君と最後に会った日』の作文集

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君と最後に会った日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

6/26/2024, 2:30:34 PM

『君と最後に会った日』


私は…まさに今日だ♡

また泣いちゃった…
ごめんね
もしかして…違うかもだけど…
君も泣いていた?

でも敢えて聞かなかったんだ
これはちょっとした私の優しさだよw?

本当にね
私は…君に出逢えて
仕事に行くのも楽しくて
毎日が幸せで
その上、こんな私を大事にしてくれてさ
毎日が感謝で溢れていてさ
こんなに毎日、
誰かに感謝出来る日がくるなんて
思っていなかったからさ
それだけで幸せなのに…

でもだからこそ、悲しかった

お仕事疲れているのに会いに来てくれてること
私の話を否定せずに聞いてくれること
だから寝てていいよ!って言うの
だって君が寝ていても、
同じ時間を過ごせるなんて
それだけで幸せ過ぎる
本当に「ありがとう」でいっぱいなのに…
君の「無意識」には私はいなかった

それが答えなんだ…
分かってはいたけど
やっぱり悔しいな…

マナー違反はいつも私の方なんだと思う
でも
君の夢の中にはやっぱり日常があった
見ないふりしていたし
君も絶対に出て来ないようにしてくれていた
それも知ってる
だから…やっぱり
「いつもありがとう」しか出てこないや…

君の無意識になりたかったな…
猫になって…
君の隣でイビキかいて、お腹出して
毎日眠れるなら…
君の猫になりたい
メガネでもいいな
君の一部になって傍に居られるなら…
私は…何にだって…
なるのに

そろそろ…
君を自由にしてあげるべきなのかな…?
君の自由を私は…奪ってしまっている?

これを見てたら教えてよ…

私は…君の…何でもない人
名前のつかない存在
他の人はなにも知らない…
名もなき私
それが私の終着点

でも今日が本当の
『君と最後に会った日』にならないといいな…
君だけの私は…
私だけの君じゃないからさ
ごめんね、それでもやっぱ大好きだわ

私が君の過去になる時はさ…
過去1サイコーの人(女)で終わりたいなー

6/26/2024, 2:28:14 PM

君と最後に会った日

ゆっくりと

静かに冷えていく体温

沢山泣いたよ

君が大好きだから

でも

もう泣かないよ

また会えるから

必ずまた会える

6/26/2024, 2:27:56 PM

君と最後にあった日
僕は君は全てを持っていると思っていた

君はモテた、かっこよかった
運動も勉強もできた 

きっとサッカーで有名になると思ってた
素敵な奥さんをもらって、子供もたくさんできるんだろうなと

それなのに何があったというんだ
君は心を病んで、太り美貌を失ったと聞いた

君の人生はきっと順風満帆なんかじゃなかった
僕の知らない何かがあった 

誰から見ても成功する
輝かしいものを持っていても

一瞬の少年の儚い煌めきがあっても
万人が成功できるわけではないと知った

6/26/2024, 2:27:25 PM

#君と最後に会った日
ペルセウス座流星群が輝く蒸し暑い夏の夜
君と見晴らしのいい丘でレジャーシートを広げ、
たわいもない話に花を咲かせながら見たその景色は
何年経っても忘れられない思い出

君は覚えてくれているだろうか

6/26/2024, 2:21:16 PM

「再出発」

長い間待たせて
ごめんね
ようやく わかりかけてきた
気がする
気がするだけ
だけど
まずは、暖かなハグをして
握手しよう
過去の僕も
今の僕も
大して変わっていないのだから

きっと、今日で
君とはもう
さよなら、だ

幼い日の僕よ
臆病なまま
不出来なまま
根っこは枯らさぬまま
僕は僕のままで
行ってきます

お題:君と最後に会った日

6/26/2024, 2:19:49 PM

・4『君と最後に会った日』

もうヨボヨボのおじいちゃんおばあちゃんになったあなた達と会ったのはいつでしたっけね。
私の遺伝子のデザイナー兼、生物学的ご両親どの。

私の寿命では天国で再びお会いできるのはまだ先かもしれませんね。

このままこの星が滅びゆくのを見届ける運命かもしれませんね。初代デザインベビー達もどんどん脱落してしまって……白人ぽさに拘ったのが良くなかったんですかね?

