『君の奏でる音楽』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
初心者が集まる音楽講習会で一人一人の作品を品評する時間になった。毎回、この時間は酷評されてばかりで嫌になる。いつもと違う講師も来ていたが、期待はしていなかった。
「この曲を作ったのは、誰ですか」
遂に私の番が来た。もう腹をくくるしかない。
「私です……」
「君の奏でる音楽は酷く歪だ」
この人もか。そう思い、手元の歌詞カードに目を移す。
「しかし、この講習会の中の誰よりも音を楽しんでいる」
ざわめきが広がる。さっきまで仏頂面だったその講師が笑いながら言ったのだから、そうなるのも当然だろう。けれど、私はそれどころではなかった。
「君の今後を期待してるよ」
今でもピアノの後が頭をよぎる。
思い出したくなかったものが溢れ出す。
知らない。知らない。君なんて知らない。
気付くと音楽室にいた。
聞こえてくるピアノ。
振り返ると、君がいた。
鍵盤の上を指が流れる。
こちらを向く。
そんな笑顔を見せてどうするつもりだ。
教室に風が吹き抜ける。
君が消えた。
あ。
僕は泣いてしまった。
君は、死んでたんだ。
僕が告白した後だった。
君の奏でる音楽
あの地の底を
這うような夜を
幾度乗り越えたことだろう
君の奏でる
その音楽は
私の人生の1部
大げさではなく
本当に
ありがとう
ありがとう
ありがとう
#君が奏でる音楽
僕はプロの音楽家だ。
自分で言うのもなんだけど、音楽の天才だ。
この国で僕のことを知らない人はまずいない。
神様に選ばれたのだろう。
それぐらいには、天才だ。
それでも、僕は唯一かなは無いものがいる。
それは、音楽のことをこれぽっちも知らないら、ピアノのドの部分も知らないような君だ。
君が奏でる音楽は、楽器はいらない。
君が、喋ると僕は自然と頬が緩んでしまう。
君が笑うと、自然とこっちまで笑えてくる。
全く困る。
困るはずなのに困っているのに、
もし君が喋れなくなったしまったら?
もし君が笑わなくなってしまったら?
そう考えてしまう自分の方が困る。
僕は、世界で認められているどの音楽家よりも、素人の君が奏でる音楽に惚れ込んでいる。困ったなぁ
『君の奏でる音楽』💚
君の声が好き。
優しくあたたかい
おっとりとした声。
僕の心を癒やしてくれる
そんな素敵な歌声に
また、涙する。
いつまでも
あなたのそばに。
君の奏でる音楽
おはよう
君が爽やかに声をかけてくれるから
心臓がビートを打ち始める
気持が高揚し、
君のテンポを欲しがっている
君の背中を追いかける
君とすれ違う人はみんな笑顔で
ハイタッチにボディタッチも
君の奏でる音楽は
カラフルでパワフル
パワフルじゃない時はどんな感じなの?
きっと、どんなメロディーでも
私は聞き入ってしまう
オルゴール店に
勤めて何年になるだろう
オルゴールを作るのは
お客さんである
君が初めて来店した日を
僕は覚えて居る
君の奏でるメロディで 今日から
僕らは
夫婦になる
君へ
生まれてきてくれて
ありがとう
僕と出会ってくれて
ありがとう
一緒に
生きていくことを約束してくれて
ありがとう
これからもこれまでも
ずっと
よろしくお願いします
『君の奏でる音楽』
クラシックのように優雅で
ジャズのように楽しく
ブルースのようにどこか切ない
君に関わるたびに様々な音楽を聴かせてくれる。
だから僕は、君と過ごすことに飽きないんだ。
君の奏でる音楽は優しくて、どこか切ない、そんな音楽。
自由自在に操って自分の『もの』にしている。
その音楽を聴くと何故か私が私らしくいられるの。
今日も君の音楽を聴くためにあの音楽室に向かうんだ。
音楽は、一瞬にして想い出や感情も一緒に連れてくる
どんなに時がたっても
“あの頃”にタイムスリップしてしまう
君の奏でる音楽が
私の人生に彩りを添えてくれた
