『喪失感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
嫌われたくなくて
自分を出せずにいたら
相手もそうなって
ぎこちない関係になる
そして次第に離れていく
「喪失感」
喪失感、
終わりを知らせるように、
入道雲がかなとこ雲に、
入道雲の味は秋日和、
かなとこ雲の色は彩星、
空を見上げて月が出る、
夕日に照らされる月は、
僕に移っていた、
遠くの空で鳥が飛び、
雨の匂いと一緒に焼きたての甘い赤子が私を攫う、
見上げるばかりの晴天で、
空は曇りがち、
朱色に染められた布の端を静かに切り取る、
散りばめた星屑を手で集めても、
鉛丹色の雲が覆いかぶさる、
終わらない静かな時間に、
終わりを告げる、
今夜は私を蔑む。
✡❧
喪失感か、だいたい人間の欲望・願望なんて際限がないから、年齢を重ねるごとに喪失感が雪だるまのように巨大化しがち。
現在できることには限りがあるので、そういうことにしっかり向き合うことしかできないし、それで合格なのに。
【喪失感】
医者のせいで俺の大切な人が死んだ。
過去にも、一人の大切な人を失ったことがある。
一人目は、俺がこの手で殺した。
二人目は、他人の医療ミス。
二回も大切な人の心臓が破裂する瞬間を見た。
一回目は実際に俺がやって、二回目は画面越しに。
ああ、俺が手術をしていなければ助かったのに。
ああ、俺が手術をしていれば助かったのに。
【喪失感】
その言葉が当てはまる感情を私はまだ知らない。ような気がする。
大人を四半世紀やってきてもまだ出会ったことがないのか、それともその言葉より先に踏み込みすぎたのか。
いずれにしろ、そういえばその言葉を自分で使ったことがない。
落としてしまったもの、置いてきてしまったもの、その席が空いてしまった存在、取り戻せない光、枯れてしまった花、二度と会えないひとたち。
時間の経過が早まるほどに驚くほど次々消えていくから、自分の感じるそれをその言葉で表現する機会がなかったのかもしれない。失くすことに慣れていくわけでもあるまいし。
俺は喪失感に襲われた。まるで心にぽっかり穴が空いているようだ。「おい大丈夫か!?あいつ心臓を撃たれてるぞ!」(54字縛り)
喪失感
喪失感
気味の悪い喪失感です。そう、後味の悪い喪失感、あゝ気持ちが悪い。大切だった私のお兄ちゃんが死んじゃって学校やら自分のことを優先した私を私が恨むような人生なんてみんなは歩まないようにと、願っております。
ごめんね、私の大好きなお兄ちゃん。犬と人間の差を超えた絆だったと思いたいのです、きっとそうだと。来世はまた出会えるといいけど私は地獄に堕ちるかもだからお兄ちゃんは先に幸せになって下さい。どうかお願いいたします神様。
きみはある日突然動かなくなった。
触れても押しても、何をしても反応がなくて、ぼくは酷い焦燥感に駆られた。長い付き合いの相棒がそうなったことには喪失感すら覚えた。
なんだかんだ言って10年以上の付き合いだったから「なんとかロス」みたいな症状が現れることも懸念していた……もっとも、これは杞憂だったけど。
いずれ慣れる。そう思って、ぼくはきみのいなくなった生活を受け入れようとしていた。
けど、どうしても踏ん切りがつかなくて、きみと正式にさよならすることだけは出来なかったんだ。
大丈夫、きみのいない生活にはいずれ慣れる……そんなことを何度も何度も心の中で思っていたくせに、本心では慣れるつもりなんてなかったのかもね。
奇跡が起こったのは1ヶ月ほど経った時だった。
ぼくは未練がましくきみに触れた。もう動かなくなったはずのきみに……。
この時の感動は未だに忘れられない。
カチッ、と音がして、きみが動いたんだ!
ぼくはそれが嬉しくって、何度も何度もきみに触れ、動くことを——生き返ったことを確認した。
間違いない、生きてる!
たまに反応がなくなるから、まるで動かなくなった過去なんてなかったように、とはいかないけど、間違いなく生きてる!
ぼくは歓喜とともにこう呟いた。
「おかえり、3○SのRボタン」
空っぽに染み込む
ノクターンは雨音
美しい音を奏でて
もう少しこのまま
何も出来ない私を
まだ動けない心を
街に溢れるノイズ
聞こえないくらい
強く降ってお願い
こうしていたいの
もう少しこのまま
『喪失感』
慣れとは怖いもので、
その物事が当たり前にあると錯覚してしまう。
人間は愚かだ。
当たり前なんてものは存在しないのに。
自分がいるその環境。
周りの存在。
自分が今できていること。
少しでも安心してしまったら、気を緩めちゃって。
すぐに甘えちゃってさ。
全てにおいて
誰かの支えがあるからこそ
誰かがいるからこそ成り立っているのに、
忘れてしまう。
あたかも自分が頑張ってるからこその状況だと思ってしまう。
何事も、ある日突然消えるかもしれないのだから。
その時その時が最後のチャンスだと思って生きていきたいよね。
ー喪失感
久々にウチの最寄り駅の隣の駅に行った。
ない…?ない、ない!