なんで私はこうも美しく強いままなんでしょうね。
もちろん今でもモテていますよ。
だから早く会いにきてください。
私の最後を見届けてくれるどこかの、誰か。

【続く】

6/26/2024, 2:19:38 PM

君と最後にあった日

幼い頃の記憶 あなたは、洋裁が得意で、かわいい花柄のワンピースを作ってくれました。そのワンピースを着て、元気いっぱいに遊んでた夏休み。朝、ラジオ体操に行って、帰る途中、あなたのお家に寄って、あなたは、いつも朝御飯を作ってくれていて、夏の朝のひとときを一緒に笑って過ごしたね。
あれから、40年近く経ちました。遠い昔の記憶だけど、思い出すとあたたかく私を包み込んでくれる大切な思い出。

あなたと最後にあったあの日、あなたと最後にお話したあの日。忘れないよ。

あなたが、お星様になる少し前、我が家の玄関に、つばめが来ました。次の日もきました。その次の日も。
どうして、つばめが毎日、夜になると来るのかなぁと不思議に思っていましたが、あなたとのお別れが近いことを伝えに来てくれてたんだと分かりました。 つばめさん、ありがとう。

そして、本当にありがとう、私の大切なあなた。

6/26/2024, 2:19:06 PM

『君と最後に会った日』
君と最後に会ったあの日から数年後
寂しい気持ちで連絡してしまった
会った瞬間は嬉しかったけど
すぐに軽蔑に変わった
『結婚して妻がいるはずなのに・・・』
聞きたくない貴方の浮気の武勇伝
あの頃から変わっていないんだね
貴方に惚れてたから
二人の絆を信じてたから
あの時が辛すぎた・・・
今は選んで貰えなくて良かったと心底思った
洗脳?マインドコントロールが解けた瞬間だった
今日が本当に、君と最後に会った日になった

6/26/2024, 2:17:30 PM

【君と最後に会った日】

あれが最後だとは思っていなくて…

最後の会話はなんとなく覚えている
でも詳細までは、はっきりしない
なんて台詞を吐いたっけ?

数年経って少し大人になり
決心ついて話したいと思った時では遅かったよ

もう繋がる事がないとわかって悲しくて
後悔して…

生きてると
後悔の連続で…
なんで人は後悔ばかりが鮮明なんだろう

学ぶ為?
学ぶこともあるけれど
傷ばかりが深くなる

6/26/2024, 2:15:22 PM

僕はね生活が苦しいんだ
給料が入っても
取られ取られ
減らされる一方
貯金?
そんな余裕無い
節約?
もう限界
解決策?
そんなものない
メガネが死ぬとか
アホどもが殺されるとか
僕はね
自分で言うのもなんだけど、
優しい方だと思うんだ
他人が喜ぶ顔が好きだし
頑張っている人を見ると応援したくなる
そんな僕でも
彼らの顔を見ると
殺意が湧く
僕が1年働いでも手にすることが出来ない裏金を
あいつらは平気で使ってる
笑いながら法定改正をテレビで放送
見かけたら殺してしまいそうな程に
ぶっ殺したい
人間は要らない
ほんとにそう思う
人間がいるから
地球も腐っていく
この辺でもう一度滅んどけばいいんだ
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねクソダボメガネザル

6/26/2024, 2:13:04 PM

君と最後に会った日
なぜか居酒屋だったねw
吉祥寺の。
別れてしばらくたった日に突然w
私は途中からなんだか苦しくて、しんどくなって帰ってきてしまった。
私から別れを切り出したのにね。
二人きりじゃなかったから良かった。
ひとりぼっちにさせるのは申し訳なかったから。
もうきっと出会うことはないと思う。
言えなかったけど、彼女にしてくれてありがとう。
幸せにしてくれてありがとう。
傷つけてごめん。
本当は今でも…
なーんてね。

6/26/2024, 2:12:54 PM

お題「君と最後に会った日」


「飲みに行こうよ」

 五年程前だったか。ぱったりとお酒を飲むことを止めてしまった君に、そう声をかけるのはいったい何度目のことだろうか。

「行かないよ」

 間髪を入れずにすげなく断られるのも、いったい何度目のことだろうか。もうお決まりのようになってしまったつれない返事に、ちぇーっと唇をつき出しつつ、子供じみた態度でふてくされて見せる。ついでに床に大の字になりつつ、じたばたと手足を動かし、駄々をこねてるの代名詞と言っても過言ではない動きも付け加えておく。

