『君に会いたくて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「君に会いたくて」
いつだって君に会いたい。夢の中でも、現実でも。
けれど、君は実体を持たない幻想に過ぎない。
瞼を閉じれば、君は微笑んでくれるけれど……でもそれは僕の想像力で作られたものでしかなくて。
もし、本当に君が……僕のそばで、僕に触れて、僕の苦しみを少しでも和らげてくれるのなら、どんな事だってきっと出来てしまうだろう。
そう思うだけなら、僕にも権利があるだろう……?
冷たくなった心に温もりを。誰だって、陽だまりの中で穏やかな眠りにつきたいものだろうに
……十全に生きるというのは、難しいものだ
3 ✿.*君に会いたくて✿.*
会いたい人には逢えなくて
会いたくない人にはあってしまうの。
今、ゲーム内で付き合ってた子がそのゲームを辞めようとしてて、もう決まったことだから止めれないし、なんなら喧嘩してお互い気まずいばっかりで。
でも、私的にはやめて欲しくないなって思ってた。
でもLINEも全部ブロックされて、連絡手段もない状況になった。もう遅い、取り返しなんてつかないんだ。
「さようなら、私の好きな人。元気でね。」
それだけ残した。
また、君に会えたら良いな
ある時は在来線と新幹線を乗り継いで。
別の日には夜行バスでひたすら走って。
そうやって年に数回、会いに行った。
会いに行って、歌や演技や話を聞いて、心地よい中低音がじかに鼓膜を震わせてくれるあの瞬間が好きだった。
仕事で大変な事があっても、家族との関係がギスギスしても、そうして足を伸ばすことで気持ちの切り替えが出来たし、何とか頑張ろうと踏ん張れた。
少し考えが変わったのは、例の感染症が世界を蝕み、年に数回どころか一回も会いに行くことが出来なくなってから。SNSでグッズを競うように見せあうことや、体調の悪さやギリギリのお財布事情を押してまで足を伸ばすことに違和感を覚え、疲れを感じ始めた。
「推しは推せる時に推せ」
けだし名言である、とは思う。
でもそれは自分の体調や経済状態に無理をさせる事では無いし、会いに行った回数や買ったグッズの数を誰かと競うことでは無いのだ。
自宅で好きな推しの曲(リリース年は古い)をヘビロテすることだって立派な推し活なんだと思った。
日常と呼ばれるものが帰ってきて、制限なく移動が出来るようになっても、以前ほど会いに行くことは無くなった。
多分、推しにとって私はあまり嬉しくないファンなのだろうと思う。でも、だからこそ会いに行くチャンスが巡ってきたらしっかり準備して、全力で楽しみたいとも思っている。
私を支えてくれた、私を形作ってくれた推しだけど、私の全部はそれじゃない。今はこんな感じで、一歩下がったくらいの距離感が私にとってはベストなのだろう。
「君に会いたくて」
距離も時間も飛び越えて、なんて夢みたいな言葉はもう、言えなくなってしまったのだ。
END
「君に会いたくて」
会えた時は幸せで
その時間は短くて
何度も別れの時に泣いて
そんな姿を見たあなたも泣いて
そんなあなたを見たくないから
いつも我慢するけど涙は出てきて
会えた時は会えない分まで擦り付いて
長い時間会えた時は別れの数時間前になると
いつも別れの時を妄想して泣いてる
そんなわたしを見てあなたはいつも笑いながら泣いて
ずっと一緒に居れるようになった時
あなたは一生会えない所に逝ってしまった。
1週間経ったら必ず会えていたあの頃とは違い
もう一生会えないと感じた時は
心がもがかれるぐらい辛い日々でした。
夢で会いに来てくれた時
私達はお互いずっと笑い合っていますね。
おばあちゃん、また会いたいです。
独白 2024/1/19
自分の文が好きだ。生み出すものが好きだ。
私が今までに出会って感情を動かされたもの、
又はその感情そのものがそこに詰まっている。
どれを見るかは巡り合わせが多く関わるけれど、
そこから何を得るかは私の選択だ。
その選択の積み重ねに、まぎれもない自分を感じる。
私は私が善いと思ったものを信じ、
同時に他人が善いと思ったものに耳を傾けたい。
それを聞いて、何を掬い取るかはまた私の選択だ。
そして生み出されるものを、ずっと楽しみにしている。
君に会いたくて
会いたい人いたかな、と考えていたら、
はるか昔のことを思い出した。
強烈に残る記憶の一つに、
幼稚園の夏のお祭りで出会った女の子のことを思い出す。
