『喪失感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
"喪失感"
小さい頃、大好きだったうさぎのぬいぐるみがあった。模様は黒のハチワレで、片耳の先が垂れたうさぎのぬいぐるみ。大きさは今の俺の、両の手のひらに乗っかるくらいの小さいやつ。そいつに『はな』と名付けて、いつも両手で持ちながら(学校以外の)色々な所に持って行っていたし、勿論寝る時も一緒だった。
けど、ある日突然はなが居なくなってしまった。1ヶ月位だろうか、リビングでも部屋でもずっと泣いていた。親が心配して、俺の好きな物を作ってくれたり、俺の好きな場所に連れて行ってくれたりしたが、1ヶ月位は何を食べても味がしなかったし、何を見てもモノクロのようだった。自力で何とか吹っ切れたが、喪失感は完全には消えてくれなかった。
何でこんな事思い出したのか。それは前に、俺がもう一度仮面ライダーになる前、うちに入り浸っていた猫が、はなと同じ模様をしていたから。首輪を付けていたから何処かの飼い猫だったのだろう、ニャーニャーとよく鳴く猫で、気が散るし鬱陶しかったけど何だかんだ憎めなくて可愛かった。その猫は今も入り浸っている。まぁそいつ、普通の猫じゃないし。取引を持ち掛けられた時に変な世界に連れて行かれて、姿が変わった上に人の言葉も喋るし、バスになったりもしたし、戻って来た後鳴き声じゃなくて人語になってたし、猫より化け猫って言った方がしっくり来るけど。
死んだ。
私の、夫が。
突然のことで、頭が回らない。
子供はどうするの?
貴方の大好きだった、手芸は、もうしないの?
机の上に置いてある、あの作りかけはどうするの?
なんでだろう。
心に空いた穴に、重くて暗い風が、通り過ぎている。
当然、埋めるものはない。
ついさっきまで、この我が家で、冷たい中華素麺を食べて、
「お父さん、きゅうり入れすぎだよ」
とか
「今度はカニカマとハムも一緒に食べたら美味しいかもね」
とか、言っていたのに。
少し遠くの公園に忘れてきてしまった、
彼から貰った、花柄の可愛いバックを、
車で取りに行ってくれた。
着いて行こうとしたら、
「いや、悠太と一緒におって。外も暗いし、悠太もお留守番は寂しいやろ。」
と、拒否された。いや、優しさだ。
「行ってきます。悠太を宜しく」
という言葉が、最期だった。
でも、最期だなんて、本当は思いたくない。
今にもひょこっと帰ってくるんじゃないか
と、思ってしまう自分を、
責めればいいのか、慰めればいいのか。
それすら、考える頭は無かった。
でも、宜しく、というのは、そういう意味なのかな。
御題:喪失感 2023/09/10
喪失感
それを感じるのは
今まで自分が執着していたことから離れる時より、
誰かに執着されていたことがなくなった時の方が
感じる気がする
18日目
とんでもない喪失感が私の体を駆け巡る。
大切な人。
大切なもの。
大切な記憶。
何もかもを失ってしまった感覚。
忘れたくないと思う人まで忘れてしまったような感覚。
この喪失感はなんだろう。
思い出したいという気持ちと思い出したくないという気持ちが私の中で葛藤する。
思い出すことが良いことなのか悪いことなのかそれすらも分からなくなってしまった。
ここで初めて私は自分が自分自身とちゃんと向き合えていないことを理解した。
この喪失感を体から消すためには、私は私自身とちゃんと向き合わなければならない。
ネオンの照らす街のような
ある晴れた昼下がりのような
思い出を重ねた私を見たような
一生この場所にいたくなったあの時みたいに
テーマ 喪失感
ふとした瞬間に訪れる、なんとも言えない喪失感は、私を蝕んでいく。何を喪っているというのだろう。何を得たかもわからないのに。ずるりとなくなる何か。わけのわからないもののために私は泣く。
僕らは今まで何を見てきて、何をしてきたんだろう。
そしてこの道はどこへ繋がっているんだろう。
僕はこの先も君の隣を歩いて行けるのだろうか。君の歌を聞くことができるんだろうか。
君を…失わずにいられるんだろうか。
心臓がバクバクする。失われるかもしれない未来を考えるだけで息が苦しい。
それは強い喪失感。
そんな難しい言葉も君が教えてくれた。
そんな、君を。
「大丈夫だよ」
君はそう言っていつもみたいに笑う。
僕の手を握るその手もまた、震えているのに。
大丈夫だよ。
僕は頷く。
頷く。
▼喪失感
好きなことをしても誰かと話しても寝ても消えない喪失感。幸せな生活で満たされているはずなのに消えない。別に何か特別なものが無くなったわけじゃない。今までだって何人も友達が転校していたのに今回だけなんて不平等じゃないか。
君が居なくなっただけでこんな喪失感なんて。
歴史
時間が経つにつれ
蓄積するのは物だけではなく
目に見えない宝物
目に見える現実
失ったという事実
夢を見たままならば
わからなかった真実
全て成長の証
※喪失感
喪失感
