『君は今』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は、学校の行事で1(10)月にスキー教室に行きました(20)。朝早く起き、家を早く出ました。その時は風が冷たく、朝の匂いがしました。友達との初めてのス(30)キーだったのでとても(40)ワクワクしました。バスで長野県に着いた時はとても寒く感じました。ま(50)ず、1日目は、スキー(60)の乗り方から始まりま(70)した。初めてだったのですぐに転びそうになり、怖かったのと緊張が沢山ありましたが、(80)少しずつ慣れていきま(90)した。スキーをしている時、長野県に着いた時はとても寒く感じましたが滑っているときは、風が気持ちよかったです。2日目の午前は(100)、リフトまでスキー(110)で滑っていきました。(120)その時に見えた風景は(130)東京ではなかなか見れ(140)ない綺麗な高い山が写(150)っていました。午後も(160)同じように滑っていま(170)した。ですが、吹雪に(180)なりあたりは真っ白で(190)冷たい雪が頬にあたり(200)痛かったのと、吹雪で全く見え(230)なくなりました。なの(240)でその日は危ないため(250)スキーが終わってしま(260)いました。3日目の最(270)後の日、私はスキーを(280)全力で楽しみました。(290)いちばん高いゲレンデ(300)に行きました。そこか(310)ら滑りました。その景色はこの3日間の見た中で1番きれいな景色が目に写り感動しました。そして最後だったので先生の真似をして滑っていて調子を乗っていたら友達とぶ(330)つかってしまいとても(340)痛かったです。でも、スキーはこんなに楽しいスポーツなんだと、実感しました。347帰りのバスで行きと同じところを通ったはずなのに違った風景に見えました。35富士山も見え、夕焼けがとても輝いていて綺麗でした。帰りは友達と帰り、35長野県の寒さと東京の寒さは違いました。とても楽しかったです。513
おじいさまへ(テーマ 君は今)
あなたは今、どこでどうしているのだろう。
何年も前に亡くなってしまったお祖父様。
この世のどこにもいなくなっているお祖父様。
墓地の墓石の中にいるのだろうか。
それなら、月に一回は墓地に行き、花を備えてお墓を掃除するだろう。
そして、話せなくなったあなたの代わりに、色々あったことを話すだろう。
家の仏壇の中にいるのだろうか。
それなら毎日線香を上げて、あなたの安らぎになるならお経も覚えよう。
天国とか浄土とかだろうか。
それとも、最近流行りの異世界転生?
あなたは真摯で真面目な人だった。
あなたは明るく場を明るくできる人だった。
そんなあなただから、天国でも異世界でも、きっとやっていけるとは思う。
元気でいればいいけれど。
………
それとも。
どこにもいないのでしょうか。
バラバラになって水や風に漂ったり、何かを構成する一部になっているのでしょうか。
そして、私の知る、あなたをあなた足らしめる魂とでも言うべきものは、私の記憶の中にしか、頭の中にしかいないのでしょうか。
どうかどこかで、続いていてほしい。
たとえ、二度と会うことが叶わないとしても、私を優しく育ててくれたあなたが、ただいなくなり、消えてしまうなんて、考えたくない。
それが死というものだと、多くの人は言うけれど、皆はなぜそれに耐えられるのか。
私を愛してくれた人も、私自身も、周囲の人は皆、100年も経てばバラバラになって消えてしまうなんて。
この世界はあまりに辛い。
だから、今日も私は仏壇に手を合わせて、『そちらはどうですか』と心の中で問いかけるのです。
例え返事がないとしても。
君は今 何してるの?
友達もいなくて孤立してるだろう…
孤立は嫌だよね?寂しいよね?
今の自分も寂しいところもあるよ
それはね、今までいろいろなことが起きたから
人生ってそんな甘くないね
厳しいね そして、つらいのよ
それでも頑張って生きていかないといけない
頑張って!お前ら!君たち!私たち!俺たち!
お前らはなぁ きっと良いことして幸せに生きてるんだよね
羨ましいよ!うぅ。。。うぅ。。。
その心 俺たち、私たちにくれよ!
絶対奪いに行くからな!いつか
何年後かな 必ず奪いに行くから!
覚悟してろよ!!!