お気に入りのピザ屋が丸々無かった。
夫婦でやってたピザ屋さん。
生地が薄くてパリパリして
具が上品に乗ってたピザ屋さん。
何か自分の中で特別なとき
奮発して食べた、美味しくて涙した
メニューたくさんあっても
マルゲリータばかり注文してた
あのピザ屋が…。
少し先には超有名なピザ屋が生えてた。
そ、そうか。そうだね
仕方のないこと。
ただ、一つの心残りは
オススメのしらすピザを
一度位は頼んであげれば良かったなと。
(喪失感)
始発電車で出勤して、午前様で帰宅するだけの毎日。
朝にこれ以上の余地は残ってないだろうと思っていても、帰宅時には喪失感を抱えて玄関に倒れ混む。
もう、失う心も感情も削り取る余地なんてないと思っているのに、何処にあるんだろう。
倒れた玄関から起き上がれない
まだ迷ってる
自分が見つからない
どこへ行けばいい?
何をすればいい?
誰でもいいから教えて
時間ばかりが溶けてゆく
なにもない
なにもない…
なにもない…?
お題『喪失感』
→『彼らの時間』5 ~来し方行く末①~
会議が終わった後、自称・広報部長(広報一人だけ)に話しかけられた。
「前から思ってたんですけど、綿貫さんのそのメガネ、格好いいっすね」
登録上・代表取締役の僕は眼鏡を胸ポケットに入れた。軽い乱視を補うためのもので、近くを長時間見る時にしか使っていない。「どこにでもある黒メガネだよ」
「あっ、そうだ。今度のウェブマガジンのインタビュー、そのメガネかけてくださいよ。読者ウケ良さそう」
広報部長さんが去って、僕は会議室に一人残された。今まで気にしていなかった眼鏡が、胸ポケットの中で急に重量を増した気がした。
ダイニングテーブルでヒロトくんと向かい合っての夕食。
「ヒロトくん? 今度の週末って空いてる時間ある?」
ヒロトくんが作った明太子パスタ、美味しすぎる!!! カフェでバイトを始めてから、ヒロトくんの料理の腕はメキメキと上達していた。大学生活とアルバイの両立ができるなんて、さすがはヒロトくんだ。僕なんて起業でバタバタして高校生活おざなりだったのに。当時のこと、ほとんど覚えてないや。
「土曜はバイトだから日曜なら。何? 買い物?」
ヒロトくんは蕎麦のようにパスタを箸で啜った。そんなに口いっぱい頬張って! く、口がハムハムしてる。ハムスターも裸足で逃げ出す愛らしさ。あぁ、僕、眼福でお腹いっぱい。
「メガネ、買いたくて」
「カッコイイの持ってんじゃん。壊れたなら修理に出せば?」
「あー、気分替えたいなぁって」
「見事に棒読み。その場しのぎヘタすぎ」
ヒロトくんの箸が止まった。「ワタヌキコウセイ?」と優しい呼びかけが僕の背中を押す。僕はポツポツと白状した。
「……あのメガネ、父さんがフレームだけ新しくしてくれたの、忘れてたんだ……」
「思い出したから買い替え?」
ヒロトくんの落ち着いた声は、僕の心に雫のように落ちて波紋を広げる。波紋がさざ波を立てて僕の言葉となってゆく。さわさわさわ……。
「か、彼はもう再婚して新しい家庭を持ってる。それなのに僕が彼との思い出の品を持ってたら、さ……」
あぁ、感情のさざ波が大波となって押し返す。「こ、今度のウェブマガジンのインタビューにあのメガネをかけなきゃいけなくって! そんなの、もし父さんが見たら!!」思い出す、彼の震える背中、涙声。「何がカミングアウトだ、ふざけるな」その失望、喪失感。ごめんなさい、ごめんなさい、父さん……!
「嬉しいと思う」
「へ?」
ヒロトくんの声がビッグウェーブのようにすべてを飲み込んだ。えっと??