名前もどこの誰で何歳だったかも知らない。
出会ったのは、お寺の部屋の一部を装飾したトンネルが作られた場所だった。なぜお寺かというと、仏教系の幼稚園だったからだ。トンネルは入り口と出口が設けられていて、ダンボールで大きな簡易部屋を作っている感じだったと思う。正直そこはあまり覚えてないけど。
生意気で薄馬鹿だった私は、親の言う事を聞かなかった。見事に入口と出口を勘違いして、出てきた子と衝突し、頭を打って大泣きした。母親が呆れながら私を抱えていたら、私よりすこし背の高いすらっとした女の子が、どこからか現れて私の手を引いた。ショートヘアの、顔の小さい、ピンクの浴衣を着た女の子だった。
「いくよ」とだけ言って、強く私を引っ張った。
え!という母の声と、入り口に立つ大人を放って、私たちはトンネルに入った。
彼女は、少しも立ち止まらず、私の手を握って走っていた。きっとトンネルは、数秒の出来事だった。
だけど、私はさっきの衝突の痛みを忘れて、
キラキラした装飾が綺麗な星空の中にいるような感覚を、スローモーションのように見ていた。その光景は、今でも忘れられないほど胸と目に焼きついた。手を引く女の子の姿も、痛いくらい強く握った手の感覚も、忘れられなかった。そして、それがとても嬉しかったのを覚えている。
その後、女の子がどうだったか全く記憶にないけど、
母親が出口から出てきた私を見て安心していたのは覚えている。
あの衝突の後、悲しい気持ちを一瞬で振り切ってくれた、顔も名前もわからない彼女のことが私はとても好きで、忘れないように何度か思い出している。
2024.1.20 君に会いたくて
これは創作じゃなくて実話を書いてみました。
昔の記憶で飾られてる部分があるかもしれないけど….
前に拾おうとしたけど親にダメって言われた子猫、どうなったかなぁ…
次の日様子を見に行ったけどいなかったし
もしかしたらカラスに食べられちゃったかもしれない
やっぱりあの時無理にでも拾っておけば良かったのかなぁ
1度でいいから姿を見せてよ、あの時みたいに私の元に走ってきてよ
猫の鳴き声を聴くといっつも君を探しちゃうからさ…
会いたくてたまらない
深夜2時に開いたら君が居る
2人だけの待ち合わせ時間
誰も居ないからこのまま
ふたりきり話そうか
何気ない言葉に悶えるけど
赤面してるのはわたしの方
可愛いなんて簡単に言うからほんとに、
魔性の女なんて言うけど
それはそっちの方でしょ
男だったら惚れてるなんて言われるから
心がはじけた
君に見せたいものがたくさんあるの
話したいことがたくさんあるの
君が触ってくれたなら
どんな風か考えて 静かに沈み込む夜
夜の街駆けだした君に思わず電話した
包み込まれてゆくの
不思議な気持ち
好きと言ったらどんな顔するの
体を預けたらどうなるの
教えて欲しい
ウルフの髪が肩に触れるころに
茶髪のわたしは目を閉じて
言われた言葉が反復していく
夢の中で蕩けてゆく
君に会いたくて
すごく会いたいです
会えるのならば
亡くなってそろそろ一年
かわいいかわいい猫でした
家中が思い出にあふれていて
いつも居た場所に
フッと現れるんじゃないかと
毎日のように思うのです
もう触れることはできないけれど
心で
想像で
つながりを持つことは
できるかも
そんなふうに考えたりします
でも
やっぱり会いたい
君に会いたいな
君に会いたくて
会いたい。どうしても君に会いたい。
君は今、どこで何をしているのかな。詳しくそれを知ることは出来ないけれど、君が今も同じ空の下で生きていると思うだけで、私も頑張って生きていけるんだ。
お仕事を頑張っているのかな。今頃ご飯食べてるかな。それともお風呂に入っているかな。
毎日仕事で忙しいのもいいけど、頑張りすぎてしまう君だからたまには家でゆっくりしていてほしいな。
週末にはやっと会えるね。
そのために美容院にも行ったし、ネイルも新しくしたよ。新しい服やコスメを買って、メイクもさらに研究して、前会った時よりももっとかわいい私でいられるように。
君は新しくなった私に気づいてくれるかな。周りの子に浮気したら許さないんだからね。
私がかわいくいられるのは全部、君のおかげなんだから。
今日も生きててくれてありがとう、私の推し様♡
あいたい。あいたいあいたい。
夏の空の下、僕は走り出した。蝉の声、草木の揺れる音、軽トラが走る細い畦道。
あいたい。君に!