意識してない人は見逃すと奪われちゃうぞ?笑
仲間が作れないやつの気持ちが分かる人には
なんか悪いことでも考えてるのよねー
どうしてだと思う?
弱い人だと思ってそこから弱い者いじめにいくから
いじめってほんと嫌よね
いじめなくならないよねー
なくなってほしいわ!
いじめが邪魔して勉強が遅れるんだよ!(怒)
いじめが邪魔して体力(筋肉)が落ちてくるんだよ!
そして、トラウマになって恐怖で筋肉が縮んでくるし、
いじめる人は学校に登校してくんな!めっちゃイライラするんだよ!!
いじめてくるやつに
人をいじめたらいじめられる側は凄く苦しんでるんだよ
凄く心に傷ついて痛くて
そして、それでも頑張って学校に登校してくる人もいるし、不登校になってしまう人がいるの!
分かる?人をいじめてるやつら!!
わかんねぇやつは頭が悪い人だよ
いじめるやつらは、優しさとか思いやりが知らないからなんだよ
いじめられる人は頭は悪くないよ!頭が良いのよ!
悪いのはいじめるやつらだからな!気にしなくていいよ
今、読んでる人で分かる人は心理学学んだほうがいいよ
おすすめです!
そして、臨床心理士とか公認心理士になったほうがいいよ
あ、まだ学生の人はね
あと、無職とかにもおすすめするよー
君は今
第一章 あんた
「あんた、俺のことを一度でもいいから愛してくれたことがあったのか?」
俺は生まれて初めて母のことをあんたと呼んだ。
俺がこの世に生を受けると、程なくして父親は女を作って行方をくらましたらしい。母は仕事や家事に忙しく、俺のことに構っている余裕はなかった。家にいる母はため息ばかり、あれで接客が出来るのかなと子供ながらに思ったものだ。
そんな母に新しい男ができると、俺は疎まれ出した。
「あんたさえ生まれてこなければねぇ」などと、俺に聞こえるように独り言を言うのだ。そして男になけなしの生活費を持ち逃げされた時、母の気は触れた。
母は強引に睡眠薬を俺の口に押し込もうとしたので払い除けると、俺は冒頭の台詞を言った。
「タクミお願い。私と一緒にあの世に行ってよ!」
そう叫びながら、母は包丁を俺の横腹に突き刺した。
俺は横腹に包丁をぶら下げたまま、母の首を絞めた。
「自分一人で死ぬのが怖いからって俺を巻き添えにすんじゃねぇよ、いいか?何度生まれ変わってもあんたのことをこうやって殺してやる。殺してやるからな。」
第二章 貴様
私は、ユーバンクス王国、紫騎士団の団長、オイラー・パルコラム。我が軍団はヒーガント国との戦も優位に進め、ブルーノ砦も簡単に陥落させられるだろうと思われていた。
しかし、青い甲冑に身を包んだ一騎の兵士に手こずり、損害を拡大させていた。私は戦況を打開すべく現地に赴いた。
「あれが青の騎士か?遠目に見ても手練だと分かる。」
馬を操る見事な手綱捌き、相手の力を利用して反撃する受けの剣は、初撃の強さを拠り所とする我が紫騎士団との相性が悪い。
「我こそは、紫騎士団団長オイラー・パルコラム。貴殿との一騎打ちを所望する。」
「我が名は、サイファ・ブルーノス。その申し出を受けよう。」
私は、青の騎士の銅を目掛けて剣で薙ぎ払った。
青の騎士は背中を逸らせて距離を取りつつ、そのままの勢いでヒラリと着地した。私は剣を振り下ろしたが、軽々と躱すと馬の足元に潜り混んで死角から突きを繰り出してきた。
私はもんどり打って落馬すると、素早く体勢を立て直し、相手の突きに備えた。
ヒュン。
風を切って突きが飛んでくる。一番装甲の厚い胸で攻撃を受け止めると牽制のためにコンパクトに剣を振るった。
そこからは、お互いに必殺の一撃を加えるための先の取り合いが続いた。
僅かに軌道を変えた私の剣が青の騎士の兜を掠めた。
金属の衝突音が響いて兜の下の顔が顕になる。
「貴様、女だったのか?」
そして蘇る前世からの因縁。
「貴様の様な女には子を成すことなど未分不相応だな。そうやって剣を振るっているのがお似合いだよ。」