「二人の仲が拗れてるってのは前に聞いたし、長いこと会ったりしてないんだろ? じゃあ、お父さんがウェブマガジンで、思い出の眼鏡のワタヌキを見たらさ、なんだかんだで感涙もんじゃね?」
常夏の太陽ですか? この人……。
「ヒロトくんは優しいからそうやって何でもいい方面に物事を考えてくれるけど、そうじゃないこともあるじゃん」
「過去って感情脚色の記憶だし、それを未来に引きずっていくことはないと思うってのは無責任すぎ?」
あれ? ヒロトくん、また口をもぐもぐしてる? ハッ!? 僕のパスタ、ヒロトくんに食べ尽くされてるよ!? まったく、もう……! 油断も隙も無いんだから! ホント、ヒロトくんは、もう……ありがとう。
その夜、夢で高校の卒業式を思い出した。家に帰ると、父がリビングで僕に背中を向けて座っていた。机に眼鏡ケース。
「昴晴、メガネ、新しくしといたぞ」
カミングアウト以降、彼との会話は皆無だと思っていた。そうか、違ったんだ。これ、忘れたくないな。朝一番で、ヒロトくんに話したいな。
テーマ; 喪失感
喪失感
まだ何処かで探してる
ボーとして
あの子がいる世界を旅してる
毎日、喪失感だらけで
私はよく
うつ病にならないもんだ!
このたくましさが
憎たらしい!
【喪失感】
フリマアプリで大体100000円。
それと二度と手に入らない、金額で言うなら青天井の思い出。
それが私の手放した、捨ててしまったものの価値だった。
あの時守れなかった大好きの証たち。
推しのグッズを大量に並べた、見ているだけで幸せになるような棚。
ある日お母さんは宣われた。
『あんたもうあんなものから卒業したら?』
『お金の無駄よ、高いんだし』
衝撃で反論できなかったのを肯定ととられたのか。
次の日には全てなくなっていた。
少しずつ買い集めたトレーディングカード、クレーンゲームがうまい友人に頼み込んでとって貰ったフィギュア、自作のキーホルダーに誕生日に絵のうまい友人から貰った額縁に入れておいた最高のファンアート、縁日のくじ引きでダメ元で引いてみたら来てくれたぬいぐるみ。思い出の詰まる品々。
私は静かに泣いた。
守れなくて、ごめんなさい。
反論できなくて、ごめんなさい。
そんな、私にとっては恐怖しか感じないようなことをしたお母さんが怖くて。
なんでそんなことをしたかなんて聞けるわけもなかった。
現実に置いておけば奪われる。
そう直感した私は画面の中に救いを願った。
課金なんてしたらバレてしまうから頑張ってポイ活して貯めたポイントを注ぎ込んで依頼して、似姿のアイコンと壁紙とを手に入れて。
それはそれでとても嬉しかった、依頼させていただいた人はずっと憧れている人だったのだから。
けれど毎朝、私は思い出すのだ。
からっぽになった棚を見て。
沢山の好意と繋がりの証を喪って、私にもからっぽの穴が空いていた。
学校に行く前、かならず推しに声をかけていた。
『いってきます』『ばいばい』
大切なルーティーン。
だけどからっぽになった棚に声をかけてみても、心は空虚なままだった。
画面をスクロールして、名残惜しく見つめてからポンと閉じる。
年をかさねて大人に成長した今になって買い集めても、あの時のあの子達は戻らない。
からっぽを抱いた、声を圧し殺して泣く従順だった子供の私はいつまで進めないままでいるのだろう。
私はいつまで戻らないものを探しているのだろう。
心にぽっかりと穴が空く
パズルのピースが外れたように
私がいなくなってからあの子がどれだけ私を想っていたかが分かるのは
切なくて寂しくて、けれどちょっとほっとする
「喪失感」
君がいなくなったあの日からずっと
僕の喪失感は消えない。
セミナーに参加した
もともとセミナーと言うものにはあまり興味がなく、反対に不信感の方が大きい
観光を兼ねたそのセミナーに
旅費を払うから一緒に行ってと頼まれた
旅行と聞いてすぐにOKしたものの
よくよく聞くとベストセラーも出している人気の女性、セミナーの倍率も高く中々参加出来ないらしい
私が全く興味がない事を知っているので、せめてファンのふりをしてくれと言われYouTubeを見て勉強
自分の経験と考え方だけで人を魅了して
セミナーを開き、集客
参加者は目をキラキラさせて前のめりで聞く、一言も聞き逃さず受け入れようとする参加者が見ていて怖かった
確かに話は面白かった、元々疑って聞いている私でさえ少し引き込まれた
否定はしないし、人生のプラスになればそれで良いとは思う
話が終わり参加者の数人と話をした
誰1人も話が合う人がいなかった
同じことばをきいているようで、理解はさまざま
挙げ句の果てに今は亡き事故死した知名人がまだ生きていると言い張る
なんだこの集団
やっぱりセミナーはよくわからない