたら
貴女は許してくれますか?
声が枯れるまで
精一杯歌えば
貴女は気づいてくれますか?
たった一つの隔たりは
何よりも分厚く固く
どれだけ
私が思っていても
届かない
話したい
ただ話したい
もう一度
話したい
届けたい
私の思い
届けたい
奏でようとしている
たった一つの
小さな歌も
届かない
声が枯れるまで
貴女を呼べば
貴女は気づいてくれますか?
「声が枯れるまで」
涙が出るまで、
笑顔が尽きるまで、
心が折れるまで、
声が枯れるまで、
自分が死ぬまで。
#声が枯れるまで
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
この声が枯れるくらいに
君に好きと言えばよかった
会いたくて仕方なかった
どこにいても
何をしていても
もう二度と戻らない恋
痛みだけがちょっと動いた
#青いベンチ(サスケ)
―・―・―・―・―・―・―・―・―・―
声が枯れるまで
キミの名前を呼び続ければ
思いが届くのかな?
こんな不確かで馬鹿げた事でも
この思いキミに伝えられるなら
本気で欲しいものがあるなら
馬鹿げてたっていい
笑われたって
誰にも負けないくらいの馬鹿になる
後悔したくないから…
🌈黒猫のつぶやき🌈
馬鹿にもなれないで
欲しがるだけなら
きっと後悔するよ
声が枯れるまで、伝え続けたい。
今、自分のそばにいてくれている人がこの先も一緒にいてくれる保証はどこにもない。もしかしたら、自分の想像よりも長い間ともに過ごすことができるかもしれないし、別れが突然訪れるかもしれない。本の中で印象に残った、こんな言葉がある。
大切な人が突然目の前からいなくなった時
もう一度会うことが出来たら何を想うのか
わたしは何を伝えようと思ったのか
もちろん、いなくなった人に会えることなんてない。だからといって、いつも終わりを意識するなんてできないし、誰もしたくないだろう。
大切なことは、終わらないように努力することだ。関係がこじれたとき、放っておかない。
相手が何を思って、なぜそう行動したのか、私はどうすべきか、どうなりたいのか。
きっと気持ちを重ね合えるのは今しかない。
未来に対して期待するのではなく、今の自分に問いかけるようにすべきなのだ。
私は自分が毎日当たり前に一緒に過ごせる人に自分の想いを伝え続けられる人でいたい。