 彼は可哀想なことに私の奇行を見慣れてしまっているので、特に戸惑いもせず「今日は掃除機かけてないから床汚いよ」と一言。そうか、床汚いのか。身を呈してまでモップになりたいわけではないので、素直にむくりと体を起こした。唇をつき出しているのはまだ継続中だ。
 そんな私を見て、彼は困ったように眉を下げて、

「僕が禁酒中なのを知ってて、毎度毎度飽きもせずに声をかけてくるのは、何というか。そうだな、君は性格が悪い」

 そう言って苦り切った笑みを浮かべた。
 他人に対して「性格が悪い」と真っ向から言える人間の方がよほどどうかと思うが、それを言ったところで水掛け論に終わりそうなので話の主軸をずらしてみる。

「でもお酒好きでしょう?」
「大好き」
「浸かりたいくらい好きでしょう?」
「浸かるくらいなら飲みたいかな」
「浸かってるうちに誤って溺れてもいいくらい好きでしょう?」
「酒に溺れるというのはそういう意味ではないよ」

 水掛け論ではなくなったが、実りのない会話に終わる結果なのはどちらにせよ変わらないようだ。何の成果も得られなかったからモップになりたい、もとい床で転げ回るくらいしか鬱憤を晴らす方法がないなと思ったので、もう一度身を投げ出そうとすると、止めるように彼が私の両手を握って座らせる。振りほどこうと緩く手を振ったが、ぎゅっと握られている。
 離してくれるつもりはないらしい。離してくれないならと、手遊びを始めることにした。せっせっせーのよいよいよい、と掛け声をかけるとえぇ……?と彼から珍しく困惑の声が上がった。聞こえなかったことにする。
 そうやってしばらく手遊びを続けていると、ぽつりと

「僕の酒癖の被害を一番被って、一番迷惑してるのは君なのに」

 そう、ちょっと申し訳なさそうな声色で、それでいて聞き分けのない子供に言い聞かせるように彼は言った。
 確かに、彼はお酒を飲むと人が変わる。おそらくかなり酒癖が悪い方に分類される人だ。とは言っても、暴力を振るったりはしないし暴言も吐かない。セクハラをしたりもしない。ただ、

「べちゃべちゃに泣いて懺悔し始めるくらいが何だっていうの」
「止めなよ、わざわざ口に出して言うの」

 すさまじい程の泣き上戸だ。その酒癖を突き付けられ、君は複雑そうに口の端を歪める。酔っている間のことは記憶にはないらしいが、他人からの評価で知り、色々なところで同じことを繰り返しているのを知り、   そして「迷惑をかけたくないから」と言って、飲むことをすっぱりと止めてしまった。
 でも、彼が酔っ払ってやることは、本当にそれだけなのだ。

 こういうことがあった。僕はそれが悲しかった。
 ああいうことがあった。僕はそれが悔しかった。
 どうすれば良かったんだろう。こうすれば良かったのに。
 つらつらと吐き出しながら静かに泣くだけなのだ。

「わたし、あの君も好きなのにな」
「君は本当に性格が悪いね?いや、悪いのは趣味かな」

 手遊びに興じていた手は、「そろそろご飯作るよ」の声掛けと共に彼の方から離された。すっと立ち上がって台所へと向かう彼の背中を眺める。

 本当なのに。
 君は普段は絶えず穏やかに笑っていて、何でも器用にこなしてしまって、いつの間にか色んな人に頼られがちな人だ。頼る筆頭は私なんだけれど。
 でも、君はお世辞にも朗らかとは言えない、どこか影が差す人でもある。頭の中ではややこしいことを絶えず考えていて、それを口に出せずに独りで静かに泥濘にはまっていく人だ。
 そんな君が酒に酔ってやっと、箍が外れてやっと、頭の中にだけあった考えを、後悔や懺悔を吐露して自分を責めてさめざめと泣く。
 それに安堵を覚え、そして好ましいと思うのは、多分そんなにおかしくはないと思う。
 君が独りで抱え込んでいる重荷を下ろして私に少しだけ分けてくれる、その瞬間が嫌いなわけがない。

 私が「君は頑張っているよ」と頭を撫でれば、涙でぐちゃぐちゃになって上手く喋れない状態で、聞き取れるかどうかもわからない小さな声で「ありがとう」と返してくれるのを、愛しいと思って何が悪い。
 それに、いつも君を頼ってばかりの私が君に頼られて、君と対等な関係なのだと実感出来るのはあの瞬間くらいだったのだから、その瞬間を手離したくないと思うのだって、ある意味当然のことなのだ。だと言うのに、