僕は走る。まだ走り続ける。森に入った。草が足に絡みつく。肩にかけたカゴが揺れる。持っている棒が引っかかる。もどかしいもどかしい。カタカタ、カタカタ
は!ついに、目の前の景色がひらけた。美しい顔に大きな目。そして華奢な足に細い体。でも力強い印象を受ける大きな君。探していたのは君だ!
そして僕は、細かく羽を動かすオニヤンマ目掛けて持っていた虫取り網を振りかぶったのだった。
君に会いたくて
ただ会いたくて
理由もなく
連絡もせず
夜道を走り
君の家の前で
声もかけずに立ち尽くし
それだけで
来た道を戻った
遠い日の熱い想い
向こう見ずで
一途で
切なくて
愛おしい
恋の想い出
# 君に会いたくて
#君に会いたくて
どんな手段を使っても
どんな今を失ってでも
まだ見ぬ君に会いたくて
咲いた涙も枯れちゃって
残るは私の命だけ
君が久しぶりに同窓会に顔を出すと聞いた時、僕は心の底から喜んだんだ。
でも、君と僕は仲が良いわけではなかったから、興味がないふりをする必要があった。
「そうなんだ。あいつも来るんだね」
なんて言いながら、他の参加者に対する対応と同じか、少し冷たいくらいの薄い反応をしたんだ。
心の中の興奮が滲み出ないように必死だった。
だって僕はずっと君に会いたくて仕方なかったんだ。
君はいつも気だるげに教室の席に座っていたね。
授業だって聞いているのかいないのか、提出物だって満足にしていなかったと思う。
クラスの中心人物ではなかったし、かと言って遠巻きにされていたわけでもない。
同い年のはずなのに、どこか年齢が上のような雰囲気を纏っていた。
そうかと言えばふざけたりはしゃいだり。
どんな人間も多角的であるけれど、君はその範囲が広く感じられたんだ。
だから、僕は話しかけたくて、君の世界を知りたくて仕方なかった。
けれど、勇気がなくて関係を深めることなく卒業してしまった。
友人からの又聞きで君は海外で夢に向かって挑戦していると知った時は、自分の見る目に感動したんだ。
やっぱり君はひとかどの人物なんだって。
それを教室の中だけで見抜いた僕は洞察力の優れた人間なんだって。
君の頑張りに勝手に便乗しているだけで、恥ずかしいことだけれど。
でも、それを知っていつか君に会えた時は僕も自分の満足する僕になっていたいと思ったんだ。
だから、けっこう努力してきた。
なりたい自分を設定して、そのために行うべきことをコツコツやってきたんだ。
英語も喋れるようになったし、ジムに通って筋肉もつけた。
彼女もできて、関係が続くように話し合いと思いやりを大事にしている。
いわゆる〝大人〟になっていると思う。
君に話しかけてもいいぐらいの人間になったと思う。
君に会いたくて、話したくて目標にしてきたんだ。
友達になりたいなんてたいそれたことは言わない。
あわよくば写真の一枚でも一緒に撮りたいけれど、無理なら全然かまわない。
この気持ちは何だろう。
何度か考えたけれど、わからない。恋慕かと思ったが少し違う。
君が男だってことも関係してるかもしれないけれど、そこはあまり重要じゃない。
彼女に思うような愛しさが全然湧いてこない。
君に対する感情は名前をつけることができない。
憧れ、心酔、尊敬、どれもしっくりこない。
そして名づけることはさほど重要じゃない。
ただ君に会いたい。
きっときっと話しかけてみせるから、その時はどうか僕を見て笑顔を見せてくれないか。
初めて出会ったのは、小学校の頃。
かくれんぼ。ああ、懐かしい。
1人だけ、置いてかれたっけ?