青の騎士は最速の突きを繰り出して来た。見事に甲冑の継ぎ目に突き刺さる。私はそれに構わず前に出た。ズブズブと剣が肉体を貫通していく、と同時に青騎士の首を刎ねる事に成功していた。首は五メートル程宙を舞い、コロコロと転がってこちら向きに止まった。見開いた目はこちらを睨んでいる様だった。
「貴様とは今世でも相打ちだったか、決着は来世で着けようぞ。」
第三章 あなた
あなたは僕の太陽です。その歌声、その踊り、その見た目、全てが僕の心を明るく照らしてくれます。あなたがまだ誰にも注目されていない蕾だった頃から、トップアイドルの仲間入りを果たした今に至るまで、僕は一貫して全てを捧げて来ました。
だからこの前の握手会、あなたの一言にはビックリしました。
「お前、気持ち悪いんだよ、近づかないで。」
最初何を言われたのか分からなかった。でも冷静になるに連れあなたの口から出たのは僕への悪態なのだと実感できた。
あの時あなたは前世の記憶を取り戻していたんだね。
僕らはかつて親子だったんだ。あなたは僕の脇腹を刺し、僕はあなたの首を絞める。僕はまだあなたを愛している。だけど殺したい程の憎悪が湧き上がって来ているのも事実だった。
僕はSNSにあなたの真実をぶちまける事にした。
あなたの人生を見守って来たのだ。ストーカー紛いのこともした。あなたの男性関係、裏垢での発言、あることあること全てだ。噂はあっという間に広がり芸能活動が出来なくなりましたね?あなたが誹謗中傷を気に病んで自殺をしたと聞いた時、今世ではついに勝利した事を知った。僕はこの騒動の張本人である事を告白し収監されることとなった。
私は単調な囚人生活を送っていたが、珍しく面会人が現れた。
「あなたは?」
「驚いたか?私が自殺する様なタマだと思ったか?芝居を打ったんだよ。お前を牢獄に閉じ込めるためにね。殺せないのは残念だが、今世では私の勝利かな?」
僕は表情を変えなかった。こうなる事が分かっていたから。僕は看守にあなたの秘密を話していた。ああ、その看守はあなたの熱烈な大ファンでね、僕の話を全く信用しなかったんだけど、もしも話が本当ならぶっ殺してやるって言ってたね。ほらほら、君の首を絞めるのに全く躊躇してないよ。
僕にはあなたの首を絞めるなんて事はできないからね。
ふふふ、怒りが収まらずにあなたの次は僕の首を絞めてるよ。今世でも引き分けだね。
第四章 お前
「お前、整形しただろ?なんで余計な事をしたんだ?」
「あら、他のお客さんには評判いいのよ、可愛くなったって。」
「前の方が、母さんに似てたんだよ。」
「あら?お客さんマザコンでしたっけ?」
「今の母さんじゃないよ。前世の母さん。」
そう言うと私はホステスの腹をナイフで刺した。
「母さん、今世には転生できなかったんだね?だから母さんに似た女を殺す事にしたよ。」
第五章 君
君は高校時代みんなの憧れの的だった。だから僕の告白にOKをくれた時、僕は天登った様な気分だった。
そして僕らの交際期間も五年を超えた。そろそろ結婚を意識した時、前世の記憶が蘇ってしまった。
君は今はまだ気付いていないだろう。僕らが何世紀にも渡って殺し合いをして来た事を。あんた、貴様、あなた、君、呼び方は変わっても必ず殺し合いを繰り返して来た。
きっと君も突然理由をつけて殺意を覚えるのだ。
それまで今を楽しもう。僕らはまだ愛し合っているのだから。
何をしてるのかな。
今は
きっと
小学生。
友達は
できたかな。
勉強は
楽しいかな。
いい先生と
巡り会えたかな。
お父さん
お母さん
きょうだいと
上手く
やっていけてるかな。
きっと
キミの特性を
理解してくれて
キミの良さに
気づいてくれる
そんな人が
必ずいるからね。
どうか
まっすぐ
生きていてね。
#君は今
君は今
何をしているの
何を見ているの
どんな表情で
何を考えているの
「受験に集中したいから別れてほしい」
そうして君は司法試験に挑んだ。
合格率が低いのをものともせず、君は晴れて弁護士になった。