 酒に酔った弱い君と最後に会った日は、もう五年も前だ。
 重荷を最後に分けて貰えたのはもう、そんなに前だ。

 またあの弱い君に会いたい、いや絶対に会う、と決意を固めながら。
 私は晩御飯が出来上がるのを待つ間、彼に酒を飲ませる計画を綿密に練ることにした。

6/26/2024, 2:11:44 PM

私たちの日々には
どれだけの 最後 が転がっているだろう
どんな 最後 が散りばめられているだろう

人間の世界には
どうしても終わりが存在する
それは生と死であり
出会いと別れかもしれない

どんな最後でも
どんな終わりでも
素直に受け入れられたら
ありがとう って言えたら
そんな人はきっと、
素敵な 最初 に出会えるのだと思う

わたしは 君に会えたあの日
君を見つけたあの日
終わりというものから逃げたけど
今はちゃんと受け入れた
認めたくは無いけど
もう会えないとは信じたくないけど
出会ってくれて、 ありがとう
またいつか 会えると願うよ。

_ ₁₈₁

6/26/2024, 2:11:08 PM

"君と最後に会った日"

それは、雨の後の晴れた日の朝だった

特別珍しい天気という訳ではないけれど、見ると嬉しくなる。そういう日。

明日は晴れるかな

晴れたらまた貴方に会えるかな

梅雨を我慢しているんだから、たまにはいいでしょ

君のことを言っているんだよ、虹さん

6/26/2024, 2:11:03 PM

「君と最後にあった日」

 夏が終わっちゃうのが寂しいんだ、と言っていた。
「もう、行かなくちゃ」
 僕はそれに答えることができなかった。君のひらひらのスカートの裾と、小麦色に焼けた君の足だけがちらちらと見える。
「……」
 お互いに黙りこくった。きっと君は僕の言葉を待っていたのに、僕は何も言えなかった。
「ばいばい」
 いつも通りの別れの言葉。君のスカートの裾が見えなくなって、僕はようやく顔をあげた。
「……!」
 夕日が僕と、君を乗せた車を照らす。君の顔は逆光でほとんど見えなくて、君を送る言葉ひとつ言えなかった僕への罰だと思った。
「またね」
 そう言えたのは、もう君が遠く見えなくなった後だった。

6/26/2024, 2:05:38 PM

【君と最後に会った日】


君と最後に会った日が
僕の命日だ

6/26/2024, 2:03:52 PM

君の声は明るくて優しかった。
(どんなに疲れていても関係なかった。)
君の姿は私の理想だった。
(伸びた背筋、口角の上がった表情、前を見据える瞳)
君となら、自分を変えられると思った。

「そう、君とならと思ったんだけどなぁ。」

 運動系アプリのアップデート通知を見てしばし自己嫌悪に陥る。私好みのキャラクターが一緒に運動してくれるそれを買った時は確かまだ寒かったはずだ。

 君に最後に会った日は一体いつだっただろうか。
___________

お久しぶりですねの嫌味くらいは、言っても良いのよ。

6/26/2024, 2:03:26 PM

君と言うのを誰を連想すれば良いかわからないけど、自分なりの思い入れから書いてみよう。
あれは、とある職場で、初めて彼にあった。澄んだ目、恥ずかしそうにうつむく姿そして、意外な事に関西弁。

私と同僚二人で話しながらお昼を初めて3人で取り、同僚が話をしやすい環境を取った。それから何年か、彼は他部門ではあったけど、わからない事を私に聞くようになり、私も彼に気持ちが揺らぐ事もあった。

ところが、彼には同棲している恋人がいた。私は怒った!現実を突きつけた!意外な事に彼は、えっ?の顔。
そして、聞いてみると、苦労を共にしている素敵な恋人の存在を少しずつ話しするようになった。

そして、関係は悪化する事なく私は彼と恋人の毎日を聴いてはアドバイスした。まるで、世話焼きおばさん。

それでも、楽しかった。ずっと働くと思ってた。なのに、会社は人件費を削るため派遣切りをして、派遣の彼とは別れを余儀なくされた。
私は、彼に最後のお願いをした。日々会社で使っているコーヒーカップを譲り受けた。

