時雨

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今でもピアノの後が頭をよぎる。
思い出したくなかったものが溢れ出す。
知らない。知らない。君なんて知らない。
気付くと音楽室にいた。
聞こえてくるピアノ。
振り返ると、君がいた。
鍵盤の上を指が流れる。
こちらを向く。
そんな笑顔を見せてどうするつもりだ。
教室に風が吹き抜ける。
君が消えた。
あ。
僕は泣いてしまった。
君は、死んでたんだ。
僕が告白した後だった。

8/12/2024, 11:01:41 AM