なにか大事なものをを失った時
人は喪失感覚を覚える
大好きな物を壊した時、失くした時
大切な人が離れた時、亡くなった時
ああまた一つ、なくなってしまった、と
それが「もの」である以上、いつかは終わりが来る
それが今だったのだ、と
人はそれらを経て成長するものなのだ…きっと
そう、信じている
ある日突然消えてしまった
思い出が次々と浮かんでは消えていく
写真の中の笑顔を眺めながら
失った現実が心に重くのししかかって
もう二度と会えないのだろうと実感した途端
悲しみが込み上げてくる
「会いたい…」
言葉にした途端に
言いようのない喪失感が押し寄せて
押し潰されそうな思いは
消えてくれるのだろうか…
喪失感
何かを失うことで
わたしたちは少し大人になるのだと
どこかで聞いた
失った悲しみは
同時に
幸せな悲しみかもしれない
幸せな時をすごせた思い出は
わたしが生きるかぎり共にあるから
おそろしいほどの喪失感に
打ちのめされながらも
忘れたりするものか
あなたとの思い出は
わたしの人生の宝物だから
偶然ではあれど、それは必然だったのだろう。君に出会い、多くの知識を得た。君が笑うと、私はつられて笑った。君が泣いても、私は泣けなかった。君が私を守れば、私は君を支えた。君が死ぬ時、私は生きる事を選んだ。
私は、体の左側の感覚が失われるのを君の死によって自覚した。少し違う私達、けれど、どこか同じだった私達。
生きるのならば、喪失感は共にあれ。
お終い
嗚呼、痒い。
痛痒くて堪らない。
利き手でなければままならなず、如何ともし難い。
開かれぬ暗闇の中で、彼方此方へと彷徨わせてみる。
傍から見たら滑稽、なのだろうか。
誰か、私の×をさすってはくれまいか。
『喪失感』
一人で物思いに耽る時間は、
今の私には必要なくなった。
貴方のことを考える時間は、
最早昔の私のものになった。
日々の習慣は一つ消えたが、
不思議と喪失感は抱かない。
その理由は今隣にいる君が、
その身を以て示してくれる。
ちょうど今
僕のことを
わかってもらえてると
思っていた人に
僕の話しをしたところ
通じなかったんだ
この時感じたこと
ショックだよね
これは
相手に期待していたんだな
結果を期待する
執着
これをまだ持っていたんだ
自分が映し出しているだけの映像に
まだ首を突っ込んで
体験しかけていた
深呼吸ふぅ〜
そして
心地良くない感情を受け入れて
軽やかに手放したところなんだ
相手は変わらない
既に
選んでいる先が違っている
僕は僕の心地よさだけに
意識を向けて生きていく
さてさて
関係性がはっきりしたのだから
軽やかに離れていこう
今までありがとう
〜喪失感〜
卒業式が終わり、迎えた朝。
気がつくと涙を流していた。
あぁ振られたんだった、、、
もう会うことなんてないのかな?
あぁ君がしてくれたこと、君がかけてくれた言葉
全部全部忘れられない、、
永遠の片想い
失った
喪った
大切な男(ひと)を
大切な仲間と
大切な私達の国も
喪失感に打ちひしがれ
我が身を掻き毟っても
失ったものは戻らない
あぁ、恨めしい
私達の国を壊す人間が
あぁ、憎い
私の大切な男を仲間の命を奪った裏切り者が
あぁ、苦しい
身を焼け焦がすほどの虚しさと我が身に宿る殺意が
あぁ、哀しい
築き上げた私達の理想の国、未来を奪われた事が
渦巻く感情と衝動に抗う術はなかった
私の心、全てを捧げた夫、
シュウ様がいなくなってしまったのだから
この身が悪に堕ちることを
止めることなど出来なかった
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浅草鬼嫁日記より
茨姫
有り余るほどの
幸せなんて求めてないけど
あなたがいない…
ただそれだけで
隙間からこぼれ落ちる
埋められないなにかが
あなたの名前を繰り返す
#喪失感
喪失感
祖母の横たわる棺が燃えたあと、小さな骨と灰だけが視界に映った。
葬儀スタッフが「こちらは喉仏様でございます」「こちらはお膝の骨でございます」と淡々と説明して拾っていく中、こんな事態でさえなければ鑑定士としての彼の手腕を褒め称えたいとすら思った。
生前、祖母は「般若心経はね、死んだらみーんな空っぽになってしまうって言ってるんだよ」と話していた。
色即是空だとか、御念仏を唱えさえすれば阿弥陀様に救って頂けるのだとか、祖母の言っていたそんなことを骨の移動を見ながら考えていた。
祖母は、空っぽになってしまったのだ。
ここに骨はあるけれど、極楽浄土だかどこかに渡ってしまって、もうどこにもいないのだ。
「それでは喪主様、最後に頭の骨を入れて頂けますか」
灰の中から拾い集めた、綺麗な薄い骨の蓋が納められるのを見ようとしたその瞬間、無粋にも「では御箸を回収させて頂きまーす」とスタッフが横切った。
がっかりしたような、でも空っぽなのだから瞬間を見逃したところで意味はないのだと自分を慰めながら、小さくなった祖母の入る白い箱をそっと撫でた。