古びてすっかり色褪せた鳥居に、
夕方5時のチャイム。
泣き出しそうな、私の元へ君が来た。
——泣かないで。
まだ幼かった少し年上の神様。
人間でないことを知ったのは、
私の世界で常識への拒絶が始まったころ。
私を少し大人にしてしまうくらいの、月日が経った。
神様。背、伸びたね。それも、急に。
——そんなこと。
置いてく?神様も。
怖いんだけど。
——そんなことはないさ。
別れは人を、深くする。
良くも、悪くも。
そう言って、心の準備もさせてもらえない程、
貴方は急速な老いを迎えた。
そして、別れの時が訪れた。
——さようなら。
今日も、君に会いたくて。
私は、自らの閉ざされた日記を開く。
潜在的にはもしかしたら君に会いたいのかもしれないな
夢に君は現れて私は目覚めた瞬間さみしさを覚えたり
全然大丈夫なんだよ大丈夫のはずなんだ
でも無意識下では君からまだ離れられていないみたい
無意識の奥底まで沈んでしまっていいのに
#7 君に会いたくて
何も予定のない日の朝
眠気まなこをこすりながら
通知欄からメッセージアプリをひらく。
「今日なにしてるの?」
君から届いていたメッセージに
目を見開く。
「何もないよ、どうして?」
なんて、気付かないふり。
「会いたいんだけど、どう?」
期待していたその言葉は
思った以上に嬉しくて。
呼ばれたら「会いたい!」
即答してしまうくらいに
いつもわたしは、
君に会いたくて仕方ない。
まだかな まだかなー?
あっ きたきた!
どこ行ってたのさ?
キミがいないと 困るんだ
だから ずっとキミを待ってたんだ
待ちきれず
キミに会いたくて
探しまわったよ
やっと揃ったね
僕たち靴下 右と左が…
#君に会いたくて
勝手ながら今回はお題を「君に」ではなく「貴方に」に変えさせてもらおうと思う。まず君に会いたくてという定で話せるような経験が私に全く無いことと、去年の4月に天国に逝ってしまった母の父の話をしたかったからだ。この呼び方だと堅苦しいので、呼び慣れている「じいじ」と言わせてもらおうと思う。私は次男で兄と姉がいるが十歳ほど年が離れていて、回りから見ると背も山椒ほどに小さく生意気だった。でもそんな孫の私をじいじはとても可愛がってくれていた。でも私は、遊んでくれるばあばの方が好きでじいじが注いでくれている愛に全く気づかず、家に2人がきても、ばあばにベッタリだった。ある日、じいじが倒れた。私が思っているよりも難しい病気らしく、透析が欠かせなくなってしまった。私は手紙を書いてじいじのいる病院に向かった。じいじに見せて、家族一同で応援してるよと伝えると手紙を読みながらじいじは泣いていた。「ありがたい」と呟きながら。じいじは病院を転々とした。頬が窪んでも、目の下が真っ黒になっても、じいじが大好きだった食べることが出来なくなってしまっても、じいじは頑張っていた。そんな中、コロナという聞いたこともない奴が日本に上陸してきた。そして、まだ学生の私は会うことが禁じられてしまった。理由は「移るから」。しようの無いことだろう。最初はコロナなんてすぐに過ぎ去ると思っていた。だが人数は増える一方で段々規制も強まっていった。毎度毎度病院前まで行って動画を母にとってもらってメッセージを伝える。それだけしか出来なかった。それが悔しくて、悔しくて仕様がなかった。それからしばらくして、一度だけ会うことができた。