努力が報われた君の隣にいられなくて悲しかった。
けれど、私が居たならきっとその君の笑顔は見られなかったから、と自己暗示をし続けた。
だからかな、テレビに出た君を見て、少し胸が苦しくなった。
殺人をした、って。
初めて知ったよ私。
自分の母を殺した人の罪を重くするために君は弁護士になったんだね。
でも、あの犯人は証拠不十分で釈放された。
それで、自分で、君自身の手で、あの犯人に罰を下したんだね。
私は思うんだ。
君って馬鹿だなあって。
でもね、元気でいられるのならばそれでいいのかもしれないね。
会いたいなあ。
#君は今
【君は今】
「話聞くよ」
そんなこと言うけどさ
言っても分かってくれないじゃん。
私の気持ちが分かるのは私だけ。
どんなに仲が良い子でも分かってくれないから。
今日も心の隅にこのモヤモヤを集めた。
随分溜まったな。
この気持ち、誰にも相談できないまま終わらせた。
【君は今】
君は今、何処に居ますか。
君は今、元気ですか。
君は今、僕の事を、覚えていますか。
なんて。
きっと君は。
君は今、僕の事など、覚えていない。
毎日がキラキラと輝いて、愛を伝えあっていたあの頃には、もう戻れない。
いや、戻りたくないのかもしれない。
僕は、君に限りない愛を。
君は僕に何をくれただろうか。
あまりにも不平等だろう。
一方的な愛はいつか自分からも相手に求めるようになる。
僕だけが苦しむことになる。
愛されたかった。
もっと。ずっと。
大きな愛情が欲しかった。
なんてね。
君は今、しあわせですか?
僕は今、しあわせですか?
るあ
突然いなくなった僕の恋人。
新学期、同じクラスかどきどきしながら名簿を見た。
だが、同じクラスは愚か全クラスの名簿を見たが何処にもその名前は見当たらなかった。
留年という仮説が一瞬たったものの、あの子は成績優秀でその可能性は0に等しかった。
家に行きたい気持ちを抑え、何とか始業式と学級活動を乗り切ったが先生たちが何を言っていたかなんて全く頭に入っていない。
もはやクラスメイトの顔だって1人も分からない。
やっと帰れる時間になって僕は一番に教室から飛び出してあの子の家に向かった。
本当は毎日迎えに行きたいのだが、学校を挟んで真反対の方向なのでわざわざ来てもらうのが申し訳ないらしい。
LINEに連絡を入れるが既読すらつかない。
尚更心配な気持ちは大きくなり、足を急がせた。
「え、、?」
そこにはあの子の苗字とは違う苗字の表札の家があった。
ちょうど家から小学生くらいの子が出てきたので声をかけた。
ちなみにあの子に兄弟はいない。
「ねぇ、ちょっといいかな?」
「お兄ちゃん、誰?」
「近くに住んでる高校生」
「ここには最近引っ越してきたの?」
「ううん、違うよ」
「え?」
「1年半くらい前から住んでるよ」
おかしい、、。
あの子は2年くらい前からここに住んでいるはずだ。
でもこの子がふざけて嘘をついているようにも見えない。
いったいどういう事なのか。
顔見知りのお隣さんにも聞いてみたがまるで初対面のような態度で、やはりさっきの子の家族は1年半前くらいからここに住んでいると言われた。
家族や前のクラスメイトと話しているうちに、鈍感な僕でもあの子の存在自体がみんなの記憶などから消えていることに気がついた。
そして、僕はあの子がきっかけで去年クラスメイトと馴染むことが出来たので彼らは僕が話しかけてきたのに驚き、知らないと答えて僕を気味悪がっていた。
結局今日まであの子の居場所が分からないまま2ヶ月が経った。
何してるかな。そろそろ会いたいなぁ。
「君は今、何処にいるの、、?」
その頃、彼のクラスメイトたちの間でこんな会話が繰り広げられているなど彼は知らなかった。
「なあなあ、やっぱりあいつちょっとおかしいぜ」
「まぁ、1年とちょっと前交通事故で意識不明になって去年一回も学校来なかったのにこんなクラスメイトいなかったかって聞いて来るくらいだしな」