最後は、握手して、お礼を言った。明るい未来を願った。素敵な時間、素敵な思い出。

6/26/2024, 2:03:06 PM

最後になると分かっていれば
尤もらしい別れを告げたのに
「また明日」なんて馬鹿みたいに
言うことは無かった
あの日、無邪気に遊ぶ君の
いつもより少し寂し気な顔に
僕は気づけなかった
人間とは愚かなもので
明日は当たり前にあると
当たり前に思っている
僕も思ってたんだ
次もあの子に会える。と
そんな思いとは裏腹に
君はいなくなった
幼すぎた僕を置いて


君と最後に会った日

6/26/2024, 1:59:41 PM

“君と最後に会った日”


その日のことを僕は全然覚えていない。
覚えているのは、いつもだったら握り返してくれたはずの白くて細い、タコだらけの指が力なくすり抜けていったことと、指と同じ白くて細い背中が気だるそうに見慣れた制服を纏っていく様子と、それからいつだって僕の背中を押してくれた凛とした声が告げたさよならの言葉だけ。
それから僕はどうやって一日を過ごしたのか全然覚えてない。気づいたら一日経って、二日経って半年経って、そろそろ一年が経つ。
今日も僕の一日はけたたましい目覚ましの音から始まる。
どれだけ朝が弱くても、前みたいに起こしてくれる人はいないから。とびっきり煩い目覚まし時計を作ってもらった。
目覚まし時計を止めて、夜中(よるじゅう)つけっぱなしの電気を消して狭いシングルベッドから抜け出す。
真っ暗闇は、まだ苦手だ。
前も後ろもわからなくなって狼狽する俺を優しく宥めてくれた白い指先はもういない。だから電気を付けていないともう眠れないのだ。

顔を洗って、栄養補助食品とコーヒーのペットボトルを持ってきてパソコンを起動させる。
人付き合いが得意じゃない僕は昔から数少ない友人のツテで、在宅でできるプログラミングなんかをして生計を立てている。最近は友人を介さないところからも依頼が来るようになったので、毎朝のメールチェックは欠かせないのだ。
幸い今日は仕事関係の新着はなかった様でホッと胸を撫で下ろす。メールとはいえ他人とのやりとりは疲れる。
嫌なことを言われても、理不尽な依頼をされても、隣でバカバカしいと一蹴してくれる彼女がいないとメールを開くことすら億劫になる。
さて、新しい仕事がないとなると何をしようか。返事待ちをしていたものを勝手に進めてしまうか。コーヒーを片手に適当にメールボックスを弄っていると、プライベートのアカウントにメールが届いた。
送り主は、今はあんまり関わりたくない親友だった。
体調崩してないか、大丈夫か?とまるで母親の様なメッセージと共に、大事な話があるから近々家に行っても良いかという一文が目に入って眼の前が真っ暗になるみたいだった。

大事な話なんて、この歳になればイレギュラーさえなければ一つしかないじゃないか。
彼に最後に会った日がフラッシュバックする。
心配そうに僕を覗き込む彼はいつもどおりの彼で、片手に僕がお願いしていた目覚まし時計を持っていた。
朝日が登ってから何時間も経っているのに家中の電気を付けたままソファで丸まっている見るからに寝不足の僕はとてもじゃないが、正気には見えなかっただろう。
酷く心配をして身の回りのことを色々と手伝ってくれようとした彼を何とか丸め込み玄関の外まで連れて行くと、そこには見慣れた車が停まっていた。

彼の背中を押すように出てきたのは不幸中の幸いだったかもしれない。
見慣れた車から、見慣れた細い身体が出てきて聞き慣れた声で僕じゃない男の、目の前の男の名前を呼んだ。
名前を呼ばれた目の前の男は当然の様に親しげに彼女の名前を呼んで手を振っていた。

本当はわかっていた。
さっきまでとは打って変わってあっさりと帰ろうとする幼馴染と、僕の方をチラッとみて久しぶり、体調気をつけなよと呆れたような口調で言う彼女が想いあっていたことを。
それでももしかしたら、なんて思っていた自分の浅ましさを嫌というほど思い知らされた。

じゃあね、と何とか言葉を絞り出して見送った彼女の背中が、あの日の背中を上塗りしていく。

次に家に来る時には、きっとあのタコだらけの細い指に彼とお揃いの指輪をしてくるんだろう。
あの凛とした、僕の背中を押してくれる声で僕を崖から突き落とすのだろう。

会いたくない。そう思う気持ちとは裏腹に指はカタカタと文字を打ち込んでいく。わかった、部屋を片付けなきゃいけないから早めに教えてね。
エンターキーを押す音がやけに明るく部屋に響いた。

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