この先も どこまでも
君の奏でる音と共に
132:君の奏でる音楽
君の奏でる音楽に
恋した。
やさしく切ない音色
いたわるように楽器を吹く姿、
今日も
ユーチューブで
あなたの奏でる音色に
癒やされてる
私です。
海底で微睡んでるみたいに穏やかな目覚め
あなたの寝息と心音がまた私を夢に誘うの
”君の奏でる音楽“
君は楽器の演奏経験がある
音楽なんて全くの素人の自分には
それだけで尊敬に値する
でも、君は大したことないと謙遜する
君の奏でる音楽は
いつまでも聴いていたのに
もうおしまい!と苦笑いをする
ああ、自分にも楽器を演奏する技術があれば
君と一緒に音楽を奏でられるのになぁ
君の奏でる音楽
ストリートピアノの音が聞こえる
クラシックだ
驚いたことに弾いているのは
幼稚園児の男の子だった
わたしも頑張らなくっちゃ
君の奏でる音楽
楽譜は決まってる
曲が完成しているなら
音を響かせ奏でる楽しさ
楽しさは君に属する
この場合は聴き手側で
奏でてる側ではない
もちろん奏でてる側にもあるけど
君の奏でる音楽だから
外側の世界からの音楽で
君にではなく僕らにあるものだね
どの様に響くのか、わからない
私が奏でる言葉の行き先を知らない
君の何処かに響くといいと思う
色々な歌い手の
同じ曲を聴いたりする
同じなのに違うね
声だけじゃなくて捉え方と表現
同じ文章を使っても
使い方で表現が異なる
言葉に支配されてないで
言葉を使えるようになりなさい
言葉の道具にされてない?
いつか聴いた音を探していたら、
いつの間にか追いつけなくなっていた。
君の奏でる音はいつでも正確で、
君の奏でる音色はいつも美しくて、
君の奏でる音楽は、私のすべてを虜にする。
毎日毎日基礎を磨いて、
毎日毎日練習をして、
取り憑かれたように奏で続けて、
血眼になって自分だけの音色を探してもやっぱりできなくて、
満足出来ない結果に涙を流している私の横で、
君は笑っていた。
その表情、感情の差が、
残酷なまでに私に現実を突きつけてくる。
やっぱり、君の奏でる音楽は素晴らしい。
あぁ、また私は君の音を探してしまうんだ。
いつの間にか君はいなくなっていて、
もう、追いつけないことを知っているのに。
「君の奏でる音楽」
放課後、部活を抜け出して教室を覗くと君がいた。
フルートを奏でる君の横顔はとても綺麗だった。
ほろ苦い灼熱の3年間。
大人になった今もその音色を聴くと君の横顔が脳裏にふとよぎる。
君があの時空に行こうとしたことを責めるつもりは少しもない。その決断をするまでの君にあった出来事や君の気持ちを想像すると、胸が張り裂けそうになるよ。自分で終わらせられたと思ったはずがまたこの世界に戻されて、君はどう思ったんだろう。それからの日々には幸せはあったのだろうか。どちらにせよ、再び空に連れていった神様は残酷だと思う。リハビリも頑張って、高校受験もしようと勉強していたと聞いたよ。君のことは小さい頃しか知らないし、私の記憶の中では小さくて可愛いままだけど、立派な少年になって毎日必死に生きて、戦っていたんだろうなと思う。にこにこ笑っていた顔が蘇るけど、最近はきっと笑える時間は少なかったんだね。次こそは、必ず優しい人たちに囲まれて君らしく生きれるはずだから、そう信じたいから。だから気が向いたら、またこの世界に来て、君の音楽を奏でて欲しいと思う。優しい君が優しいまま生きられるように、祈ってるよ。
#15 君の奏でる音楽
君の奏でる音楽
音楽室から音楽が聞こえてくる。
私は音楽は知らないが、心地よい音色だ。
歩調を緩め、耳を傾ける。
誰の演奏かは分かっている。
君の演奏が好きだと、いつかは伝えられるだろうか。
「君の奏でる音楽」
君の奏でる音楽は艶やかで静かだ
天使のハープのように
目をつぶればいつも君が笑いかけてくれる
持ち主のいなくなった楽器は錆びて使い物にならない