「ああ、いったい誰と勘違いしてるんだか」
「頭打った影響でまだボケてんのかもな」
彼の言う“君”は、、
最初から彼の意識の中以外では存在していなかった。
──────────────────────────
『君は今』
《君は今》
その目に誰を映しているのか。
俺には関係の無いことだけれど、そう思ってしまった。
「なぁ、なんで泣くんだよ」
頼むから涙を見せないでくれ、と願う理由もわからない。
幸せだったんじゃないのか。
幸せだと君が言ったから俺は納得したのに。
だから、頼むから泣くな。
「やっぱアイツのせいなんだろ」
君は決して俺の言葉に頷かない。
ただ、あたしが悪いんだとだけ言ってまた顔を伏せるのだ。
なにがあったのかも、なにを感じているのかも答えてはくれない。
それでも、1人にだけはするものか、と俺は隣で座り込んだ。
とはいえ、俺如きが君の傍に居てもなんの役にも立たないことは知っている。
「なぁ、お願いだ。教えてくれよ」
だからせめて、これだけは知りたい。
「君は今、誰を見て、なにを想ってるんだ」
目の見えない俺にとっては、君の話す言葉でしか全てを知りえないんだから。
どうか。
どうか。
君が笑っていてくれますように。
その為の手伝いくらいは、俺にさせてくれますように。
神様、お願いだ。
初恋の人と名前が同じだ。
名前っていうか、正確には名字だけど。そんなことを思いながら、京急蒲田駅で下車する。
電車が走り去る。
小学校の時、誰にでも優しくて、教室の隅で本を読んでいた私にも声をかけてくれて。
冬の間はいつもPUMAのロングジャンバーを着ていて、それが彼のトレードマークで。
でもそれを脱いでバスケをする姿もかっこよくて。
卒業式の後、胸に花を差した彼が教室から出て行こうとしている時、少しだけ時間の流れが止まった気がした。もし今好きだって伝えたらどうなるんだろうって。
でも、なんの取り柄もない私に応えてくれるわけないと分かっていた。だからこれはエゴだと。
好きだと伝えて、彼を困らせてみたい。この一瞬だけ、私が彼の視野に入れたら、それで満足なんだ。私は。そこまで考えて、自分の考えに嫌気がさして、結局何も言えないまま、彼の後ろ姿を見送ったのだ。
「はあーニンニク食いたい欲がマシマシですよ、もうこれはニンニクマシマシですよ」
今どうしてるかなあ、蒲田くん。
ホームに「夢でもし逢えたら」のメロディが流れて、少しだけ胸が痛くなる。
「あっ!!」
隣にいた田中がでかい声を出したせいで、私は現実に引き戻された。
「なに」
「シュッシュ忘れた!!!」
「シュッシュ?」
「これこれ」
田中は口内にスプレーする仕草をしたが、すぐにやめた。
「まあーいいや。先輩と行くんだし」
「私と行くから、なんだって?」
「別にニンニク臭くてもいいや」
「おいっ!」
蒲田の町は羽根つき餃子が名物らしい。
そんな話を会社でしたら、成り行きで後輩の田中と連れ立って行くことになって。
「ていうか、羽根つき餃子ってそんなにニンニク臭いの?」
「餃子って言うからにはそうでしょうよ」
「えー」
「先輩もシュッシュ禁止ですよ」
「はあ!?」
「びょーどーに行きましょーよ、びょーどーいん鳳凰堂ですよ」
「うん、分からん」
ほんと分からん、この田中という男は。
暖かな春の風がホームを通り抜けていく。
蒲田くんは今、どうしているだろう。
分からないけど、私はなんだかんだ楽しくやってるよ。
【お題:君は今】
「今何してる?」
あのころ、よく打ち込んでたラインを見直す。
あなたが何してるかばかりに気にしてたあのとき。私は何もできなくなった。だから、あなたは別れようって言ってくれた。
あの頃とは違う気持ちでこの言葉をつぶやく。
「あなたは、今何してる?」
あの頃と違って、私は答えを求めていないことに気がついた。
準備は整った。家を出よう。
大事なのは、私がこれから何をするか、だ。
君は今
学校から帰ってきて、おやつ食べて「ちょっと寝て来るー」と言った君は今…テスト中ですから…