声は聞き取りにくかったが、とても喜んでくれていた。また来ると約束すると、痩せこけた頬と口が、横にゆっくりと膨らみ笑った。だが、それが最後になるとは考えもしなかった。またコロナがきたのだ。しかも今度は強くなり、オミクロンだかなんだかに姿を変えてきた。死ぬほど腹が立ったと同時に、「もっと甘えておけば良かった」と思う日々が続いた。その後もじいじは悪くなる一方で、とうとうしゃべれなくなってしまった。でもじいじは強かった、強く生き続けた。そして最後に母とばあばが会いに行った日、私の動画を見せると、目を開け、私の名前を読んだそうだ。そして看護婦に聞くと、「おはよう」とか少しずつ言えるようになってきたと言われたらしい。私達は安心していた。ちなみにじいじは鬼剣舞という伝統芸能を守る第一人者でもあり、パリ公演などにもいっていた。だから体も丈夫で、がっしりもしていたのであんなに苦しくても頑張ることが出来たのだろう。それからしばらくして体育祭にむけ、学校での鬼剣舞練習が始まった。そして私のおじいさんが鬼剣舞を支えている第一人者だと友達に自慢した。その日だった。家に帰ってから、ばあばの病院についていっている母に今ついたと連絡をした。すると電話がかかってきた。「じいじが亡くなったって、いまあってきたよ。」私は思わずスマホを落とした。本当にショックを受けたときに、手から滑り落ちることを知って驚いた。そしてソファに座り一人泣いた。母が帰ってきた。「まだ生きてるみたいだったよ。暖かかったし。眠ってるみたいだった。」
次の日、葬式ホールに行き1週間とまることになった。棺桶が部屋の真ん中においてあって、おじさんとおばさんがきて待っていた。「じいじに挨拶しておいで」そう言いながらおじさんは悲しそうな笑みを浮かべ、私の肩を優しく押した。私は正直じいじがなくなって変わってしまった姿を見るのが怖かった。深呼吸をする。線香の香りがする。私は決心して棺の窓を開けた。じいじだ。確かにじいじだ。頬こそ痩せこけているが、優しい懐かしい顔だった。私は久しぶりの再開がこんなとこでごめんと謝った。じいじはいつも施設で私の名前を読んでいたらしいが、顔も見せに行けなかった。悪いはコロナだが、自分が情けなくて仕様がなかった。私は1週間の間、腐らないように冷しているので冷たく固くなってしまったじいじの頬をなんども触った。そして葬儀の日、棺桶の中に花を添えるときになってやっとじいじが死んだんだと確信し泣いた。あんなに葬式中はつまらなかったのに、最後に「もう見れなくなりますよ」とホールの人に言われるともう涙が止まらなかった。車で移動をしている間私は位牌を持っていた。車からおり、焼き場の前に集まり「またね」と声になら無い声でお別れをした。じいじをいれた棺は鉄の部屋の中に入っていった。骨を拾うときがきた。検死官の様に並べられた骨を見ながら骨がしっかりと残っていることに驚き体の丈夫だったじいじらしいなと思った。その日からそろそろ一年経とうとしている。時の流れは早い。人の死を飛び越え容赦なく流れ続ける。私には会ってあげられることも出来ず、結局は最後までなにもしてあげられなかった。だがじいじと約束した「立派な人間になってじいじを喜ばせる」という目標はまだこれからでも達成出来る。次にまた会うときは立派な人間になっていたい。そんなことを考えながら今夜も深い眠りに落ちて行くのだ。
「 悲しみの向こう側へ」