あの時初めて行ったスノボで気になる人ができた
その時はその人のことで頭がいっぱいで
次行った時会えるのかな、なんてずっと考えてた
ずっとあなたのことしか考えれなくて。
君は今 ――― 。
四六時中そんなことで頭がいっぱいだった
今はまた恋愛に前向きに考えれない自分に戻っていて
そんな風に関心持てる相手がいた事
今はなんだか羨ましく思える
#君は今
おはよう。
寝ぼけて放った言葉は誰にも拾われない。1人で寝るには大きすぎるダブルベッド。隣半分には皺のないシーツが広がる。かすむ目を擦りながらトースターに入れた食パンは1枚分。
あぁ、そうか君はもうここにはいないのか。
3年付き合った彼女。同棲もしていた。2ヶ月前に別れてからというもの、失恋の傷は時間が解決するとは名ばかりで、海の底に沈んだかのような生活をしている。
別れた理由は些細な喧嘩。喧嘩の内容など思い出したくもないが、俺が悪かった。自分の非を謝ることができずに別れ、彼女は出ていってしまった。
君は今、何をしているか。他の男と幸せな時を過ごしているのだろうか。ここに居なくとも、別の場所で上手くいっているのであればいいと思っている自分がいる。こんなにも立ち直れずにいるのに、可笑しな話だ。
赤字で記念日が書かれたカレンダー、2人の写真が入ったフォトフレーム。彼女がいたときのまま片付けられていない部屋は、喪失感を煽る。
「ごめんの一言すら言えないのか。馬鹿だな、俺は」
吐いた言葉は空気の一部となった。
チンッというトースターの無機質な音でハッとする。少々焦げかけてしまった食パンの香りだけが漂っていることに気がついた。君が毎朝飲んでいたココアの香りは、もうしなかった。
あの時、君は僕の手を取らなかった。
その判断はきっと正しかったんだろう。僕なんかと一緒にならなくて正解だったよ。もう君が泣かなくて済むから、それが何より嬉しい。
君は今、何してる?穏やかに健やかに過ごせているならいいな。たまには僕のことを思い出してくれたりもするのかな。願わくば、あの頃の僕らをいつまでも思い出の中にしまっておいてもらえないだろうか。そうしたらいつかまた、君と巡り会えた時に最高の笑い話に化かして話してあげようと思うよ。
それまでは、お互いの選んだ道を歩き続けるとしよう。
君の未来にさちあれ。誰よりも大好きだったよ。
君は今
あなたは今、どこにいるの?
私はあなたが戻って来るのを今も待ち続けてる
いつかちゃんと大好きとありがとうを伝えるためにずっと待ってるね
今日話したことを覚えているだろうか?
何歳まで生きたいのかという話だ。これから先、平均寿命は伸びていくことだろう。先端医療が進み、高齢者はどんどん長生きをし、120歳や130歳の人達が増えていくかも知れない。
私は30歳まで生きられたら、良いと言った。君は老衰で死ねたら良いと言った。私はこれまでの人生が、とても充実した良いものだったと言える。だから、死ぬことに後悔など無い。だが、君の側にいられる期間は、思ったよりも少ない。大学が違うのだから、その期間も含めればもっと少なくなる。だから、毎日だって君に愛を行動で示している。明日生きられるか分からないから。どうにも私は死と言うものに、恐怖を抱かない。それは、誰にでもどんなものにも訪れるものだと思っているからなのか、それとも大切な人を2度も失っているからなのか、分からないが、いつその時が来ても悔いはない。一つ言うならば、大切な人を守り続ける事が出来ないのが残念だが、特段私が居なくとも皆しっかりしているので大惨事にはならないと思うが、人生何があるか分からない。だから、一応の保険は掛けておこうと思う。何かあった時に、大切な人達を守れるようにする切り札がある。それを行使する時が来ないことを願っているよ。ただ、今は君との惚気話を、今の君がどんなに素敵なのかを話したい。今、君は私の側にいて、私の髪に触れ、目を細める。赤い頬に、赤い耳、少し恥ずかしそうに私の名前を呼ぶ。慣れていないのか、少し声が震え、上擦っている。優しい目をして、私を見つめている。いわゆるいじられキャラの君は、なんだかんだ可愛らしい。天然で、臆病で、人の気持ちが分かる君は、いつも人に優しい。男女隔たり無く、平等に。そして、少しだけ皆より私に優しくし、甘やかす。君は、察すると言うことが出来るので、本当に気が利く。何も言っていないのに、準備をしてくれたりする。頭の中でも覗けてしまうのだろうか?だが、髪型を変えても、聞かなければ可愛いとは言ってくれないが、聞けば満面の笑みで可愛い言ってくれる。時々、ゴールデンレトリバーなのでは?と思うが飼ったことが無いため比較は出来ない。動けない私を余所に君は、いつまでも私を待つ。と言うよりは、自分から動けないから私から動くのを待っているだけの気もするが。優しさに理由がない君は、温かい心を持って接してくれる。それが、君の素直な言動であることを知っている。怒らないし、怒れない君がどんなに希少でどんなに私を救っているのか君は知らないことだろう。好きと言う2文字では収まりきらない愛情を君は私に寄り添わせる。大切に思っていてくれている。私の事を考えてくれる。何て良い彼氏なのだろうと常々思う。私にはもったいないくらいだ。でも、独り占めしていたい。段々私を好きになっていったらしい君は、日常に不満を持ちながらも共に歩む道を模索してくれる。私が今君にしてあげられる事は、自分を精一杯生きることだ。君に支えられ、応援されている私は、努力しなければならない。私はやりたいことが星の数ほどある。どれも一筋縄ではいかない難題ばかりだ。だからなのか、とても楽しい。自分の限界を超える日常だ。最近、体ががたついているが、まあ、まだ大丈夫だと信じたい。もし、やりたいことが全部成功したら、また納得のいくまでやり遂げたら、褒めて欲しいものだ。今君は、やりたいことがあるだろうか?今君がしたいことを全力ですることをオススメするよ。今は今しかなく、今が一番若いのだから。私の彼氏なのだから、それくらい出来るだろう?好奇心が尽きることの無い私の側にいるのだから、君は君の好奇心に従って行動してみてはどうだろうか?きっと困難な壁が待ち受けていたとしても、君なら大丈夫。私の彼氏なのだから。今の君が君であることを私は切に願っている。
シーカシーナは、村から少し離れた所に住む牛飼の娘である。そばかすが散る鼻ぺちゃと雨が降るとくしゃくしゃに絡まる赤毛のくせっ毛には毎朝鏡の前で手こずっているが、平凡ながらも光が入ると琥珀のように輝く茶色の目は、自分でも結構気に入っている。
今、自分のその茶色を琥珀へと変えたのは橙の髪の精霊だ、雪解けの精霊、キャストペリン。
見上げるシーカシーナの頭上、何もない所をぽん、ぽん、と綿菓子が弾けるように跳んで、キャストペリンはまるで体重を感じさせない様子でシーカシーナの目の前に着地する。
自分の身長より長い樫の杖をくるりと回し、山高帽を脱ぎ、貴族の若君のように気取った仕草で一礼した。橙色に輝く髪が、さらりと音を立てて肩を滑る。
「ぼくのそばかすさん、一年ぶりだね。元気だった?」
「元気よ。会いたかった!」
笑う友人に勢いよく飛びつけば、りぃんりぃんと高くなる鈴の音と共に二人は空へ舞い上がる。
浮遊感と耳元で風を切る音に、わくわくと琥珀の両目を煌めかせて、シーカシーナは自分を抱くキャストペリンを見上げた。
「さあ、一年ぶりの旅の話を聞いてくれるかい?ぼくのそばかすさん」
「待ってたわ、春告さん。あなたの話をどうぞ聞かせて」
見る見るうちにシーカシーナの素朴な家が遠くなる。彼女が住む村、隣村、幾多の住処が広がる広い草原にその向こうを流れる大河、水の流れを裳裾のように翻す巨大な山脈。広大な景色を一望出来る空の中、雪解けの精霊、今はシーカシーナの友人のキャストペリンは、とてもとても嬉しそうに笑った。
君は今(僕の/私の腕の中!)